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ゴジラ

ゴジラ (’84)【感想/評価】設定・政治劇はキラリと光るが「惜しい」作品

投稿日:2019-08-02 更新日:

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登場する怪獣はゴジラだけ!

■あらすじ

伊豆諸島の大黒島が噴火。その後、遭難した漁船から巨大フナムシに襲われてミイラ化した乗員が発見された。

救助された船員の証言により生物学者の林田博士は30年前に東京を襲撃したゴジラが復活したと判断。

ゴジラは予想どおり姿を現し原発でエネルギー補給した後、ソ連原潜を撃沈し東京へ上陸。街を破壊していく。

そんな中、原潜の誤作動でソ連の衛星から核ミサイルが東京のゴジラへ誤射されてしまう。
日本は再びゴジラと核兵器の脅威にさらされる。

公開:1984/12/15

 

ゴジラ (’84)は「ゴジラ=恐怖の対象」への原点回帰をテーマにしたいわゆるリブート作品。
設定上、初代以降の昭和ゴジラはリセットされています。

登場する怪獣はゴジラのみ。その恐怖を描きます。

ちなみに、登場する怪獣(巨大兵器)がゴジラだけの作品は邦画に限ると3作のみ。

・ゴジラ(初代)
・ゴジラ(84)
・シン・ゴジラ

の3作です。

 

怪獣バトルで間を埋めるかわりに、本作はシン・ゴジラのような政治劇が描かれています。

ゴジラが来て大変だ、他国にプレッシャーかけられてどうしよう、ってときに官邸でグダグダな会議をやっているのが面白い。

「ゴジラに対して絶対に格が有効だという保証は?」
「万が一首都圏が壊滅すれば、日本は経済的にも半身不随だ。通産大臣はそこのところがおわかりになっとらんらしい」
「私が申し上げているのは戦術核が本当にゴジラに対して…」
「それは誰にもわからんだろう。やってみなければ」

このように延々と結論が出ないやりとりを繰り返しています。

 

でもシン・ゴジラと違い、総理がリーダーシップを取って頑張っているのが特徴的。
本作の主役は総理です。

外交でも他国の首脳に対して、
「あなた方の国の首都ワシントンやモスクワにゴジラが現れた時、ためらずに核兵器を使える勇気がありますか?」
と言って説得する活躍ぶり。

しかし外国に非核三原則とか憲法9条とか言っても通用しないだろうから非現実的です。

シン・ゴジラでは、この総理の問いに対するカウンターといえるやり取りがあるのが面白い。

 

■余談

そもそも、非核三原則の
「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」
って日本に何のメリットがあるのか謎です。

成立した経緯も曖昧でよくわかりません。
当時の佐藤栄作首相はノーベル平和賞を受賞しちゃってもう引っ込みがつかない。他国にハメられてるでしょこれ。

どうせなら「核兵器を日本で使わせず」の非核一原則にしてほしい。

 

政治劇をリアリティたっぷりに描く一方、突然出てくる空飛ぶ炊飯器こと超兵器スーパーX

せっかくリアルに徹していたのに炊飯器の登場でちょっと萎えます。
どうせなら全て通常兵器にして自衛隊の戦力を見せつけてほしかった。

 

「都市防衛のために開発していた」らしいのですが、どんな敵・状況を想定した兵器なのか謎です。移動核シェルターを兼ねている設計のわりにEMPに弱いし。

ゴジラのゲームをやるとわかりますが、スーパーXの動きはゴジラ側からするとウザいんですよね。ちょこまかちょこまかと動きやがって(笑
ビルを盾にするとか、都市防衛する気ないじゃないか。

 

特撮は豪華セットで迫力があります。

80mにサイズアップしたゴジラと比べてもビルがデカい。
世界一の経済大国になる勢いだった日本のバブル感が出ています。

銀座の地下に足を取られてバランスを崩しビルにもたれかかるとか、開発が進んだ東京を舞台にしたゴジラの暴れ方もリアル。

 

原発を襲うシーンも印象的。

「総理、濃霧でゴジラ発見が遅れてしまい申し訳ありません!」
ってもう上陸しちゃってるじゃないか。ちゃんとしろ!
「原発は沿岸に作る」という日本独自の規制が裏目に出ました。

 

原子炉からシュワーっと吹き出す何かを吸収するゴジラ。

本作のゴジラはなんともふてぶてしい顔をしています。
はっきり言ってブサイク。焦点が合わないデカい眼は不気味。感情が読み取れません。

次のビオゴジからイケメンにデザイン一新されるのでこのモデルは一作のみ。レアです。

一作きりになったとはいえ、
「可愛い(昭和)→ブサイク(84)→イケメン(ビオゴジ)」
の流れを作った84ゴジラは昭和ゴジラとビオゴジをつなぐ役割を果たしました。
イケメンのビオゴジがすんなり受け入れられたのは84ゴジラのおかげと言えるでしょう。

 

難点:全体としてなんだかイマイチ

9年の時を経て満を持して公開されたゴジラ映画。
そのためキャッチコピーは

「いま 壮大なロマンの目覚め!」
「日本を呑むか、地球を壊すか!」
「30年間の沈黙を破って全世界待望の「ゴジラ」最新作!」
「もう誰も…ヤツを止められない!」

と大風呂敷広げすぎ。

こうして上がりきった観客の期待値に対して内容が追いつかなかったのか、本作の評価は一般的に低めです。

自分が気になったのは次の2点。

 

理由1:ドラマを欲張りすぎ

政治ドラマ、特撮に所々キラリと光るものはあるのですが、盛り上がりどころが無くてパンチに欠けます。
ドラマが平板でパっとしない印象。

色んな要素を入れて欲張りすぎたのが原因だと思います。

誰をメインで描くわけでもなく、

・総理周りの政治劇
・米ソの対立
・博士の研究
・ヒロイン達のロマンスと危機一髪

の場面を同じようなボリュームで切り替えています。
だからドラマの焦点が定まりません。

特に、本編と全く関係ない2人のロマンスが「これいる?」という感じ。

浮浪者(武田鉄矢)もでしゃばりすぎ。こんなキャラ出したらそりゃ興ざめですよ。
この浮浪者、良い人だと勘違いしがちですが火事場泥棒という人間として最悪なことをやってます。

本作の真の主人公は総理です。
徹底して総理目線で描けば、本作は傑作になったかもしれません。

 

理由2:ゴジラは生物を超えた存在であってほしい

本作では核エネルギーの補給、帰巣本能などゴジラの生物的な側面を描いています。

それによりリアリティが出ている反面、ゴジラが普通の生物と変わりない存在になってしまいました。
確かに恐いけど、おどろおどろしいような恐さがありません。

決着の仕方も消化不良。
「わたり鳥を追いかけるゴジラは生物的すぎてなんか違うだろ」と思ってしまいます。

初代ゴジラやシン・ゴジラのゴジラはまさに生物を超えた存在。だから恐い。
やはりゴジラは生物を超えた存在であってほしいです。

 

まとめ

一言でいうと「惜しい」作品。

設定や政治劇にキラリと光る部分はあります。
しかし、

・色々盛り込んだ結果、平板なドラマ
・普通の生物として描かれたゴジラ
・中途半端な超兵器、スーパーX

などが気になり、メリハリが無くぼんやりした印象。
「面白かった」という感想は持ちにくいです。

 

ちなみに本作と同時期のアニメ映画は

・風の谷のナウシカ 1984
・マクロス 愛おぼ 1984
・天空の城ラピュタ 1986
・AKIRA 1988

など鬼のような名作ばかり。

ゴジラ(1984)は、アニメが邦画特撮に追いつき、追い越し、周回遅れにしたのが明確にわかっちゃった作品といえます。







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