一撃必殺のかけ引きで真剣勝負を表現した、
「ブシドーブレード」の続編。
色々簡略化されて前作よりだいぶ遊びやすくなっている。とはいえ、相変わらず格闘ゲームとは一味違う。システムがわからないとブンブン振り回すだけの大味な遊び方になりがち。
昔、友人と100先勝負をやってたので、その経験を活かして「弐」ならではのシステム&「これだけやってれば勝てる」強キャラの立ち回りを解説。
前作に引き続き、隠しキャラ出現条件を達成しながらの「百人斬り」クリアにも挑戦。
もくじ
「ブシドーブレード弐」の特徴
「弐」の思い出
ブシドーブレード弐の見開き広告がデカデカと掲載されている、発売当時のファミ通は今も実家にある。
当時、サターンを選んだ自分にはPSのゲームはどれも面白そうに見えた。「隣の芝生は青い」的な感じで。
そういう記憶もあって、大人になってからプレイした作品。大学時代に毎日100戦、友人とダッシュ斬りを撃ち合う日々。勝率はほぼ五分だったような。
大学の食堂で「弾かれたあとの重ねには返しが勝って~」とか話し合ってた。
同回生は就活やらなんやらで忙しいときに。
マイルドになった
■ストーリー
「妖刀「夕霧」を手にした鳴鏡館の師範代ハンザキが暴走。その機に乗じて捨陰党は総攻撃を開始。800年の因縁が今、最後の決着のとき!」
「鳴鏡館」「捨陰党」という2流派が登場。キャラはどちらかに属しており、同じ武器でも流派によって構えが変わる。
武器は前作9種類から6種類に減少。
キャラ性能は武器に依存するので、キャラ数は3倍に増えたが実質は減ったようなもの。
全体的に前作のトガッた部分がマイルドになり、システムが整理されて格闘ゲームっぽくなった。
前作はR1・2で重心を上げ下げして構えを変えたが、□ワンボタンに。
前作は脚を斬られると這いずり状態になり致命的だったが、「弐」は足が遅くなる程度。
基本的に一度部位ダメージを与えた後は、そこに攻撃がヒットしても意味がない。
ダウンしてる敵を何度斬ってもトドメをさせないのはどうも納得いかない。まるでゾンビ。
前作は「敵の口上(戦う前の喋り)の間に切りかる」といった武士道に反する行動でゲームオーバーになった。
「弐」ではそういうややこしい要素は無くなり、敵の口上も削除。
テンポは良くなったが少し寂しい気もする。
介錯の要素だけは残っており、セレクトを押すとなぜか介錯される。
リソース不足?
前作の売上は40万本。
今の時代なら超がつくほどの大ヒット。しかし当時はミリオン(100万本)売ってなんぼの時代。PS全盛期でノリに乗ってたスクウェアにとってこの数字は足切りライン。
そのため、おそらく少ないリソースで開発したのが続編の「弐」。
その「弐」の売上は・・・22万本。減った。
PS1ゲームの売上は1996~7年がピークで、98年以降発売の続編はどれも売上が半分に減ってる。その中ではまだ頑張ってる方なのだが見事に足切りされてしまい「参」が出ることはなかった。
グラフィックの進化がない。むしろ劣化しているような気が……
「ナルカガミのために」「シャインのために」と妙に滑舌悪いセリフで繰り返し出てくるザコの水増し感がハンパじゃない。
背景は明らかに前作の方が見応えがある。多少の起伏はあるが箱庭のような凝ったステージがなくなった。周囲を闇に囲まれ、中・遠景描写がほぼ無い。
ステージ間のロードが長い。しかも先に進むほど長くなる。
「ラスボスその1」
正面の攻撃は無敵鎧で無効。背後の模様をピンポイントで斬る。ただのミニゲーム。
何が楽しんだこれ。
「ラスボスその2」
正面から攻撃すると「ピシュン!」とワープ。もはや武士道もへったくれもない。
段々ワープ距離が短くなるので繰り返し攻撃。コイツはさっきの無敵鎧と違い素で強い。
日によっては何十回やっても倒せない。
システム解説
構え
開幕、起き上がり時はデフォルトの構えに戻る。切り替えの隙は大きいので、構えを変えるクセを読んで攻撃を合わせるのが有効。
対人戦の「フリーラン走り斬り野郎」には構えもへったくれもない。
□で軸合わせしながら気長に近づいてくるのを待って置き◯◯で対抗。
まず相手と話し合ってフリーラン禁止にした方が良い。
■強い構え
「正眼」
懐が深く弾きやすい。弾きからの重ねも強い。反面スカしにくい。頭防御が弱め。
・→○、→→○
踏み込んで頭を狙う
・→×、××
頼れる横。ただし空振るとヤバい
「上段・上八相」
リーチ長めの攻撃特化。中でも空蝉・上八相の縦斬りは最強。弾きにくいがスカしやすい。
・→○、→→○
弾きを押しつけ(→○)で返しを狩る
・→×
正眼に比べ硬直が短いので反撃を受けにくい
・唐竹割り
(源五郎・五十八・ハイウェイマン・←×○)
「フンフンフンフン、ドリャ!」でゴリ押し。
・拝み手(→←×)
相手はまず見切れない。スカ確を入れるのも困難。ガードさせて強制ふらつき~ダッシュ○。
防御
前作は△○×ボタンでそれぞれ上・中・下段。
「弐」では○が表(縦斬り・突き)、Xが裏(横斬り)と大きく仕様が変わった。
前作は□ボタンで一瞬防御の構えになり攻撃を弾く。
一方、「弐」には防御ボタンがない。攻撃に攻撃をぶつけると遅い方が防御状態になる。
■有利・不利防御
表裏が異なると「有利防御」(青エフェクト)
同じなら「不利防御」(緑)
不利防御は体勢を崩してスキをさらす。
前作の防御は見てから反応できないほどタイミングがシビアだった。
「弐」は合わせるだけなら簡単。ただし表裏を見切るのは難しいので2択になる。CPUがインチキで有利精度が高い。これは1人プレイが楽しくない要因の1つ。
弾き
攻撃していない刀に攻撃をぶつけると発生。
弾いた側は○で「重ね」。弾かれた側は×で「返し」が撃てる。
「スカ確>返し>重ね」の3すくみ。
引き出しが多い分、弾いた側が若干有利。
武器の食らい判定がデカく、硬直中や棒立ちでも常に判定があるので発生頻度が非常に高い。背中を斬ってるのに弾かれることも。
何度斬ってもキンキン弾くだけでダルい。のれんに腕押しのようなもどかしさ。むしろ防御のために技を振ってくれたときがチャンスだったりする。
弾きシステムは、成功しているとは言い難い。
攻め側の姿勢まで崩れて攻撃が途切れるためテンポが悪く、「武器で斬る」という最も単純にして重要な気持ち良さが削がれてる。
攻撃していない武器が重なると「鍔迫り合い」が発生。
これまた演出が長くテンポが悪い。その独特の間を楽しむゲームなのかもしれないが……
アサルトライフルの防御力が高いのは納得いかない。
新技
「からみ技」(密着←×)
いわゆる投げ。掴んだり、蹴ったり殴ったりで相手は死ぬ。
投げ抜け(○)受付はシビア。食らったら終わりだが、密着すると弾きや鍔迫り合いが発生しやすいので簡単には入らない。
「二刀流・居合い」
打刀、ロングソードが得意なキャラ専用構え。鳴鏡館は二刀流、捨陰党は居合い。
・二刀流
サブウェポンと武器を両手に構える。素早い連続攻撃
・居合い
一撃必殺の抜刀術。強力だが技後のスキが大きい
「サブウェポン」(R2から○)
一試合一発だけ使える。前作では軽い牽制程度の存在だったが「弐」のサブは危険。前作から削除された武器や斧を投げたりと殺る気マンマン。中でも下記のガード不能技2種類が凶悪。
・喝!(五十八)
怯んで武器を落とす。ガードもできないので場合によっては勝ち確。3回以上使うと咳き込むだけ。
・カエル(尋)
女キャラと一部男キャラを無防備にする。当たればほぼ勝ち確。
強キャラ攻略
前作同様、パワーキャラ・重い武器が強い。
不利防御しても崩れないし、有利不利に関わらず防御させれば崩せる。
パワーキャラ・重い武器、寒雲・槍、御門・薙刀は、不利防御から走り○追撃確定。
風閂、空蝉、墨流、サザンカ、源五郎、本郷の6人はどんな武器でも使いこなす。そのため他キャラの存在意義が薄い。
「薙刀・中段・御門」
御門が薙刀を持てばまさに鬼に金棒。
・〇〇〇
3連撃。早い・超リーチ・隙少ない。突くたびに軸ズレを修正。これだけで終わってるぐらい強い。
・×
ただの横斬りも凶悪。近づけない。
・→○
頭防御が弱いと刺さる。
・逆十字落とし(→→×○)
足払い→縦斬り。このゲーム、下段は防ぎにくい。倒れたら2撃目が確定。
「寒雲・槍」
薙刀に比べると決定力に欠けるが、懐が深いので守りが堅い。
・上段(→→○)
突き連撃。近距離でガードさせれば追撃が入る。
・正眼、下段( →→×)
長い得物をブンブン振り回す。当然強い。
「本郷(風閂)・ブロード・引手右車」
「空蝉・野太刀・八相」
縦横にブンブンするだけで恐ろしい強さ。→○、走り◯でゴリ押し。
・兜割り(→R2○)
大きく踏み込む突き。当てれば有利。
・胴切り乱舞(××→×)
発生が早く割り込み不可、リーチ長い。派生を盾にして1、2発止め→からみ技(←×)も狙える。×は常に(←)を仕込んでおくと良い。
→×はさらにリーチが長いので×の間合いに慣れた相手を狩る。
「霞斬り」
(ナイトストーカー、トニー・走り×)
専用モーションが鬼のような早さ。トニーはパワーもあるので野太刀を持つとさらに強い。
百人斬りノーコンクリアへ
前作と違いコンティニュー可能(ペナルティで秒数追加)。
■隠しキャラ出現条件
(クリアしたキャラの勢力に対応したキャラが出る)
・ツバメ、カッツェ:15分以内にクリア
・殿(紫、赤):ノーコンティニュー
まず「百斬の間」(百人斬り)モードを出現させるのが面倒。
■「百斬の間」出現条件
全サポートキャラ(計12人)を出す。
・効率の良い方法
「決戦の間」で初期6キャラを選択。
道中で2人のサポートキャラが出現する。そのキャラを死なせずに進みクリア。(難易度「易」でも可)
これを6キャラ分で12人。
「百斬の間」は前作と同じく打刀限定。打刀が得意なキャラを使うと有利。
右半身を当てるように走り×。不利防御させて走り○追撃。これで80人までのザコを処理できる。
その後の相手は防御が固く、時間稼ぎ感が半端じゃない。じっくり追い詰めて縦斬りで押す。
しかし安定感はいまいち。けっこう運ゲーかも。
13分でクリア。隠しキャラ条件の15分はまあまあシビア。
まとめ
システムの型にはまり、コンパクトにまとまった作り。遊びやすい反面、「真剣勝負」というコンセプトはボケた。
ステージに見所がなく、ザコ戦は水増し、ラスボスはミニゲーム。1人で遊ぶと退屈。前作の正統進化を期待すると肩透かしを食らう。
防御システムが整理されてゲームらしくなったので、対人戦は前作より楽しめるかも。
100先に付き合ってくれる相手がいれば、の話だが。