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【歴史】30代独身男が教養をつけるための読書【書評】

投稿日:2019-12-19 更新日:

日本史

怪しい戦国史

怪しい戦国史 (産経セレクト)
本郷 和人
産経新聞出版
売り上げランキング: 103,098

 

いやいやマジかと。

学校で学んだ歴史は勝った側が盛りに盛っている史料が第一で、こんなにも軍事的な視点が欠けているのかと驚いた。

例えば、
源平の合戦では、戦国時代と人口変わらず動員力は低いのに桁違いの20万人が戦ったという謎。

他にも、
軍事的には「兵が3割減ったら壊滅的」が定説なのに、15000兵のうち10000人死んだとか。
15000兵に3000兵の奇襲作戦で勝ったとか。

いやいや、それはおかしいだろうと。

 

あとは上杉謙信の「車懸かり」。
たしかに一般的な説明を聞いても何でこの戦法が強いのか腑に落ちないんだよなー
でも「信長の野望」だと鬼のように強い(笑

本書いわく、車懸かりは台風のように回転するとかトリッキーなものではなく、当時は混合が当たり前だった部隊編成を兵種単位にしたものだった可能性が高い。

 

他の話も読んでいるうち「逆に日本史で正しくわかっていることなんてあるの?」と思えてくる。

日本史が軍事的にテキトーなのは、戦後に軍事の話そのものがタブー視されたのも原因なんだとか。
大東亜戦争の前後だけでなく、もっとさかのぼって歴史を見直さないといけないなーと感じた一冊。

 

・実用性:★★★
・オススメ度:★★★

 

百田尚樹『日本国紀』の真実

百田尚樹『日本国紀』の真実
宝島社
売り上げランキング: 225,845

 

なかなか胸くそ悪い本を発見。
ご丁寧に日本国紀の隣に置いてあった。

なんでも百田さんは素人で、内容は偏っており根拠も論理もない。参考文献・引用が不透明。
内容はパクりだらけで粗く専門家が批評する価値はないのだとか。

例えば「南京大虐殺は無かった」という主張は右に偏ってるから中立的な調査が必要だという。

僕は「だったら早くやれよ!」と思った。

専門家がふがいないから、何十年も日本が世界中でボロカスいわれて国益を損ない続けてるんでしょ。
だから百田さん達「素人」が頑張るハメになってる。

百田さんの揚げ足とるだけの専門家と、人気YouTuberにコメ欄で難くせつける暇人は一体何が違うんだ?
と頭にきた。

裁判でしどろもどろ、右勢力にもいずれ捨てられる、朝生で袋叩き…そんなことどーでもいいわ。

本書にはこの言葉を送りたい。
「批評家になるな、いつも批判される側にいろ」

ただ、日本国紀を読んだ方は、内容を反証・確認するために読む価値がないこともない。

 

・実用性:★★★
・オススメ度:★

 

世界史

「24のキーワード」でまるわかり! 最速で身につく世界史

「24のキーワード」でまるわかり! 最速で身につく世界史
角田陽一郎
アスコム
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▼紹介

24のキーワードで世界史の美味しい所をいただいてしまおう!って本。
なんとなく色んなことに興味を持つにはいいかも。
ただし内容は薄く軽く、ときには間違っているので本書だけ読んで満足するのはマズい。

 

▼メモ

■宗教とは「思い込み」

好きという思い込みで、無償の愛ささげる。アーティストのファンクラブ同じ。

ユダヤ、イスラム、キリスト教の3つは、ユダヤ教が元であり元をたどれば同じ神を崇拝している。
モーゼ、ムハンマド、キリストと、やはり同じような預言者が出てくる。
「そっちの神は間違ってる」というより、崇拝の仕方が違うことを問題にしている。

 

■一神教と多神教

多神教:森など沢山の動物がいる場所→他者への感謝=アニミズム

一神教:何もない場所→自分で決断してから動くしかない。だから自分の中にいる唯一神に従う

 

■中華思想

根本は儒教の年功序列。
4000年(最近は5000)の歴史を持つ自分達が一番偉い。

 

■産業革命

「食うために働く」だった人間の生活が「働くために食う」に変化。
機械を使った労働には知識や技術が必要で、準備期間が必要になった。
それにより働ける大人未満の存在「子供」という概念が誕生し、学校システムが整備された。

 

■国の種類

主権者によって分かれる。

王国:神に選ばれた王様
帝国:複数の国を皇帝(王)が納める
共和国:人民に選ばれた大統領
社会主義:会議自体が最高権力(例:ソビエト)

 

■その他

・ギリシャ哲学(アリストテレス、ソクラテス、プラトン)は、市民15に対して奴隷10という極端な貧富の差に支えられた生活の余裕が生んだ。

・馬+車=最強 (メソポタミア)
当時の文明レベルではちょっとした組み合わせの妙が歴史を動かす力になる。

 

▼感想

中華思想ってなんつー都合いい解釈なんだ。
中国が今のような一党独裁体制になったのは70年前だろ。(1949/10/1)
建国200年のアメリカより歴史浅い。儒教なら一番下っぱじゃねーかと。そして日本が一番上だ。
文明が継続してるなんて言い出したら、日本は縄文から数えて16,000年である。

 

近代史の、特に日本に関しては「ん?」と疑問に思う箇所がある。

明治維新は革命じゃないだろ。
上流階級である武士が自分の立場を脅かしてまで自国のために立ち上がった明治維新は、他国の市民革命とは全く違う。

「日本は戦争仕掛けて失敗したから、紛争の解決手段として武力は有効でないと知り、放棄した。
紛争を起こさないためには、間違ったプライド・野望を持たないこと。」

意訳すると、上記のようなことも書いてある。
最終的には「自分で学ぶのが重要」と絶妙に濁してるけど、やっぱり戦後のアカデミックな見方だなと。

まず「日本が戦争を仕掛けた」というのが一方的な見方だし、抑止力としての武力を無視してる。
今どき武力による領土拡大なんて野望持ってるのは中国だけだろう。

 

本書は、反面教師として「自分で学ぶのが重要」と教えているのかもしれない。

 

・実用性:★★★
・オススメ度:★★

 

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

 

「人類は狩猟から農耕に移行して安定した生活を手に入れた」
なんて学校で習いますよね。それは本当か?と思う上下2冊。

噛みごたえあるけど、分厚いし読みづらい。
僕は歴史の基礎知識が少ないので、ガッツリ読もうとすると集中力出ません(汗
興味出る部分からざっくり読みましょう。

 

■メモ

狩猟生活は幸せだった。
大人の寿命は長く、食事は農耕より豊かで、労働時間は短い。

人間は雑食なので農作物中心の食生活は健康に悪い。
また本来は狩猟に向いた体なので、農耕によりヘルニアになる。
伝染病は農耕が原因。

たしかに農耕により一時的に定住が可能になったが、人口が増えればジリ貧。
ローンで家を買うようなもの。

数世代これでやってきたから今さら狩猟には戻れない。

貧しいが定住により未来を考えることが可能になり不安がつのる。
だから神、信仰=「虚構」を作り組織を保つ。

これはいわば詐欺だ。

農耕で得をしたのは小麦・稲・ジャガイモといった穀類。
人類はまんまとハメられた形。本当の被害者は家畜。

 

現代の虚構は、国や会社。

最大の虚構は貨幣。
国の力は弱まり、エリート層がグローバルという名で虚構を支配している。

虚構から逃れる術はない。
虚構を抜け出すにはより大きな虚構が必要というジレンマ。
会社を潰すには法律を、法律を潰すなら国を、国を潰すなら世界の力が必要。

 

■感想

縄文人の生活は食事もバリエーションに富み、豊かだったという話を聞いたことがあります。

詐欺で農耕民族になってしまったとしたら悲劇。
まんまと穀物にハメられたか、あるいは穀物を与えた宇宙人の企みか。
どちらにしろ人類は道を間違ってしまったのかも。

農耕生活はサラリーマンと似てます。
わりに合わない仕事を強いられても社会という虚構から逃れられない。

最近のビジネス本のトレンドはつまり、
「詐欺の農耕生活から脱し、働きたいだけ働く、稼ぎたいだけ稼ぐ狩猟生活に移行しよう」
ってことです。

 

仮想通貨っていうけど、通貨がそもそも仮想・虚構なんですよね。

調べると、海外では仮想通貨(Virtual currency)ではなく、暗号通貨(Cryptocurrency、クリプトカレンシー)と呼ばれることの方が多いのだとか。
たしかに暗号通貨の方が的を得てる。

 

・実用性:★★★
・オススメ度:★★★★★

 

サピエンス全史(下)

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
売り上げランキング: 252

 

■メモ

歴史は、「どうやって」には答えられるけど「なぜ」には答えられない。
必然性はない。最もらしい説明は後知恵である。

残った文明より滅びた文明が劣っていたわけではない。そもそも優劣の判断基準がない。
だから歴史を学ぶのは未来を予測するためではない、現在に色んな可能性あることを知るため。

 

仏教・キリスト教・イスラムなどどんな宗教でも教義において世界の全ては明らかである。
世界をわからない「無知」として研究を始めたのが科学革命。いわば無知の発明。

科学革命によりヨーロッパが力をつけたのは18世紀中ごろ。つい最近。
それまでははるか昔の黄金時代からずっと停滞しており、中国インドが世界の経済で支配的だった。

科学革命がヨーロッパで起きたのは別に人種が優れていたのではなく、価値観・社会制度がたまたま科学革命に合っていたから。

 

資本主義の仕組みはネズミ講と同じ。
成長を前提に、信用で貨幣を複製している。
信用で複製、それで加速・成長してまた信用で~のループ。

 

■感想

「歴史を知れば未来がわかる」なんて言う人がいるけどデタラメ。野球のダメ解説者と同じ。
NHKの番組みたいにもっともらしく説明しているのは要注意ってことですね。

とはいえ「やっぱりなんか必然性あるんじゃないの?」
と腑に落ちない気も。

例えば、日本がアジアでいち早く先進国になったのは「たまたま、明治維新から西洋の文化を急速に取り入れたから」と書いてあるけど、いやいやその前の積み重ねがあるでしょうに。そっちの方が重要でしょうに。

この辺は自分の読み込みが浅くて本質を捉えていない気がするので、また時間を置いて読みます。

 

仕組みだけ見ると「資本主義って大丈夫?」と疑問に感じます。
成長を前提にしてるから、いつまでも続く仕組みとは思えないんですけど。

僕は一応、資本主義の中にいるけど資本主義のことは何も知らない。考えてみれば変な話です。
資本主義でどう生きるか、なんて学校で習った記憶はありません。

だからそれを知ってる親がいると子供は金持ちになる。逆もしかり。

 

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社 (2018-09-05)
売り上げランキング: 1,346

サピエンス全史の続編にあたる本。
中盤から完全に話についていけませんでした。レベル高いなこれ。
時間を置いてまた読みます。

 

■メモ

人間は飢餓・疫病・戦争をという生存競争を乗り越えた。

・飢餓
肥満が原因で死亡する人数は飢餓の3倍。(肥満300万人、100万人)
「恵まれない人」は実は少なく、グローバル化により世界全体が中間層になりつつある。

・疫病
世界的な蔓延は防げる体制がほぼ完成している。

・戦争
大国同士の戦争は無い。もう得しないから。
テロの被害者数は8000人弱で、主に発展途上国。
被害者数だけでいえばテロよりコカ・コーラの方が圧倒的脅威。
テロは恐怖に対する我々の反応の問題。

 

大型動物の割合は「人間:家畜:野生=3:7:1」
人間は地球を支配した。
家畜=7割の大型動物は生き物らしい欲求を抑えられ、ただ生きるだけ。非人道的ならぬ「非動物的」な生を強いられている。
狩猟生活ではこうならない。農耕によって生まれた状況。

 

生存競争を乗り越えた人間はこの先、神を目指す。

不老不死を目指す:可能性を制限する肉体の超越
方法は以下の3つ

・生物学遺伝子操作
・サイボーグ
・無機生物

 

 

■感想

僕は最近、犬好きになったんです。
可愛くて汚れないワンちゃんを見ていると「地球上から人間だけ消滅すれば良いのに」と思ったりします。
でも、もうムリなんですよね。
一度禁断の果実を食べたら神になる道を歩み続けるしかない。もう後戻りはできないわけです。

僕が生きてるうちに実現するかは謎だし、実現してもまずは金持ちから実践することになるでしょう。
僕もあと50年ぐらい後に生まれて神になりたかったな~

 

一冊でわかるドイツ史

一冊でわかるドイツ史 (世界と日本がわかる 国ぐにの歴史)
関 眞興
河出書房新社
売り上げランキング: 7,853

 

一冊でドイツ史の大まかな流れがわかる。
しかし難をいえば、「そのころ日本では?」をヨーロッパ史とリンクさせてほしかった。
全然関係ないこと(のように)書いてあるから。

以下、印象に残った点についての感想。

今のドイツは第四帝国

ドイツは「ドイツ」になってからたったの200年。

・神聖ローマ帝国
・ビスマルク
・ナチス
・現在
3回潰され、3回復興している。

そういう意味では、日本はまだ第二帝国か。

 

ヨーロッパの歴史は弱肉強食

平和ボケするたび、隙をうかがっている革命児に潰される繰り返し。
第一次大戦以前からずっとゴチャゴチャ揉めてる。

こんな場所で「みんなで仲良く」とか言ってられないわ。
オーストリアが永世中立とか言ってる理由もわかる。
ローマ崩壊後ずっと内政グダグダ頼りなく、戦っても弱くて一瞬で負けるからもう諦めたんだな。平和を目指して、とかじゃなく処世術だ。

ドイツが、責任を全部ナチスに押し付けるのも処世術。

 

ナポレオン

900年続く神聖ローマ帝国をぶっ潰したカリスマ。
本書を読むまでナポレオンが何をした人か知らなかった。

しかしロシアに手を出したのが運の尽き。
ヒトラーといい、ロシアに手を出すとロクなことがない。

 

■鉄血宰相ビスマルク

フランス革命の影響で、ドイツの内政もグダクタになったから鉄血で収めたのがビスマルク。
ヒトラーといい、強権リーダーか生まれるのには理由がある。

一方、日本では明治維新。
岩倉使節団がヨーロッパを視察し、君主制と天皇制の相性がいいドイツの憲法を取り入れたんだとか。
ヨーロッパの情勢を見て「こりゃチンタラしてらんねーな」と思っただろうな~

 

■ヴェルサイユ条約

ヴェルサイユ条約の負担がデカすぎて、経済を立て直すため紙幣刷りまくってハイパーインフレ。
レンテンマルク(マルクの1兆分の1)を発行して奇跡的にインフレを収束させた。
しかしアメリカ発の世界恐慌でトドメを刺され、もうやってられん!と不満が高まったところに登場したのがナチス。

 

■ドイツ東西分断

二次大戦後のドイツ東西分断を見ると、日本が東西分断させられなくて本当によかったなと思う。

名古屋の前後で関東・関西分断されるみたいなもんだ。
冷戦の最前線に立たされてドイツ同士敵になるなんて最悪じゃないか。
特に貧困極まる東ドイツにされた方はたまらんぜ。

しかし日本も無事ではない。
分断されるかわりに、政治・マスコミ・学者にそっち系の人間が入り込んでるのが厄介。
内部から分断されているともいえる。

 

・実用性:★★★★
・オススメ度:★★★★

 

社会

ニュータウンの社会史

ニュータウンの社会史 (青弓社ライブラリー)
金子 淳
青弓社
売り上げランキング: 40,398

 

ニュータウンを掘り下げた、中でも日本最大の多摩ニュータウンだけ掘り下げた、そしてなぜか最後まで読んでしまった本。

面白いけどこんな本売れないだろ(笑
図書館とか大学が買うのかな。

 

1898年にイギリスのエベネザー・ハワードが提唱した「田園都市」からニュータウンの構想がスタートしたんだとか。
産業革命が進行したイギリスではいち早く必要性に迫られてたわけだ。

コンセプトは「都市と農村の結婚」。

都市の経済的利点と、農村の優れた生活環境を組み合わせたハイブリッドな生活を提案。
しかし、職場が郊外に移転した例は少なく、結局はただのベッドタウンになってしまった。

田園都市は机上の空論だったわけで、それスタートで作られたニュータウンも歪みを抱えていたわけだ。

多摩ニュータウンの30万人都市も開発前はただの農村。
その開発前の写真を見るとなんともいえない気分になる。

多摩ニュータウンはさらにインフラ開発が遅れたことで陸の孤島になっちゃった。

本の最後では「ニュータウンはタウンになったのだ」と締め括られている。

 

ニュータウンがニューといいながら古臭い象徴になってるのが物悲しい。
逆の意味になったのは「文化住宅」も同じ。
昔は憧れの意味で呼んでいた。文化的だから文化住宅だった。
それが今では文化的ではないものの象徴になっている。

だから幸福、平和とか耳障りの良い言葉を押してきたら怪しいと思った方が良い。
気がついたら逆の意味になってるかもしれない。

 

実用性:★
オススメ度:★★

 

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