もくじ
GOD OF WAR IIIってどんなゲーム?
ギリシャ神話
「GOD OF WAR」シリーズはギリシャ神話を題材にしたアクションゲームです。
特徴は、
・魅力的なキャラ
・丹念に描かれるストーリー
・美しい&ド迫力のグラフィック
・洋ゲーらしからぬ遊びやすさ
日本における洋ゲーの「大味」「理不尽に難しい」イメージを変えた偉大なシリーズです。
前作はPS2の限界を追求したクオリティで、洋ゲーをナメたプレイヤーの度肝を抜きました。
ハードをPS3に移した本作はPS3最高水準。
PS3初期発売で既にハードの限界性能を引き出しました。
ちなみにPS4の次作もPS4最高水準です。
ゼウス、ポセイドン、ハデスなどギリシャ神話でおなじみの神々が登場し、みな魅力的なキャラクターとして描かれます。
ただ、神々は味方ではなく敵。
ゼウスもガイアもクロノスも全員敵で、全員ぶっ○すのが本作の凄いところ。
蛇と獅子と山羊の頭を持つキマイラ
1つ目の巨人サイクロプス
牛頭人身のミノタウロス
生々しいウロコがキモいゴルゴン
青銅の巨人タロス
などなど、ボス以外も神話っぽい敵が登場します。
神々をぶっ○す主人公はスパルタ戦士・クレイトス。
前2作で色々あり、本作で神々への復讐劇が完結します。
クレイトスは強く、容赦ない。
プレイヤーの期待を超えたハチャメチャを見せてくれるので、私は敬愛の意味を込めて「クレイトスさん」と呼んでいます。
豪華でハッタリの効いた神スケールの美術も見所。
ギリシャ神話な世界観を存分に味わいつつ爽快なアクションが楽しめます。
復讐の鬼、クレイトスさん
「主人公はなんだかんだで正しい」的な暗黙の了解が通用しない、ハードな復讐劇を描きます。
行動の結果、何がおきてもクレイトスさんはブレません。やりたい放題すぎて気持ち良い。
神を殺した罪悪感に苦しむとか、やっぱり復讐をやめるとか、ありがちなダルい展開は一切無し。
個人的な恨みで神を倒すたび世界が崩壊します。
以下、ネタバレ
ポセイドンの目を押し込んで海面上昇、
ハデスの魂を抜き取って死者の魂が放たれ、
ヘリオスの頭をもぎとって太陽が厚い雲に覆われ、
ヘルメスの足をぶった斬って無数のハエが疫病をバラまき、
ヘラの首を折って植物が枯れ果て、
最後はゼウスを倒してもう世界崩壊。
あまりの出来事に人間はただ嘆き悲しむだけ。人がゴミのようだ。
気の毒になるほど敵がクレイトスさんにボコられます。
ケンタウロスのはらわたを引きずり出したり、サイクロプスの目玉を引き抜いたり。
威厳たっぷりに登場するハデスは肉片をもぎ取られ、頭蓋骨出ちゃってボロボロ。
ヘラクレスはクレイトスへの嫉妬に狂う脳筋として描かれており、自慢のカエストスを奪われ顔の原型がなくなるまで殴られます。
人体破壊描写はさすが洋ゲー。グロすぎて逆にグロくない。
グラップラー刃牙で花山の顔が爆発したり、烈海王が真っ二つになったりしてもグロく見えないのと同じ現象が起きております。
ちょっと、なによこの○ボタンは。いったい何が起きるのよ。
えっ、えっ、何やってんの?L3+R3押し込み?まさか…
人間や女にも容赦なし!
神を倒すたびアテナが褒めてくれます。
「よくぞヘリオスの頭をもぎとりましたね」と言われたときはさすがに引きました。
ハードな復讐劇の行きつく先は皆殺しか、そのときアテナは何と言うのか…
最後までダルい展開は無いのでお楽しみに。
圧倒的スケール感
他のゲームでは決して味わえない神スケールの迫力!
グラフィックの特徴は圧倒的スケール感です。
開幕、ポセイドン戦からクライマックス!
足場が天地逆になったり、クレイトスさんはどこ?ってぐらい画面が引いたり、めまぐるしく状況が変化します。
馬頭とカニ足の怪物「リヴァイアサン」と闘う500mを超える巨人ガイア。
その巨大なパワーのぶつかり合いに参戦する2m弱のオッサン。
いくら「ブレイズ・オブ・アテナ」を頑張って振り回しても勝ち目がない…かと思いきや一番ヤバいのはこのオッサンでした。
圧倒的スケールの舞台上で自分の操作でキャラが動く。それだけで感動します。
例えば、私はFF8のムービー背景でキャラが動かせたとき感動しました。
あの感動が再び味わえます。
戦闘はもう一歩
戦闘は、簡単にいうと「デビルメイクライ3」です。
複数武器の使い分けや、テキトーに攻撃するだけでコンボがつながるなどフィーリングが全体的に似ています。
難点も同様。
どの武器で攻撃しても連打連打で「シャリシャリ」と振り回すので手応えが薄い。
しかもザコからボスまでみんな硬いので、手応えのなさと相まっていったい何回攻撃すれば倒せるのかと気が遠くなります。
メイン武器4つ中3つは鎖鎌系で大差ない性能。どれもヒット音・エフェクト・リアクションが薄い。
気持ちいいのは「ゴリゴリ、ドスドス」と鈍い手応えがあるカエストスだけ。
魔法(R2)も、どれも無敵&広範囲で見た目が違うだけ。
個性的な道具の数々は使いどころが少ないのが残念です。
攻撃を見切りにくいのも難点。
・敵の攻撃モーションが早い
・1、2発攻撃するとスパアマで割り込まれる
・アーカムシリーズのように予兆マークが出ない
よって後半ほどヒットアンドアウェイのチマチマした動きになりがちです。
総じて、戦闘は大味でもう一歩に感じました。
戦闘システムは次作で飛躍的に進化します。
その他
謎解きは簡単。怪しいところを順番に調べるだけ。
自分のように「デビルメイクライ」序盤で投げ出しそうになる方も大丈夫。
古代ギリシャの音ゲーがあります。ボタン表示がシュール。
空を飛ぶ場面が数回あります。
演出のメリハリになっているけど正直、つまんない。
デフォルトの上下リバースをオプションで変えるとラクになります。
神々のイメージに合わせた、独特な日本語吹き替え。
話し方が時代劇っぽくて大げさです。
「ゼウスの尻から出たハエを潰すほどヒマではないのだ!」とかイチイチ言い回しが面白い。
クロノスの名言「そこらあたりにおるのだろう」はマヌケすぎて何度聞いても笑えます。
現在では悪名高いQTEを上手く使っています。
敵にとどめを刺すCSアタック(QTE)は戦闘の余韻を味わうのに丁度いい塩梅。
ボスへのCSアタックは凄すぎて何がどうなっているのかわからない、芸術的なキルが炸裂して興奮します。
本シリーズなど一部のハイクオリティなゲームの影響で、他のゲームが続々とQTEを取り入れました。
しかし本作レベルで作れた例はほぼ皆無で、QTEでゲームのテンポを損ねる作品が氾濫しQTEは悪しき風習になりました。
まとめ:ダマされたと思って一回やってみ!
「ダマされたと思って一回やってみ!」
としか言いようが無い傑作です。
とにかく最初のポセイドン戦だけでもプレイしてみてください。
一度手をつければその勢いで10時間没頭し、気がつけばクリアしているはず。
最後に思い出話を。
私は実際に「ダマされたと思って一回やってみ!」と彼女にゴリ推して本作を貸しました。というかムリヤリ持って帰らせました。
白塗りオッサンがパッケージの、いかにも洋ゲー臭いゲームを全く受け付けなかった彼女。
その日のうちに「なんかアナログ押し込みで目を潰したよー恐いよー」みたいなメールが送られてきました。
やっぱりダメだったのかなと思った次の日、またメールが来ました。
「ハデスめっちゃ良いわー。凄い作り込みだよねー」。けっこう前半でドハマリしたようです。
以降、彼女のゲームにおけるクオリティの基準は本作になりました。
和ゲーをやると「やっぱGOWに比べてペラペラだよねー」と違いを語り、ジャンプ滞空できるゲームを見るたび「これイカロスグライドじゃない?」とこじつけ。あとガイアのモノマネがけっこう似てる。
本作だけでは飽きたらず「ゴッドオブウォーアセンション」を自腹で購入し「ほんまにカメラ引きすぎやでー」と文句言いながらクリアしていました。
このように、本作を洋ゲーだからと食わず嫌いするのはもったいない。
第一印象に反してお気に入りの一本になるかもしれないのでぜひ。