マスターオブアリーナ、通称「MoA」。
前作「PP」から1年で発売されたシリーズ三作目。
・初代・PPで培った技術をフル投入
・シリーズNo.1の収録数を誇るアリーナ
・初代の設定を補完し解答するシナリオ
まさにPS1三部作の集大成といえる内容です。
そんな大ボリュームの先に登場する、「強い」を通りこして「変態」なAC達に挑みました。その悪戦苦闘の様子をご覧ください。
もくじ
はじめに
初代・PPで培った技術をフル投入
グラフィックは初代の時点で完成されているので目立った進化はないのですが、OPムービーは前二作をはるかに凌駕しています。もはやPS2水準。
OPに登場するいくつかの武器はゲームに登場しません。
シリーズ伝統「詐欺OP」の片鱗がうかがえます。
BGMは前2作+多数の新曲。
OPやナインボールのテーマ「9」が有名です。
シリーズのBGMに携わり続け「ネクサス」「AC4」「ACfA」ではリードコンポーザーを務める星野康太さんが初参加。
「アーマードコアという一つのジャンル」の音楽を生み出しています。
初代・PPのパーツを引き継ぎ、さらに新パーツを追加。
新パーツ27を加え、総パーツ数は187になりました。
今回の新パーツは武器カテゴリが増えたのが特徴的です。
ゲーム性は十分煮詰まっているため、前作のようなぶっ壊れ新パーツはありません。
PPと違い前2作の隠しパーツは最初からショップで販売しています。
しかし強化人間はPPと同じく初代からのデータ引き継ぎのみ。
初代・PPで培ったデータをふまえて既存パーツにもバランス調整が入っています。
特にPPの一部ぶっ壊れパーツは大きく弱体化。
タンク脚の防御・対反動低下も大きな変更点。固め斬り※の餌食になりやすいです。
※「固め斬り」
反動の強い弾を当てて足止めしながら接近して空中斬りを決めるテク。WG-HG1(ハンド)が最適。
ミッション中の隠しパーツはどれも隠し場所が凝り過ぎ。
攻略情報なしではまず気づきません。
たとえば、味方が全滅するとゲームオーバーの制限つきミッション。
真っ暗な中で無関係の洋館を壊し、レーダー無効の地下道を進み3分岐の左、行き止まりの壁を壊すと現れる仰々しい部屋へ。
こんなの気づくわけない。
ようやく手に入れたパーツは、SP武器以外使い道がないFCSというのが泣けます。
シリーズNo.1の収録数を誇るアリーナ
10+1種類のアリーナ。計200体以上のランカー。
ACPP4倍以上。シリーズNo.1の収録数。
アリーナはDISK1の表アリーナ、DISK2の裏アリーナに分かれています。
表は小手調べに過ぎず、裏の変態AC戦が本番。
ちなみに、2枚組のソフト1本で通信対戦できる親切仕様です。
・「アリーナ」「サブアリーナ」
DISK1の表アリーナ。
ミッションと連動しているため、前作PPのようにアリーナだけ進めることはできません。
アリーナで10体倒す→1ミッション発生ぐらいのテンポで進行します。
・「EXアリーナ」
DISK2の上級者向け裏アリーナ。
脚部限定、全国大会入賞者ACなど大ボリューム。
強敵揃いですがMoAで調整される前に組んだPPの強アセンがちらほらあるのが救いです。
PPの雑なAIが改良されているので低ランクACも良い動きを見せます。
強化人間+基準違反の高ランクACは高火力はそのままに良い動きになっているので強敵。
・「ランカーMK」
オリジナルアリーナ作成機能。
自分で組んだ機体にAIを設定して登録。設定の自由さ、簡単さが好評です。
実装されているのは本作のみ。後に改良されてACFF、ACVD(UNAC)に受け継がれます。
前作とは趣向が違う新マップ追加。
一方、なぜか前作で好評だったマップは削除で数は減少。
対人戦のバランスを考慮したのか、CPU相手だとダルいマップが多いです。
初代の設定を補完し解答するシナリオ
ミッション数は19と少なめ。初代に比べると半分以下。
でも内容が濃く、アリーナと交互に進めることになるのでボリュームは十分に感じます。
「一人の青年の復讐劇」を軸に、初代に登場した「レイヴンズ・ネスト」「ナインボール」の謎に迫るシナリオ。
PPのような人間関係の描写も味付け程度に取り入れていますが、重要キャラ以外は相変わらずキャラ絵や説明は無し。
情報が少ないことで、かえってさり気なく登場するレイヴンも印象に残ります。
シリーズでは珍しく主人公に細かい設定つき。
「中流家庭に育った24歳、元会社員。MT操縦経験すらなかったが、家族の命を奪った⑨マークのACに復讐するためにレイヴンになった」
この経歴で最強レイヴンを倒すのは完全にイレギュラーですね。
ハスラーワン (CV:檜山修之)
主人公の仇。ナインボールを駆る最強レイヴン。
ラナ・ニールセン (CV:渡辺久美子)
人材マネージメントをしている人。主人公をサポートしてくれますが直接の面識は無し。
話を通さず依頼を受けるとめちゃ怒られます。
DISK1:ナインボール=セラフ撃破
前作のデータを引き継いで強化人間でスタート。
3作目ということで難易度は高め。最初から広くて敵が多い迷路マップ。
初見で初期機体だとかなりキツいです。
最深部はランカーACが登場。
相変わらずミッション中の敵ACは防御力0なので非常に脆いです。
正面で撃ち込めばあっという間に終了。
アリーナの道のりは長いです。サブ→メインの2部構成。
相手がヌルいうちに空中斬りやロケット撃ちを練習しておくと操作が上達する、かも。
■アリーナのおすすめ武器
・AW-XC65 (武器腕2連レーザー)
瞬間火力が高いのでゴリ押し可能。そのわりにEN消費は低め。銀ジェネで4発発射可能。総火力も高いのでたいていのミッションはこれ一本で事足ります。
QX-9009(FCS)と合わせてEN系OP全部乗せでフル強化。
・WC-GN230 (大グレ)
武器腕のEN回復中にヒマ潰し。
EN武器と比べると瞬間火力が低いので大グレで撃ち合っても勝てないです。
武器腕レーザー、大グレともに強化人間の能力が前提。
ノーマルで使うと武器腕レーザーはすぐEN切れ、大グレは構え撃ちになって使い物になりません。
潜水艦を護衛するシリーズ初の海上ミッション。
ACは海に落ちると即死です。
ACfAのアームズフォートような巨大兵器。
なぜか砲台を全部壊せば倒せます。
廃棄宇宙船を探索。
コントローラーを投げたくなる迷宮マップ。
個人的に初代系の最難関。何度やっても慣れないです。
ナインボールが繰り返し登場します。
ナインボールもやはり防御力0なので紙防御。初代の魔改造パルスも無いので楽勝です。
でも最終ミッションでは2体同時に襲ってくるので厄介。
ラスボスはシリーズ最大最強の敵、ナインボール=セラフ。
出るゲームを間違えてるとしか思えない圧倒的火力&機動力でビビります。
前作のファンタズマと同じく大火力のぶつけ合いで倒しました。
危なかった~
DISK1をクリアした時点もう満腹ですが、ここまではチュートリアルです。
この後、セラフがかわいく見えるようなACが続々登場。お楽しみに!
DISK2:EXアリーナで最強AC達に挑む
いよいよ裏アリーナの攻略開始です。
まずは脚部限定アリーナからスタート。
脚部限定
「2脚アリーナ」
引き続きレーザー腕でゴリ押し。
この戦法がマスターアリーナまで延々と続くのですが、ほとんどのAC戦を作業化してしまったことは少し後悔しています。
せっかくの脚限定アリーナなので特性を活かした機体で遊んだ方が楽しいですね。
「逆関アリーナ」
逆関は積載量が低いので機体を組むのに苦労します。どうしてもキャノンが乗りません。
相手は逆関らしいぴょんぴょんジャンプのしつこいサテライト※が面倒。駐車場ステージに呼び出してジャンプを防止しましょう。
※サテライト
衛星のように相手に回り込み続けることで距離を保ちながら攻撃&回避するテク。
旋回力が相手より上なら死角から一方的に攻撃可能。
上下に動く奴は駐車場に呼び出す。これ基本。
レーザーを撃ってEN回復まで柱に隠れるチキン戦法が有効です。
回復したら平行移動で顔だしてピーピーピー。
強敵相手だと初手のレーザーが外れたら負けるので即リトライ。
腕レーザーの火力ならたいていのACに勝てますが、駐車場ではこちらも回避できないので核ミサ×2など火力特化ACが脅威になります。
「4脚アリーナ」
4脚のふんわりジャンプでは回避困難なミサイルが恐いです。
RANK1:トールスポット
滞空しながら1000マシを撃ち続けるウザい奴。
脚限定アリーナなのに強化人間の低燃費で特性を潰す敵の動きにイライラします。
二脚でキャノン撃ってる僕も人のこと言えませんが。
「タンクアリーナ」
みんな動きが遅くて楽。
開幕、腕レーザー連射でAP半分減らせるので火力勝負なら負けません。
レーザーを当てるのが重要。サイトを上下に動かせるとチャンスが増えます。
大グレだと武器腕の分脆いので撃ち負けます。
射撃は踊りで回避。
RANK4:スコーチャー
タンクらしいキャノン野郎よりミサイルを延々と乱射してくるような奴が嫌です。4脚同様にタンクのふんわりジャンプでは回避困難。
チャンピオンアリーナ
全国大会の上位入賞者15名の再現ACが登場。
妄想全開コメントとエンブレムのクオリティ高さが面白いです。
しかし強さは本物。
この辺から難易度が理不尽なので 「自分の好きなアセンで~」みたいなノリで戦うのはムリ。どんな手段を使ってでもとにかく1勝引く運ゲーです。
上の画像はリプレイの相手視点。
これを見てわかるように敵ACの強さは、人間にはおよそ不可能と思える操作精度と強化人間の能力によるものです。
・変態機動
常に機体を上下に振りながら死角に回り込む3次元サテライト。
強化人間の滞空性能を存分に活かしています。
斜め上45°からのEライ、キャノン、ミサイルの雨。
この武器ってこんなに連射できたっけ?と思うほどの猛攻撃。この攻撃の前には反撃どころかサイティングすら困難。
相手視点でリプレイを見ると変態機動が拝めます。旋回性能の限界を超えてロックしてることが一目瞭然。トップアタック※の角度が凄い。
※トップアタック
相手の上を取る戦法。こちらは攻撃を当てやすくなり、相手は見上げることで周りが見えなくなって動きが悪化。
サイトを上下に動かすのは難しいので近距離で上を取られるとツラいです。
・ゲーム性の影響
・初代系はスピードが早いしカクつく
・2次ロックでも命中率が低い
・上下視点移動が早いので調整が難しい
このへんの関係で、理屈はよくわかりませんがこちらの攻撃は当たらず相手のだけ当たります。
何を撃っても中距離で全部避けられ全武装弾切れになることも。チャンスは近距離の着地取りだけ。
・月光の空中斬り・光波の使い手
空中斬りの精度が高く、地上では強化人間ならではの光波が飛んできます。どちらも2発食らうと落ちる超威力。
光波は軸合わせの精度が高いので恐いのですが、直線的にしつこく狙う習性がありその間は撃ち込むチャンス。
ACE
「勝たせる気ないだろコイツ」と言いたくなります。
縦の動きを絡めたサテライトで視界に入りません。
Eグレをドカンドカンと撃たれるのも嫌ですが、一番ヤバいのはEライの瞬間火力。
ピーピーピーと撃たれるとあっという間に終わります。レーザー腕でも正面からは勝ち目なし。
連射の早さを逆手に取ってEライを必死で避けて弾切れを狙うのが勝ち筋ですが、その後もEグレの嵐が続きます。
フロム社員アリーナ
出現条件:シナリオクリア
フロム・ソフトウェア社員9名が登場。上位ほど役職が高いです。
ゲスト(雑誌社)アリーナ
出現条件:全シナリオクリア
ゲーム雑誌出版社5社30名が登場。
コメントはギャグ系。機体もウケ狙いかと思いきや全員手強いからタチが悪いです。
30体はさすがに数が多すぎてツラくなってきました。
マスターアリーナ
出現条件:達成率100% (全シナリオクリア、全隠しパーツ入手)
ようやく最後です。では最強のACを倒しにいきましょう。
こういうEライ特化みたいな奴が一番ヤバい。
武器腕レーザーで撃ち合っても、武器腕の脆さのせいで撃ち負けます。
仕方ないので重量腕で防御を強化してカラサワを持つことにしました。
撃ち合いでは適正距離に近づくまでに死んでしまうのでカラサワはあくまでも削り用。
主力は核ミサの運ゲー。
もうプライドは抜きです。勝てりゃいいんですよ勝てりゃ。
両肩に背負って8発。
核ミサは近距離で撃った方が当たりやすいので、ジャンプした相手の真下に潜り背中向けに着地したところに核ミサ。あとは偶然当たるのを祈るのみ。マジで神頼みです。
RANK17:EX300
知る人ぞ知るシリーズ中屈指の強敵。
ウワサに違わぬク◯ACです。
回り込みながら真横からレンコン連射されて硬直で動けません。
レンコンを弾切れまで耐えても、お次はミサイル連射で画面内は弾頭の嵐。
でも火力は大したことないのでEライよりはマシ。
武器腕だから装甲が薄いので、核ミサ2発当たれば勝てます。
RANK6:アードラー
Eライ、両肩マルチというこれ以上ない凶武器の組み合わせ。
近づくとしつこくブレ光波を狙ってきます。そこを低空飛行で引き撃ち。
RANK1:ナポレオン
やっとたどり着いた最強の敵。
正面から撃ち合うとEグレをドカンドカンと異様な精度で撃ち込まれます。
弾切れまで逃げるか、アードラーと同様にブレードの隙をつくのが勝ち筋。
長かった…もう満腹。
個人的にはACEのようなEライ持ち、核ミサ持ち、EX300がキツかったですね。
MoAの新パーツ解説
最後に注目の新パーツを紹介します。
・HD-HELM (頭) :全体的に高性能。
・AN-891-S(腕) :最高のE防。AP・実防も高い。
・XXL-D0 (コア) :軽い、高防御・高AP。重コアを食う性能。OPスロ5、ミサ迎撃バグが欠点。
・P/CV (fCS) :SPのみ最高範囲。
・QX-9009(FCS) :NDサイトが広がる。
・SP-ABS/Re (OP) 同名OPの強化版。併用すると無効。
・AW-R/4 (武器腕) :
通称レンコン。高火力。安定性が低いと被弾時に動けないのでハマる。
STサイトなのでミサイルと相性がいい。武器腕中最大AP。
・WR-RS7 (ロケ) :着弾時に敵機のロックオンを妨害するECMロケ。
・WX-ED2 (両肩) :通称カッター。EN弾2発同時発射。
・WX-C/4 (両肩) :通称フジツボ。4連装レーザー砲。
・P77-ST (両肩) :ステルス。COMには効かない。
・WG-2180(大バズ) :SPサイトがになり火力もアップ。
・WG-RF/E (Eスナ) :驚異的な弾速で回避困難。
・WG-RF/P (強スナ) :スナは全体的に強化。反動が強い。
・MG-MG500/E(Eマシ) :意外と高火力・命中の強パーツ。
・WG-XW11(Eライ) :デュアルレーザー。軽いわりに高火力で実用性が高い。
・WG-FGI-00 (焼夷弾) :着弾で燃焼し連続ダメージ。
・LS-1000W(ブレ) :光波射出ブレード。強化人間光波を空中で撃てる。
オマケ:知らなきゃ損するアセン基礎
・余剰Eと回復速度の限界 [待機=6000 移動=3000]
・ジェネは機体重量から省かれる
・旋回速度は実重量に比例
・ブレホ距離速度はブースター出力、重量に比例
・E関係のオプションはブレと無関係
・上昇速度限界 [LN-501:B-T001→B-VR-33→さらに重い:B-P351]
おわりに
初代の伏線を回収するシナリオは秀逸ですが、ミッションは初代の方が充実しています。
アリーナは敵が多すぎ・強すぎでファン以外は引くレベル。
前2作を遊んだプレイヤーが鍛えた腕を存分に発揮して遊び込む作品なので、シリーズ初心者がいきなり本作から入ると難しいと思います。
まずは強化人間を引き継ぐためにも一作目からプレイするのがおすすめ。
PS2にハードを移して全てを一新した次作↓