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ゴジラ2000 ミレニアム【感想/評価】「UFO→ミレニアン→オルガ」のガッカリ感3段攻撃!

投稿日:2019-07-23 更新日:

ゴジラ2000 ミレニアム <東宝Blu-ray名作セレクション>
東宝 (2019-05-22)
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「UFO→ミレニアン→オルガ」のガッカリ感3段攻撃!

あらすじ

ゴジラが北海道根室市に出現。

一方、鹿島灘沖の日本海溝では強い磁力を帯びた岩塊が発見された。

自衛隊がゴジラを攻撃する最中、飛翔してきた岩塊がゴジラに攻撃。ゴジラも熱線で応戦し相撃ちとなる。

岩塊は日の出とともに動き始め、新宿に飛来。
触手を伸ばし、周辺地域のコンピュータをハッキングしゴジラに関する情報を集め、大気組成を変え始める。

エイリアンの目的が
「自分たちに適した環境に作り替えること」
「ゴジラが持つオルガナイザーG1から、長い時間で失った肉体を取り戻すこと」
であることがわかった頃、東京湾にゴジラが出現しUFOがいる新宿へ向かう。

公開:1999/12/11

 

ミレニアンを見た瞬間思ったんだ、ゴジラを卒業しようって

「ゴジラ2000 ミレニアム」は「vsデストロイア」から約4年ぶりの作品。
第3期ゴジラ「ミレニアム」シリーズの第1作です。

本作の難点はなんといっても、ひと目で萎える「UFO→ミレニアン→オルガ」のガッカリ感3段攻撃でしょう。

なんでリブート1発目でUFO出しちゃったんだろう。
人間の作り出したエネルギーを憎んでいるゴジラとUFO。テーマが噛み合わない気が。

 

シナリオなど他にも難点は山ほどありますが、やはり特撮の見応えが無いのが痛いです。

まずUFOですが、岩が剥がれた後のツルツルな質感が嘘くさい。
なぜこの質感にしたのか、もう少し誤魔化しの効く質感は無かったのか。

極めつけはミレニアン
子供も言葉を失うレベルで酷いです。観てる方が恥ずい。
当時、中学生の僕も劇場でこれを見た瞬間にゴジラを卒業しようと思いました。

最後に現れる怪獣オルガは、歴代で最も魅力に欠ける怪獣です。
かつてこんなに華の無い怪獣がいたでしょうか。

 

あと、ミレニアムシリーズ共通の難点ですが、CGで描写されたビームのエフェクトが迫力に欠けます。まるでPS2。
平成シリーズのような合成の方が断然良かった。

 

久慈川河口での自衛隊の戦いも嘘くさい。

・ブラストボムによる誘導
・フルメタルミサイル

と段階的な作戦を用意しているのは良いのですが、ブラストボムは使いません。使わないなら思わせぶりな会話を入れるな!と言いたい。

「人員に被害が出たらなんにもならない」と言うわりにヘリや戦闘機がゴジラに近づきすぎです。こんなデカくて遅い的、接射しなくても当たるって。
戦闘機のムダな曲芸飛行もリアリティに欠けて萎えます。戦闘機が360°から攻撃する必要性よ。

この戦闘で西村雅彦さんが前線の隊長をやってるのは面白いです。正直、似合ってない(笑

 

設定、人物描写など全てが中途半端

設定が中途半端

オルガナイザーG1にしろ、ミレニアンにしろ、中途半端で消化不良。結局、何が描きたいのかわかりません。

オルガナイザーG1みたいに、ゴジラに関して生物科学的な謎解きをされると萎えます。
ゴジラ自身が自己再生する描写が無いため説得力にも欠ける。
この設定は本作限りになりました。オルガナイザーG1って一体何だったんだんでしょうね…

 

ミレニアムゴジラの造形もなー、求めているものとなんか違う。

顔や背びれがイケメンすぎる。僕がゴジラに求めてるのはもっと「おどろおどろしい」「得体の知れない」ものなんです。
こんなトゲトゲでスタイリッシュなゴジラじゃない。

 

人物描写が浅い

人物描写が浅いため、登場人物の言動が唐突に感じます。

「残っていればCCI設立のとき宮坂と一緒に声をかけたはずだ」
「誘われたって断ったさ。俺とアンタじゃ考え方が違う」
「ゴジラを倒すのがなぜいけない」

と続く阿部寛と村田雄浩の会話はいかにも説明的で萎えます。

描写が浅いのにキャラの味付け濃いので余計に嘘くさい。

特に阿部寛&佐野史郎のコンビは酷いです。佐野史郎は感情の起伏が激しすぎだろ。
阿部寛の「ゴジラァーーッ!!!」は意味不明すぎて笑う。

 

科学の暴走を批判するメッセージも中途半端

「科学と言う名の人間の侵略。無謀な好奇心。CCIが引き揚げなくても近い将来、誰かが同じことをしたでしょう」

と主人公がエラそうに語るのですが、引き揚げたこと自体は別に悪いことではないはず。これを「無謀な好奇心」と言われたら遺跡発掘とか何もできなくなりますよ。

極めつけは「ゴジラは俺達の中にいるんだ」
ここまで直接的に言うのはどうなのかなと。
本作を最後まで観て、この台詞に納得できる人はいないでしょう。

 

ゴジラ根室襲撃シーンだけは秀逸

このように怪獣バトル、設定、人間ドラマと何もかもモヤモヤする本作ですが良いところはあります。

冒頭の、ゴジラ根室襲撃シーンだけは秀逸

まず「幽霊船が現れたと思ったらゴジラが咥えていた」という登場演出が良い。

漁村の居酒屋を踏み潰す特撮は、昭和作品を彷彿とさせる味があります。
トンネルをズンズンと踏み抜くのも恐い。

この冒頭シーンを頂点にして、時間が進むにつれテンションが下がっていきます。

ただ、ビームの相打ち演出は良いですね。
いったんゴジラが負けたと思わせてUFOも大ダメージを受けていたことで、今回のゴジラは熱線の威力が半端じゃないことがわかるという。

 

まとめ

「ゴジラ復活!」というには物足りない作品

ガメラ3の半年後にこのクオリティでは厳しい。
「vsデストロイア」以来のゴジラ復活で、当時ワクワクしながら家族と観に行きました。本作以来、劇場でゴジラを観ることはなかったとさ。

とはいえ後の手塚ミレニアム3作に比べると、子供向けじゃない分まだ観れるかなという感じです。

 

最後に、気になった細かい点を。

・ワイヤーを滑り降りるときに素手はさすがにムリだ。手の皮ずるむけになる。布で覆うとか工夫がほしい。

・ゴジラの熱線直撃でも倒せないのに、建物に配置したブラストボムなんぞで倒せないことぐらい誰でもわかる。






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