「オッス!オラヤギ!」
ということでPS2のドラゴンボール格ゲー「ドラゴンボールZ2」を紹介します。
正直、どうせ次作「Z3」の記事も作るから、特に見どころが無い本作はスルーしようかなとも思いました。しかし、
「Z2とZ3、どっちを買えば良いのかわからない」
そんな方がどこかにいるはず。その人に情報を届けねばなるまい。
という使命感にかられて記事を作りました。
前作「Z1」のレビューはこちら↓
ドラゴンボールZ2とは
「ドラゴンボールZ」の続編にあたる作品です。
前作のストーリー・登場キャラはセル編まででしたが、本作ではついに原作の最後・魔人ブウ編までのキャラをカバー。
それに応じてフュージョン、ポタラ、吸収など戦闘中の形態変化が多彩になりました。
(一方、前作から孫悟飯(幼年期)、フリーザとセルの途中形態、ザーボン、ドドリア、19号はリストラ。劇場版・GTは未収録)
グラフィック面では、トゥーンレンダリング(ポリゴンモデルをアニメチックに加工する技術)の一種「ドラゴンシェーディング」を新たに導入。
いかにもポリゴンでのっぺりしていた前作から、格段に雰囲気が良くなりました。
このグラフィックは、少しずつ進化しながら「スパーキングメテオ」(メテオ)まで引き継がれます。
トゥーンレンダリングは今でこそキャラゲーでよくある表現ですが、当時は海外でも情報が少ないほどの最新技術だったのでキャラを作る手間が3倍になったとのこと。
本作をプレイすれば、後述するようにトゥーンレンダリングに開発リソースを食われた悪影響をひしひしと感じることになります。
オリジナルのオープニング曲「くすぶるheartに火をつけろ!!」が良いですね。
数あるゲームオリジナル曲の中でも屈指の名曲だと思います。
(「ギリギリchop」の盗作説あり。特にイントロがめちゃ似てる。サビの、歌詞を無理やりはめ込んだ感も…)
ムービーはちょっと紙芝居で作画も怪しいような。
システムは前作を引き継ぎ、簡単操作でボコボコ殴るのが基本です。
ボタンをポチポチ押しながら、投げやガード崩しで適当に崩すだけでシンプル。
地味な追加・変更点はあります。
前作ではコンボの締め専用だった必殺技が、簡易コマンドで出せるようになりました。
それにより、いわゆる「ぶっぱ」が可能。CPUも同様にぶっぱしてくるのが厄介です。
あと、一部の必殺技にジャンケンや連打、スティックぐるぐるといったQTE風の操作が登場。
これは個人的に大嫌いなシステムなので、QTE画面になったら僕はコントローラーを放置します。
横画面でシステムが後作よりシンプルなので、PS2シリーズ最終作のメテオより簡単に遊べます。
知識がない友達にも操作を教えればすぐ対戦できる感じ。それに「スパーキング」シリーズは対戦だと画面分割になるので、接待用の対戦ツールとしてはZ1~3系の方が適しているかもしれません。
(備考:wii版メテオはオンライン対戦可能)
メインモード「ドラゴンワールドモード」
メインモードはボードゲーム風の「ドラゴンワールドモード」。
本作はこのモード以外に目新しいモードがありません。
他は天下一武道会でゼニーを稼ぐか、トレモで練習するだけ。
なのでメインモードの出来は重要です。
しかし、一言でいうと酷い出来。
まず、最初から最後まで悟空が主人公という割り切りすぎな仕様。
その上で、大ざっぱに原作に沿っているようで、よく見るととんでもなくかけ離れたストーリーが展開されます。
ぱっと見、戦略的自由度がありそうですが、実際のところ何もない。
悟空でひたすら目的地に向かって突き進むだけ。
一方でキャラ解放条件「~で~を倒す」を満たす場合は使用キャラがほぼ固定になってしまうので、自由度なんて欠片も無い。
さらに各キャラが1ターン1マスしか動けないため非常にテンポが悪い。
育てた1人で突っ切れば良いので2、3人を頑張って動かす必要性も無い。
よって、意味もなく操作を強制されている感があります。
総じて、「ストーリーは前作でガッツリやったからもうええやろ」的な甘えを感じます。
ブウ編のストーリーは前作になかったのだから、そこはちゃんと作ってくれよと言いたい。
2Dマップを何枚か作って、コマを配置し、会話パターンを乗せるだけ。
キャラはアドベンチャーゲームのような対面画面で絡むのでイベントシーンも作らなくていい。
よって「究極のコストカット」といえるモードに仕上がっています。
おそらく、本モードの難点は制作者も十分わかっているはず。
「ドラゴンシェーディングでキャラを作るのに開発リソースを使い切ってしまったので、他はこれで我慢してくれ」
と言われているような気がしました。
それを受けて「仕方ないなぁ~今回だけやで…」と思いながら遊んでいる状態です。
次作「Z3」に期待しましょう。
メインモードが格段に進化したZ3のレビューはこちら↓
まとめ:現在は存在意義が薄い
キャラ数・グラフィック・システムは次作「Z3」が上位互換だし、本作のメインモード「ドラゴンワールドモード」はつまらない。
よって、現在あえて本作を選ぶ意味は無いです。
ただ「スパーキングメテオ」まで通用するグラフィックの基礎を作った意義は大きい。
本作に投入したキャラモデル制作のリソースとノウハウが、後のドラゴンボールゲームの土台になっています。