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デスピリア【評価/攻略】DCの隠れすぎた名作 気持ち悪すぎて気持ちいい

投稿日:2018-08-01 更新日:





当時中学生だった自分の心(マインド)にグサリと撃針を撃ち込んだゲーム。

出来のわりに知名度が低い作品のことをよく「隠れた名作」と言うけど、デスピリアは「隠れすぎた名作」。気持ち悪すぎて気持ち良い本作の魅力を、思い出補正込み、ネタバレ少なめで紹介。



隠れすぎた名作、デスピリアとは

運命の出会い

初見では絶対に手が出ないジャケット。
「デ・スピリア」なのか「デス・ピリア」なのかもわからない。

全くノーマークだったけどゲーム好きの同級生の勧めで購入。
勧めた同級生は典型的な辛口ゲーム批評家気取り野郎。せっかく買ったのに「へー買ったんやー」ぐらいのリアクションで、そいつも結局買ってない。

今まで生きてきて1人も本作の話が通じる人に出会ったことがない。だからしょうがなくブログを書いている。

おい、あのときの同級生見てるか?

 

発売元がアトラスだから女神転生みたいな作品だと勘違いして購入。プレイしてすぐ別物だとわかった。タイトルでスタートボタン押すと「ぐぅわぁぁぁぁぁー」と叫び声。いきなり様子がオカシイ。

プレイ中は「俺は今すごいゲームをやっている」と誇らしい気持ちだったのを覚えてる。
クリア後はしばらく余韻に浸ってた。意味はよくわからないけど「俺はみんなの知らない凄い世界を体験したんだ」と。

 

開発は「電脳映像製作所」。本作は「ダークメサイア」(PS)の続編として制作されたらしい。「バロック」(SS)、「クーロンズゲート」(PS)が同系統だと言われている。

 

じわじわくるホラー&ADV+RPG

「心とはなにか?どこから生まれるのか?」
ブレードランナーや攻殻機動隊などのSFモノでおなじみのテーマ。それをサイバーパンクな世界を舞台に「心を読む」という独自の切り口で描く。

 

基本はADV(アドベンチャー)。
探偵のように情報収集して話を進める。

調べられる対象を自動的にロックする「スフィアシステム」で簡単操作。
「Dの食卓」のように主観視点で固定ポイントへムービー画面で移動する。

脈絡のないフラグがほとんどなので片っ端から調べていく。

 

最大の特徴は「マインドダイブ」
人の心や色んなものにこびりついた「残留思念」を読むことで情報収集。

考えてることが丸見えでさぞ楽しいかと思いきや、深層心理はひたすら闇、闇、闇。明るさや救いなんて無い。暗黒面をひたすら覗くのみ。

 

移動中は場所によってランダムエンカウントで戦闘。要所でボス戦あり。
キモいプリレンダの敵キャラと具現化されたマインド(仲間)が動きまくるので戦闘画面は大迫力。敵のオーバーなリアクションが面白い。主張が激しい緊張感のある戦闘BGMも秀逸。

経験値でキャラを育成・仲間を作成。本格的なRPGとしても楽しめる。

 

主人公「アルーア・バレンタイン」

教会の剣として教皇の命のもと異端者を始末する最強のマインド使い。
この世界では美少女。

その強力すぎる能力のため、どう見ても一番まともな外見なのに化物に化物呼ばわりされる。

当初は教会に忠実で融通がきかないカタブツだが、色々な出来事を経験して次第に考え方や性格が変わっていく。その過程がストーリーの肝であり、見どころ。

 

オープニングムービーで鼻から蟲を吸い込んで鼻血を出すアルーアさん。

 

舞台は2092年。
2070年「詩篇戦争」から22年後、荒廃した「大阪」新世界が舞台。アメむら、せんば、天満橋などの地名が出てくる。
詩篇戦争についての詳しい説明は無いけど、とにかく1回めちゃくちゃなことが起きて価値観が崩壊した世界、ぐらいの理解でOK。

 

1章冒頭でいきなり列車事故に巻き込まれ、登場人物が次々と死んでいく怒涛のグロ展開。
SEの9割は悲鳴。「ぎゃー!ひゃー!ヴボォー!」の連続でいつの間にかみんな死んでる。

 

閉鎖空間で変なキャラのオンパレード。ヤバいゲームに手を出しちゃった気がするけど妙な魅力があるので後戻りはできない。

 

章ごとに舞台が変わる。
ようやく土地に慣れた頃に次の章に移るので気が休まらない。
何章あるか知らなかった当時、いつまでこの地獄が続くんだとウンザリしながら楽しんでた。

事故から生還して安心できるかと思きや、2章は青空の下さらに不穏な空気が流れてる。息苦しいような圧迫感があり、ある意味1章よりしんどい。
結局この世はどこも地獄らしい。

 

その後も進めば進むほど鬱展開。

 

長い3章で意味深な長台詞を連続して聞いてるうちにストーリーを見失ってしまった。
まあ大筋はわかりやすいし、ざっくり読むだけでも十分雰囲気を味わえるからOK。

台詞は早送りできるが、もっさり移動にもっさり戦闘、スキップ不可のマインドダイブ。独特のじとーっとしたリズムで進行する。
ゲームオーバーになって大きく戻されるとかなり萎えるのでこまめなセーブ推奨。

 

気持ち悪すぎて気持ちいい

本作を表現した有名な格言がある。

「この世界には3種類の人間しかいない。それは狂った人間、人造人間、狂った人造人間」

 

不気味なキャラデザ、気持ち悪い台詞、重々しいグラフィック。
ゲームの雰囲気がとにかく重い。誰も信用できないのでどこに行っても一瞬たりとも安心できない。1時間もプレイすると精神的にどっと疲れる。

 

マネキンみたいなレンダリングだから表現できる気持ち悪さ。
この絵だと生身とマネキンの区別がつかないため両者の境目が曖昧になり独特の世界観を作り出す。

化物みたいな奴ほど生き生きしているため、まともな人間の方がマネキンに見えてくる。

 

戦闘画面のプリレンダアニメもキモい。

 

目をそむけたくなるようなクリーチャー。

 

グロを通り越してもはやギャグ。

 

可愛いペットもこれ。

 

人間もパンチ効いた奴ばかり。慣れると普通の人がむしろ普通じゃない気がしてくる。

 

マインドを見る&壊す

マインドダイブ

「殺」「死」「恐」「痛」といった言葉が踊る。この間ずっと不穏なBGM、SEが鳴る。

世の中には見えない方が良いこともある。下手に心を覗いたら気づかれて戦闘になったり、酷いときは強烈にネガティブな思念に襲われてHP1にされたり。

 

最強のマインド使い、アルーアさんに隠し事はできない。
ときには相手の頭の中を弄って大人しくさせることもある。

 

ちょっとした良心が凄く希望に見える。
もうこれだけで生きていけると思えるほど。

 

マインドバトル

精神を具象化したマインドで戦い、相手の思念を砕く。

 

会話画面では普通の人間だったのに戦闘画面ではクリーチャー化。脳内イメージなのだろうか。

 

戦闘の爽快感はあまり無い。与えるダメージが少ない上に敵の回避率が高い 。特に前半はアイテムや開放(マインド自爆)以外の攻撃がほとんど通らないのでツラい。

 

マインドは女神転生でいう仲魔みたいなもの。敵が落とす「記憶素子」で作成&強化。
グロい奴しかいないけどそのうち可愛く見えてくる。

 

スキル継承もある本格派とはいえ、女神転生クラスの仲魔合成を期待すると拍子抜けする。全60種類だが、モデルは色違いの使い回しが多い。
「ADVだと思ってプレイしたら本格的なRPGの育成・戦闘要素があってラッキー」ぐらいの気持ちで遊ぶのがちょうど良い。

 

マインドは4属性。「怨、愛、死」の3すくみ&絶(&神)。

マインド作りの自由度は低い。
同一マインドは作れない。記憶素子の稼ぎはできないので入手数が限られる。そのため「怨・怨・怨・怨」みたいな偏ったパーティーは作りにくい。

役割分担で複数作り、良さげなアビリティを継承しながら強化でLVを上げるだけ。
アタッカーの怨マインドを1、2体。継承はバフ・デバフ系を選べば間違いない。

 

マインドの耐久力は低く、燃費も悪い。全体回復手段も限られてるし回復量が間に合わない。
しかし控えに回すと2ターンほどでHP・MP全快。異常状態も回復。この入れ替えの便利さに気づくと一気に難易度が下がる。

 

バトル周りに難あり

ランダムエンカでザコ戦が面倒

移動中のランダムエンカが探索の邪魔。
しらみつぶしに右往左往してる途中に延々と割り込まれるので萎える。
下水道、セクター12、病院みたいな危険エリアはエンカ率が高い。一回進むたびに戦闘。

「サブイベをこなす→経験値と記憶素子が貰える→ボス戦が有利になる」だけの方が遊びやすいはず。
まあサブイベを作るリソースが無いから中途半端なランダムエンカになったんだろうけど。

 

ザコを倒す旨味が無い。
記憶素子を落とさないし、普通にやってればLV上げも必要ない。

効率を求めるなら逃走アイテム「タントラリング」で逃げるだけの作業。50個ぐらい買い込めば最後まで足りるが、逃げるまでの時間も長くてテンポが悪い。

周回特典でいいからエンカ無しになる装備品が欲しいところ。せっかく色んなイベントをみたり、1周目と違う遊び方をしたくてもランダムエンカがウザすぎて無理。

毎回、どこかでミスってフィロトーマ入手し損ねるからもう1周したいんだけどなー。

 

中盤から戦闘バランスがヌルい

システムに不慣れで、ダメージ源が乏しいの2章までは厳しい。苦しまぎれのマインド開放でなんとか倒せる感じ。

しかし3章後半ぐらいからこちらの戦力だけインフレしていく。
HP400で被ダメージ20では負ける要素が無い。「やる気あんのか」と敵に問いたくなる。

 

属性相性が悪くても半減する程度なので結局は火力がモノを言う。
どんなマインドを出されてもお構いなしにで怨マインド×2の全体攻撃ぶっ放した方が効率が良い。

石化、混乱アイテムは確定で刺さる。しかも値段安いからいくらでも使える。

 

弱い癖に一部のボスが回復で粘る。瀕死でアイテム使って全快したり、やたら硬いマインドが毎ターン回復技使ったりでウザい。
こちらも回復アイテム山盛り買い込んでるから長引くだけ。

ラスボス戦はマインド即死コンボでビビるが、アルーア単騎の3対1でもゴリ押しできる。

 

アイテムのコスパがおかしい。

装備品の値段、特に武器がべらぼうに高い。全財産つぎ込んでも足りない。買っても少し進行しただけでもっと良い装備が売ってて「こっち買えば良かった」みたいなことになりがち。そもそも、サポートに回ることが多いアルーアの攻撃力を上乗せしたところで大して意味がない。

対して消費アイテム「~珠」は固定50ダメージ。武器の金額で100個買える。ボス戦だけなら10個で足りるので武器に比べてコスパ良すぎ。

さらに隠しアイテム「禁断の書(5種類)」は消費なしで全体固定60ダメージ。1個入手すれば最後まで武器を買う必要が無くなる。

・スパイクニードル:アイテムとして使うと30固定ダメ。何度でも使える
・電念珠 : 50固定ダメ。消耗品だけど安い

 

「禁断の書」

最強の全体攻撃を何度でも使える反則アイテム。攻略情報なしではまず手に入らないのでオマケ要素に近い。

 

■入手方法

・外道の書(怨Lv.6)
2章。バーのマッチ入手前に、バザールの怪しい老婆を調べてトウコへ報告→あやしい老婆にダイブ。禁断の書についての情報を入手→セス司祭に話を聞きに行く(一番下の選択肢) →大聖堂の使役信徒にダイブ。
カーラシャーマン打倒後にもう一度地下水路を漁って邪悪な気配を調べる。

・異端の書(怨Lv.5)
3章。サン・メドク通りの階段裏で会えるキコの問いに「知らない豚→大好きな人の肉」。

・背徳の書(死Lv.3)
3章。ジョニー打倒後から廃ビルで殺し屋と戦うまでにアルベール工場のジアンに会う。前の会話が優先されるので貰えるまで何度も会う。

・涜神の書(愛Lv.3)
5章。セクター12、閉鎖ブロックの独房。

・堕天の書(絶Lv.3)
6章。再生の塔の本棚。

 

まとめ

約15時間でクリア。
3章が長くて少々中だるみするが濃厚な時間を過ごした気がする。
最高に気持ち悪くて、プレイした後は妙にスッキリ。これがカタルシス効果か。

 

隠れすぎた名作。
気持ち悪すぎてもはや気持ち良いデスピリアの強烈な魅力は、あらゆるプレイヤーの心(マインド)にグサリと撃針を撃ち込むはず。

お決まりの冒険とハッピーエンドな王道RPGに飽きた人や、バイオハザードみたいなお化け屋敷系ホラーなんて全然怖くない、って人は一度遊んでみては。







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