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PS4 RPG ★★☆☆☆ FPS TPS

【RDR2 レッドデッドリデンプション2】レビュー/評価/攻略:圧倒的な作り込みで魅せるどんな一本道RPGよりも不自由な移動ゲー

投稿日:2019-01-03 更新日:




はじめに


GTAの制作陣が送り出すもう1つのオープンワールド超大作。
データサイズ約90GB。ディスク投入からプレイ開始まで4時間かかる。

あらすじ


舞台は1899年、アメリカ。無法な開拓時代が終わり、法執行官がギャングを一掃し始めた頃。
主人公はアーサー・モーガン。ギャングのボス・ダッチの右腕的存在。
ダッチのギャング団が西部の町で大がかりな強盗に失敗した後、雪山に逃亡してきたところから物語が始まる。


ゲーム開始からいきなり逃亡中。猛吹雪の中、謎の敵対組織の話も出て大変な状況。


無法な時代に終わりが見え、ギャングには「俺達の時代は終わった」的な寂しさが漂ってる。
生きるために団結し、物資を奪うだけで必死。もはや大口を叩く余裕もない。


主人公のアーサーはボス(画像左)の右腕というだけあり腕っぷしが強い。得意分野は盗み&殺し。
英語リスニング力ゼロの自分でもわかるガサツな喋り方。ロッキーみたい。


アーサーの人物背景や考え方は物語を進めると徐々に明らかになる。元カノが美人とか。


ギャングに入ってるからといって楽はできない。それぞれが稼ぎ、組織に寄付して貢献する必要がある。


メンバーは各地に散り、ギャングらしく各々の得意分野で様々な悪行を働く。
それを手伝うのが主なメインクエスト。

無法な時代


のどかな風景の中で揉め事が絶えない。その揉め事もこの時代ならではの雑さ。


テキトーな絡みで殴り、殴られる。くっだらねー喧嘩の連続。


法や警察力はほぼ機能してない。力で解決。


グラセフの車強盗ならぬ「列車強盗」で大金ゲット。
言うことを聞かない乗客は痛めつければ良い。


ステルスミッションでミスっても失敗にはならず「なんてこった、ならお前の好きな方法でやれ!」みたいに言われて結局ドンパチで解決できる。

時代背景について


「アメリカの禁酒法」
酒の醸造、販売、飲用を禁止したトンデモ法。

本作はギャングを描いているので禁酒法、酒絡みの話が多い。
史実では1919~1933年施行だが、1899年を舞台にした本作では既に施行されてる。

施行された結果、
・禁止されたことでかえって酒の消費量が増加
・ギャングが酒の密造で利益を得て勢力を拡大
・家庭のバスタブで作ったような質の低い酒が出回る
・酒類の税収が無くなって資金難
こうして事態は悪化。1932年の大統領選挙で禁酒法改正派のルーズベルトが勝利し、翌年に撤廃された。


酔っぱらいを助けたと思ったら、


今度は自分が飲み過ぎて事件を起こす。
この後、ゲロと泥にまみれた最悪な朝をむかえる。


そして酒を振る舞う。この後、敵ギャングに襲われてまた大乱闘。

さすがに「なんでどいつもこいつも酒好きなんだ」とウンザリしてくるが、この時代はまともに飲める水が無いのでとりあえず酒飲んで喉を潤したという事情もあるんだとか。


「アメリカのフェミニズム」(性差別撤廃運動)
19世紀半ばから女性参政権を求める運動が盛んになった。禁酒法を押し進めた原動力でもある。

「アフリカ系住民に対する差別」(黒人差別)
16~18世紀、イギリスはアフリカ系住民を奴隷としてアメリカに売って利益を得た。(三角貿易)
特に多く買い入れたのがアメリカ南部。黒人奴隷は個人の私有財産として人間扱いせず、単なる農業の労働力として働かせた。そのため南部は黒人差別が根強い。

奴隷で利益を得て豊かになった南部と、工業中心なので労働力がそれほど必要ない北部の軋轢が次第に広がり、1860年の大統領選挙で奴隷制が大きな争点になった。結果、奴隷制反対を唱えたリンカーンが当選。

これに南部が猛反発。南部の州は次々とアメリカ合衆国からの脱退を宣言し、南軍の先制攻撃によって南北戦争が勃発した。
戦争はドロ沼で長期化したが最後は総合力に優る北軍が勝利。両軍合わせて50万人近くの戦死者を出したアメリカ史上最大の戦いは開戦から4年で終結した。

戦後、奴隷制は崩壊。南部諸州は北部の占領下におかれて黒人に投票権が与えられた。
しかしたった十数年で揺り戻しが起き、1890年代から南部州で有色人種に対する隔離政策が立法化。奴隷制こそ無くなったが差別は再び強化された。

 

広大なマップ&大ボリューム


オープンワールドなんてメインクエストだけ進めれば10時間前後でクリアできるのが普通。
本作はその3倍、30時間はかかる。1クエスト終わると1%進むペース。1クエスト20分×100=30時間。


圧倒的な量×質。
建物の中に入れるだけで凄いのにこの作り込み。店主も何かずっと喋ってる。


NPCと会話可能。相手の方から絡んでくることもある。
汚いオッサンや商売女(売春婦)とのコミュニケーションを存分に楽しめる。


のどかな風景が広がる広大なマップ。派手さは無いけど美しいグラフィック。
周囲が暗いフィルタのせいで最初はちょっとボケ気味かなーと思ったけど、やればやるほどハマる味わい深さ。


天候・時間帯の変化も綺麗。


最初は広大な白銀の世界が広がる。どこを見渡してもヒザまで埋まる深さの親雪。通った跡や足を取られる動きがリアル。サクサク感が気持ち良い。
スー、ハーと白い息を吐く様子が本当に寒そう。

 

移動ゲー

「~についていけ」「~に行け」


「馬に乗れ」「~についていけ」「馬に乗れ」「~についていけ」の繰り返し。
移動シーンが非常に多い。移動中の「間」を楽しめない人はこのゲーム無理。


ミッション開始地点までNPCについていくことが多い。この移動時間が長いのなんのって。
移動距離はたいしたことないけど、なんせ馬だから遅い。


どんな1本道RPGより不自由。
移動中、山のような台詞を強制的に聞き続けるだけ。操作できない移動シーンすらカット不可。
シーンが変わるたびに3~5分のカット不可デモが入るようなもの。「約50万個の台詞、30万種類の個別アニメーション、GTAVの10倍のカスタムアニメーション」とのことだが、こんな形で見せつけられても困る。


長い時間をかけていざ目的地に着いたらウサギ撃つだけとか、オッサンぶん殴ってすぐ終わる。銃撃戦も単調。


ファストトラベルはキャンプ内専用なのでミッションの帰りは自力。
キャンプは主なクエスト開始地点なのでここから移動シーンが始まることが多い。そのためキャンプからワープできることの意味が薄い。

ファストトラベルを使うためには宿泊施設のアップグレードが2回必要。金がかかる。
アップグレード画面(帳簿)が何をすれば何ができるようになるのか分かりづらい。攻略情報無しではファストトラベルが使えることにも気づかない。

ファストトラベル自体、非常に使いづらい。行ける場所が少ない上、地名が一覧表示されるだけでマップにマークが出ないためどこがどこだかさっぱりわからない。

シネマティックカメラ


いつでも複数の固定カメラに切り替え可能。黒帯が入りシネマティックな映像に。
活用するとデモ画面がずっと続いてるような感じになるので「おおー」と思うけどすぐ飽きる。

この間、いわゆるオートパイロットが使える。
行き先を指定して切り替えればXボタンをテキトーに連打してるだけで道なりに進む。
操作は楽だが移動にかかる時間は変わらない。むしろ迂回するから遅い。


移動ゲーなので乗馬による移動がプレイ時間の大半を締める。
それだけに馬周りのシステムが凝ってる。あぶみを付け替えて俺の馬にして、武器を預けて「馬ホイール」で取り出すといった豊富な馬システムを搭載。
軍馬、競走馬など見た目・性能の特徴を持つ19品種。基本ステータスの育成可能。親愛度によってアクション増加。
ただ撃たれたりして死んでしまうとそれまで。苦労して育てた馬が消滅する。


乗馬しながら銃を撃てる。Xで加速しながらLR2で構えて撃つ操作はちょっと慣れが必要。

 

人を選ぶ作品

あえての無駄


できることが多いというより無駄が多い。
狩る・食うなどやってることはシンプルだが複雑・細分化されてるのでややこしい。
圧倒的な作り込みでリアルな面倒臭さを表現している辺りは【シェンムー】を思い出す。

序盤から雪崩のようにシステムを紹介されて戸惑うが、よく見ると「腹が減ったら飯を食え」「馬が汚れたら洗え」「武器を手入れしろ」とか、そんなもん勝手にやってくれと言いたくなる面倒なことばかり。

このゲーム、欲しいモノが特にない。武器は何でも良いし、アイテムは使った覚えが無い。
そのためサブクエや盗み・狩りをいくらこなしても見返りが無い。シェンムーのアイテム集めと同じ、ただの暇つぶし。


指名手配の判定がシビアなので自由行動中も好き勝手はできない。
理由もよくわからないまま指名手配され、索敵範囲外まで延々と追い回されるハメに。追っ手を倒すと懸賞金がアップしてしまう。
逃げ切っても手配状況はそのまま。取り消すにはなぜか自分で自分の懸賞金を支払う必要がある。


投げ縄で締め上げれば不殺(ころさず)も可能。完全に無駄。

もったり挙動


ubisoft製TPSのようなグニャグニャ系ではなくもったり系。何をするにもリアルに遅い。


急斜面では滑り、段差があるとコケる。馬で全力疾走中に木や岩にぶつかると転倒して大ダメージ、最悪死に至る。


ダッシュのレスポンスも悪い。
さらにキャンプ内ではなぜかダッシュ不可。まるで水中を移動しているような遅さでイライラが半端じゃない。
確かにキャンプ内で全力疾走してたら変だけど、演出のために快適さを犠牲にしすぎでは。


銃撃戦が非常に単調。レベルデザインもへったくれもない。同じことの繰り返し。
NPCがやたら強いので面倒なら先行させて暴れてもらうと良い。

強力なオートエイム(デフォルト設定)で射撃戦で敵に遅れを取ることはない。
L2で構えたときに補正が効くのでテキパキと構え直すのが照準合わせのコツ。本作に限らずFPS・TPSはたいていこの仕様。


難易度設定は無い。3回失敗でミッションスキップ可能。
ダイナマイト自爆を繰り返せば移動シーンもカットして手っ取り早くクリアできる。でも楽しくはない。

最初「リスタート」(□)と「リトライ」(X)の違いがわからなくて参った。UIこそちゃんと翻訳してくれ。
・リスタート:クエスト最初からやり直し
・リトライ:チェックポイントから

中盤まで耐えられるか


進行に応じて行動範囲が大きく広がりチャプターごとに別世界が広がる。クエストの内容は後半ほど面白い。

しかし初見でそんなこと知る由もないわけで、中盤までどのタイミングでゲームを投げてもおかしくない。ずいぶん思い切った構成だと思う。


2時間近くかかるチャプター1はほぼチュートリアル。
仕事終わりに「さあゲームするぞ!」とPS4を立ち上げてこのまったり展開が続くとキツい。
前情報なしにプレイ開始したので、本作は雪山で完結すると思ってた。


続くチャプター2だけで並のゲーム1本分のボリューム。
ストーリーは動かないしミッション内容もアクビが出るほど退屈。いくらクリアしても終わらない。心折れそう。
このまったりペースで十時間以上プレイできる人がどれだけいるのか。


ようやく楽しくなってくる中盤、チャプター3まで耐えられるかが問題。最初からこれぐらいのテンションでやってくれ。
それでも移動ゲーなのは変わらないのでダメな人はずっとダメだと思う。

正直な話


元も子もないことを言えば、西部開拓時代という舞台自体に興味が持てない。西部劇の映画やドラマも見たことないし。
「じゃあ何で買ったんだ」って話だけど、大々的に宣伝されてるからとりあえず買った人も少なくないはず。

本場アメリカの人間じゃないとわからない部分があると思う。日本人にとっての時代劇モノみたいな。
だって西部開拓時代にノスタルジーなんて感じないでしょ。完全に別世界でしょ。
アメリカかぶれでカッコつけるのやめようぜ。

 

おわりに


作り込まれた西部劇な世界を、時間を忘れてゆっくりまったり味わう唯一無二のゲーム。
そんな心の余裕がない自分のような人間には不向きな作品。サクサク進めたい、常にアドレナリン出していたいような人も無理。

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