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バイオハザード リベレーションズUE【評価/攻略】TPSバイオはここまで面白くなるのか!

投稿日:2018-07-15 更新日:

B072LQ2MKW




携帯機3DSで発売され、据え置き機に移植されるたびパワーアップを繰り返してPS4版にたどり着いた異例の作品です。

私はPS3版をやり込み、より最高の環境でプレイするためにフルHD・60fpsのSteam版を買ってまたやり込みました。
(後にPS4版が出て購入を迷い、さすがに3本購入は控えました。)

「なぜリベレーションズはハードを渡り歩いて移植されるのか」
「なにがそんなに魅力的なのか」

そんな疑問に答えます。



バイオハザード リベレーションズってどんなゲーム?

原点回帰のゴシックホラー

バイオハザード リベレーションズのオリジナルは3DS用ソフト。2012年発売。

「5」以来、3年ぶりのバイオシリーズ新作です。
(時系列は「4」と「5」の間)

 

テーマは「原点回帰」

主な舞台は豪華客船「クイーンゼノビア」
美しく恐ろしい。初代に通じるゴシックホラー※な雰囲気があります。

※ゴシックホラーとは
ゴシック風建築、ヨーロッパ風怪奇が一応の定義。
初代バイオの舞台はゴシック風の館です。

ロード区間で裏読みする仕様でシームレスなエリア移動を実現しました。全長300mの客船をロード無しで探索できます。

 

ストーリーは海外ドラマ風味のチャプター制。
チャプターごとに海岸や雪山など舞台が変わり、時系列が前後します。

シナリオは「カウボーイビバップ」「交響詩篇エウレカセブン」などを手掛けた脚本家の佐藤大氏。
伏線やどんでん返しが多数盛り込まれています。

 

結果、ゴシックホラーの原点回帰を感じさせつつ新たな舞台と斬新なシナリオの導入に成功。
システムは遊びやすく、やり込み要素は底なしに深く。(後述)

携帯機用にしてあらゆる面でナンバリング作品を超えた傑作です。

発売は2012/1/26。同年10/2、「バイオハザード6」発売。
「6」があまりにも酷い有様だったことで、本作の出来がより際立つことに。

ちなみに本作の開発は外注(トーセ)。
悪名高い続編「リベレーション2」がカプコン製です。

 

シンプルで遊びやすいシステム

シンプルで遊びやすいシステムです。

携帯機・3DSに合わせて「5」までに肥大化したシステムをスッキリまとめ直しました。

・サバイバル感
・快適な操作性
・カスタム要素
が見事に噛み合います。

 

・サバイバル感

敵を倒してもアイテムを落としません。所持金も無し。
敵の配置、弾薬管理のバランスが絶妙で、「5」「6」のような物量ゴリ押しと違い武器の特性に応じて使い分ける面白さがあります。

 

「ジェネシス」

探索用ツール「ジェネシス」が新登場。

スキャンモードで反応する場所や敵に焦点を合わせるとアイテムが出現します。

見えるアイテムだけ拾っても全然足りないので隠しアイテムは重宝します。
初めて入った場所はジェネシスでグルっと見回しましょう。

敵を何体かスキャンするとハーブを作れます。生きた敵もスキャン可能。

アイテム発見の楽しさと、暗視スコープのような主観視点で暗がりを探索するホラー感を味わえる秀逸なシステムです。

 

・快適な操作性

アイテム整理や戦闘中の装備入れ替えがシンプルで簡単です。

武器3種&グレネード4種に絞ったことで切り替えやすく。
ナイフは「5」と違いワンボタンで振りやすく。

 

キャラが快適に動かせるようになりました。

構え・発砲・リロードしながら移動可能。走りながらのリロード・回復もできます。
TPSとしては一般的だけど、バイオとしては画期的です。

さらに、緊急回避が「3」以来の復活。
モーションを見切れば確実に狙える程度に受付猶予が長いので実用性が高い。

 

「4」「5」で不評だったQTE廃止も嬉しい。
イベント中QTE即死も無くて快適です。

即死攻撃はごく一部、かつ初見で反応できる程度に緩い。

QTE廃止はなぜか「6」でパワーアップして大復活。多くのユーザーを落胆させました。

 

・カスタム要素

武器のカスタム要素を大幅強化。
戦力を強化する、RPG要素も楽しめます。

カスタムパーツで銃を強化。
単なる攻撃力・連射力アップに留まらず、敵を怯ませる力、クリティカル、拡散範囲の調整など効果は様々です。

パーツは最大6個装着可能。組み合わせ次第で性能が別物になります。

 

このようにシンプルで遊びやすく、それでいて遊びの幅は広がり、やり込み要素は奥深く。
全ての要素が見事にハマっています。

 

魅力的なキャラクター

ジル・バレンタイン

本作のメイン主人公、ジル。「3」以来の登場で30歳。
クリスの消息を追ってクイーンゼノビアに乗り込みます。

顔が「5」や「バイオ1リメイク」と全然違うのはちょっと気になるけど、プレイ中に見えるのは後ろ姿だけなので問題ありません。

後ろ姿は文句なく魅力的です。
ポニテ下のうなじ、はだけた胸、ピチピチスーツ、Tバックに見えるような黒ラインと大きなお尻。
プレイ中は常に尻がどアップです。

肌色を見せなくてもここまで表現できる!という気迫が伝わってきます。

 

パーカー・ルチアーニ

ジルの相方を務める新キャラ、パーカー。

シリーズで珍しい等身大オヤジキャラ。
パット見のマイナスイメージはプレイすれば吹き飛びます。
「ジル、大丈夫か!?」と凄く心配してくれて、ジルを想う気持ちが伝わってきます。

 

クリス・レッドフィールド

シリーズおなじみのクリス。
レオンと双璧をなす男主人公。

「5」のイメージを引き継ぎ、ゴリラ風味のゴリスです。
雪山でも腕まくりで肉体派アピール。暑いのか寒いのかどっちなんだ。

相変わらずモテモテです。
ジェシカに言い寄られても「比較は簡単だ。望む答えを返すこともな」とさらっとかわします。

ポンコツさ※も相変わらず。
本作ではシリーズ史上最大の大ポカをやらかします。


初代はオープニングでハンドガンを落とし、
「ベロニカ」でクレアと入れ違いで島に上陸してすぐ装備品を落とし、
「5」で相方の女性に2度助けられ、
「6」で落ちぶれた情けない姿をさらします。

 

ジェシカ・シェラワット

雪山でショーパンにタイツのギャル系お姉さん、ジェシカ。CV:水樹奈々。
腕まくりのクリスと薄着コンビ。

海上ミッションで着用する、アンバランスな心の内を表現した半尻ダイバースーツが眩しい。
尻の微妙な色味に開発者のこだわりが滲み出ているので必見です。

 

魅力的な敵

キャラ以上に魅力的なのが、水棲生物をモチーフにした敵。

血みどろ&グロ、「5」の銃やスタンロッドでフル装備なゾンビとは違う。
不気味さと幻想的な雰囲気を纏っています。

 

ウーズ、ピンサー、トライコーン、チャンク

ザコゾンビに相当する、ふやけた水死体のような敵。
斬撃、自爆、遠距離タイプもいます。

不規則に回り込むような動きがキモい、手強い。

 

スカルミリオーネ

スカルミリオーネは本作きってのイケメン敵。

上・下半身に分かれる凝ったギミックつき。
下半身の情けない姿でギャップ萌え。

 

レイチェルウーズ

レイチェルウーズの元は、ジル達より先に船に乗り込んだ巨乳隊員。
キモさ、怖さ、エロさを併せ持ちます。

 

ドラギナッツォ

ドラギナッツォは個人的に「どらぎ・なつお」の愛称で呼んでいるサザエさん。
群生生物を表現したデザイン、ギミックが面白い。

 

スキャグデッド

スキャグデッド、通称「メーデーさん」。

t-Abyssウィルスに対して耐性を持つ稀な人がメーデーさんになるらしい。耐性の意味ねぇー。

見た目、即死攻撃、耳に残る台詞、「かゆうま日記」を彷彿とさせる「メーデー日記」で強烈な印象を残します。

 

UE版でパワーアップ

アンベールド エディション(UE)版=PS3版です。

据え置き機に合わせて、グラフィックと追加要素により遊びごたえが大幅パワーアップしました。

 

元が携帯機なのが信じられない、「5」以上の美しいグラフィックです。

ただのリマスターではなく、モデルやテクスチャーから作り直し。
プリレンダムービーもちゃんとHD画質に差し替え。

 

追加要素も盛り沢山。

具体的には、

・本編の最高難易度「インファナル」

敵の配置と強さが全くの別物です。
例えば敵が初登場するイベント前に敵が山ほどいてもうめちゃくちゃです。
私はクリアできる気がしません。

 

・レイドモードの武器に「タグ」が付く

タグによりレイドモード(後述)の熱中度が飛躍的にアップしました。

タグには固有の能力補正があります。

メリット・デメリット効果はセット。
例えば「ステディハンド」なら
・メリット効果[ リコイル-60%クリティカル+60%連射倍率+15%]
・デメリット効果[当たり半径-70%]

ショップでは買えない「レアタグ」も存在し、レアタグがつくと武器名が変わります。

 

・新たな敵

新たな強敵が出現し、プレイヤーの対応力が試されます。

 

ウォールブリスター



ウォールブリスターは壁や天井に張り付いて背景に溶け込み、近付くと突然襲いかかるタコ。

つかまると即死。耐久力が低いので迎撃は簡単。でも怖いです。
Coopでコイツにつかまって即死すると気まずい。

 

・ゴーストノーマン

ゴーストノーマンはレイドモードの最後に現れる裏ボス。別名「黒ノーマン」。

 

これらの追加要素により、据え置き機用としても文句ない遊びごたえになりました。
ボリュームとやり込み要素はナンバリング作品を凌駕します。

 

レイドモード

本編を超えたメインモード

本編だけでも大満足。
その上でさらに楽しめるやり込みモードが存在します。それがレイドモード。

ルールは「固定配置の敵を全て倒してゴールする」のみ。

 

シリーズおなじみの「マーセナリーズ」と違うのは、

・本編の全マップを舐め回すように使い尽くす、ステージ20種類の大ボリューム

・難易度「DARK・DEEP・ABYSS」に応じて敵の攻撃・防御力+配置パターンが大きく変化

・中毒性が高すぎるハクスラ要素

 

これによりガッツリやり込める、本編を超えたメインモードといえる内容です。

 

最高難易度・ABYSSには本編でお目にかかれない敵が山ほど登場します。

やたら大きいウーズや、小さくて超速いハンターやドラギナッツォが死角から襲ってくる!

理不尽なコンビネーションで初見殺しが当たり前。
エイムの腕や反射神経だけでは対応できません。研究と火力がモノを言います。

 

本編を超える強敵に合わせて、カスタムの自由度も本編をはるかに上回ります。

超強力な武器・パーツが盛り沢山。
やり込むと、圧倒的火力で理不尽に立ち向かうゲームになります。

 

キャラ×コスチューム3種の多彩なキャラが使えます。
それぞれ能力が異なり、使い分けが楽しい。

本編で使わないキャラもメインキャラ並の作り込みです。
例えばレイチェルはジル以上のデカ尻やくびれはもちろん、胸の細かいシミやホクロまで丹念な作り込み。

 

TBを取りたい!

ただステージをクリアするだけなら一般的なエンドコンテンツと変わりません。

レイドモード最大の特徴はトリニティボーナス(TB)です。
これが熱い!

 

各ステージには3種類のボーナスが設定されています。

・レギュレーション :ステージの推奨レベル以下
・ジェノサイド :敵を全て倒す
・ノーダメージ :1回もダメージを受けない

これらを同時に達成するとTB達成となり、ステージごとのTB報酬ゲット。
TB報酬はやり込みに必須かつ、やり込みの目標でもあります。

 

ノーダメが難しいのはもちろん、敵を全て倒すのも大変。
全エリア、一体の倒し漏らしも許されません。順路と関係ない部屋にいたり、クリア後に湧いたりするのでステージを完全に熟知する必要があります。

ラストステージは本編の客船をまるごと使用した「ゴーストシップ」。
ここのTBがひとまずの最終目標です。敵430体相手にノーダメで1時間弱の激闘を繰り広げることになります。
生半可なやり込みではTBどころかクリアできません。

 

配置と湧きパターンを全て覚え、パズルのように攻略を組み立て、淀みなく実行できるようになってようやくTBが見える。その過程が底なしで、楽しい。

TB報酬はステージごとに1~3種類からランダムで入手します。
つまり十分な準備と腕を持った上でノーダメに運が絡み、報酬も運が絡む。
やり込みとランダム性の沼が深くて中毒性がエグいです。

ガッツリやり込むとプレイ時間比率が本編:レイド=1:10ぐらいになるため、リベレといえばレイドモードなのです。

 

レイドモードあるある:エアーマンが倒せない状態

レイドモードは一直線にはクリアできません。

なぜなら「エアーマンが倒せない」状態に陥るから。

ソロで攻略を進めると難易度ABYSSで火力の壁にぶつかります。敵が硬すぎて倒せない。
打開するためのレアパーツ入手を狙おうにも、そのための火力が足りない。

粘り強く攻略してゴーストシップにたどり着くと、もう絶望的に火力が足りない。

ゴーストシップ攻略動画では当たり前のように「グラトニー・オートロつけてアモマグで弾拾いながらコルヌコで補給~」などと言われており、それを持ってないから困ってんだよ!と途方に暮れます。

火力の壁を突破するのにTB達成が必須。
しかしそのTB達成に火力が必須の堂々巡り。

※「エアーマンが倒せない」とは

ニコニコ動画で初公開され一世を風靡した同人音楽。

内容は、

①「消える足場」を突破するための「アイテム2号」が欲しいが、その条件である「エアーマン」が倒せない。
②エアーマンを倒すために弱点武器「リーフシールド」が欲しいが、その武器を持っている「ウッドマン」が倒せない。
③ウッドマンの弱点武器を持つ「ヒートマン」を倒したいが、ボスにたどり着くには①の「消える足場」を突破する必要がある。

こうして①~③の堂々巡りが完成。

 

なんとか準備を整えてもTB達成自体が難しい。

例えば、レベル上げやBP稼ぎに必須のステージ7~9TB報酬「レベルキャンセラー」(レベル補正無効化)。
比較的簡単なステージ9でもノーダメは至難の業です。

水中からわらわらと飛び出すギオッゾに一回でも噛みつかれたらやり直し。
やっとの思いでTBを達成してもレベルキャンセラーが出るかはランダム。

 

総火力が桁違いに増える必須パーツ「グラトニー」(他の弾薬が使える)でも心折れます。

セミオートライフルのPSG-1に[グラトニーⅣ、3点かフルバ、オートロ]がゴーストシップ初TBに挑む鉄板構成。

グラトニーは5種類(I~V)がランダムで出るため、目当ての物を出すのが大変。
ソロで入手するならゴーストシップの鉄板ルートでひたすらリタイアマラソンするハメに。
運が良ければ10時間、運が悪ければ100時間かかります。

私はこのグラトニーⅣが出なくてソロ攻略は心折れました。一方、友人は数時間で出て悔しかった。

 

でもご安心あれ。
Coopを利用すれば寄生プレイが可能です。

自分さえ無傷ならノーダメ判定なので、1人で敵全滅できる相方がいれば適当に後ろをついていくだけでTB達成可能。

どんなに不運な方も腕が無い方も、オンライン環境があればエアーマンが倒せない状態を打開できます。

寄生プレイといっても、オンラインcoopでぼーっと突っ立って放置プレイするのは不味いです。害悪プレイヤーと言われても文句言えません。
空気を読んで動いて「TB達成のご協力ありがとうございます」感を出しましょう。

あと、オンラインサービス「RESIDENT EVIL.NET」の期間限定イベントを頑張れば強力なレアタグ武器が貰えます。
PS3時代は毎回イベント内容をチェックして、ながら作業でノルマクリアしたものです。

 

上記の救済システムを利用しつつ、ゴーストシップのTB報酬「グラトニーV」とレアタグマグナムを揃えれば今度は自分が相方のTB達成をドヤ顔で手伝う番です。

 

まとめ:TPSバイオはここまで面白くなるのか!

携帯機用に作った結果、不思議なほど全てが良い方向に作用して据え置き用としてもナンバリングを凌駕しました。

「5」までに肥大化してごちゃったゲームデザインをすっきりまとめ直し新しい舞台の導入に成功。
やり込み要素のレイドモードは、ハクスラ好きにとってはバイオシリーズ中唯一無二の面白さ。

TPSバイオは作り方次第でここまで面白くなるのか!と衝撃を受けた傑作です。

 

今なら、エンドコンテンツが追加されたPS4版がおすすめ。

B072LQ2MKW






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