グランツーリスモに対抗
「グランツーリスモ」を意識して作られたレースゲー。
2000/2/17発売。売上12万本。DCでは歴代26位のヒット作。
明らかにグランツーを意識したノリ。
「Sega GT」って言っちゃってるし。
グラフィックはそりゃドリキャスだからPS1に圧勝。ゴキゲンなBGMも○。
しかし本作の1年後(2001/4/28)「グランツーリスモ3」発売で霞んでしまった。
劇的進化:【グランツーリスモ3】
ホンダ、日産、トヨタなど国内9メーカー。
さらにMAZDASPEED,RALLIART,STiなどのチューンメーカーを加えた合計150車種。
軽自動車からGTカーまですべて実名で登場。
好きな車を購入し、チューニングしてレースに挑む。
コースは全て架空。バリエーションは少なめ。
オーバル、直線、派生コースをまとめると10種類以下。
全体的にレイアウトが単調。
光源がぼんやりしてるので派手さが無い。
日陰のコントラストが低いので見通しが悪く、コース幅や前方の状況を把握しにくい。
「CARROZZERIA」(カロッツェリア)
エンジンの排気量や駆動方式、外見のデザインなどを自由に組み合わせて完全なオリジナルマシンを作成する斬新なモード。
やってみると意外と面白味が無いから不思議。
身も蓋もないことを言えば、オリジナルの車を作るぐらいなら同じ仕様の実在車に乗りたい。
リアルな挙動?
公式ジャンルで「レースシミュレーター」を謳う、「自動車工学に基づいた、忠実な挙動計算」が売り。
しかしそのピーキーでシビアかつそんなにリアルとも思えない挙動が問題。ハンコン前提なのかパッドではロクに走れない。
クイクイ曲がるがグニャグニャと収まりが悪い。一度乱れると蛇行運転が止まらない。
ブレーキングアンダーが強い、というかABSがついていないのかすぐブレーキロックして壁に直行。
「パッドで無理なやつだ」感 :【セガツーリングカーチャンピオンシップ】
壁走りが有効。
下手にブレーキを踏むより壁走りの方が速いのは初心者への配慮かもしれない。
しかし角度によっては磁石のように壁に張り付き、磁石のように跳ね返る。不自然。
排気量の低い市販車に乗ってるうちはなんとか遊べるが、ハイパワー車やGTカーは苦行。
ハンドルちょん押しで即スピン。
難しい
グランツーリスモと同じく、レース参戦にライセンスが必要。
「エントリー、B、A、SA」の順にテストをクリアして取得。
1位の記録を塗り替えると、そのメーカーのワークスレースに挑戦できる。
このテストが最初のエントリークラスから難しい。
最初から一周フルで走る。タイム設定もシビア。
軽自動車だからアクセルベタ踏みとはいえ、ほぼノーミスで走る必要があり一筋縄ではいかない。
実はエントリー~SAクラスまで難易度が大差ない。
そのため上位クラスほど簡単で歯ごたえが無いように感じるチグハグなバランス。
レースでは一度離されるとノーチャンス。敵車は情け容赦ないペースで走り続ける。
クラスアップして排気量が増えるほど挙動がピーキーになりミスしやすいのでツラい。
かゆいところに手が届かないUI
メニューが多層構造すぎる。
目的地になかなかたどり着けない。自分がどの階層にいるのかもわからない。
オプションに行くにもいちいち最初に戻る必要があり面倒。
リトライがない。
1ミスで終了なバランスなのに、リタイアでやり直すたび「ロード→コースデモ」が入るのでテンポが悪い。
おわりに
派手さは無いが綺麗なグラフィック。
車のラインナップは軽自動車まで充実。
出来は悪くないし、やり込めば面白そうな雰囲気はある。
しかし最初から高い難易度、パッドで厳しすぎる挙動、面倒なUI、単調で走るのが楽しくないコースなど、
どうも家庭用ゲームに対する配慮が足りないように感じる。
この辺がグランツーリスモと比べると厳しい所。