日本で最も売れたSFCソフト
マリオカーシリーズ1作目。
売上382万本。日本で最も売れたスーパーファミコンソフト。
25年前の当時、親戚か友達が必ず持っていましたね。
一家に一台ならぬ、身近に数本。
僕も当時どこかでプレイしたはず、だけど全く覚えていません。
僕がゲームを始めた頃はすでに「ワイルドトラックス」が出ていたので、マリカーはちょっと古いんです。
なので当時の自分にはあまりピンときませんでした。
1番ハマったのは今40歳ぐらいの世代かな?
1作目にして「みんなでワイワイ遊べるパーティーレースゲーム」というシリーズの基本はすでに完成。
ただスピードを競うだけだったレースゲームの常識を覆し、
「クラッシュバンディクーレーシング」
「チョコボレーシング」
「ディディーコングレーシング」
などカート系レースゲームの原型になりました。
グラフィック
グラフィックは、まず画面半分がミニマップになってるのに驚きます。DSみたい。
最初は設定ミスかと思いました。
SFCの拡大・縮小機能を駆使し、2Dで奥行きを表現する「疑似3D」。
「F-ZERO」のノウハウを応用。
アイテム箱や障害物は地面に平面の模様として描かれています。
このグラフィックで、ライバルへの妨害要素を実装。
・バナナの皮やミドリこうらを対アカ甲羅の盾にする
・狭い通路など相手が通りそうな場所に罠を置く
といった駆け引きが完成しています。
アイテムの位置情報とか赤こうらの追尾性能とか、どうやって設定するんだろう。
「パイロットウイングス」といい、拡大・縮小みたいなローテクでよくこんなゲーム作ろうと思いますよね。
専門ではないので詳しくはわからないけど、3Dで作るのに対して二度手間、三度手間かかっているのでは。
2Dの奥行き表現といえば、「ダライアス外伝」のラスタースクロールも圧巻。
疑似3Dといえば「クロノトリガー」にはこんなミニゲームありましたね。
アイテムの性能
今どきのマリカーと比べるとアイテムの効果は薄く、逆転力は低いです。
赤こうらが弱い、トゲこうらが無い、3連アイテムが無い。
しかも、順位が低くても良いアイテムが出ません。
1人プレイではイナズマなんて一度も出ません。(そもそも出ない?)
これでも、当時は妨害アイテム自体が珍しかったので「妨害されて真面目にレースできない」と不満の声もあったのだとか。
■アイテムの性能
コイン:入手するのはたった2枚なので効果薄い
バナナ:スリップするバナナ
キノコ:ダッシュキノコ
ミドリこうら:後ろに投げることはできない。3連が登場するのはマリカー64から。
アカこうら : ホーミング性能はマリカー64よりさらに低いので頼りにならない
羽根:スピンしながらジャンプ!
うまく使えばとんでもないショートカットが可能
スーパースター:無敵&最高速維持
イナズマ:他キャラをチビにして弱体化
テレサ:他キャラのアイテムを奪う&一定時間透明
コース・キャラ数
コースは4つのカップ(キノコ・フラワー・スター・スペシャル)に各5コース、全20種類。
ロケーションは、
サーキット、平野、沼、クッパ城、おばけ沼、雪、レインボーロード、
の7つで、各1~4のバリエーション違い。
高難度ほどレイアウトが厳しくギミックが増えて複雑化します。
キャラは4タイプ各2キャラ、全8キャラ。
■キャラの性能
・標準性能:マリオ、ルイージ
強みが無い
・加速重視:ピーチ、ヨッシー
加速以外が弱い。グランプリでは最弱
・高速安定:クッパ、ドンキーJr.
加速は遅いが最高速が高い。上級者向け
・軽量機敏:ノコノコ、キノピオ
加速が良く小回りが効く。腕に関係なく強キャラ
率直な感想:激ムズっ!
今やってみるとめちゃくちゃ難しい!
最近のゲームがいかに親切で走りやすいかを痛感します。
疑似3Dのグラフィックは遠近感がわかりにくく、地形が完全に平面なので何がどうなってるのか判別困難。
同じ疑似3DでもF-ZEROのように道幅広くてシンプルなら良いけど、マリカーのように障害物が多いとツラい。
「えっ、これ障害物なの?」と戸惑うことが多々あります。
雪原を走るバニラレイクの氷ブロックなんてまず見えない。
背景がぐるぐる動いて酔うし、眼が疲れるのもツラいところ。
チョコレー島の背景なんてただのモザイク。
このグラフィックで1時間もプレイするとめちゃ疲れます。長時間のプレイは厳しい。
ほんと、マリカー64で3Dになって良かったなと痛感します。
挙動も独特で、ドリフトが慣性が強くて流れてしまうため舵角を決めるのが難しい。
ミニターボは超高等テクみたいな扱い。ロケットスタートすら神業。
成功しても実感できない程度の効果です。
見づらいグラフィックと扱いづらい挙動のため、やたら地形にひっかかるのも特徴。
障害物や直角コーナーにハマると抜け出せず大タイムロス。
しかも下位に落ちてもロクなアイテムが出ません。
コイン、緑こうらばかり。たまにスターが出るぐらい。
これでどうやって逆転しろと?
一方、ノーミスで突っ走るCPU。
CPUは走行ルート、順位にランダム性無し。
アイテムをジャンプで華麗にかわし、地形トラップに引っかかたり穴に落ちたりすることはありません。
しかも常に1位にくるライバルキャラは専用アイテムを無限所持。
前にいれば延々とポンポン置いてくるし、後ろにいればずっとスナイプしてくる。
難度(カート排気量)を上げるほど妨害頻度がアップ。
ミスしやすくロスが大きい、アイテムで逆転できず、CPUのミスは期待できない。
こんな状況では1ミスで詰みます。
マリカー64でも「逆転が難しくてシビア」と書いたけど、それと比較にならないぐらいムズい。
コツはもう「慣れ」しかない。
ぶつからずに走れるようになるまで繰り返し練習するしかないですね。
当時のゲームは「触ってすぐ楽しい」ゲームではないのです。
基本的に難ゲーであり理不尽。楽しむにはプレイヤーの忍耐が求められます。
今、こんな作りのゲームを作ったら売れません。
我々は日々親切になっていく今どきのゲームに慣れてしまったから。
理不尽といわれがちなソウル系の死にゲーだって、グラフィックは見やすいし、レベルデザインや操作は親切ですからね。
昔はどんなに理不尽で親切さに欠けた難しいゲームでも「どんなミスもゲームが悪いんじゃない、プレイヤーが悪い」と割り切って、文句も言わずただやり込んだものです。
まとめ
カート系レースが当たり前になり、慣れてしまった我々には本作がいかに凄い存在なのか実感し難いと思います。
それ以前に、難しすぎて楽しめるようになるまでが長い。
しかし、この難しさこそ当時のゲームならでは。
あなたもぜひ本作でゲームのスパルタ教育を受けてみてください。
今どきのゲームには足りない何かが見つかるかもしれません。
3D&だいぶ親切になった次作↓