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ソニックフォース【評価/感想】休日にサクッと1本消化したい人に最高の1本

投稿日:2018-03-31 更新日:






いや、ひと目みてあ然としましたよね。映画「ソニック・ザ・ムービー」の修正前ソニック。

そんな話はどうでもいいとして、PS4「ソニックフォース」を紹介します。

「ソニックフォース?そんなゲーム出てたっけ?」
「ソニックアドベンチャー4(フォース)?」

と、本作についてよくわからない方も多いのではないでしょうか。
本作はどうも知名度が低い気がします。

というのも僕も本作の存在を知らなかった1人で、発売から半年後にPVを見て「なにこれめっちゃ面白そう!」と居ても立ってもいられず買いました。

プレイした感想を一言でいうと「贅沢なゲーム」。
濃厚リッチでスッキリとした味わいが楽しめます。

その他を寄せつけないほど良い部分と表裏一体の「3時間でクリアできる」という難点を持つ、魅力的な作品。
これはぜひ紹介せねばと記事を作りました。



ソニックフォースってどんなゲーム?

ドリームキャスト「ソニックアドベンチャー」(ソニアド)以来、シリーズの代名詞になった3Dハイスピードアクション。その最先端が楽しめます。

2017年11月9日発売。 Switch・PS4・Xbox One・PCのマルチ展開。

制作は、あの名作「ソニック カラーズ」開発スタッフ。
当然、凡作で終わるわけがありません。キレキレにトンガッた作品に仕上がっています。

 

一瞬で駆け抜けるのがもったいない作り込み!

3Dハイスピードアクションということで、目の前に広がる景色を一瞬で駆け抜けます。

その一瞬で画面から消えてしまう景色のひとつひとつが凄まじい。

「一瞬で駆け抜けるのがもったいない!」
と思わせる素晴らしい作り込みです。

フィールドは広大、密度が高く、デザインも凝りに凝ってる。

 

ソニックの開発スタッフは「ソニックチーム」と呼ばれ、長い間ブランドを守っています。

そのチームが作ったオリジナルのグラフィックエンジン「ヘッジホッグエンジン2」が生み出す画は、グローバルイルミネーション※を活かした手触りのある独特の味わい。

フォトリアルではない、カートゥーン系でもない。
ピクサーCG映画のように自然な、ソニック達が馴染む世界がそこにあります。

 

とにかく、プレイすれば手間暇かけていることがビシビシ伝わってくる。
背景デザイナーが丹精込めて作り込んでいることがわかります。

にも関わらず、じっくりと見るヒマもなく背景が一瞬で流れていく。

仮に僕が作り手なら、せっかく丹精込めて作った背景だからじっくり観てもらいたいですよ。
そんなケチな考えを捨てて、プレイヤーのハイスピード感を取るソニックチームは男前です。

※グローバルイルミネーションとは

現実世界のようにきれいな光、自然な間接光を表現する機能。
つまり、光源からの直接光だけでなく、光の照り返し(間接光)までシミュレートします。
グローバルとは「大局的」「大域的」という意味。

詳しいことはよくわかんないけど、とにかく最新技術なのです!

 

UI(メニュー画面、ワールドマップなど)にも注目してください。

オシャレで攻めたデザインです。
ただオシャレというだけではなく、作品にぴったり合っている。
プレイ中のテンポ・ノリを邪魔しません。

・派手な色と、躍動感あるフォント (Futuraを採用)
・視線誘導を意識した比率、画面の傾き
・アニメーションによる動きがある

これらにより、オシャレなのと同時に不安定な印象を受けます。

安定とは「立ち止まる」ということ。
本作のUIはプレイヤーを立ち止まらせない。

それにより、ステージを駆け抜けた疾走感を途切れさせることなく、次のステージに案内してくれます。

疾走感を追求するゲームのコンセプトと上手く融合している、素晴らしいUIデザインだと思いました。

 

音楽も良いんです。

後述する4スタイルごとに曲調が違うので、様々なBGMを楽しめます。
ブースト中は曲の印象が変わるなど、演出も気が利いてる。

スタイルごとの曲調は以下。

・メインテーマ「Fist Bump」
ソニックシリーズにボーカル曲復活。最初から神曲でカッ飛ばす!

・モダン
爽快感あるご機嫌な曲調

・アバター
聞き入ってしまいプレイが疎かになるほどメロディアスなボーカル曲。ステージの雰囲気にピッタリ。

・クラシック
レトロ調 の8Bitピコピコ音。ニーア オートマタのハッキングを思い出します。最近こういうの流行ってるんでしょうか。

 

リトライするとBGMがリセットされるため、繰り返しミスるとサビがゆっくり聴けないのが残念なところ。
プレイ中に足を止めたくなるほどBGMが良いってことなんですけどね。
サントラ買ってサビまでじっくり聴きたい。

 

ストーリーも一瞬で駆け抜ける!

ストーリーを一言でいうなら「スターウォーズ×アベンジャーズ」。

ヒーローが結集して敵に立ち向かい、世界を取り戻すシリアスな戦い。
そこに新人であるアバター(オリジナルキャラ)が混ざって大活躍する物語です。

 

ストーリーの序盤は大作感があり、後の展開へ期待が膨らみます。

しかし、丹精込めた背景を一瞬で流してしまう本作は、ストーリーも一瞬で流します。

だんだん駆け足になり中盤~後半の盛り上がり所がごっそり抜け落ちたような感じ。

ネタバレすると、敵のシャドウ、カオスとは戦わないまま終了。敵ボスのガボック、メタルは偽物。

ナックルズ、テイルス エミー、オメガ、ベクター、チャーミー、エスピオ、シルバー、ルージュなど登場キャラはまさにオールスター。
でもソニック以外との絡みは無線だけ。使えないし活躍を見ることもありません。

 

このように、ストーリーについては肩透かしを食らった感があります。
続編に期待したいところ。

しかし本作の開発には4年かかりました。次は何年後に出るのやら。

 

戦況を伝えるステージ開始前の掛け合いやステージ中の通信で臨場感があります。もちろんフルボイス。

ただ、全世界がエッグマンの手に落ちた後なので雰囲気が暗め。
楽しく駆け抜けている途中に「部隊は壊滅しちまった!新入りだけが頼りだ!」とか言われてもなんだかピンときません。

たいして活躍しないくせに、いつまでもアバターを新人扱いしてエラそうなナックルズにもイライラ。

何度倒してもしつこく絡んでくる新キャラ「インフィニット」の態度が悪すぎて、嫌いになっちゃいました。

「ドブネズミ」「ただのゴミ」「すりつぶす」「神とゴミほどの差があるのだ」
とこれでもかと煽ってきます。
ソニアド2でイキりまくってたシャドウを思い出す。

システム紹介:4つのスタイルで色々なアクションが楽しめる

それぞれ趣向が違う4つのスタイルに対応したステージがあり、色々なアクションが楽しめます。

スタイルは、

・モダン
・クラシック
・アバター
・タッグ

の4つ。
それぞれ専用の操作体系&ステージ構成。

これが1本のゲームに凝縮されているので、ソニックシリーズの良いとこ取りを楽しめます。

反面、元々1つだったステージを4スタイルで4分割したような作りになっているので1つ1つのステージの印象が薄く、共通して短め。

平均3分でクリア可能。
シークレットステージは特に短めで、1分以内にクリアできます。

全スタイル、残機・ゲームオーバーが無いのでミスを気にせず遊べます。

穴やギミックは即ミスですが、リトライポイントが30秒に1回はあるのですぐ復帰可能。
リトライのロードが無いのでテンポが良くステージを攻略できます。

一方、ステージ以外のテンポが悪いのが気になるところ。

クリアするたびセーブ・ロードが入ります。
短時間でクリアできるだけに引っかかりを感じてしまう。

クリア画面に毎回、複数のアバターパーツ獲得画面が出てきてボタン連打で飛ばすのも面倒です。

ソニックシリーズでは珍しく、ボス戦が楽しい!
ソニアドのようにホーミング3連打では終わりません。
どれも長すぎず短すぎずでちょうど良い。

 

では、4スタイルをそれぞれ詳しく紹介していきます。

 

モダン

ソニアド以降、シリーズでおなじみの奥へ進む3Dハイスピードアクション。

過去作と比べても、シリーズ最高のハイスピードアクションが楽しめます。

ノンストップでステージを駆け抜け、カメラアングルがめまぐるしく変化。しかも60fpsで滑らか。(Switch版は30fps)

スライディング、ホーミングアタック、ブーストなど各種アクションも爽快。

敵やギミックが少なめで、敵は動かずたいした攻撃もないため気持ち良く走れます。
まるでアウトバーンかサーキットをスーパーカーでかっ飛ばしているような気分。

「レベルデザインが甘い」なんて野暮なこと言っちゃイカンと思います。

ソニアドなんて敵とギミックがウザすぎて、気持ち良く走れるのは最初のステージだけなのでツラかったですよ。それに比べたら絶対こっちの方が良い。

 

無料DLCでシャドウ、スーパーソニックが使えます。

クラシック

メガドラ風の横スクロール。
旧ソニックが可愛い。

モダンよりアクションが少なくシンプル。落ち着いたスピード。

その分正確な操作が必要で、反転や水中ギミックなどモダンとは一味違う難しさがあります。

正直、モダンにも2D横スクロールあるからクラシックいらなくね?と思いました。
でも旧ソニックが可愛いからOK。

 

アバター

アバター(オリジナルキャラ)を操作。

アバターのキャラクリは表情から装備まで幅が広いので、ヤンチャ系から癒やし系まで好みのキャラを作れます。

アバターは一般市民という設定のため、ソニック達のようなスーパーパワーはありません。
そこで、シリーズでは珍しい飛び道具「ウィスポン」を駆使します。

ウィスポンは以下のように様々な種類があり、使い分けが楽しめます。

「バースト」
射程・弾数無限、リロード無しの火炎放射。

「ライトニング」
無敵時間が長いので連発するだけで無双。

「ドリル」
ボタン連打でチャージ中無敵。

「キューブ」
範囲型攻撃で地表の敵を固めてリング生成。

「ホバー」
敵を巻き込みながら竜巻を発生。


ご覧の通り、どのウィスポンもソニック達は不要と思えるほどのぶっ壊れ性能。
圧倒的な火力で眼の前全てを薙ぎ払う爽快感が味わえます。

ウィスポン、アバターパーツはステージクリアで入手。
「Sランクでクリア」などのミッションを達成するとさらに追加されます。

ウィスポンは移動手段としても超性能。
ずっと空を飛びながらクリアすることも可能です。

タッグ

アバターとソニックが共闘!
ジャンプ漫画のような熱い展開。

ソニックの能力とウィスポンが同時に使えます。

キャラ切り替えボタンがないのが特徴で、アクションに対応したキャラへ自動で切り替わります。これが新鮮。

個人的には、できることが倍増して面倒に感じました…
片方の能力だけで十分なのでアクションを持て余します。

 

3時間で終わる、濃厚リッチでスッキリとした味わい

本作の難点は、サクサク駆け抜けるだけであっという間に終わってしまうことです。

なんと、たった3時間でクリア。

あまりのサクサクぶりに、プレイ中は「このスピード感さいこー!」と思っていたのに、クリア後は「もうちょっと引き伸ばす努力しようぜ」と逆の感想が出てきます。
こんなゲームも珍しいのでは。

こんな割り切った作りなので、本作を低評価する意見では必ずボリューム不足が指摘されています。

 

たしかに今どきの大作ゲームが3時間でクリアできるのはちょっと異例ですよね。

でも僕としては、ボリューム不足に感じるという難点はむしろ愛すべき点だと思うのです。

というのもこの難点は、丹精込めて作り込まれたステージを一瞬で駆け抜ける「濃厚リッチでスッキリとした味わい」と表裏一体。
濃厚スッキリだからこそ、サクサクと3時間で終わってしまう。

僕は、この割り切った仕様で突っ切ったソニックチームを男前だと思いました。

それに僕は昔のソニックを経験しているせいでしょうか、3時間で終わっても全30ステージ+αもあるからボリュームが少ないとは感じませんでした。

 

あと、やり込み要素が沢山あるのでクリア後も長く遊べます。

赤リング集めでステージを隅々まで見て回る、タイムアタックで色んなルートを試してみる。
このとき1周目に一瞬で駆け抜けたステージの作り込みを堪能できる。
一粒で二度美味しいゲームといえます。

やり込み要素である、30ステージ分のSランク&赤リング集めは相当なボリュームになります。
ただし、以下のように達成感・見返りが薄いのがツラいところ。

・クリアランク:評価が甘い。初見でもSランクを出せるほど

・赤リング集め:ステージが直線的で分岐ルートが少ない

・チャレンジ:達成してもアバターが増えるだけ

タイムアタック、Sランク狙いは1ミス即やり直しなるのに、長いステージデモとQTEはカット不可です。
タイムアタックが楽しいだけにこれが一番ツラい。本作最大の難点はこれじゃないかと。

まとめ:休日にサクッと1本消化したい人に最高の1本

素晴らしいグラフィック&サウンドを堪能しながら、作り込まれたステージを3分で駆け抜ける男前なゲーム。
「濃厚リッチでスッキリとした味わい」を持つ唯一無二の作品。

休日にサクッと1本消化したい人に最高の1本。

クリア後も色んな要素をやり込める懐の深さもあります。

期待値低めで遊んでみたら「これ凄いゲームじゃん!」と驚く系です。おすすめ。

 

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