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30代在宅イラストレーター男がゲーム・映画・本を語ります

【絵/創作】30代独身男が教養をつけるための読書【書評】

投稿日:2020-03-18 更新日:

プロの画家が伝授 こう描けば絵は上手くなる

 

▼紹介

「絵が上手いのは、生まれつきの才能ですか?」
「石膏デッサンで身につく能力は何ですか?」
など52の疑問に、水彩画の第一人者である著者が答えます。

 

▼メモ

■塗り方

・最明部~明部の間に固有色が出る
ここを明るい白ボケた色にすると全体が弱くなる。

・陰影部は混色した色(彩度落とす)
影色には環境色が入る。

・輪廓は光が当たっている方にはっきり出る。

 

■配色

・配色を「明・中・暗」に分けるとメリハリが出る
例:マリー・ローランサン「バラの女」

塗る前に配色を計画しておく。

・支配色:画面の大部分を占める
・主題色:主役
・補助色:主役を引き立てる脇役
・アクセント:少量で画面にメリハリ

コントラストを見るときは、ピント合わせず見るのがコツ(白黒モード)。
モチーフの大ざっぱなトーン、画面の配色を確認するとき、白黒モードを使うと良い。

 

■形

・エアデッサン
電車に乗ってるときなど、人物や風景の形を頭と手で何度もなぞってインストール。帰ってから実際に描く。

・まずモチーフを死角の箱としてとらえる→それを置く。すると奥行きが出る。

・人体を描くときは、まず楕円で画面に入れる。そこからヒジ・腰・ヒザなど大きいポイントの比率で分割していく。

 

■その他

・プロの画家が何でも描ける理由
無理やりでも自分の土俵に上げるから。
コントラストや色を引っ張りだし、強調・省略で絵に仕上げる。

・模写は目的を持つ
形・色・構図、全てを模写するような無目的だと効果薄。目的を明確にするほど効果上がる。
どう強調・省略し、どう絵にしているかに注目。
本人よりモノマネ芸人をモノマネする方が簡単なのと同じで、絵にするコツがつかめる。

・質感表現はシャルダンの静物画を見ろ

 

▼感想

直球すぎるタイトルが気になって読んでみたら、これはヤバい。
今すぐ使えるノウハウを手に入れてしまった。

明部の話なんて、完全に悪い例をやっちまってた。
どうりでスッキリしない、なにか足りない仕上がりになるわけだ。疑問が解けた。

本書を参考にして既に出来上がってた絵を修正してみた。
配色を「明・中・暗」に分け、明部に固有色を置き、陰影部は環境色を考慮して色を選ぶ。
結果、メリハリある仕上がりになった。修正前と全然違う。仕事絵だから比較画像が出せないのが残念なほど。

「てか美大まで行ったのに、何で俺はこういう基本的ノウハウを知らないんだ?誰か教えてくれよ!」
そんな気分になった。

というわけで、僕みたいに配色や色の置き方で困っている方におすすめ。

 

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

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▼紹介

下の「最高の絵と人生の描き方」では技術軽視の教育が問題だと言いましたが、本書は真逆。
絵が上手いだけではただの「花屋」だと言い、技術・知識偏重の教育に問題提議します。

鑑賞の仕方については、以前こちらで書評を書いた「なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?」と共通点が多いです。

 

▼メモ

美術は、13歳で教科人気が一気に最下位になる。みんな中学生で美術が嫌いになる。

だから作品を前にしても観賞ではなく確認作業になってしまう。

美術で養える能力は自分なりの考えを持つ、答えを出す力。
VUCA時代にビジネスでも何でも共通して必要な能力。

一枚の絵から自分なりの答えを出せない人が、VUCA(先が読めない)時代で自分を持てるわけがない。

だから大人こそ13歳に立ち返って美術を学ぶ必要がある。タイトルの「13歳からの」はそういう意味。

 

■アーティストとは

アートをタンポポだとすれば、要素は3つある。

・興味のタネ
・探求の根
・表現の花

つまり花=作品は表層にすぎない。タンポポという植物の大半は地下に広がっている。

真のアーティストは、地下に広がる根を広げることだけ考えている。
だから花だけ見た評判や批評はどうでもいい。

レオナルドダヴィンチはまさにアーティスト。
「世界の全てを把握する」という興味で動いている。
モナリザが写実的、みたいな表層は本質ではない。

地下世界ではなく花だけ作るようになると、外部が決めたゴールを目指すだけの「花職人」になる。
これはアーティストではない。

 

■アートと対話する

「アウトプット鑑賞」
感じたことをいちいち言葉にして、自分なりの知覚を取り戻す。

アートは鑑賞者との対話で成立する。
だから正解はない。自分なりの見方でいい。

 

■アーティストの登場

19、20世紀の作品を鑑賞すると良い。

19世紀以前はアートという概念がないので全て花職人の作品。だからアート鑑賞には向かない。

花職人は外部の要求で作品を作る。例えば、

・教会に求められた宗教画
・貴族から〃肖像画
・裕福になった市民から〃風景画、静物画

それらのゴールは全て写実。

 

カメラの登場により花職人はゴールを失い、地下世界を作るアーティストが登場した。

・マティスは鼻筋に緑とか変な色を塗りだした

・ピカソは「多視点」で、1点からのパースとは違うリアルを探求

・カンデンスキーが抽象画を生み出して絵はモチーフから解き放たれた

・ポロックによりイメージからも脱却して作品は物質として独立

 

現在ではアートとそうでないものの区別が無くなっている。
例えば、二ューヨーク近代美術館(MoMA)には「スペースインベーダー」「パックマン」がある。

つまり「アートはない、ただアーティストがいるだけ」。

 

▼感想

タンポポの例がわかりやすくて面白かった。
でも僕は花職人でけっこうです。てか花職人になりたいです。

まず、学校教育ってそんなに技術・知識偏重ですか?
むしろ感性偏重だと思うのですが。

僕は高校までひっくるめて技術・知識を習った覚えがありません。
技術を習わないから面白くなくて美術を嫌いになりました。だから課題を提出せず、美術の成績はずっと1。高校進学に響きましたよ。

一方、美術予備校では精神論ばかりでした。
だから技術を習ったのは美術予備校でもありません。「~の描き方」みたいな本です。

 

あと、「アートの境界が無くなってるなら、別に美術を鑑賞しなくても良くね?」って気もします。

MoMAの例でわかるようにゲームだってアートなわけで。
今の大人は美術鑑賞をしなくてもゲーム・漫画・アニメをしっかり鑑賞しているのだから、それらの作品と対話してVUCA時代を生きる力を養えば良いじゃないかと思ってしまう。

「なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?」
と合わせて考えれば、「アートは面白くないから対話すると思考の忍耐力が養える」というのが本音な気がする。

 

とりあえず、感想をアウトプットすることが大事なことはわかったので、今後も色々感想を書いていきます。

 

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▼紹介

「一応イラストで生活してるし、せっかく書評記事を書いてるから絵の本でも読んでみるか」
とまず手を出したのが本書。

テクニックから人生訓までガッツリ盛り沢山。
最初にしては濃厚すぎて疲れました。

 

▼メモ

上手い人はなんでも描けるように見えるが、実は「形の単純化→比率・法則にあてはめる」のが上手い。
センスとかではなく経験値。

創作は80%が技術で決まる。

創作物を分解すると、
・美意識:生まれ育ちで決まる
・戦略:どう見せるか。技術
・表現:技術

戦略・表現=技術が80%
表現はコンテンツ分析で、表現は模写で真似できる。

だから、技術軽視な学校教育の反対をやると不思議と上手くなる。
技術軽視の最たるものが美大。

 

■学校教育の反対をやる

①マネするな→マネをしろ
②答えを見るな→答えを見ろ
③自分なりの独創性を活かせ→他人の頭を使え

 

①マネをしろ

模写だけで理想の80%までいける。

早く描きたいなら、時間気にせずよく見て描け。質を上げろ。
「質→早さ」になる。その逆はない。

見ずに描けるようになりたいなら、よく見て描け。
大量に知識・記憶をストックする必要があるから。

 

どんな仕事でも型から覚えるのが効率化の鉄則。いわゆる「守破離」。

・守:
・破:ルーツを探る(デッサンや骨格、関連するネタ)
・離:

骨格や知識面は後回し。
目的もなく、ただ人体や骨格を学ぶのは競技に必要ない筋肉をつけるようなもの。
むしろ無意味にハードルを上げてしまうから創作の邪魔になる。

・イラスト:塗り方をマネる
・漫画家:シナリオ、コマ割り
・アニメーター:動き→動画のコマ送り
というように、ジャンルごとに直で役立つことを学ぶべし。

 

模写の師匠は3人持つ。
目的に応じてカスタム。
今は色んな手段で師匠を持てる。
・SNS
・youtube動画
・本
こういうメディアごとに師匠を持つと良い。

師匠選びは重要。どこまで伸びるかは師匠(環境)次第。
知ってることはいずれできる。知らないことは一生できない。
だから環境以上には伸びない。

 

②答えを見ろ

資料なり何なり、見た方が上手く描けるに決まってる。見ずに描いた絵と比べれば明らか。
見てはいけない状況なんて試験以外にない。見ない理由が無い。

 

③他人の頭を使え

模写、マネするネタに「何を選ぶか」が創作の要。
自分に合った良いネタをベースに、他のネタを1つ組み合わせるだけで良い。
いきなり複数を変えるとか、勝手なアレンジをするから質が下がる。成功が約束されたレールを走れ。

無意識のアレンジに注意。観察力が落ちる→劣化する。
手慣れのアレンジは、自分ひとりで神絵師集団と対決することを意味する。
よって「意識」して模写するのが重要。

 

■「好き」を追求

好き=自分に向いてる。
やってるときに癒しを感じるなら好きってこと。しんどいなら好きではない。

好きだったのに好きじゃなくなるのは、自分の「好き」を分析できてないから。
「なぜ5回」で好きを追求。方向性が定まれば没頭できる。

 

■その他

・絵を描くのは1日30分でいい。とことんハードルを下げる。
1日ガッツリより毎日やった方が伸びる。

・劣等感や、他人を批判しても意味ない。吸収して自分がより良くなることだけ考える。

・アニメの動画は劣化している。ディティールが溶けてる。だから模写は原画の方がいい。

・絵の賞味期限(過去絵が下手だと思うまでの時間)が短い方が上達速度が早い。

・ノウハウを沢山集めておいて損はない。
今役に立たなくても壁にぶち当たったときヒントを早くつかめる。

・「シルエット」「盛り土」のように描き方の方法は色々ある。その引き出しが沢山ある方が可能性の上限が上がる。
だからどちらが良い、どれがベスト、ではなく、頭を柔軟にして使えるものはなんでも使う。

・最初の企画構成か一番大事。次にラフ。ここまでで出来が決まる。

 

▼感想

目からウロコな話ばかりで、「今まで俺はいったい何をやっていたんだ」とツラくなってきました。

思い返せば、僕が卒業した美大は特に技術軽視が酷かった。
「いいね~」「気持ちが乗ってるね」「この方向で頑張って」みたいな話ばかり。
僕が美大で学んだことは、美大では何も学べないってことでした。

今からベストを尽くして10年後上手くなったとしても40半ばなのがツラいところですが、今は人生100年時代。やり始めて遅いということはないはず。

今後も、書評を書きながら絵の勉強をしていきます。

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