概要
「成長はもうムリだから富を増やすのを諦めて上手く配分しよう」って話。
要するに、緊縮に頭やられちゃってるいつものインチキ本です。
観念論ばかりで何を言っているのかわからない。読むうち眠気に襲われました。
メモ
自然にバランスするから大丈夫?
簡単にいうと「高齢化が進む一方、人口が減るから負担も減る。将来、社会保障費は70億増え、GDPは20%増えてバランスするから大丈夫」らしい。
いやいや、なんつー後ろ向きな話なんだと。たった20%て。
ここ25年間のGDP推移を見ろ。
中国15倍。アメリカ2.5倍。
財政規律でガチガチに縛られたEUすら平均2倍。
その中で緊縮の先頭をいくドイツすら1.5倍。
日本は1.1倍。
じゃあ何かと、世界中で日本だけ圧倒的に伸びしろが無く、圧倒的に文化が成熟しているのかと。
そんなわけねーだろ。
経済成長の停滞は、文化の成熟もライフスタイルの変化も関係ない。
原因は、政治家・官僚・学者がスクラムを組んで進めた世界最強の緊縮。
その結果が貧困化による人口減少。
結婚したい、子供が欲しい人の割合は25年前と変わっていない。できない理由はシンプルに金。
さらにいうと、人口減少と成長の停滞も関係ない。
人口減少は本来、生産性を上げるチャンスだから。
金=需要が無いのが問題。
政府が税で所得を吸い上げ、予算を絞る。
よってプール(全体の所得)が増えず、デフレ下で富裕層はやりたい放題。格差拡大が進んで金は金融資産に流れ、需要は減る。
金をドバドバ流してプールをデカくし、同時に格差拡大を是正するのが政府のやるべき仕事。
自然な成り行きで20%成長と社会保障費をバランスさせてる場合じゃない。
消費税に反対する人は左?
「消費税を上げるのが税収を上げるのに一番確実。増税反対する人は左派・リベラル。」
わかりやすいレッテル貼り。
消費税に賛成するのはただの経済オンチ。右・左、リベラル・保守関係ない。
消費税は確実だからこそ問題。景気によらず一定の所得を吸い取ってしまう。
しかも所得が少ないほど痛いため、格差拡大に最も効果を発揮する。
感想:俺は例外
ネットで調べたところ著者の井手英策さんは、前原誠司氏が訴えた政策「All for All」の生みの親。民主党支持者でそっち系議員のブレーンだそうです。
井手氏のアイデアでは8→10%の消費増税2%分を全額支出し、その満足感をテコに次の増税につなげていくのだとか。
(参照:https://www.businessinsider.jp/post-106191)
2%をエサに増税って国民ナメてんの?
本書から私はこんなメッセージを受け取りました。
「全員、貧乏にバランスしてつつましく生活しろ。俺は大学教授で政治家のコネも使えるから例外」