私は電磁波を気にしてストレス溜めるタイプの人間です。
私が9年間住む部屋のベランダにはマンションの引き込み線が来ており、おそらく室内天井を通って1階の配電盤に伸びています。(ガウスメーターで測って確認)
発生源から180cm以上距離を取れず、マンション一棟分の“濃い”電磁波を在宅ワークで一日中浴びていると思うとなんだか気分が悪いです。9年間ずっとスッキリしません。
そんな私から見ても電磁波の健康被害についてめちゃくちゃ言ってる人がいるので、最低限抑えるべき話をします。
もくじ
電磁波の健康リスクを考える
健康被害の科学的根拠は無い (限りなく薄い)
健康被害を示すレポートはあります。一方、それを否定するレポートもあります。
科学レポートとはそういうものです。反証を繰り返して事実を積み上げます。
インチキ本は片方だけ取り上げてさも片方だけ正しいように見せるから困る。
国際がん研究機関(IARC)は超低周波磁界(スマホは高周波電磁界)に限り「2B=発がん性があるかもしれない」にカテゴライズしています。
このカテゴリーには他に漬物など300種類が含まれており、「怪しい」程度のニュアンスです。
ちなみにスマホの高周波電磁界はさらに証拠が弱いので「発がん性を分類できない(グループ3)」。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は「証拠が弱すぎる」として長期ばく露の影響を問題にしていません。
電磁波による健康影響を防ぐ組織なのにスルーです。
武田邦彦氏は虎ノ門ニュースで「科学的根拠は無い」とはっきり仰っていました※。
武田氏は原発の放射線被害やコロナワクチンの件でわかる通り、あっち側に忖度する方ではないので参考になるかと思います。
(※同時に「科学が間違っていた例はいくらでもある」と補足されていました)
しきい値がわからない
仮に長期ばく露による健康被害があるとしても“しきい値”がわかりません。
どれだけ浴びれば何%リスクが上がるのか、ほとんどわかりません。
国立環境研究所が2006年に報告した健康リスクに関する疫学研究(兜研究)では、0.4マイクロテスラ(4mG)以上の長期的ばく露で小児白血病の一部にリスクの上昇が観察されました。
よって現在は4mGが一応のガイドラインです。WHO勧告も4mG。
実際測ると普通の生活環境で4mGはレアです。引き込み線から20~30cmに相当します。
「日本の規制は2000mG。WHO勧告の500倍!」とよく騒がれます。
これは長期ばく露と短期ばく露の規制をごっちゃにしたミスリードです。
北欧はナーバスに対応し、独自の基準を作っています。
・高・低周波ともに厳しく規制
・学校などでWi-Fi使用を控える
・高圧線は距離をとる。日本みたいに住宅地の真上に高圧線を通さない
有効な防護グッズは無い
電磁波対策は、発生源から距離をとるのみ。
発生源か自分をアルミホイルで全面包む方法もありますが現実的ではないでしょう。
スマホならともかく、自分は宇宙服レベルの装備を着込む必要があります。
また、電磁波は体内に蓄積しないので“電磁波を抜く”的なグッズも無意味です。
例えばこういう商品↓
https://item.rakuten.co.jp/nobiyaka/r429/
変なシート1枚テーブルに乗せるだけで半径33mの電磁波から完全防護。125,400円。
理屈が一切わかりません。
こういう詐欺グッズを見ると電磁波について考えるのがアホらしくなります。
測ってみないとわからない
電磁波は電線や機器の種類、距離によって大きく増減するため、実際の数値を知るには自分の生活環境で測る必要があります。
5000円前後で数値が見えるタイプのガウスメーターなら実用に耐えます。
携帯アプリは全然ダメでした。
権力者の陰謀?
健康リスク評価には時間がかかります。
とはいえ、アスベストは問題発覚から30年程度で全面規制されました。その程度の時間間隔が通例でしょう。
電磁波問題もかなり時間を経ました。
研究は80年代から始まり、健康被害が騒がれたのは90年代。週刊誌で煽られ、裁判もありました。
でも今はほぼ無音です。(それ以前に問題発覚に至っていません)
権力者の陰謀で揉み消されたのでしょうか。
百年単位の陰謀や、最近ではコロナワクチンの例があるのでありえる話ですが…… 何とも言えません。
結論
ようするに何もわかりません。
40年経っても一向に研究が進まないので私が生きている間はずっとモヤモヤしたままでしょう。
何にしても、もはや“悪魔の証明”なので危険性についての見解が安心側に傾くことはありえません。
とりあえずガウスメーターを買って、測りまくって、北欧基準に照らし合わせる。
それしかできることないっす。
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