直訳すると「悪魔も泣きだす」。
誰でもスタイリッシュに戦える、アクションゲーム初心者にもおすすめなシリーズです。
とはいえ「デビルメイクライ(DMC)を始めてみようかな」と思ってもシリーズ全6作もあるし、作品内の時系列がバラバラでどれから手をつけて良いか迷いますよね。
そこでDMC初心者の方向けに、シリーズ全作クリアし全作の個別レビュー記事を作った私ヤギがオススメのプレイ順を紹介します。
各作品の感想もまとめているので、ざっと読むだけで各作品の出来・不出来、シリーズの流れがわかりますよ。
ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
デビルメイクライ(DMC)とは
全世界で累計出荷2000万本以上を誇るカプコン看板タイトルの1つ。
2001/8/23発売の一作目から約20年間人気が続いているシリーズです。
ジャンルはスタイリッシュアクション。
・「スタイリッシュ」の代名詞となったダンテ他、格好いいキャラ達
・テキトーなボタン連打でもコンボのようにつながる軽快なアクション操作
・一周まわってもはや何がしたいのかわからないスタイリッシュアクションが炸裂するムービー演出
がシリーズ通してのみどころです。
歴代作品の流れを大まかに説明すると、
DMC1:PS2で登場。初代バイオゆずりのシステムとB級ノリの組み合わせが受けて一躍人気に
DMC2:進化がないどころか大幅劣化。ファンからも存在を消されている
DMC3:2から一転して爽快なノリで復活。コンボゲーのスタイリッシュアクションを完成させた
DMC4:次世代機に移行したが開発リソース不足で良作止まり
DmC:リブート作。全4作のイメージを超えられず、新主人公が名倉ンテといわれて日本で特に不評
DMC5:10年の時を経て復活したナンバリング。シリーズ集大成となる素晴らしい出来
このように、1作ごとに迷走しており出来に波があります(笑
各作品について詳しくは後で説明しますね。
DMCシリーズ、おすすめプレイ順
DMCシリーズのおすすめプレイ順は、
・発売順でシリーズ全作楽しむ
・時間が無いので単品のオススメ順に楽しむ
この2通りを考えました。
シナリオのつながりは薄いし単品として楽しめるようになっているので、基本的にどの作品からプレイしても大丈夫。
とはいえ、過去作をプレイしてるとわかるニヤリとできる小ネタや仕掛けがあるので100%楽しむならやはり発売順で遊ぶのが良いかと。
「dmc デビルメイクライ」(DmC)はシナリオ的に他作品と関連性がない、いわゆるリブート作です。
戦闘システムはDMC4の良いとこ取りなので、DMC4の後にプレイすると自然に遊べます。
作品中の時系列順で楽しむ選択肢もあるけどオススメしません。
時系列だと「3→1→4→5→2」ですが、これだとゲームシステムや出来がバラバラで逆につながりを意識できません。
5→2なんて順番で遊ぶと地獄ですよ(笑
では、2通りのおすすめプレイ順「発売順、単品のオススメ順」について解説します。
発売順で楽しむ
発売順で遊ぶのが最もオススメです。
発売順でプレイするメリットは、
・制作者も前作を念頭に置いて作品を作っているため、発売順で遊ぶのがシナリオ・操作的にも1番しっくりくる
・リアルタイムで遊んだ人同じ順番でシリーズの進化を体感できる
なので、やはり発売順にプレイするのが王道ですね。
とはいえ、バイオハザードの影響を強く残すDMC1は今となっては遊びにくいかもしれません。
DMC1~3の中では、スタイリッシュアクションが完成したDMC3が最も遊びやすいので、旧作はあえてDMC3から入るのもアリ。
DMC1から始めてファントムやシャドウ、ナイトメアにウンザリしたらDMC3からやってみましょう。
単品のおすすめ順で楽しむ
単品の個人的なおすすめ順は左から、
「5、DmC、3、1、4、2」
です。
とりあえず1本選ぶならDMC5。
DMC5にはシリーズの美味しい部分が全て詰まっています。
単品のアクションゲームとしてみれば次にDmC。
先ほど言ったようにシリーズを完成させたDMC3。
シリーズ中でも異質な存在感があるDMC1。
予算の影響が出てるけど良作の範囲で仕上がっているDMC4。
と続きます。
え、DMC2ですか?
そんなゲームありましたっけ?
面白いアクションゲームが遊びたい方はDMC2をスルーしてOKです。
というかよほどのシリーズファン以外は遊べないと思います。僕もプレイ中はしんどかった…
では以下、各作品について発売順で紹介していきます。
各作品紹介の後に個別記事を貼っているので、詳しく知りたい方はそちらをどうぞ。
シリーズ全6作品の紹介
デビルメイクライ1
1作目にして国内65万本超えの大ヒット。
「スタイリッシュ」という単語を定着させ、ゴッドオブウォーなど様々な3Dアクションゲームの元になった偉大なシリーズ初作。
まず主人公、ダンテのキャラクターが斬新。
最強の悪魔狩人(デビルハンター)という、中二病を絵に描いたようなキャラです。
ぱっと見、ワンパンでぺしゃんこにされそうな巨大ボスを相手にしても怯むことなく挑発を繰り返すのでヒヤヒヤします。
このダークヒーローぶりが人気者になり、新たな主人公のイメージを確立しました。
当時としては斬新な爽快アクションを実現。
斬りまくって空中にふっ飛ばし、
銃で撃ちまくってお手玉しながら、
ジャンプ斬りで叩き落とす!
二段ジャンプや壁蹴りを使った空中移動も軽快です。
もっさりモーションなDMC2、コンボゲーになったDMC3と比べ、迫力と手応えがある本作のフィーリングが好きな人も多いのだとか。
当初は「バイオハザード4」として開発されており、開発しているうちにバイオのイメージからかけ離れいったので別タイトルになったのが本作。
そのため後のシリーズ作品に比べ、バイオの名残りが強く残っています。
例えば、
・舞台は中世ヨーロッパのゴシックホラー風
・カメラ固定で場所ごとに視点が切り替わる方式。ときにはラジコン操作
・バイオ4のようなミッション制。全体の道のりを20以上のミッションで区切った形。
このバイオ仕様とアクションの相性が悪い部分が目立ちます。
具体的には、
・目まぐるしく動くアクションに対してカメラワークが不親切
・移動速度が遅い、射撃が強い(特にロケラン)
・フリーミッションが無い
このようにバイオからあか抜けていないので遊びづらいと感じることも。
また、難易度はシリーズ中で1、2を争う高さ。
難しいというより不親切な初見殺しが目立ちます。
でもそのハードさも本作ならではの味。
重々しいゴシックホラー感はシリーズ中随一。
接近攻撃には後のコンボゲーとは違うズシリとした手応えがあります。
本作にしかない魅力があるのは確かで、シリーズ中でも他と比べられない名作。
デビルメイクライ2
シリーズの黒歴史。
聞いたこともない3流スタジオが前作をマネて低予算で作ったような仕上がりです。
前作にもバイオのゲームデザインを引きずった粗さはあったけど、良い・悪い部分が両方心に引っかかる作品でした。
対して本作には悪い部分しか見当たりません。
そのためシリーズ唯一といえる駄作扱い。
ファン、メーカーともに本作の話をすること自体がタブーと化しています。
悪い部分を言い出すとキリがないので以下、特に気になる難点だけ紹介します。
■言葉を失った男
本作にはストーリーがありません。
いや、あるけど全く印象に残りません。
シリーズの時系列で最も後ということで、前作からダンテが急に老けました。
あの不敵な姿を見ることはできません。
大人らしい寡黙で無口というより、本来は喋る場面なのにバグで喋らないような不自然さ。
まるでマネキンです。
■スタイリッシュどころかストレスフルアクション
全体的にもっさりモーション化。
剣の振り遅い、銃の連射遅い、フィーリングが安い。
攻撃後の硬直をキャンセルできなったのも致命的で、爽快感が激減しています。
近接武器は格闘武器が無くなって剣3種のみになり、使い分ける楽しみが無くなりました。
使い分け以前に、射撃武器の重要度が高すぎて近接攻撃がオマケと化しているのも問題です。
・ミサイルランチャーを筆頭にやたらと射撃武器が強い
・飛行タイプの敵が多い。
硬い上に何度も登場する戦闘ヘリにはもうウンザリ。
よって、何が出てきても□(射撃)だけ連打するのが安定で、アクションが面白くない。
その上で、どこに行ってもぼんやりと暗い場所ばかり。
引きの画が多く背景はペラペラ。
そのうちPS1のゲームをやってるような気がしてくるから不思議です。
初見で約3時間でクリアと前作より少ないボリューム。
正直「早く終わって良かった」と思いました。
ちなみにもう1人の主人公、ルシア編はダンテ編と道中がほぼ同じなのでプレイを断念。
期待値ゼロでも遊べない作品です。
デビルメイクライ3
前作から全てを一新。
スタイリッシュな兄弟の宿命的な対決と、ハチャメチャなアクションをこれでもかと描く。
シリーズ中で最も、格好良さだけを追い求めた作品といえます。
これこれ、このフィーリング!
触ってすぐわかる、アクションの爽快感。
キレの良いモーション、バッサリ感のある斬撃、キャンセルの快適さ。
剣、ヌンチャク、双剣、格闘と近接武器の種類が増加。
さらに新システム「スタイルチェンジ」によって、アクションの幅が大きく広がりました。
これらよりDMC1とも違う、攻撃がコンボゲーのように次々とつながるスタイリッシュアクションにあか抜けています。
本作はシリーズの時系列で最も前。
よって最も若く、最もやんちゃでノリが軽いダンテが楽しめます。
シリーズ最高のあおりの1つ、
「ワンちゃんコンクールに出てみたら?」
が炸裂するのは本作。
ダンテの兄、バージル初登場。
武器は一振りの日本刀のみ。格好いい要素全部乗せで反則みたいなキャラ。
SP、HD版ではメインキャラとして使えます。
このバージル兄貴が強えーのなんのって。この強さ、ぜひ味わっていただきたい。
ムービーのアクションもやり過ぎなほどにスタイリッシュ!
ミサイルでサーフィンしたり、バイクで敵を蹴散らしたり。
一周してもはや何がしたいのかわからないようなアクションを、スローモーションを多用してくどいほど見せつけます。
ボリュームも前2作をはるかに上回ります。
一周クリアに約8時間かかりました。
これはDMC1の2倍、DMC2の3倍近いボリュームです。
個性的な攻撃を繰り出す強敵ボスが10体以上登場と中身も充実。
バイオハザードの影響が色濃いDMC1、
迷走したDMC2を経て、
スタイリッシュにあか抜けたDMC3。
コンボゲー化、キャラが美男美女、やり過ぎなほど格好いいアクション演出。
クリアにかかる時間も倍増でボリューム満点。
雑魚がコンボゲー化の弊害で硬いデク人形、ステージの使い回しが目立つなど難点もあるけど、後のシリーズ作品の方向を決定づけた名作なのは間違いありません。
デビルメイクライ4
PS2からPS3/Xbox360に移行した最初のDMC。
PS3なのでグラフィックはHD・60FPS。
開けた場所のスケール感や過去作にはなかった街や森のように明るい場所は、PS2とは違うことを印象づけます。
主人公は新キャラの「ネロ」。
ダンテと比べると熱血って感じで主人公らしい性格。ダンテに劣らないほど魅力的なキャラです。
「デビルブリンガー」で敵をつかんで引っ張って、つかんでドカッ!
緩急つけたメリハリあるアクションが気持ち良い。
前作までの主人公「ダンテ」も操作できます。
というか中盤からの主人公はずっとダンテなので、ダンテファンも十分に楽しめます。
上記のネロ・ダンテのダブル主人公により、二部構成となりメリハリが出ています。
しかし問題なのはマップ・ボスの使い回し。
ダンテはネロが通ってきたのと同じルートを戻る(逆走)ことになります。道中に出てくるボスまで同じ。
使い回しを抜きにしても、新世代のナンバリング作品にふさわしい作品かというと微妙。
移動距離が長いだけの一本道ばかりだし、暗い閉所ではPS2のグラフィックとあまり変わりません。
すごろく、レーザーといったプレイ時間稼ぎのために作られたような嫌がらせギミックも目立ちます。
敵・ボス戦も面倒で、DMC3に比べて正面から戦えない敵が多い。
最初のベリアル戦が最もガチで戦ってた気がします。演出もここが最大の見どころでした。
なので全体を通すと尻すぼみに感じます。
このように低予算ゆえの難点が目立つので、本編だけなら普通~良作止まりといったところ。
しかしスペシャルエディションの追加要素が楽しすぎます。
本編は追加要素の前菜、チュートリアルにすぎないのです!
・レジェンダリーダークナイトモード:画面を埋め尽くすほど大量の敵が出現する
・新プレイアブルキャラ:バージル、レディ、トリッシュの3人
この2つの追加要素がDMC4を別ゲーに変化させます。
本編を長いチュートリアルとして、追加要素をメインに楽しむなら今からでもやる価値あります。
Dmc Devil May Cry
デビルメイクライではない「DmC」。
続編ではない別作品。いわゆるリブート作になります。
過去シリーズとのつながりはありません。
設定を一新したのでタイトルはナンバリングではなく「DmC」(小文字のm)。
制作はイギリスの会社「Ninja Theory」。
そのため、今までのシリーズより洋ゲーっぽいテイストです。
「名倉ンテ」といわれる新ダンテのビジュアルが話題になったけど、ゲーム中では格好良いのでご安心を。
どこか格調高い印象の旧ダンテと違い、10代っぽい反社会性が目立つ不良。
でも根っこは人間味のある青年という主人公らしいキャラなのでなじみやすいです。
むしろダンテ以外のキャラに違和感があります。
バージルは顔がゴツくて、性格は一言でいうとクズ。カリスマ性が無い。
ヒロイン「キャット」は顔面だけでなく性格にも魅力がない。
醜さを体現したようなボスも好みが分かれるところ。
アクションはカプコンが本格的に関わっているらしく、DMCの魅力がしっかり受け継がれています。
「エンジェルリフト」「デーモンプル」を組み合わせた自由自在なアクションはDMC1~4の集大成といえる仕上がり。
地上に降りることなくやりたい放題できます。
最大の特徴は武器切り替え。
トリガーを押すだけでコンボ中でも武器を切り替えることができます。
5種類の武器を臨機応変に切り替える面白さは本作ならでは。
移動は近年のアクションゲーのトレンド、「パルクール」がメイン。
従来のDMCシリーズは徒歩移動がメインなので「移動がダルい」と感じることがありました。それを上手く解消しています。
シリーズ伝統のおつかい要素は廃止。
過去作のようなキーアイテムが必要な扉や、同じマップの往復はありません。
軽快に飛び回って先に進むだけで進行できるので快適です。
このようにアクションゲームとして良く出来ています。
しかし日本ではビジュアルに対する不満が先行してまともに評価されませんでした。
プレイしてみるとしっかり「デビルメイクライ」らしさがあるので、食わず嫌いはもったいない作品です。
デビルメイクライ5
DMC4から10年の時を経て登場したナンバリング。
シリーズの時系列は「3→1→4→5→2」なので、DMC2以外に登場したキャラが全員ストーリーに絡んできます。
シリーズのメインキャラクター総登場で豪華。
その出来は、2019年水準でDMCならではの爽快なスタイリッシュアクションが楽しめる傑作です。
ミッション選択制、ほぼ一本道のマップ、徒歩移動と、ゲームデザインはあえてシリーズおなじみのスタイルを貫いています。
一方、グラフィックと演出の進化で「質」を、アクションの自由度で「量」を格段に進化させました。
ストーリー、ボス、アクションに出し惜しみは一切ありません。
「ここでシリーズが終わってもいい!」
ぐらいの気合を感じます。
ジェットコースター的にハイテンションで駆け抜ける濃厚な作り。
謎解き要素は薄いのでテンポよく進めて、ほぼ全てミッションにボスが登場。
ストーリーはメイン3キャラそれぞれの美味しい場面だけを、時系列を行ったり来たりしてくっつけたような構成になっています。
最後にあっと驚く展開もあり、息つくヒマを与えません。
その上で1周クリアは10時間とボリューム十分。もう満腹です。
アクションは使い切れないほど豊富。
DMC4で使えたダンテ・ネロの2人に、新キャラ「V」(ブイ)を加えた3人が使用可能。
3人それぞれ、アクションの幅がエグいほど広いです。
ネロのデビルブレイカーが11種類(DLC込み)の時点でちょっと引くレベル。
中盤に操作可能になるダンテも4スタイル・武器の切り替え…とついていけません。
Vは遠距離型で、もう自分が何をやってるのかもわからない(笑
でも良いのです。全て使いこなす必要はないので。
「あ、この動き強そう」「この技とこの技のつながりが良いな」って感じで少しずつ上達を楽しみましょう。
本作はチュートリアル通りにプレイするゲームではない、やりたいことをやるゲームといえます。
総じて、10年分の期待にこたえる出来。
毎回、見たことも無いような敵とボスが出てきて、使い切れないほど豊富なアクションで斬りまくる。
その上で、アクションの自由度は想像を超えてきた。
細かい話は抜きで、とにかく楽しい傑作です。
まとめ:DMC2以外は全作オススメ
話をまとめると、DMC2以外は全作オススメです。
どれも単品で楽しめるので興味が出た作品からプレイしても良いけど、100%味わうなら発売順がオススメ。知ってるとニヤリとできる小ネタが楽しめます。
DMCシリーズには「~無双」みたいなマンネリ感がありません。
毎作ちゃんと進化しているので、全作通して遊んでも飽きることなく楽しめます。
PS4なら、
・デビルメイクライHDコレクション
・デビルメイクライ4 スペシャルエディション
・DMC Devil May Cry Definitive Edition (輸入版)
・デビルメイクライ5
の4作でシリーズ全作揃うのも嬉しいところ。
3→4は3年、4→5は10年と大きく期間が空いています。
この進化を一気に体験できるのは贅沢ですよ。
ぜひシリーズ全作遊んでみてください。
売り上げランキング: 1,459
デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション – PS4
売り上げランキング: 8,126
DMC Devil May Cry Definitive Edition (輸入版:北米) – PS4
売り上げランキング: 2,113
売り上げランキング: 348