AAに始まり、3で熱狂し、SLで孤独を味わい、NXで落胆を覚えたアーマードコアと共に歩んだ日々。
その青春を見事に終わらせてくれた作品です。
旧作ファンに媚びるようなタイトルと、今でいうと500円のDLCみたいな内容でシリーズへの信頼を失いました。
そんなク○ゲーと名高い本作の難点と見どころを紹介します。
アーマードコア ザ・トレーニング
あのガッカリゲーの前作「ネクサス」からたった半年後に発売。
キャッチコピーは、
「求めるものは、「最強」という名の称号―。」
最強のレイブンを目指し、ひたすら特殊状況下でトレーニングを繰り返します。
「傭兵として実戦ミッションを戦う」シリアスな従来作とは違うコンセプト。
いつもと違う趣向で、これはこれで面白い要素もあります。
しかし、
・シリーズおなじみの「詐欺OP」は無し。本編のハイライト
・パーツ使い回し。シナリオなし、ミッションなし。UIもシンプル
・ネクサスで不評だった熱、W鳥などの小難しい仕様は相変わらず
・実戦的とは思えない限定的なトレーニング
・一応、アリーナはあるけどバカAIとインチキ自動生成
このように手抜き丸出し。今でいうと前作のDLCみたいな内容。
にも関わらずフルプライス7000円の新作として発売。定価で買った僕は内容と値段のギャップに苦しみました。
「ナインブレイカー」というタイトルを聞くと強敵と激戦を繰り広げるようなイメージを受けますが、実際の内容とタイトルがかけ離れています。
正しいタイトルは「アーマードコア トレーニング」でしょう。
ネクサスでガッカリしたファンの神経を逆なでするような販売戦略に、僕はガッカリを通り越してあきれました。
トレーニングは30項目×5レベルの計150種類。
数だけ聞くと大ボリュームですが、実際はマップを使い回してレベルごとにアレンジしているだけ。
内容は「ひたすら何かを破壊する」「ミサイルを避け続ける」といった限定的なものばかり。
「おおっ、これは凝ってるな」と思わせる項目は少ないです。
内容が限定的で特化されすぎなので、実戦に活きるとも思えません。
重要なのは操作能力よりそれぞれのトレーニングに特化した機体です。あとは何度失敗しても諦めない忍耐力。
とりあえず以下のような重量別の3機を作ればクリアは可能。
全ゴールドを取るならさらに特化する必要があります。
・中二2脚
万能型。Wライフル&ガイアコアのEOでザコを処理
・軽量2脚
移動、回避するだけの項目に。課題によってデコイ、迎撃を追加
・火力
セレナ、クレホバ。高火力武器でACを叩き落とす
実戦に活きるとは思えない特化されすぎた内容。
ときにはトリッキーな足場渡りやフライトシムでありそうな空中軌道のトレースを強いられます。こんなスキルを使うのは1作品で1、2回でしょう。
地形が絶妙にいやらしくて判定が大きいため、少しの凹凸に引っかかります。何度もミスるとあの大好きなACを嫌いになりそう。
前作でブレホを削除してブレードが死んだのに、ブレード練習をさせられて腹が立ちました。だったら使える性能にしてくれよと。
開始前の説明はデモ以外飛ばせません。リトライでも飛ばせないのがダルい。
トレーニング失敗で表示される「NICE JOKE」と腹が立つSEもスキップ不可。
つまらないトレーニング内容と相まって、とことんプレイヤーの神経を逆なでします。
難易度がバラバラで、一部の課題がやたら難しいのも問題。
・熱管理
・垂直移動
・距離維持
には制作者の悪意を感じます。
距離維持はもはや意味がわかりません。開始数秒で「ビー」と警告SE。
前作から緩和されたとはいえ相変わらずの爆熱。なのでトレーニングも熱管理に重点が置かれています。一体誰が気に入ってるんだこのウザ要素。
様々な困難を乗り越えた先に、シリーズおなじみ「あの機体」が登場します。
似てないレプリカを倒したらナインブレイカー
えーと、何ですかこの機体?
トレーニングの最後に待ち受けるのは汎用パーツで作ったナインボールのレプリカ。
これでは「ナインボール風AC」じゃないですか!
レプリカにしても似てません。アリーナのランカーにいても気づかないレベル。
武器も別物で、代名詞である鬼パルスは無し。
それどころかミサイル、3連リニア、2連グレと全て実弾です。
場所も悪い。
何の変哲もない山奥のダム。こんな場所ではナインボールの威厳がありません。
制作者も「これはナインボールじゃない」と思ったのか、BGMが「9」と違うものになっています。
僕の求める⑨はこれとか(MoA)
これとか(AA)
これなんです!
ただし、レプリカなりに強いです。
見た目は汎用パーツですが性能は別物。
無限滞空の高速移動に弾数無限の3連リニアがウザすぎます。頭上からバキュン!バキュン!バキュン!
どうしてもキツいのでダムの通路に引き篭もって持久戦。発売当時もこの方法で倒しました。
絶対、意図的に作った抜け道ですよねこれ。
苦労が全く報われないエンディング。
トレーニングをこなして自分のAC力は上がったんだろうか…
ちなみに苦労して全ゴールドを取るとナインボール頭が貰えます。
性能がイマイチで悲しい。
アリーナがバカAIとインチキ自動生成
前作に引き継ぎバカAI。
真っ直ぐ向かってくる二脚、左右にウロウロするだけの四脚、火力で負けてるのに正面で戦うタンク。
ECMを撒かれてもこちらの攻撃がノーロックのロケ撃ちで当たるほど相手の動きが悪いです。
相手がすぐ地形に引っかかるので、ボタンを2つ同時押しして撃ち込むだけの簡単な作業。
ステージ選択はランダム。
似たような閉所が多いので満足に戦えません。閉所は撃ち込むだけ、開所は引き撃ちするだけ。
トレーニングはやたら難しいのに、肝心の対戦に歯ごたえが無いです。
30位までは「自動生成ランカー」。
この自動生成がインチキで、名前と色が変わるだけ。
それでいて本当に自動生成したようなテキトーアセンだから困ります。
ロクに戦えない欠陥ACばかり。
まともに戦えそうな相手を見つけても、自動生成の仕様により欠陥AC達に埋もれるので再出現させるのが面倒です。
ポイントを溜めて公式戦で勝利すればランクが上がり上位と対戦できます。
しかし上位ランカーにも正気とは思えない機体が。
4th 丁(ひのと)
AP7000切りの紙装甲。動きも悪い。これで4位に居座っているのが不思議。
1st イツァム・ナー
微妙に⑨風の見た目なので紛らわしいです。
シリーズ中最も印象に残らないトップランカーかも。
左シルキー&右ガトマシのW鳥が微妙。動きがいかにも強化人間のふわふわ滞空で魅力に欠けます。
強みが発揮できない閉所になって諦めたのか、途中からフリーズしたように動かなくなりました。
電撃プレコラボのランカーACが7機参戦しています。
中でも本作最強ACといわれるのが「万字丸」。
火力・電池・強化人間のゴリ押しが強い。
タンクはバカAIの挙動が目立たず、AIの強みである鬼ロックが光ります。
実用的な新パーツの性能と入手方法
冒頭で前作のDLCみたいな手抜き作品と言いましたが、一応新パーツが26種類追加されています。
中でも実用的な新パーツの性能と入手方法を紹介して記事を締めます。
・CR-H05XS-EYE3
全頭パーツ中トップの総合性能。クレストらしい見た目でイケメン。
(入手条件:アリーナ1位)
・CR-WH05BP
神バズ。バランス最強の神のようなバズ。左右に持つと神になれます。LRで弱体化。
(左:ゴールド120個、右:OVERALL全クリ)
・CR-WH01HP
リボハン。ライフルも食う性能のハンドガン。格納に最適。
(左:SPECIAL全クリ、右:ランクB)
・WH11PU-PERYTON
EN版フィンガー。驚異の瞬間火力。格納向き。
(左:ゴールド75個、右:MOVE全クリ)
・CR-WH01SP
超ショ。強ショより集弾性が高いので中距離向き。
(左:15位、右:ゴールド60個)
まとめ:DLCだと思えば遊べる
タイトルが絶対間違ってます。
レプリカを倒してナインブレイカー?そんなバカな。
ク◯ゲーと名高い作品ですが、「アーマードコア トレーニング」というDLCだと思えば前作の手抜きミッションより楽しめました。
実戦の練習用ということならアリーナにこだわってほしかったですね。
バカAIでマップもいまいちなのでトレーニングの効果を対戦で確認できません。
バカAIとの対戦では関係ありませんが、対戦バランスはN系3作で最も良いと言われています。
・ブースト出力上昇、熱量緩和で前作より動ける
・調整によりOBコア、フロートにも出番がある
など前作からバランスが良くなっています。
対戦相手がいてN系の環境で戦いたい方には必須の作品です。