【書評】ドイツの脱原発がよくわかる本

投稿日:2021-01-24 更新日:

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概要

3.11から脱原発を決め再エネに舵を切ったドイツの現状を、ドイツ在住30年の著者がレポート。

レジ袋を有料化し、再生エネルギー(以下、再エネ)を推し進める小泉進次郎に読んでほしい1冊です。

 

メモ

日本にドイツのマネはできない。する必要もない

日本にドイツのマネはできない。する必要もない。

ドイツの再エネは大失敗中。

ドイツの発電は45%が自前の石炭。
不足分の半分はフランスから買っており、フランスの70%は原発。
(後述するように電気は作り置きできないため、ヨーロッパでは余った電気を隣国に売る。)

つまり実態はほぼ石炭と原発。
ドイツが再エネに舵を切ったなんて大嘘である。

一方で風力発電のプロペラは周囲に鉄サビと騒音を撒き散らして環境を破壊し、周囲に誰も住めなくなった。

ドイツを反面教師にして現実に何が起きているのか見ろ。再エネの甘い言葉に騙されるな。

 

しかも日本にはドイツのように豊富な自前石炭は無いし、地続きの隣国がないので電気の売買もムリ。

つまり日本にとって再エネは大失敗中のドイツよりハードルが高く、何もメリットが無い。

再エネの先に待っているのは国の貧困と悲劇。
子供・孫が海外に出稼ぎにいかされる未来。

 

ドイツの他、再エネの成功例としてよくあがるのがデンマーク。しかし、
・地理的条件をクリアした上で、電力量は四国と同程度
・電気代がEUで一番高い。GDP1人あたりが日本の6倍だから耐えられる
よって日本にはマネできない。やるならまずGDPを6倍にしろ。

 

再エネが電力供給のセオリーをぶっ壊す!

電気は作り置きできない。

革命的な蓄電技術の進歩でもない限り、昨日の余った分を回すとかムリ。
電気は距離・時間の融通が効かないので、使う分をその場で作る「地産地消」が発電のセオリー。

発電所は安定供給できるように「ベースロード・ミドル・ピーク」と需要を先読みして発電している。

需要がある場所に送るのも大変。
ドイツは北ドイツに風力発電を作りまくったが、その電気を送るための高圧送電線で揉めている。
莫大なコストに、電磁波の健康被害を不安視する住民の猛反対、街を迂回したら森の環境破壊で猛反対。

電力の質も重要。
少しでも電圧や周波数がブレると停電するので、不安定な電力では使いのものにならない。

 

つまり、太陽光や風力みたいなもんで安定供給できるわけない。

仮に風力や太陽発電を作りまくって発電量をクリアしても、距離・時間の融通が効かないので先読みで需要と一致した発電ができない。
ヨーロッパと違い、需要と一致せず余った電気を売ることも不可。

しかも不安定なので電力の質が劣化する。
その「しわとり」のため、バックアップに何倍もの設備が必要。発電量に対して膨大な設備量を抱えるハメになる。

よって再エネが発電の基礎、「地産地消」のセオリーをぶっ壊す!

 

日本は放射線の危険性を煽りすぎ

日本人の被曝量の70%は健康診断などによる医療被爆。
集団レントゲンなんてやってるのは日本だけ。
世界中のCTの3割は日本にある。アメリカの3倍。多すぎ。

デンバーの放射線量は年5.0ミリシーベルト(日本の10倍)。
しかし健康に影響はない。

同じ放射線なのに自然のは良くて人工のは悪いという変なイメージ。

 

アメリカのビキニ核実験は死亡者0。
中国の核実験はウィグル人が19万人死亡(75万人との噂も)。
なのに日本ではアメリカの核実験だけ報道する。

 

チェルノブイリでは6000人が甲状腺がん発症、内15人の子供が死亡した。
その原因は、情報隠蔽により出回った汚染牛乳。
30年後の今でも、事故と因果関係が認められるのは小児甲状腺がんのみ。

福島の被爆はチェルノブイリより二桁低い。
また、日本はすぐに牛乳を出荷停止した。

日本はどこぞのような独裁国家ではないので、本当にヤバいことが起こったら情報を隠蔽するなんてムリ。

 

廃炉の放射性廃棄物は、実は少ない。大部分は再利用できる。

 

感想:小泉進次郎はこれを読め

再エネ、移民、緊縮…
全てご丁寧にヨーロッパが失敗を見せてくれているのに、なんでわざわざ後追いするのか謎です。

まず「再生可能エネルギー」って名前をやめてほしい。
永久機関みたいでナンセンスだし、低効率でいくら再生してもコストが膨らむだけです。

武田邦彦さんいわく「日本の高性能な火力発電は再エネより環境負荷が少ない。それがバレると困るヨーロッパなどが日本に再エネを押しつけている」らしい。

その傀儡(スパイ)がセクシー大臣・小泉進次郎なので、進次郎氏が本書を読んでも考えを変えないでしょう。
アイツはレジ袋有料化から明確に俺の敵です。

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