当時、SS版をプレイ。本作が初メガテンで良かった。
ソウルハッカーズとは
遊びやすい・親しみやすい
「真・女神転生」の流れを汲んだ外伝的作品「デビルサマナー」シリーズ2作目。
前作とのストーリーのつながりはほぼ無い。
1990年代から見たネット社会を表現。
舞台はネットワークシステム「パラダイムX」が試験運営されたネット都市・天海市。
「ロウ」「カオス」のような神話的な話は控えめ。現実感があって親しみやすい。
2Dマップでシンボルマークを動かしてダンジョンや各施設に行く。旧メガテンでおなじみの仕様。
主人公はハッカー集団「スプーキーズ」のメンバー。
市にただようキナ臭いを嗅ぎつけ、首を突っ込むことで事件に巻き込まれていく。
女神転生にしてはやや低めの難易度と親切なシステムで遊びやすい。
メニューのショートカットはコンフィグで3種類セット可能。
オートマップ、魔法をセットすれば非常に使い勝手がいい。
絶妙なレベルデザイン。これはムリ!と思っても強化・準備をコツコツ進めればふと楽になる瞬間がある。
エンカ率は高すぎず低すぎず。ちょうどいい。
当時のROMゲームは長いロードが普通だが、本作は移動~エンカウント演出中にロードしているため戦闘開始がスムーズ。ただしPS版はロードが長い。
メガテンの醍醐味といえばやはり悪魔合体。その面白さは本作でも健在。
メガテン3以降と比べると自分の仲魔が見えないので少々寂しい気はする。その分テンポは良い。
倒し方によって撃破グラフィックが変わるのが嬉しい。
・金子一馬
悪魔絵師の異名を持つイラストレーター。悪魔、キャラデザインを担当。
ムーウィス第二形態が格好いい。
「ネミッサ」
主人公の相棒。バトルでも常時場に出す。
幼なじみ「ヒトミ」に乗り移る、実体を持たない女悪魔。
冒頭の選択肢で習得する魔法タイプが変わる。ここでいつも連打して火炎タイプになってしまう。
「ほんとうにそうなの?」みたいな確認がほしいところ。攻略は火炎安定だから良いけど。
・「いつもは明るい」→火炎タイプ
火力が高いので攻略が楽。ハマ系は反射されても安心。
・「結構クール」→氷結タイプ
先制ブフで氷結させるのが強み。ムド系を反射されると恐い。
・「意外とセクシー」→電撃タイプ
先制ジオで感電。ハマ・ムドが使えない。メギドラを覚えるので終盤向き。
「ビジョンクエスト」
他人の人生を追体験するシナリオが計3回挿入される。
高レベルキャラで後に主人公が向かうダンジョンを下調べできる仕様。
■周回要素
裏ダンジョンのラスボスを倒したら2周目にいける。
強くてニューゲームというよりハードモード。
・全書引き継ぎ
・合体レベル制限がなくなる
・被ダメージ1、5倍
「エクストラダンジョン」
クリア後、タイトル画面の「EXTRA GAME」からプレイ可能。裏ダンジョンを超える難易度。SS版でプレイするには非売品の専用ディスクが必要だった。
SS独占作品と見せかけて、後に追加要素を入れたPS版が発売されるのはいつものこと。
ペルソナはSS移植しないのによー。
あらすじ
地方都市「天海市」。政府に推進された「次期情報都市政策」のモデル地区。
その中で選ばれた市民には、インターネット上の仮想都市「パラダイムX」へ参加する権利が与えられる。
主人公は天海市に住むごく普通の少年、
と見せかけて実はハッカー集団「スプーキーズ」の一員。「パラダイムX」参加権利を狙う。
公衆回線から不正アクセスし、当選者を自分の名前に書き換える。
リーダーが謎の銃型携帯端末「GUMP」を偶然入手し、主人公がそれを手にすることで物語は動き出す。
ガンブレードならぬガンPC。使いづらそう。
シナリオは薄味
主人公に主体性がない。
あっち行けこっち行けと、状況とネミッサに振り回されるだけ。
「はいはい、わかりましたよ行きますよ」って感じでしぶしぶ行く。
メンバーや身内がさらわれたり、誰かに導かれるまま。
足がついたハッカーの尻ぬぐいがほとんど。
ハッカーなんてやってるから自業自得。というか身内に迷惑かけるなんて最低やん。
VR空間「パラダイムX」が素敵に見えない。曇ってるし寂れた田舎っぽい。
俺の地元こんな感じだったわ。夜7時には真っ黒で。
設定もよくわからん。VR機材とかつけてる様子もない。ただのネットショップみたいなもの?
主人公達は実体ごと入っちゃう。
PC端末にアクセスしてメールとかチェックできるけど楽しめる要素は何も無い。雰囲気的にとってつけた感が否めない。
よくよく聞くとネットを介して魂を吸い取ってるみたいな話で、特にネットである必然性はない。
システム
COMP
インストールソフトで携帯端末に自分好みの機能を追加できる。
制限付きだが合体も可能。
・「バックアッパー」:どこでもセーブ
本作のダンジョンは引き返しやすいのでそこまで必要ではないけど、やはりあると嬉しい。
・「コペルニクス」:9割以上の確率で合体事故を起こせる
合体事故は自分のレベル+5~-15までの悪魔が生まれる。魔法継承できないけど+5はデカい。
仲魔
メガテン3などと違い、悪魔は成長しない。
スキル継承してレベルの高い仲魔に乗り換えていくのみ。
会話内容がカオス。
法則はよくわからん。相手の性格 年齢層・性別なんかを踏まえて無難なのを選ぶと良さげ。交渉は簡単になってるようで仲魔になる確率は高い。
ダメなときは4択どれを選んでもダメだったりする。
満月時は悪魔の理性がなくなってしまうが、しつこく話しかければ会話に持ち込める。
同じ悪魔がいれば確実に戦闘を回避できる。苦手な奴を仲魔にしておくのもアリ。
ピナーカでひと突きー!
仲魔を魔晶変化すると強力な武器・防具になる。
3DS版以外は悪魔全書が無い。仲魔を合体の素材や武器にするとまた1から作り直し。これはツラい。
最高位の悪魔はレベル80以上と高過ぎ。一周目ではまず手が届かない。
レベル70~80あたりの悪魔が品薄なので高レベル帯では合体の楽しみが無い。
■忠誠度
悪魔にはそれぞれ性格「獰猛、冷静、狡猾、友愛、愚鈍」があり、命令の種類に応じて「忠誠度」が上下する。
4以下だと好みに反した命令に逆らう。例えば「獰猛」に回復を持たせても使わない。それどころかHP消費技を使って勝手にピンチになる。
戦闘終了時に忠誠度0だと離脱してしまう。
忠誠度が低いとパーティーが機能しない。
攻撃・回復はテキトーにやってくれるけど、せっかく継承させた補助魔法使わないのでボス戦は厳しい。
忠誠度の簡単な上げ方
・「獰猛」は店売りのおつまみを与えればOK
・酒で性格を「友愛」に変えてガードさせる
・酒で「獰猛」にしてアタックの繰り返し
ダンジョン
遺跡や神殿みたいないかにもな場所ではなく、現代的なビルや工場を探索。
一方で、仮想空間にはシリーズおなじみワープゾーンがある。
チェックポイントに到達するたびに入口を経由できる親切設計。
ちびちび引き返して強化しながら進むことが可能。
さらに入口や消耗しそうな地点にはターミナル・ヒーリングポイントが設置されてる。
序盤の冷凍倉庫から迷路のように入り組んでる。でもインストールしたミニマップと全体マップを確認すれば大丈夫。
後半のダンジョンは面倒だが、親切設計のおかげでなんとか投げずに頑張れる。
ラスダンの構造は簡単だけど入口までのショートカットが無い。
いきなりボス戦になる。
ボス前にセーブポイントが無い。「この先にボスがいるわよ」みたいな注意もない。
道中はマッカ節約でフルメンバーを出してないので困る。戦闘中に編成を整えてるうちに全滅。
下手するとめっちゃ前のセーブに戻される。
戦闘
ネミッサの魔法は序盤から桁違いのダメージが出せる。
そのため前半のパーティー編成は考えなくてもいし、稼ぎも楽。本作の敷居を下げてる要因のひとつ。
後でアギ撃ってるだけでサクサク倒せる。範囲攻撃魔法でザコ狩りも楽々。道中は2人旅できるほど。
少人数で戦って溜めたMAGを換金すればお金に困ることもない。
メガテンは初見殺しボスだけでなく「初見殺しザコ」がいる。
物理・魔法反射やムドがヤバい。気を抜いたり準備が足りないと主人公1発即死で終わる。
ボスは「どうせメディアラマで全快するから良いやろ」みたいなノリで壊滅的な全体攻撃を毎ターンぶっ放してくる。
どんな難敵でもLV3~5ぐらい上げれば一気に楽になるので、ボコられたら一旦冷静になって準備し直した方が良い。
実はデカジャ・デクンダを持ってるのはラスボスとベルゼブブだけ。
そのため補助魔法「~カジャ」「~ンダ」かけ放題。強化が終われば勝ったようなもの。
vs「召喚士マヨーネ」
1体ごとに特性が違うパーティー構成がいやらしい。
電撃・氷・炎で凍ったり痺れたり。いずれかが弱点属性で大ダメージ受けて1ターンでパーティーが壊滅状態。
マハラギ撃ったら反射で即死。頑張って削ってもディアラマで全快。
vs「魔王シェムハザ」
「マハ~」1発で瀕死。氷結・痺れ、異常状態で何もできん。
氷・炎反射でネミッサの魔法が使えない。タルカジャ×4をなんとか差し込んでちびちび削る。
毎ターンが綱渡りみたいな死闘になってしまった。この編成でよく勝ったわ。
vs「ベルゼブブ」
なにがしんどいってHPの多さよ。最強魔法「くりからの黒竜」50回分。
まとめ
初メガテンにオススメの良作。
親切設計のダンジョン、易しすぎず難しすぎないゲームバランス、遊びやすいUI。
「10年後のネットを予見した」といわれるシナリオは、ざっくりした雰囲気だけなのであまり期待しない方が良い。