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RPG ★★★☆☆ PSP SS

【天外魔境 第四の黙示録】レビュー/評価/攻略:2Dグラフィックの極地へ突き進んだRPG

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当時、SSには他にめぼしいRPGが無かったので何周もした作品。周回要素なんて何一つ無いのに。
今回はPSP版でプレイ。

本作の特徴


天外魔境シリーズ第8作目。
PCエンジンのハード性能を活かしたアニメ・カットシーンが売りのシリーズ。それがSSでさらにパワーアップ。
グランディア、ソウルハッカーズはPSに移植されてるから、個人的にSSの大作RPGといえばコレ。

間違ったアメリカ


これまでのシリーズの舞台は「西洋人から観た誤った日本観」がコンセプトのジパングだったが、本作は「日本人から観た誤った西洋」のアメリカが舞台。


実際のアメリカ大陸や都市がモチーフ。
シナリオもメディア洗脳 など「アメリカの社会問題」がテーマ。風刺、ブラックユーモアを効かせながら宗教論、戦争論にも踏み込むメッセージ性の高い内容。


暗黒教団の幹部「審判の十二使徒」。全員がなんらかの社会問題を体現している。
人間と変わらない姿、性格が特徴。「人間の最大最恐の敵は人間」であることを意味している。


どいつもこいつも悪行が半端じゃない。
人間を太らせて缶詰にしたり、街まるごと衛星砲で消滅させたり、心臓を抜き取ったり。


十二使徒の一人、キャンディ。天外シリーズで唯一化け物に変身しない女ボス。
しかし人間を狼に変え、インディアンの集落の上に都市を作る鬼畜。


コミカル系ボスはミュージカル風に歌う。しかも中身は声優。風刺の効いた歌詞が面白い。


「誤った日本観」はネタキャラの禅剛が1人で担当。


コミカルさの一方で、グロ、ホラー要素もあり。
犬が手首を咥えてくる、おばあさんの首がもげる、体がニワトリになるなど、全年齢向けにしてはショッキングなシーンがある。単純に見た目がキツい敵もちらほら。


■あらすじ
主人公、雷神は見習い魔物ハンター。
1893年、ニューオーリンズ。師匠のレッドベアに連れられこの街にやってきた。
子供たちを柵の内側に隔離している不思議な街。そこには「エデンの火」と呼ばれる祭壇があった。


・エデンの火
平和の象徴としてその聖なる光でアメリカを照らす。しかし近年この周囲で魔物が増え始めているという。


肝試しに入った洋館で謎の白塗り男に遭遇。


同時に街に魔物が溢れ出す。逃げる途中にはぐれた子供、サムは謎の呪文を唱えて書の封印を解いてしまう。


時は変わって6年後。
雷神は「手助けして欲しい」という師匠レッドベアの手紙でアラスカにやってきた。
この地から「審判の十二使徒」との戦いが始まる。

■音楽
名曲揃い。「十二使徒バトル」は特に印象的。
サントラはプレミア化。Amazon新品25000円。


OP、EDはヒロインの声を演じた桜井智が歌う。ルパン映画を見終わったときのような余韻を残す。

■PSP版の追加、変更点
・新規OPムービー
・ニューヨーク編シナリオ追加
・16:9ワイド表示
・どこでもセーブ
・旧OPムービー、奥義、止めのムービーシーン削除
・「インディアン」という単語を「赤き民」に変更


新規イベントは嬉しい。しかし新規グラフィックのマップは味気なく、顔グラは綺麗すぎて浮いてる。


「インディアン」という単語は作品の雰囲気作りに欠かせないものだったので、「赤き民」に変更されたのは萎える。村長の新規ボイスに遊びが無くなったのも寂しい。
ちなみに、実際はインディアン自身はインディアンという名称をなんとも思ってないらしく、ネイティブ・アメリカンなんて呼ぶのが逆に失礼なんだとか。

2D表現の極地


2D表現が得意なSSの特性を限界まで引き出す。


料理の細かいドット、食っては吐くモブキャラの動き、雷神のスモウスーツ。
作り込みが尋常じゃない。


会話シーンでは顔のアップが入る。これでもかとドアップで大迫力。
画像では伝わらないけど口パクはもちろん、まばたきや目の潤々、涙など細かい部分も動く。


そんなに重要じゃない場面でも抜かりなくムービーが挿入される。


戦闘は主観視点。敵キャラやエフェクトが画面から飛び出そうなサイズでアニメーション。
それぞれ個性的なモーションでグリグリ動く。


色違いも少なく、エリアが変わるごとに全く違うデザインの敵が登場。

HP残量によって攻撃を当てたときのSEが変わるので、ダメージを与えてる手応えを感じる。
最初は「コッ」軽い音だが、HPが少なるにつれてだんだん手応えのある音になり、最後あたりは「グゴォ!」と鈍い音。

作りこみ代償か、ロードが長い。戦闘開始・終了のテンポが悪い。


キャラドットも履物を脱いだり、服を脱いだり、小物を持ったり。
1回しか見ないような細かいまで動作まで凄い作り込み。


絵本や頭の中を表現したダンジョンもある。


そういう場所では敵もそれらしい姿。


乗り物でエンカウントするとちゃんとコクピット画面に。てか乗り物で戦ってほしい。


モブキャラの台詞内容も凝っており、ボスを倒した後など状況に応じて台詞が変わる。

大物声優陣


イベントシーンはフルボイス。台詞の量も尋常じゃない。
大作アニメ作品のような豪華大物声優陣が揃う。知ってる範囲で抜粋すると、

・雷神 (関智一):ドモン、スネ夫、高橋啓介
・夢見 (桜井智):ミレーヌ・ジーナス
・エース (山口勝平):工藤新一、犬夜叉、ウソップ
・レッド・ベア (森山周一郎):ポルコ・ロッソ
・星夜 (緒方恵美):蔵馬、碇シンジ
・火門、狂楽のスカルビート (山寺宏一):スパイク、トグサ、銭形警部、ビルス
・純銀のブリザード (三木眞一郎):藤原拓海、ロイ・マスタング
・千の顔のロン・テリー (矢尾一樹):ジュドー、池谷浩一郎、フランキー
・Dr.M (広川太一郎):カーロス・リベラ、古代守
・偉大なるカルベ (郷里大輔):ロビンマスク、バスク・オム、ミスターサタン
・サネトモ (森本レオ)

その他、端役までどこかで聞いたことがある声。

 

難易度は低め


・ザコが落とした戦利品を「ギルド」で換金、加工して装備と金にする。
装備を買う必要がないので金に苦労しない。加工できる装備は限られてるので、宝箱に入ってる物のをその都度つけていくことがほとんど。


魔法が便利すぎる。
・戦闘終了ごとにMP全快。戦闘中に魔法でHP回復すれば、何度戦闘してもHP・MP最大を維持できる。
・補助系は移動中も使用可能。ボス戦前に強化可能。
シンボルエンカウントなのでザコ戦前も準備できるため、HPが減るトラップも怖くない。

・魔法は各地に散らばる集落の長から「魔法の種」を貰うことで入手。普通にやってれば取りこぼしも無い。


敵を弱体化する魔法も強力。「ウィークマン」は攻撃力半減・3ターン持続・消費MP2。
ボスにも確定で入る。敵の攻撃は必殺技込みで全て攻撃力依存なので、これだけで安定する。


・強制加入・離脱が多い。個性的なキャラが仲間になってはすぐ消える。
前半のゲストキャラが極端に強いので緊張感が無い。

・ボスを倒すとレベルが上がって全快。連戦でも怖くない。
・状態異常は歩いているうちにすぐ自然回復。毒ダメージも少ない。
・雷神が戦闘不能になるとゲームオーバーだが、セーブポイントではなく最後に立ち寄った宿屋に戻される。


・二人技がやたら強い。

 

詰め込みすぎ


昔はここまで演出が凝ったゲームは無かったから、イベントも濃厚に組んである印象だった。
しかし今プレイするとNPCやボスがあっさり退場。12使徒なんて「え?もう決戦?」みたいな感じ。


展開も少々強引。師匠のレッドベアを倒した十二使徒「純銀のブリザード」がレベル4の雷神にタイマンで負ける。
雷神が少年時代のレッドベアのステータスなら負けるはずないのに・・・衰えたのだろうか。


後半につれてさらに展開が駆け足になる。序列が上の十二使徒ほど登場が後半なので印象が薄い。

構想が膨大すぎて1/3程度が削られたらしい。
そのため攻略本で補完する必要がある点が多い。火の一族、12使徒、絶対神などの設定はプレイしてるだけじゃわからない。
ニューオリンズのみんなが物語に絡んでくるのも謎だし、なぜサムが選ばれたのかも謎。


小者感が漂うTVマン、地味に精神攻撃を仕掛けたあげくたった2人にやられるドラクロワ、カルベよりも高位なのに時間かせぎの召喚獣扱いの獣神ロゴスが特に不遇。
スカルビート、Dr.M、TVマン、ドラクロアあたりは強さも横一列で戦闘の印象も薄い。


偉大なるカルベ様の強さがその後のボス戦を食う。
フォトン(4倍ダメージ)は奥義でないため、運が悪いと何度も撃たれる。雷神に直撃するとヤバい。必殺技はウィークマン無しだと1発でパーティー全滅しかねない。


ロゴスはPSP版でイベント追加。しかしエースの弱点を突くセコさを見せたあげく、ラスボス前で使い回される。


PSP版では、禅剛とエースが終盤テキトーな感じで火の一族に覚醒。
どうやら気持ちの問題らしい。だったらビリーやマヌーも覚醒して良さそうなものだが。


1発ネタのような演出も多い。
なぜか2D格ゲーが始まる「ゲイシャロボvsキングマントー」。影山ヒロノブの歌と凝ったムービーで合体するがイベント後に即破壊。


プレイヤーが名前と顔を作るキャラがダンジョンを一つクリアしただけで消える。

 

まとめ


アニメを見ているような演出。2Dグラフィックの凄まじい作り込み。詰め込みすぎな大ボリュームシナリオ。
育成面で遊べる要素はほとんど無い。戦闘は足し算引き算。強制加入・離脱が多い。装備は宝箱から与えられるだけ。裏ダンジョン等はなくクリア直前からやることがない。

2Dグラフィックの極地へ突き進んだRPG。その極地を見るという意味でプレイする価値のある作品。

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-RPG, ★★★☆☆, PSP, SS

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