ゴジラ

怪獣大戦争【感想/評価】X星人のキモさ×グレンの有能さ×沢井桂子さんの可愛さ

投稿日:2019-07-29 更新日:

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ゴジラ映画だと思って観なければ楽しい

■あらすじ

196X年、地球連合宇宙局のパイロット、富士とグレンは木星13番目の新衛星XでX星人と出会う。

X星人は高度な科学力を持つがキングギドラのせいで地下生活を強いられていた。

X星人の統制官はキングギドラに対抗するため、ガンの特効薬を交換条件にして地球怪獣のゴジラとラドンを借りたいと申し出る。

X星人の要請を発表すると地球は歓迎ムード一色となり交渉成立。
しかし富士とグレンはX星人を疑っていた。

地球からX星に運ばれた二大怪獣はキングギドラを撃退するが…

公開:1965年/12/19

 

人間vs宇宙人のSF大作

「怪獣大戦争」はゴジラ映画というより人間vs宇宙人のSF大作という感じの作品。

怪獣たちは宇宙人に操られている駒に過ぎません。タイトルに「ゴジラ」が入ってないのも納得。

 

ゴジラ史上、屈指の異色作です。
例えば、

・主人公がアメリカ人
・ゴジラとラドンが宇宙に連れて行かれる→地球に戻される
・ゴジラがシェーを披露

他にも、敵女スパイが地球人と恋に落ちたりコメディー風な発明屋が拉致されたりと盛りだくさん。

ゴジラ映画だと思って観なければ楽しい作品です。

 

オープニングとクライマックスで流れる「怪獣大戦争マーチ」が熱い!

クライマックスは自衛隊がX星人を攻撃するシーンです。

自衛隊の攻勢とX星人の劣勢を交互に映し、台詞のときは音量を下げて緩急つけつつ、がっつり怪獣大戦争マーチをフルコーラス。
この畳み掛けるような演出が熱すぎるので必見です!

自衛隊vsX星人の場面で怪獣大戦争マーチを流すあたりに、本作の主役は人間側であることが伺えます。

ちなみにシンゴジラ本編で使われていたのは「宇宙大戦争マーチ」です。怪獣大戦争マーチはエンディングで使われていました。
似ているようで違う曲なので、怪獣大戦争マーチを「シンゴジラの曲」とか言うと特撮オタクにマウントとられます。

 

ゴジラ要素が薄い分、SF要素は盛り沢山。

グレンと富士は地球から新衛星Xまで2往復します。

本作の公開は1965/12/19。初の月面着陸は1969/7/20。
つまりアームストロングが月面に降り立つ4年前の作品
それにしてはロケットの着陸シーンとか雰囲気抜群です。

地表に立てた国旗の模様は、縦に国連・日本・アメリカの順で並んでいます。順番から当時の空気が読み取れますね。国連こそ絶対正義なのです。

真空なのに風で旗がヒラヒラしているのはたぶん気のせいです。

 

一方、怪獣の特撮シーンはちょっと物足りない。

最初の戦いは何も無い星で戦うので薄味。
ラドンは他作品からの流用が目立つし、キングギドラ戦は前作と代わり映えしない。

終盤の商店をなぎ倒すシーンは気持ち良いです。
ラドンの執拗なまでの突風攻撃を受ける中、ひたすら多連装ロケット砲で頑張る自衛隊が印象的。
まあ別作品かつ同カットの使い回しですが。

 

X星人のビジュアルと科学力が強烈

敵であるX星人のビジュアルと科学力が強烈で印象に残ります。

細いゴーグル、ダイバースーツのような服と手話みたいなジェスチャーがいい具合にキモい。

 

高度な科学力を持ち、電磁波でゴジラやラドンを捕えたままX星~地球を数時間で往復できます。
そんな科学力を持つX星人の地球本拠地が普通のバンガローなのは笑う。

通常攻撃で建物が倒壊し、
「とうせいかーん!地球基地はもうダメです、とうせいかーんとうせいかーん!」
と為す術なく全滅します。
あんな科学力を持っているのになんでこうなった。バリアとかないんかい!

「我々は脱出する!未来に向かって脱出する!まだ見ぬ未来に向かってだ!」
と意味深なことを言う最後の瞬間は壮絶!

あと敵ボスの呼び名が「統制官」なのはずっと面白いです。

 

地球ではX星人の申し出について各分野の代表が集まって議論します。
医学代表、婦人代表が見事に平和ボケでX星人歓迎ムードなのが面白い。

婦人代表が特に酷くて、
「それより宇宙の平和を願うX星人の良識に好感を持ちます」
とまくし立て、さらに
「この際、地球各地で今なお争われている醜い小競り合いを恥ずかしいことだと思います」
と余計な主張までつけ加えます。

この婦人を見ると、後にX星人の裏切りが始まったとき「ざまぁ」と思ってしまうのは僕だけでしょうか。

 

有能なグレンと可愛い沢井桂子さん

主人公の1人、アメリカ人のグレンがとにかく有能です。

気さくな性格で、富士妹カップルの良き理解者。ずば抜けた洞察力を持ち、敵女スパイをたぶらかして情報を得る大活躍を見せます。

そんなグレンが敵拠点に侵入し発明家を救出、命からがら帰ってきたのに「グレン、何やってたんだ」と富士に軽く怒られるのは笑う。
つきあっている敵女スパイを「波川」って名字で呼び捨てなのも笑う。

 

最後に、なんといっても特筆すべきは沢井桂子さん

54年前ですよ?今の感性で観ても抜群に可愛いってどういうことですか。
なんでしょう、この世にも可愛い髪型は。沢井カットとでも名付けましょうか。

「実はね、レディガードが売れたんだよ」
と言われたときの「あら、ほんと?」の言い方と笑顔が可愛すぎだろ。ヤバいだろ。

こんな美女に結婚をせがまれる発明家を見て「この男のどこにそんな魅力があるんだ!」と悔しくなります。

 

まとめ

ゴジラ映画だという先入観を無くして「人間vs宇宙人のSF大作」だと思って観れば楽しい作品。

沢井桂子さんの圧倒的可愛さを1人でも多くの方に見ていただきたい。







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