ミリタリー感あふれる硬派な作風で、シンプルに遊べて質が高いSTG。
違いのわかる大人ゲーマーにおすすめしたい作品です。
今までに紹介したSTGの中で最高に難しいのですが、なんとか1コインクリアしました。
そこで、
・1990年代最高峰といわれる名作縦STGの魅力
・嫌というほど味わった「彩京弾」のいやらしさ
を紹介します。
もくじ
シンプルに質を追求した硬派なSTG
シンプルに美しいグラフィック
彩京の縦スクロールSTG「ストライカーズ1945」の続編。
1998/10/22発売。
第二次世界大戦を題材にした、硬派なグラフィックとBGM。
90年代後半のSTG円熟期にあえての真っ向勝負。シンプルに質を追求した作品です。
グラフィックは2Dシューティング史上最高峰の美しさ。
重厚でミリタリー感あふれる仕上がり。プリレンダCGに見えるほど緻密に描き込まれて滑らか。
第二次大戦かと思ったらトンデモ兵器!
ボスは巨大な戦車や艦船。
と見せかけてどいつもこいつも超兵器ロボットに変形します。
ミリタリー感を残しながら、架空兵器のハッタリが効いた格好良いデザイン。
超兵器はSTGでありがちですが、第二次大戦という鉄と硝煙の香り漂う舞台とのギャップでひときわ強烈な印象を残します。
「シンプルで硬派」というと地味に聞こえるかもしれませんが、本作はミリタリー感と超兵器のコントラストが鮮やかで華があります。
シンプルで遊びやすいシステム
操作は「ショット・ボム」の2ボタン。
非常にシンプルです。
・ボム
爆撃機などの支援機が敵弾をかき消しながら一定時間攻撃します。
この間、自機も一緒に撃ち込めるので、ボスもすぐ倒せるぐらい高火力。
ただし自機は無敵ではないので位置取りが悪いと普通に撃ち落とされます。
・スーパーショット
(ショット長押し→離す)
撃った場所で子機が一定時間自動攻撃。
敵の出現パターンに合わせて攻撃を「置く」ことができます。
画面下に表示されているパワーゲージを消費して発動。
ゲージ量に応じてLv3まで強化できますが、子機は複数出せるのでレベル1を小出しにした方が強いです。
6種類の機体から自機を選択。
どの機体も個性的な攻撃方法を持ち、しっかり差別化されています。
それぞれ長所・短所があり、単純に「どれが強い・弱い」とは言えない絶妙な調整。
特にこだわりが無ければ、初心者向けの使いやすい機体「キ84疾風」がおすすめです。
復活方式は、戻り復活ではなく「その場復活」。
撃墜された場所から一定時間無敵で復活します。
コンティニューはステージ最初からリスタート。クレジットでゴリ押しはできません。
シンプルに難しい、楽しい
本作は高難度化が進んだ90年代後半のSTG円熟期、ガチのアーケードゲーム。
家庭用オリジナルの「サンダーフォースV」「R-TYPE デルタ」など、今まで1コインクリアしてきたSTGとは一線を画す難しさです。
STGの作品別難易度を格付けするWikiによると、
一周クリアの難易度は、怒首領蜂大往生、ケツイ、斑鳩とほぼ同ランクになっています。
このラインナップを見てわかる通り、STG初心者がクリアするのはかなり厳しい高難度。
彩京弾!
彩京シューティングといえば目にも留まらぬ高速弾、通称「彩京弾」。
処理落ちで弾速が遅くなるとか、そんな甘えは一切無し。
常人の動体視力では見てから反応できません。終盤はパターンを知らなければ「撃たれた瞬間に死ぬ」弾の連続です。
しかも自機の当たり判定がデカい!
見た目よりデカいんじゃないかと思うほどデカい。
弾幕STGに比べると敵弾がスカスカに見えますが、避けたつもりが余裕で当たります。
自機の車幅感覚が体になじむまで「えっ、今のでダメ?!」みたいなことが多発。
何気ないバラまき弾が脅威です。
もちろん、高速弾に撃ち抜かれるだけのゲームではありません。
本作の弾は豊富なパターンで見事に自機を落とします。この見事さにはむしろ関心してしまうほど。
弾数は控えめですが、弾の軌道がいやらしい。考え抜かれた軌道で、ぱっと見なんてことないような弾でも吸い寄せられるように当たってしまう。
攻撃パターン単体だとなんとかなるように見えますが、次々に弾を重ねてきます。
前半ステージから、主砲の攻撃を避けたと思ったら副砲に撃たれるとか当たり前。
最初の避け方が悪いと、次の攻撃で追いつめられて確実にやられます。やられるようになってます。
ボスと戦ってるときにザコが乱入してくるのも厄介。偶然回避しても、ザコの追撃で撃ち落とされます。
中途半端なアドリブ避けを許しません。
こんな具合に何百回と落とされますが、自機を落としにくるパターンが豊富なのでやられるたびに次の課題を与えられたような気がして俄然やる気が出てきます。
後半ステージの熾烈な攻撃を避けるには、例えば「奇数弾・偶数弾」みたいな日常生活では使うことがないSTG用語を知る必要があります。
・奇数弾:動かなければ当たる
・偶数弾:動かなければ当たらない
アドリブが通用しない反面、ランダム性が少なく法則性が強い攻撃なので攻略を覚えれば安定して回避可能。
理詰めで攻略していく面白さがあります。
とりあえず5面クリア目標でやってみよう
序盤はヌルめで遊びやすいです。
ステージ道中は短めで密度が高く、ボスの耐久力は低め。ボム1個使えばすぐ倒せるほど。
サクサク遊べます。
テキトーでもある程度頑張れば5面あたりまではクリア可能。
前半はテキトーにスーパーショットを撃ちながら巨大ボスを撃破するだけでも楽しいので、難しいゲームなのに初心者受けも良かったんだとか。
前半4面はステージ順がランダムなので何度でも新鮮な気持ちで遊るのも嬉しいところ。
後に出たステージは難易度が上昇します。「街」ステージが後半に出たら注意。
中盤の名物「15門砲台」に前半とは思えない弾を撃たれます。
前半4面を超えると次第に難しくなってきて、気がついたら無理ゲーに突入。
急に理不尽な弾に撃ち抜かれたときの「こんなはずじゃなかった」感。
5面クリアが目標なら難所でボムを撃っていればいいのですが、その先はボム・残機が少ない上に後半の攻撃が回避困難なので絶対に詰みます。
クリアを目指す場合は攻撃を自力で回避するパターン作りが必要。そのため、全クリを目指すと一気に難度が跳ね上がります。
ボムは初期の2つと1ステージにつき1つ支給されるだけ。道中の残機増加はエクステンドの1機のみ。
幸運にも助けられながら弾を必死で避け、後半のどうしようもない難所だけにボムを使ってギリでクリアできるボム・残機数。全く余裕がないです。
なので、前半は1個も使えません。ボム抱え落ちなんて問題外。
ミスからの復帰が難しいのもツラいところ。
パワーレベルが0に戻されます。この貧弱な攻撃でどうやって生き残れというのでしょうか。
また、ミス時にパワーアップとボムアイテムがばら撒かれますが、上に飛んでいってしまうので回収困難。拾いにいったところを撃ち抜かれて残機を失う悪循環になります。
コンティニューした場合、ステージの最初からやり直しでスタート。そのため、いくらコインを投入しても有利になりません。
ゲームオーバーになるたびステージ最初からやり直してボス戦まで進み、やられながらパターンを1つ1つ覚えて攻略を組み立てます。
当時ゲーセンで遊んでいた人はどんだけ辛抱強いんだと思いますね…
ラスボス「F.G.R」。
名前の由来はなんと「ふぐり」。見た目もまさにそれ。
メチャクチャ強いです。まともに攻略するのは諦めました。
ここまで頑張って温存してきたボムと、エクステンド分と合わせた残機の力でゴリ押し!
ギリで倒せました。
ちなみにSTGおなじみの2周目があります。
撃ち返しのランダム弾が絡み難度が格段にアップ。しかもコンティニューできないから練習できません。2-1で早くもゲームオーバーになりました。
常人にはムリです。
まとめ
クリアを目指す場合はそれなりの修練が必要。
ですが、
シンプルなシステムと、テキトーでも5面ぐらいまでは進める絶妙な難易度調整。
初見でもすんなり遊べるので、誰でも1990年代最高峰といわれる名作縦STGの魅力を味わえます。
ゲームアーカイブス(PS3/Vita/PSP)、スイッチ、スマホでも遊べるのでぜひチャレンジしてみてください。