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RPG ★★★☆☆ PS2

【DDSAT アバタール・チューナー】レビュー/評価/攻略:2作に分けたのがもったいない ボリューム不足・消化不良・未完成な印象が残る

投稿日:2018-10-19 更新日:





続編:【DDSAT2】
【シリーズ別リンク】

はじめに

新しいメガテン


女神転生シリーズの完全新作。
グラフィック、システムは名作「真・女神転生3」がベース。
メガテン3の約1年半後、04/7/15発売。
続編「2」(05/1/27発売)と合わせて1本のシナリオ。前・後編の前編にあたる。

テーマ性の強いシナリオ。過酷な世界の中で個性豊かなキャラ達が織りなすハードなドラマ。
悪魔合体を廃し、かわりに新成長システムを導入。
従来のメガテンとは違う作品に仕上がってるので、メガテン3みたいな淡々とした雰囲気をイメージしてた当時は面食らった。

個人的な話をすると、
本作の攻略サイトで「お絵描き掲示板」に出会い、イラストを投稿したのが美術大学に入るきっかけだったりする。
そのためプレイ時間は多くないけど思い入れ深い作品。
絵板では何度も描きすぎて最後の方はキャラデザの原型が無くなってたような覚えが。

■あらすじ

雨の降り続ける世界「ジャンクヤード」。
ここでは複数存在する部族「トライブ」が、覇者のみが辿り着けるという楽園「ニルヴァーナ」を目指して激しい抗争を繰り広げている。


トライブ「エンブリオン」を率いるサーフ達は、戦いの最中に謎の物体から放たれた光球に貫かれ悪魔に変身する能力「アートマ」に覚醒。


謎の物体から現れた不思議な力を持つ黒髪の少女セラ。
悪魔化の後、次第に人間らしい感情が芽生えるサーフ達。
激しい抗争の後、サーフ達を待ち受ける真実とは。


オープニングデモから肉を貪り食う不快なグチャグチャ音が。
「こりゃハッピーエンドはたぶん無いな」と序盤からわかるハードさ。

■ダークでハードな世界

退廃的な近未来SF、マトリックスのような仮想現実、仏教の輪廻転生、「蜘蛛の糸」など様々なモチーフを連想させる。
ジャンルで区切れない、独自のダーク&ハードな世界。


無機質でありながら仏教やヒンドゥー教のようなモチーフがある。


荒廃して陰鬱な雰囲気の「ジャンクヤード」。
常に雨が降っており晴れ間がのぞくことはない。

一般市民はいないのか、どういう社会構造なのか。ジャンクヤードの外はどうなってるのか。その辺は一切が謎。
この世界の人々は「外に行く」「戦いをやめる」といった発想が持てない。
それには理由があるのだが・・・。

キャラ


悪魔絵師、金子一馬デザインのなんとも言えない無機質なキャラと悪魔が最高にハマってる。


Tバック!
ちなみにキャラがみんな奇抜な髪色なのもちゃんと理由がある。


メガテン3の流用ではない新登場の悪魔は攻めたデザイン。
「喰らう」が作品のテーマなので口が強調されてる。


おっぱいに口2つ。しかもおっぱいの口が喋る。
これでも敵に比べれば人形を保ってるだけマシ。


悪魔に変身したときの姿は固定なだけに、滑稽な姿になった奴には同情を禁じ得ない。


ラーヴァナはいくらなんでも変身前のキャラとかけ離れてる。可愛いすぎ。


サイズの大きい敵が多い。
仲魔システムが無いから巨大な悪魔を出せるようになったらしい。


新登場の敵はモーションも非常に個性的。
攻撃を受けると頭がとれて、いちいち拾ったり。


ゲッツ!

イベント


イベントはフルボイス。
感情を抑えたような無機質な世界だから感情豊かに喋るキャラが引き立つ。


オープニングデモでは気持ち悪いほど抑揚がなく棒読みなキャラ達が、次第に感情を持って人間らしい喋り方になるのがニクい演出。
特にアルジラ姐さんは極端。ロボットみたいな喋り方だったのに、いつの間にか敵の死に涙を流す熱い女になってた。完全に本作のヒロイン。


敵キャラも個性が強い。死んでからも余韻を残す。


主人公の白髪の人(サーフ)がトライブのボスである理由がわからない。
特別な能力があるわけでもなく、交渉とか作戦立案とかは参謀のゲイルがやる。
ストーリー的に必然性があるのだが、チームを結成した経緯も謎で納得感はない。ヒートが不満を感じるのもムリはない。


サーフは重要キャラの中で唯一、ボイスなし。台詞も無い。どんなに重要なシーンでも無言を貫く。
他のキャラが感情豊かで饒舌なだけに浮いてる。


選択肢があるので一応のリーダシップは感じられる。

 

システムの特徴

戦闘システム

■悪魔変身

固定のパーティーメンバーが悪魔形態に変身して戦う。
変身する悪魔はキャラごとに固定。
人間状態で戦うことも可能。状態異常に強いなどの強みもあるが、基本性能が弱すぎるのでめったに使わない。
奇襲されると強制的に人間状態で戦闘開始。一刻も早く悪魔に変身したい。

仲魔・悪魔合体はない。
敵は従来のメガテンのような「異世界から出現した悪魔」ではない敵組織の手駒や元人間なので仲魔にはできない。倒すか喰うだけ。

「ハント」
敵を喰らう「ハントスキル」で倒すと獲得AP増加&喰ったキャラがAP独り占め。
弱点を突いたりすると敵悪魔が「怯え」状態になることがあり、ハントスキルの効果が増す。
「弱点を突いて怯えさせる→ハントスキルで倒す」のが効率良い戦い方。
状態異常の敵は喰らいやすくなるが腹を壊すリスクあり。


敵の一部は元人間。それを喰らうのはなんだか後味が悪い。
「敵を喰らう」行為は作品のテーマでもある。

■プレスターンバトル

メガテン3で好評だった戦闘システム。
ゴリ押しが通用しない戦略性と、戦況が一気に傾く緊張感が特徴。
上手くハマれば敵に何もさせず一方的に攻撃できるが、リズムが狂うと何もできないまま全滅してしまうことがある。


行動回数にあたる「プレスターンアイコン」(画面右上)を消費して行動する。キャラ数=アイコン数。敵も同様だが、一部の敵は「~の眼光」というアイコンを増加させる反則スキルを使う。

「次に回す」などで半分消費した状態ではアイコンが点滅。
弱点を突いたりクリティカルでも半分消費になるのでより多く行動できる。
反対に攻撃を無効化されたりするとアイコン大量消費ですぐ自分のターンが終わってしまう。

本作の戦闘参加メンバーは3人まで。(メガテン3は4人)
3人=アイコン3つ。行動回数が少ないので1人の役割がより重要。
1人が弱点を突かれたり攻撃が1回スカっただけで大ピンチ。


「ウェイトスキル」
一度だけ特定の属性を無効化するシールドを張る。敵も使う。
本作をパズルゲーたらしめてる最大の要因。


上手いタイミングで使えば戦闘の主導権を握れる、というか使わないとあっさり全滅するので必須。


「リンケージ」
複数メンバーの合体攻撃。参加人数分のアイコンを消費。
敵も使う。明らかにリンケージで逆転狙いみたいな奴がいるのがヤバい。

■マントラシステム

曼斗羅(マントラ)を購入し、装備した状態で敵を倒してAP(アートマポイント)を貯めてマスターするとスキルを習得できる。

つい色んな属性に対応できる万能キャラに仕上げたくなるがそんな余裕はない。
特化キャラを揃えて相手に応じて交代した方が効率的。従来シリーズと違い、全員がアイコン1消費で即交代できる。
FF10の役割分担のようにメンバーの入れ替えで対応する感じ。

ターン消費なしで交代:【FF10ファイナルファンタジーⅩ】

盤面は全キャラ共通。
購入順は下位→上位と決まっており、上位ほど桁違いにコスト・必要APが高いので習得順の自由度はあまり無い。
全員が「物理・それぞれの属性魔法&防壁・+α」みたいな構成になりがち。
店売りの回復アイテムが強力なので回復役も曖昧。

メガテンにしては親切


・破魔スキルが即死ではなく割合ダメージ
・戦闘終了後、戦闘不能キャラがHP1で復活

・ゲームオーバー条件はパーティ全滅
主人公がムドで即死→暗転みたいなことはない。

・全アイテムを全員が使用可能。店売りの回復アイテムが強力
・大カルマ端末では回復可能。コストも安い

・セーブポイントが1フロア1個ぐらいこまめに配置してある。
だいたいイベント戦前にあるので初見殺しにあっても戻し作業は短くて済む。
しかもイベント戦前は親切に「この先に何かいそうだ」と警告してくれる。


ダンジョンの謎解きがわりと簡単。全体的に短い。


ぱっと見は複雑だけど、色々弄ってるうちに自分でもよくわからないままクリア。


ラスダンすら「もう終わり?」って感じ。
メガテン3のカグヅチ塔みたいにあの高い塔を登り続けると思ってたけど、エレベーターで気がついたら頂上。


とはいえ、親切に感じるのはメガテン3の理不尽さを経験してるから。
並のRPGと比べればやはり難しい。油断するとあっさり全滅する。

パズルゲー



メガテン3で賛否両論だったパズルゲーの傾向をさらに推し進めている。
プレスターンを採用した時点でこうなるのは必然か。

敵はあの手この手の搦め手でパーティーを崩壊させる。
行動パターンにランダム要素は少ないので攻略はパズル的。作戦&スキルの勝負。

・前ぶれもなくメギドラ連発
・クローズからのランタマイザ重ねがけ
・楽勝かと思ったら仲間呼びから大ダメージの合体技
みたいなのを平気でやってくるので対策が必要。
初見は全滅覚悟。なるべく行動パターンを引き出すつもりでとりあえず様子見。


いやらしい思考ルーチン。しっかり弱点を突いてくる。
ブフ系のバリアを張るとジオに切り替えたり、交代・復活で1人だけシールドがかかってないキャラや弱点属性をピンポイントで狙う。


HP残量、敵数、こちらの行動に応じて行動パターンが変化する。
特定の条件を満たして、俗にいう「発狂」パターンに入ると全滅は必至。
何のヒントもないので初見殺し要素が強い。


メガテン3のように敵が「~の眼光」連発で一方的に行動することはなくなった。
しかし「龍の眼光」から問答無用の「石化→殴る×3」などのハメは健在。


ザコ戦すら死闘。それぞれ得意の勝ちパターンを披露してくれる。
挑発×2→デガジャをかけられたあげく、その敵を倒しても増援が来て大ピンチ。


ボスはさらに手強い。高威力の全体攻撃、厄介な状態異常攻撃。
硬いので速攻もムリ。楽に勝てる奴は1人もいない。

 

ボリュームが少ない 消化不良


全体マップから片手で数えられるほどのダンジョンを選ぶだけ。

前編で終了


本作発売時点で、前後編の前編のみであることは告知してなかった。
突然エンディングを迎えて唖然としたのは自分だけではないはず。


本作が「伏線バラまき編」、続編が「ネタばらし編」にあたる。
そのため本作だけでは消化不良。数々の伏線も一作目だけでは理解不能。
戦闘が難しいのでクリアにはそれなりの時間がかかるが、シナリオは短い。


ヒロイン、セラの言動も理解不能。
「助けたい」とか言いながら常に助けられ、三角関係を作ってパーティーの仲を乱したあげく、急に姿を消す。
ただ腹が立つだけのキャラになってる。


イライラ~


しかもこの顔。

やり込み要素


サブイベで隠しボスが次々登場。
倒すと隠しマントラが解禁されるのでモチベーションが上がる。

当時はどこまで続くのか、何体いるのかとワクワクしたもの。
でもよく考えたらダンジョンは全部本編マップの使い回しやないかい。

ボスの強さは大したことない。ラスボスが倒せるならなんとかなる程度。
しかし、まさかあんな隠し玉を用意してるとは。

覚えたスキル、リンケージ、マントラ、プレイ時間を引き継いで周回できる。
2周目以降はエンディングが変わる、なんてことはない。

2周目限定の最後の隠しボスは当時(たぶん今も)RPG史上最強といわれた。
「難解なパズルを解いた上で運ゲー」という二段構え。
無効・反射・吸収スキルをつけてると開幕に全体即死「地母の晩餐」でご挨拶。

もちろん自分は倒したことがない。
当時、
「まあやってればそのうち倒せるだろ」→(数時間後)「やっぱ攻略見ないと」→(攻略サイトや2チャンで検索)「あれ?オカシイな、撃破報告すら無い
と調べれば調べるほど絕望した覚えが。

 

おわりに


2部構成を発売前に告知せず、あたかも完結した1本の作品のように宣伝してたので、発売当時に買った人には「ボリューム不足・消化不良・未完成」な印象が残った。

続編「2」は2で、本作をプレイして伏線を踏まえていないとあまり楽しめない。
2作に分けたのがもったいない作品。

メガテン3ベースだからそりゃ面白いけど、完全にパズルゲーと化している戦闘は好みが分かれる。
育成をやり込もうにも悪魔合体が無いのでマントラをマスターしたらやることが無い。

 

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-RPG, ★★★☆☆, PS2

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