はじめに言っておくと、万人に手放しでオススメできるゴジラゲーは存在しません。
ゴジラ好き専用で、かつ好みが分かれるクセの強い作品ばかりです。
しかし、どの作品も原作再現のこだわりと個性的なシステムがキラリと光ります。
難点を乗り越えれば長く遊べる作品になるかも。
本記事で紹介する作品以外のゴジラゲームもありますが、出来が酷かったり劣化移植だったりするのでまともに遊べる作品だけ取り上げています。
新しい作品から順番に並べました。
各作品レビューのリンクを貼っていますので、詳しい情報はそちらをご覧ください。
もくじ
ゴジラVS (PS4)
「ゴジラ-GODZILLA-」(PS3)の続編です。
ゴジラを操作して街や兵器を破壊し、怪獣と超絶バトルを繰り広げるアクションゲーム。
後述する「ゴジラ・ジェネレーションズ」と「ゴジラ怪獣大乱闘」を合わせたような感じ。歴代ゴジラゲーの良いとこ取りのような作品です。
前作で使えるのはゴジラ3種類(ゴジラ、バーニング、ギャレゴジ)のみでした。
本作ではビオランテ、キングギドラ、デストロイア、機龍などゴジラ映画の人気怪獣が全て操作可能。
さらに前作にはいなかったスペースゴジラ、メカキングギドラなど新キャラを追加。
ゲームの大まかな流れは、
「怪獣でオブジェクトを破壊しまくる→体が大きくなる→敵怪獣を倒して素材ゲット→怪獣を解放&育成→その怪獣でまた破壊」
この繰り返しです。
強技さえ見つければ片手でプレイ可能の簡単操作。基本は強技ゴリ押し&ゲージ回復まで待って熱線ぶっぱ。
例えばゴジラなら、タックル(X)連打で移動から破壊・対怪獣まで無双。
ちょっと大味ですが気軽に破壊アクションを楽しめます。
遊びはじめて2時間ぐらいはコントローラーを手放せないほど破壊に熱中。文句なく面白いです。
しかし、やればやるほど難点が…
安定のバンナム仕様。
内容は薄いのに作業の手間が多い典型的な水増しです。育成のために怪獣別の素材が必要なのでひたすら周回。
しかも育成して技が増えるのはゴジラだけ。他の怪獣はゲージ強化のみなのでやりがいがありません。
オブジェクトはゴムのように衝撃を溜め込んで急に火花を散らして大爆発。
破壊表現が不自然なので、派手な見た目なのにフィーリングはあまり気持ち良く無いです。
タイトルに「vs」入れてるにも関わらずオフライン対戦が無いのも大きなマイナスポイント。
とはいえ、
ゴジラシリーズの色んな怪獣を使い、今どきのグラフィックで大暴れできる作品は他に無いです。
それぞれの怪獣で自分なりの立ち回りを考えるのが楽しいので、破壊アクションに飽きた後もなんだかんだで長く遊べます。
ゴジラ怪獣大乱闘 (PS2)
ゴジラ怪獣が戦う対戦アクション。
広いフィールドを使ったなんでもありの戦い。
縦横無尽に動きながらパンチキックの肉弾戦に熱線の遠距離戦、オブジェクトの岩やビルを投げて攻撃します。
バトルロワイヤルモードは最大4人まで参加可能。
使用キャラは計18体。
平成ゴジラ、アンギラス、ラドン、キングギドラ、ガイガン、デストロイア完全体、平成メカゴジラ、ジェットジャガー、機龍、スペースゴジラ、平成モゲラ、メガギラス、モスラ(幼虫)、バラゴン。
実は海外開発で発売元も海外。そのため洋ゲーっぽいテイストが気になります。
キャラモデルの全体フォルムは悪くないのですが顔がバタ臭い。
ハチャメチャで楽しい反面、やはり大味です。
まるで月で戦っているようなフワフワ感で重量感がありません。
起き上がり攻撃がブレイクダンスみたいに機敏だったり、敵や建物のつかみモーションがなんともダサい。
怪獣というよりは着ぐるみ着たプロレスラーのような動き。
街を破壊したりビルを投げるのが醍醐味ですが、建物が妙に硬くて気持ち良くないです。
グニャグニャとショックを吸収するような動きで爽快感がありません。
また、海外では「難ゲー=良ゲー」と捉えられる傾向があるためか、CPUが超反応でインチキ臭い強さなのもツラいところ。
後出し攻撃なのでこちらの攻めがことごとく潰されます。投げ入力反応の後出しジャンプ蹴りにほんとキレそう。
CPUはバトル開始前からビル持ち上げたり、熱線吐いたり、もうやりたい放題。
こういった洋ゲーらしい粗さを受け入れられるかが問題ですが、期待値を下げればカジュアルに遊べます。3Dフィールドでゴジラ怪獣が戦う、ゴジラ好きゲーマーの夢を叶えたゲームなのは間違いありません。
対戦相手がいればワイワイと盛り上がるはず。
ゴジラジェネレーションズ (DC)
ドリームキャストの本体同時発売(ロンチ)タイトル。
そのため注目度は高く、ゲーム誌で表紙を飾ったりしていました。
「まさかゴジラゲーが目玉扱いされる日がくるとは」と当時感動したのを覚えています。
最大の売りは破壊表現。というか破壊表現を見るだけのゲームです。
建物が破壊の仕方に応じて全く違う崩れ方になり、その後炎上し周囲が火の海に。
「鉄筋コンクリートらしくガラガラとオブジェクトが崩れるフィーリング」を実現した唯一のゴジラゲーです。
ラジコン操作で怪獣を操り都市を破壊。
「バイオハザード」のような固定カメラで映画のカメラワークを再現しています。
視点がバストアップ、見上げ、引き、など目まぐるしく変化し、さながら平成ゴジラシリーズの映画を見ているかのような大迫力。
これが斬新で、怪獣になりきるというより映画監督になったような気分になれます。
効率的に暴れまくって、高い破壊スコアを取るのが目標。
登場する都市は福岡・大阪・名古屋・横浜・東京の5か所。それぞれ2、3ステージ。
怪獣戦、ストーリーは無し。
登場怪獣のラインナップは平成ゴジラ、初代ゴジラ、昭和メカゴジラ、エメリッヒ版GODZILLA、ミニラ、隠し1体。
計6体のゴジラ縛り。
見た目だけでなく鳴き声、モーションまで映画を忠実再現。
BGMは映画で使用された曲の旋律をそのまま使用。昭和・平成の名曲揃いです。
このようにゴジラを味わうという点ではキラリと光る作品ですが、アクションゲームとして見ると難点が多すぎます。
最も効率良い破壊方法は「歩き」なので、やることといえば効率の良いルートをノシノシと歩くだけ。
小さい樹木や民家も破壊対象になっているため、高い得点を目指すほど「壊しもらし」を見つけるちまちました作業になります。
ゲーム好きというよりは、演出を眺めて楽しむゴジラ好き専用ゲームといえます。
ターゲットを絞って発売すれば隠れた良作扱いになったかもしれませんが、ローンチタイトルとして広く売り出されたことで酷評を浴びました。
ゴジラトレーディングバトル (PS)
一言でいうとゴジラ版遊戯王です。
「怪獣・拠点・イベント・アクション」カードをセットしたデッキを作成し、フィールド(場)にカードを置いて戦闘。
システムは本格的で面白いし、カードイラストの出来が良いのでイラストを眺めているだけでニンマリできます。
ゴジラ怪獣を集めて「俺の最強デッキ」を作り上げるのが醍醐味。
怪獣カードは活躍させることでレベルアップするのでRPG的な育成要素を楽しめます。
レベルは次の戦いにも引き継ぎ、怪獣によっては一定のレベルになると「ミニラ→初代ゴジラ」のように進化。
ゲーム開始時に持っているゲソラが最後まで活躍したり、マイナーな怪獣にも愛着がわきます。
ゴジラ好き&カードゲー好きにはたまらないゲームですが、実際遊んでみると本作が有名ならないのも納得の難点があります。
・演出がもっさりでカット不可
・序盤が難しい
・微妙すぎるストーリーとキャラデザ
この3点が痛い。せっかくゲーム自体は面白いのにもったいないです。
とはいえ、
有名じゃないからといってナメてかかると出来の良さに驚きます。
最初からクライマックスの一戦目を乗り越え、もっさりなバトル演出を楽しみ、変なストーリーもそういうものだと割り切ってまったりプレイできる方にはオススメ。
ゴジラ列島震撼 (SS)
ゴジラシリーズに登場する怪獣を撃退するシミュレーションゲーム(SLG)。
SLGの中でもリアルタイムストラテジーといわれるジャンル。
ターン制とは違い、時間がリアルタイムに進行します。
対怪獣攻撃部隊「Gフォース」の司令官として指示を出し、怪獣から都市を守るのが目的です。
今まで紹介してきた「怪獣を操作して怪獣を力づくで倒す」ゲームとは全く違う作品。
人間と怪獣の力の差を表現しているのが特徴。
「通常戦力が通用しない怪獣にどう立ち向かうか」という初代「ゴジラ」で描かれたテーマを色濃く受け継いでいます。
映画と同じく61式戦車、92式メーサー戦車、F-15、スーパーXなどおなじみの通常戦力では怪獣に歯が立たちません。
NPCは誘導の邪魔をするだけで勝手に突っ込んですぐ全滅。にも関わらず大戦略のような「ユニット生産」は無いので初期戦力だけが頼りです。
ゲーム中でもアドバイスされる通り、怪獣を誘導して怪獣同士の相討ちを狙う「漁夫の利」戦術のが基本。
丁寧にライバル怪獣のもとへ案内し、怪獣同士の闘いが始まったら劣勢な方に加勢。ボロボロになって勝ち残った奴を後で美味しく仕留めます。
原作にとことんこだわった硬派な作り。
ムービーは下手にCGを使わず本編映像を多用。ユニットのステータス画面にも贅沢に本編映像を使用するこだわりよう。
BGMも映画のオリジナル版を使用。あの名曲をそのまま楽しめます。
原作にこだわったコンセプトと作風が唯一無二。
ゴジラとSLGが両方好な自分にとってたまらないゲーム。
ですが、難点も多いです。
・やけに難しかったり、何もせずともクリアできるステージがあったりで調整不足。
・テンポ、操作性が致命的に悪い。
マウス操作を前提にしてるような面倒臭い操作性です。
一括指示コマンドが全く約に立ちません。多数を手動で動かすことになり、リアルタイムなことと相まって忙しすぎ。
せっかくの怪獣の暴れっぷり、ユニットの活躍を見ているヒマがないです。
戦闘の様子をただ眺めてると実に楽しいだけに「操作さえ快適なら…」と惜しい作品です。
ゴジラ怪獣大決戦 (SFC)
PCエンジン「ゴジラ爆闘烈伝」の移植。
全キャラに特徴的な必殺技、超必殺技がある本格派2D格ゲー。
丹念に描かれたドット絵がいい味出してます。
キャラの特徴をよく表現しているモーションなので動かしてるだけで楽しい。
怪獣ごとにテーマBGMがあり、ゴジラのテーマ以外はオリジナル。
作曲者はゴジラ映画の担当者というこだわりようです。
登場怪獣は、
ゴジラ・アンギラス・メガロ・ガイガン・キングギドラ・昭和メカゴジラ・ビオランテ・平成メカゴジラ。
ツボを押さえたラインナップ。
ストーリーは無いですが、怪獣ごとに原作映画を再現した固有ステージで雰囲気は抜群。
暴れると大阪城が壊れたり、細かい演出が凝ってます。
操作レスポンスが良いので快適に動かせます。
この時代の格ゲーにしてはコマンドを入れやすく、十字キーでも難なく必殺技を出すことが可能。
性能が尖りすぎな奴もいて対戦バランスは大味ですが、細かい技性能やキャラ相性で繊細な部分もあります。
操作したときのフィーリングが良いため意外と飽きがきません。
豪快に技を振り回す怪獣の迫力を堪能できる一方、技の使い分けやシステムの活用を考えたりする格ゲーとして遊べる部分もある。
グラフィック、サウンドの作り込みも素晴らしい良作です。