ゴジラ

メカゴジラの逆襲【感想/評価】後期昭和ゴジラ最高傑作なのに歴代ワースト

投稿日:2019-08-02 更新日:

メカゴジラの逆襲 <東宝Blu-ray名作セレクション>
東宝 (2019-05-22)
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歴代ワースト

■あらすじ

前作で海に沈んだメカゴジラの残骸を調査中の潜水艦が「恐龍」と言い残して消息を絶つ。
恐龍の正体は15年前に学会を追放された真船信三博士が操るチタノザウルス。

前作で野望を阻まれたブラックホール第3惑星人は真船博士と手を組みメカゴジラを修復し、メカゴジラIIとして復活させた。

チタノザウルスとメカゴジラは横須賀に上陸。徹底的に街を破壊し始めた。子供が助けを求めたとき、ゴジラが姿を現す。

 

『メカゴジラの逆襲』(公開:1975/3/15)は昭和シリーズ最後の作品です。

観客動員数は歴代ワーストの97万人。
あの『ゴジラ対メガロ』の98万人を下回りました。これはツラい。

本作の不振が一因となり次作の制作が延期され、『ゴジラ(84)』まで9年間はシリーズが休止状態になりました。

ってことは駄作なのか?
いえいえ、後期昭和ゴジラで最高傑作といえる作品です。
低予算でシリーズが落ちぶれる中、よくぞここまで持ち直した!感動した!

 

大人向けのシリアスなストーリー

本作は前作『ゴジラ対メカゴジラ』の続編。沖縄観光アピールが強い前作と違い、大人向け路線への復帰を試みています。

監督は本多猪四郎さん。「ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃」以来、久しぶりのゴジラ映画復帰。
笑い無し、大人向けリアリティを追求してシリアス&ロマンスな雰囲気を作り出しました。

 

キャストも大人向けで見栄えが良い。

・真船桂 (藍とも子)
・真船博士 (平田昭彦)
この真船親子がいい味出してます。

藍とも子さんは粒ぞろいなゴジラヒロインの中でもひときわ美しい。
ファッションにも注目。クリスマスみたいなポンチョが可愛い。

ヌードっぽい描写があります。女性の胸が映るのはゴジラ史上唯一で、今後も無いでしょう。作り物感が強いのでエロくはない。

 

平田昭彦さん演じる真船博士は狂気的なマッドサイエンティスト。
自分の正しさを証明して学会に復讐するためチタノザウルスを暴れさせます。

真船博士は以下2つの研究を学会に否定されました。

・動物を科学的にコントロールする研究 (成功してない)
・海底で恐竜を発見した

2つの研究は単独なら問題ないけど組み合わせるのが真船博士。そりゃ学会追放されますよ。

そんな博士と、作で敗れたブラックホール第3惑星人が協力して地球人の殲滅を開始。
助手の娘・桂は心の奥で疑問を感じながらも父に協力します。

ブラックホール第3惑星人は桂の事故直後に現れて博士に恩を売りました。事故から仕組まれていたと考えると真船親子は悲惨です。

 

久々の死闘

特撮の出来も素晴らしい。

・都市破壊
・群衆の避難
・自衛隊の戦闘
など、ここ数作は予算不足でカットされたシーンが復活して見応えがあります。

特に街破壊は必見。
ここ数作は過去作からの使い回しが多かったので久々に気持ちが良い。

メカゴジラはビーム薙ぎ払いで「火薬の量を間違えた?」と心配になるほどの大爆発を見せ、「次は俺の番だ!」と言わんばかりにチタノザウルスが突風攻撃。息つく暇を与えません。

特筆すべきはメカゴジラの新兵器フィンガーミサイル。ドゴォッ!とセットの床から盛り返します。
撃つ前にピカピカとメカゴジラの足元がスパークし、予備動作が長くて発射までハラハラする演出が素晴らしい。

 

子供が危機に陥ると、どこからともなくゴジラ出現!

このまま街でバトル開始かと思いきや、チタノザウルスに腹をひと蹴りされて郊外に飛ばされて荒野へ。さすがにこれ以上の都市ミニチュアは用意できませんよね。
とはいえ過去作のように富士山をバックにしたウソくさい荒野ではなく、建築現場や住宅があり開発途中っぽくてリアルな荒野です。

 

前作はキングシーサーとタッグでようやくメカゴジラを倒せました。
今回のゴジラが孤立無援でメカゴジラとチタノザウルスに挑みます。

チタノザウルスとメカゴジラが並ぶ光景は絶望的。勝てる気がしません。後方支援に徹するメカゴジラが不気味すぎる。

この絶望的な状況で、怪獣プロレスとは一味違う凄惨な戦いが繰り広げます。

 

チタノザウルスは接近戦のパワーが凄い。
鼻先に噛みつきながらボディブローでゴジラの体を跳ね上げます。

弱ったゴジラに、メカゴジラがトドメとばかりにフィンガーミサイルをドン!
地面を盛り返す威力を見たから「これ食らったらヤバいっ」と一目でわかります。

体内で爆発したのか口から煙を吹いて倒れるゴジラ。
その後、生き埋めにされた上にしつこく踏みつけられます。

今度こそ終わりか?と思ったとき、ゴジラは生き埋め状態から飛び出して不意打ち放射火炎!
敵が強いからこそゴジラの強さが引き立ちます。

自身が硝煙で見えなくなるほど激烈なメカゴジラのフル火力攻撃。その中をゴジラが一直線に走るシーンは必見です。
ゴジラが見えないほどの爆炎でスーツ燃えてる。ゴジラと中の人が本気で命がけに見えます。

 

ところで、チタノザウルスは真船博士の都合で操られた上にゴジラにボコられてかわいそうです。
本作一番の被害者なのでは。

 

「これからは桂さんが基地となる」

ブラックホール第3惑星人はゴジラとタイマンでは分が悪いと踏み、チタノザウルスとの共闘を狙います。
さらに、メカゴジラに改良を加えて磐石の構えです。

コントロール装置を桂さんの脳波とリンクさせて、頭取れても活動可能にしました。いわく「これからは桂さんが基地となる」。

ボスのムガールが自分とリンクさせれば良くね?
サイボーグが必要なら自分や部下をサイボーグ化すれば良くね?

とか色々と疑問が湧いてきます。
怒りに燃える桂さんの脳派でメカゴジラのパワー倍増なのかもしれません。

ブラックホール第3惑星人はメカゴジラの弱点の前に、前作から進歩していない拠点警備と人質管理のガバガバさを反省すべきでしょう。

 

まとめ

久しぶりの大人向けゴジラで見応えがありました。

観客動員が振るわなかったのは、「ゴジラ=子供向け」のイメージが定着した時代に大人向けに振り切った結果かもしれません。時代と合わなかった不遇な作品といえます。

最後の、ゴジラが夕日照らされるシーンはまるでゴジラが「さようなら」と言っているかのよう。
そのつもりで作っていないのに、しばらくお別れ的な雰囲気が出ており切ないです。






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