「Richard Burns Rally」は難しすぎるし、ハンコンも持ってない。俺にはリアル系ラリーゲームは遊べないのか……と諦めかけたとき、Steamセールで眼の前に現れた神ゲー。
もくじ
DiRT Rallyとは
質で勝負のグラフィック&サウンド
シンプルに質で勝負のグラフィック。
コードマスター自慢のフィルターや、Dirt3のようなムダな演出がない。ラリーロケーションの美しい自然を堪能できる。
「こんなところに住みたいなー」「サイクリングしたいなー」とうっとり。
飾り気のない、シンプルに洗練されたUI。
「質の良いゲームをプレイしてる感」がある。
サウンドも凄い。
アクセルを踏めばエンジンがうなりを上げ、ブレーキを踏めばボディーがきしむ。当たり前のことがいちいち気持ちいい。
砂利、雨、雪など様々なコンディションの路面を走る音の臨場感も素晴らしい。
車内もこの作り込み。
視点による音の違いにもこだわっている。コクピット視点は車内ならではのこもった音。後方視点はパンパンと甲高いマフラーの音が響く。1つの車で2度おいしい。
シム系だけどパッドで楽しめる挙動
本格的なシミュレーター寄りの挙動とはいえ、「Richard Burns Rally」ほど難しくはない。慣れたらそれなりに走れる。
昔「Richard Burns Rally」をパッドでプレイしたときは本当に「は?なにかの冗談だろ?」と思った。
もちろんハンコンでやる方が良いに決まってるけど、PS4パッドでも十分楽しめる。本作の良質なフィーリングのなせる技か、パッドでもアナログチックに重量のあるマシンをコントロールする感覚がある。
無事故で走るのがなにより大事。
スピンやコースアウトからの復帰はワンボタンだがその都度タイムペナルティ。安全に走った方が結果的に早い。フラッシュバック(巻き戻し)なんてヤワな機能はないけど、リトライは無制限。諦めずに何度もトライ。
なにげない道も攻めると牙をむく。コーナーより直進や緩いうねりが恐ろしい。ミスの原因はだいたいアクセル踏みすぎなのでハーフスロットルを意識。イケそうなペースの8割に抑えるのがコツ。多少アクセル抜いたところでタイムはそんなに変わらない。
4分前後走りっぱなしなので、だんだん集中力が切れてスピードを上げがち。ゴールが見えた瞬間に集中が切れてよくミスる。後半ほどペースを落とす意識で慎重に。
プレイした後、YouTubeで上手い人のプレイ動画を見ると面白い。異次元すぎて意味がわからない。まるでジェットコースター。走るというより飛んでる。さらにオンライン対戦のメンツがみんなタイム差10秒以内に入っているというレベルの高さにも驚く。
いつかは自分もそんな走りができるようになることを夢みながらゆっくり走る。
■備考
・やり始めた頃、スタート前にアクセル吹かしたら即失格になってバグかと思った。オプションでオートスタートにするとラク。
・ATでバックするときはスティックを前に入れる。
美しいコース
「ギリシャ、スウェーデン、フィンランド、ドイツ、モナコ、ウェールズ」の6ロケーション×12コース。
それぞれのロケーションに特色があり、流れやノリも違う。どこも独自の難しさがあるため気が抜けない。
時間帯・天候の組み合わせでバリエーション豊富。朝昼夕夜、晴曇雨、雨上がり、雪、霧まで。コース自動生成は無いが、何十時間走ってもマンネリ感がない。毎回初見で走ってるような気分。
とにかく道が狭い!
後方視点だと「電流イライラ棒」状態。谷を避けて壁に寄ると鼻先を弾かれ谷に飛ばされる。片輪が雪に乗り上げたり、溝にハマったら即スピン。最初は「これ詰みじゃね?」と思うほどのハードコース。
おすすめはボンネット視点。
道幅が広く感じる。
急に現れる分岐ポイント&直角コーナー。
コドラの指示を聞き逃すとコースアウトへ一直線。
調子に乗ってスピードを上げた先には必ず壁か落とし穴が待っている。先が見えない上り坂でジャンプしたあとすぐ急カーブとか。
コドラの指示を聞いてからでは間に合わない場所だけピンポイントで覚えると良い。
全く頼りにならない謎の木柵。車が触れるだけでボコボコ壊れる。海外にはガードレールの義務とか無いのだろうか。
ガードレールがないのはもちろん「道」といえるのかも怪しいギリシャの悪路。
ラリーやってんだから駐車禁止にしてくれ。
ちなみに観客に突っ込むと問答無用でコースアウト扱い。「そんなところに立ってる方が悪い!」と言いたくなる。
小鳥のさえずりが聞こえるドイツ。いやらしく配置された岩や看板に当たると大ダメージ。1発でラジエーターが終わる。
本作の看板は200m/hで突っ込んでもビクもしないほど硬い。なぎ倒して走ろうなんて思わないように。
幅広い年代・カテゴリが揃うマシン
インプ、ランエボXからミニクーパーまで。様々なカテゴリの車が揃う。
ストラトスのホイールベースが短いことを実感できるゲーム。
年代が古いほど挙動の違いが大きいので面白い。コマのように回転するメリット・デメリット(主にデメリット)を痛いほど味わえる。
最上位クラスのWRC2010マシンは値段相応によく曲がりよく走る。ただ4WDはマイルドで乗りやすい反面、面白味に欠けるような気もする。
ダメージで外見だけでなく挙動が変化。
・フロントをぶつけるとラジエーターにダメージ。パワーが落ちる。
・サス、タイヤにダメージ→真っ直ぐ走れない。ゴール間近で致命的ダメージを受けてロクに走れなくなったら、泣く泣くリトライ。
メインモード「CHAMPIONSHIPS」
各国を転戦してポイントを競う。総合3以内に入るたび、「Open→Clubman→Professional→Elite→Masters」とステップアップ。
ライバルの速さは固定。難易度はアシストの有無で調整する。フルアシストで走ると本作の醍醐味を味わえないので、1位を諦めて3位以内を狙うと良い。3位のラインが届きそうで届かない絶妙な設定になっている。全コース通して平均3、4位なら総合3位以内に入れる。
車は売れないしアップグレードに時間がかる。テキトーに選ぶと後悔するかも。カスタムイベントで全車に乗れるので、車を買う前に試乗すると良い。
獲得した賞金で新しい車を買ったり、メカニックを雇う。
2戦ごとに修理するタイミングがあるけど、修理時間が30分を超えるとペナルティを受ける。ダメージが大きすぎると完全には修復できない。
自分の場合、ホイールダメージが大きい傾向がある。「TEAM MANAGEMENT」でダメージを受けやすい部分を得意とするスタッフを雇うと良い。
時間内に直せないとスタート時からボロボロ。走る前からテンション下がるが、このコンディションで2戦乗り切るしかない。
その他
メインモードの他にも「Rallycross」「Pikes Peak」があるが、あまりやってないので軽く紹介。
「Rallycross」
シンプルなコース、ワンメイク(同じ車)なのにどんなに頑張っても追いつけない。ドライビングは奥が深い。
「Pikes Peak」
同じようなカーブと景色の連続する上り坂区間を繰り返し走る。ストイック。
■余談:コドラとの戦い
日本語未対応だがレースゲームなので問題ない。音声でコース先を案内してくれる「コドラ」の英語は、とりあえず右左、ギア数を聞き取れたらばだいたい先の流れがわかる。
このレフト、ライトの発音が似てるのが腹立つ。全くわからない時があり、「英語を作った奴はバカなのか?」と思ってしまう。ミギ、ヒダリ!なら間違えないのに。
カーブが連続するときはなんかワーワー喋りまくってる。「ハイになって調子のってんのか?」と手に汗握りながらイライラ。
英語のリスニング力が低い自分が悪いのはわかってる。
「ジャンプしてすぐ右ヘアピン!インにぶつけるぐらいの気合で切り込んで!」とイニDの紗雪みたいにわかりやすく言ってくれったらなー。そういうコドラDLC作ってほしい。
まとめ
ストイックだけどラフに遊べる、
最高のラリーゲーム。
リアル系レースゲームはラインとブレーキングポイントを覚えるまで周回するようなストイックな作業になる。その点、コースを知らなくても車を振り回してコントロールする面白さを味わえるのがラリーゲーの良いところ。コンマ1秒を削るような走り込みは(しばらくは)必要ない。だから気軽に遊べる。
そのラリーゲーの中でもダントツで出来が良いのが本作。本格的なシム系だがパッドでも面白い絶妙な挙動。美しく作り込まれたグラフィックと臨場感たっぷりのサウンド。1コース4分という集中して走るのに適度なコースの長さ。先が見えない狭い道と変化に富んだレイアウト。起伏とうねり、コーナーの連続で常に細かく忙しい操作が必要。緊張感が途切れない。
車を自力でコントロールし、ハードなロングコースを駆け抜ける。研ぎ澄まされたシンプルな面白さ。飽きることなく遊べる。
日常を忘れ、頭をからっぽにして何かに集中したいとき。ちょっと走って、どっと疲れる。そんな最高のレースゲーム。
■他のラリーゲーはこちら
・カジュアルに遊びたい人向け
【DiRT 3 Complete Edition】
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【セガラリーチャンピオンシップ】