ヤギゲームブログ

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ゴジラ

キングコング対ゴジラ【感想/評価】そりゃ子供から大人まで夢中になるわ

投稿日:2019-07-30 更新日:

キングコング対ゴジラ <東宝Blu-ray名作セレクション>
東宝 (2019-05-22)
売り上げランキング: 40,903







日米2大スター怪獣、夢の頂上決戦!

■あらすじ

自社製作のテレビ番組「世界驚異シリーズ」の視聴率不振に悩むパシフィック製薬は、「巨大なる魔神」の噂を話題にするためスタッフをファロ島へ派遣した。

スタッフは現地で大ダコと戦う魔神キングコングを目撃する。

一方、北極海では前作で氷山に封印されたゴジラが7年ぶりに復活。日本へ向けて南下を開始した。

「キングコングとゴジラはどっちが強い?」という企画を思いついたパシフィック製薬は、キングコングを眠らせて日本へ運ぼうとする。

しかし太平洋上でキングコングが眠りから目覚め、運搬船から脱出。日本へ向けて北上する。

ゴジラも日本に上陸し2大怪獣は激突。中禅寺湖で第一ラウンドが始まった。

公開:1962/8/11

 

怪獣映画最大のヒット作

「キングコング対ゴジラ」は怪獣映画最大のヒット作

最終的には観客動員数1255万人を記録。これは現在でも邦画史上14位に食い込んでいます。なんとET、アバターより上。

前作で怪獣対決が実現しましたが、中盤でアンギラスが途中退場した前作とは違い怪獣のガチンコ対決を主軸にしています。
本作の大ヒットがゴジラシリーズの怪獣対決路線を決定づけました。

まずポスターが面白すぎますね。ぶん回してます。「あ~れ~」みたいなゴジラの体勢が(笑
劇中でちゃんとこのシーンがありますが、ポスターほどは回していません。

 

ノリはコミカル

ゴジラ映画史上屈指のお気楽ムードでコミカルなノリです。

主人公、桜井修(高島忠夫)達が属するパシフィック製薬はキングコングが話題になると宣伝になって儲かるのでキングコングを応援しています。
ゴジラ復活を伝えるテレビや週刊誌のスポンサーにはライバルのセントラル製薬がついているのでゴジラが勝つと困る。

「部長、旗色が悪くなってきましたね」
「負けちゃいかん負けちゃいかん」
とか、ゴジラ完全アウェイです。

最後は自衛隊や博士まで「共倒れ作戦」ってことでキングコングを応援。

 

解説役の重沢博士(平田昭彦)。
目を細めて渋い顔をしながら終始テキトーなことばかり言ってます。

キングコングが帯電体質になったときは、
「スイスにあった実例だが、ある郵便配達員が落雷に撃たれてね。運良く助かったんだが彼の体は蓄電池みたいになったことがあるんだ」
ネットで調べたけど、そんな話はありませんでした。あっても都市伝説でしょう。

最後も、
「さぁね…今の僕に言えることは、人間はあらためて動植物の自然に適応する生命力に学ぶべきだ。それだけしか言えないね」
何か意味のあることを言っているようで内容ゼロじゃないですか重沢博士(笑

 

こんなノリなのでシリアスさを期待すると肩透かしを食らうかも。

とはいえ人間ドラマも蛇足にはなっていません。
例えば、

・ドラムが得意な主人公、糸の強度、倒れた相方のために赤い汁をとりにいかせた子供が大タコに襲われる、などなにげないシーンが全て伏線になっている

・キングコングがゴジラの口に木を突っ込むシーンや、女性をさらって国会議事堂によじ登るシーンが初代キングコングのオマージュ

このように、よく見ると一切ムダが無く完成度が高い。

 

自衛隊も頑張っています。
以下のような「埋没作戦→高圧線」二段構えの作戦を実行。

・埋没作戦
両側の河川にガソリンを焚き落とし穴に誘導。
ゴジラが落ちたら毒ガス火薬を爆発させて土中をガス室にする。

結果:毒ガス全然効いてない

 

・100万ボルト高圧線

結果
ゴジラ:「熱つっ!」とビビって進路変更
キングコング:100万ボルトは美味しく頂きました

この作戦により、本来電撃に強いはずのゴジラが逃げ帰り、キングコングは帯電体質になってパワーアップ。
結果的に自衛隊の作戦はゴジラ対策として効果を発揮しました。

 

■余談

キングコングがいるファロ島はソロモン諸島の1つです。

ソロモン群島といえば第二次世界大戦中、ガダルカナル島の戦いなどで日本軍とアメリカ軍が激戦を繰り広げた場所。

ですが本作に戦争に関する話題は一切出ません。
説教くさいメッセージは一切無く、エンターテイメントに徹してるので気持ちいい。

ソロモン群島をエンターテイメントの舞台として描くことで、日米が戦争の記憶をいったん消化し和解する。
日米2大怪獣の共演にはそういう意味もあります。

 

作り込みは本気

7年ぶりのゴジラ映画ということで、相応の気合が乗っています。

まずオープニングでも流れるテーマ曲「ファロ島の祈りの歌」が格好いい!
2大怪獣の対決にふさわしいゾクゾクするような曲。期待が膨らみます。

前作の続編という設定なので、ゴジラは生き埋めにされた氷山から復活。
このときの原子力潜水艦の描写が秀逸で「ただの氷山です→いや、違う!」の流れとしっかり描いています。
復活時の光を見た博士が「チェレンコフ光のようです」と言うのも燃える。

 

ファロ島の宴シーンでは、広いセットに作り込まれたオブジェクト。エキストラは百人以上。
踊り子も何十人といて動きがキレッキレ。手間と金をかけているのがひと目でわかります。どう見ても全員日本人ですが。

急行から降りる人や街から疎開する人のエキストラも多すぎ。

急行にゴジラが迫る中で道案内をする警察官や自衛官がいるのですが、恋人を助けようと強行突破する男をみて「バカたれ!バカたれ~!!」と注意するのが日本人らしくて面白いです。

 

山林のミニチュアは木の1本1本まで丁寧に作ってあるので雰囲気抜群。

クライマックスの熊本城はもちろん、最後の1カットしか映らない沿岸の民宿ミニチュアまで作っているのが驚きました。
バシャーン!と2体が海に落ちた衝撃で土石流が起こる様子とかもちゃんと描いています。

 

土木工事の描写が素晴らしい。
はたらく車をミニチュアでしっかり描いています。しかも、次のシーンに進むと「穴掘り→フタ作り」とちゃんと工事が次の段階に進んでいるこだわりよう。

こういう地味な部分を丁寧に見せてくれると嬉しいですよね。
予算が無いと、こういう場面をテレビごしのニュース映像で処理したり丸々カットするので。

 

総じて、
「とにかく良いものを作ってやる!」という作り手のやる気・余裕を感じます。
予算が減った後期昭和ゴジラを観てから本作を観ると、どれだけ豪華な作りなのかがわかる。

 

怪獣バトルが面白い!

話題性だけでヒットわけではなく内容が面白い!

ゴジラ怪獣にしては珍しく動ける体型なので躍動感があるキングコングと、どっしりしたキンゴジの対決は歴代屈指の面白さ。

ゴジラの戦い方を学び適応し、不意打ちを仕掛けるなど高い知性を持つキングコング。
そのキングコングが、放射火炎という遠距離攻撃と強力な尻尾を持つゴジラにどう立ち向かうのかが見どころ。

 

急斜面の地形を活かしたアクロバティックな戦いが繰り広げられます。

ヘリから落とされたキングコングが山の斜面を滑り落ち、そのままゴジラにスライディングキック!
斜面を存分に活用したアクションに、高島忠夫も「おお、すごいすごい」と興奮。

2体の特徴を活かした色んなアクションを見せてくれるので最後まで飽きません。

ラストの、激しく戦いながら熱海城までなだれ込み城を両側から破壊するシーンは必見。
本作から城破壊シーンがゴジラ映画のお約束になりました。

 

もう「キングコング対巨大タコ」の時点で抜群に面白い。

本物のタコを使っているのでなのでぬたぁーっとしています。効果音もずっとヌチャヌチャ鳴ってる。
このタコをしつこいぐらい映すので画面がずっと生々しい。

こんなヌメヌメな巨大生物が襲ってきたら恐怖!
それにしても、タコにはどうやって演技指導するんでしょうね。

 

キングコングの魅力

本作の大きな魅力は、怪獣に恐さと可愛いさが同居している所でしょう。

ゴジラとキングコングの仕草が人間臭くて可愛いんですよ。

オリジナルのキングコングはゴリラっぽいイメージなのですが、本作ではオリジナルと大きく異なりニホンザル系統の体形や顔つき。日本人にも馴染みやすい造形で表情が愛嬌たっぷり。

正面からいくとゴジラの方が強いので知能を活かして奇襲を狙います。
それでもやはりゴジラには勝てないので「ああダメだこりゃ~」ってな感じで頭掻いてあっさり退散する様が可愛い。

バンザイ状態で走るのも可愛い。
岩を投げる勢いで転び、そのまま滑り落ちて頭ぶつけてダウン。ドジすぎて可愛い。

この可愛さを観たらキングコングを応援したくなること間違いなし。

 

しかしこの日本版キングコング、オリジナルと違うためアメリカでは日本でいうとエメリッヒゴジラ並に不人気なんだとか。

ちなみに、ゴジラに合わせてオリジナルの7mから45mに巨大化しています。

アメリカ製のコングはたいてい7~18mの設定。
最大でも「キングコング: 髑髏島の巨神」(2017年)の31.6mなので、日本版キングコングの45mは現在でもキングコング史上最大です。

オリジナルのように美女をつかむシーンがありますが、よく考えれば無理やりなオマージュ。
オリジナルの7mコングならわかるけど、本作の45mとなると話は別。もうどうやってつかんでるんだと。

このとき浜美枝さんが「助けてぇー恐い恐い!助けてぇー!うう…いやー!」とうるさい(笑

 

キンゴジの魅力

本作登場するゴジラ、通称「キンゴジ」は次作のモスゴジと並んでトップクラスの人気を誇るモデル。

圧倒的な重量感、造形のインパクトは歴代モデルの中でも随一。

キンゴジの魅力は「不思議とイケメンに見える小さい頭部と、マッシブな体のギャップ」だと思います

小さい頭部と下半身から上半身までマッシブなボディ。ゴジラにしては珍しく腕もごつい。力士みたい。
下半身がゴツいずんぐり体型のせいか、よちよち歩きみたいで可愛い。腕の構えも可愛い。

 

対してイケメンな頭部。

コングとの対比で爬虫類に寄せたデザインになっています。
この顔、なんと形容すればいいのでしょうか。堀りの深い外国人のようです。日本人でいうと阿部寛。

頭がやたら小さくて鼻や目がシュッとしてる一方、口裂け女かってぐらい口デカい。
見る角度によりタレ目のようにも釣り目のようにも見え、違った印象になる味わい深さ。

この頭部・体のギャップにより、ずんぐりとイカつい中に爬虫類らしい洗練されたスマートさを感じるゴジラ。
見る人によって「格好いい」「可愛い」と色んな魅力を感じさせます。

 

このイケメンを引き継いだのがミレニアムゴジラ(ミレゴジ)ですが、わりと普通の爬虫類になっちゃったのでインパクトに欠けます。
マッシブなイメージがキンゴジに近いのはGMKゴジラ。

 

最後は引き分け?

第1ラウンドはゴジラ、第2ラウンドはコングの勝ちで引き分けという見方が一般的。

キングコングはたまたま雷で一時的にパワーアップしたから戦えたので、地力でいえばゴジラの方が強いかと。

キングコングは岩で生き埋め状態から尻尾叩きつけで滅多打ち、放射火炎で完全にグロッキー状態でした。
このとき岩が思いっきり顔にヒットしてるのが笑う。

でも運よくこのタイミングで雷が直撃して復活し、タックルからマウントとって帯電パンチで殴りまくり一気に形勢逆転。
2人はもつれ合いながら海に落ち、キングコングは悠々とファロ島に帰っていきます。

ゴジラは「モスラ対ゴジラ」まで眠っていたので、実質キングコングの勝利と考えて良いかもしれません。
でも雷さえ落ちなければゴジラ圧勝だし…

未だ決着のつかない話題です。

 

2020年公開予定のハリウッド版「ゴジラ vs キングコング」では監督のアダム・ウィンガードが「キッチリ勝敗を付ける」と明言しているので、その点も注目。
さらに、

「僕は勝ち目のない戦いが好きなんです。ロッキーとイワン・ドラゴの対決みたく、フェアではなくても明快な戦いがいい。負けると思われている方がサプライズを繰り出すこともあるでしょう。」

と語っているので劣勢といわれているキングコング勝利が濃厚か?
公開が楽しみですね。

 

まとめ

カラーになっただけでなく、前作から内容も劇的に進化。
2大怪獣のネームバリューに負けない傑作です。

この進化を見せつけられたら、そりゃ子供から大人まで怪獣に夢中になるわ。






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