PS2 シューティング

グラディウスV【感想/評価】プレイヤーを惹きつける魅力、突き放す難しさ

投稿日:2019-05-24 更新日:

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グラディウスといえば最高傑作はⅡ。Ⅲは賛否両論、Ⅳは不評。

…「V」のことを忘れていませんか?

ナンバリングだけど家庭用オリジナルです。
現時点で「グラディウス」シリーズ最終作。

シリーズ中では簡単な方といわれています。一番簡単という声もあるほど。
しかし実際やってみると、自分がグラディウス初心者ということもありめちゃ難しいです。
1コインクリア(ベリーイージー)までに「R-TYPE Δ」の10倍以上死にました。

本作の、プレイヤーを惹きつける魅力と突き放す難しさを紹介します。



上質な大作STG

キャッチコピーは「未知なる領域へ」。

伝統のシリーズに新システムとPS2水準のグラフィックを融合し、新たな面白さを提案しました。

 

STG人気が衰退し消えかかっていた2004年に登場した、STG史上最後の大作です。

横スクロールSTGは背景だけでなく地形も描写するため、縦STGと比べて制作の手間が倍増します。
その横STGで圧倒的な物量にボスラッシュ、美しいグラフィックと凝ったギミックを詰め込んだ非常に豪華な作りです。

家庭用専用に合わせた、じっくり遊べる大ボリューム。1周クリアはシリーズ最長、約70分かかります。
STG史上最長かもしれません。

 

家庭用オリジナルということで、演出にまったり間をとります。

2面と7~8面間には「ステージ中デモムービー」を挿入。
重要な場面を強調し、緊張感を演出するアクセントとして効いています。

ただ、カット不可なので練習で何度も周回するとダルいです。
テンポ良く遊べるのがSTGの魅力だと思うので、デモはカット可能にしてほしかったところ。

 

制作はトレジャー。
雰囲気・ステージ構成は同社制作「斑鳩」「レイディアントシルバーガン」と似ています。
上品な味わいの3Dグラフィックとエフェクトが美しい。

一方、自機・障害物どちらも3Dな上に奥行き表現で地形にパースがついているため判定がわかりずらい。
接触事故が多発。コショウを振りかけたような敵弾も見えづらく、気がついたら被弾している。

 

グロテスクな面が1つある以外はほぼ同じシチュエーションが続きます。
背景は宇宙や基地といった無機質な物に統一。ずっとグレーです。

自然・有機系のモチーフが目立つ過去作に比べると各ステージの外観変化が少なめ。
シリーズ伝統の「モアイ」「火山」も出ません。

ボスはとにかくコア、コア、コア。ザコにもたまにコア。
コアボス戦は存分に楽しめます。でも過去作に登場したドラゴンや植物などの生体系ボスはほぼいません。

 

このようにトレジャーらしいソリッド感が目立つので、シリーズファンからは「グラディウスらしくない」「前作より断然綺麗だし面白いからこれぞ正統進化」と賛否両論です。

 

グラディウスは「横STG御三家」と言われる3シリーズのうちの1つ。

横STG御三家とは、

・グラディウス
・ダライアス
・R-TYPE
の3シリーズ。

中でもグラディウスは別格で、「地形」「障害物」の概念をSTGに取り入れることに成功した記念碑的作品です。

 

システム解説

本作の特徴的なシステムを解説します。

 

・自機の動きに追従して支援攻撃する「オプション」
・ゲージとボタン操作による「パワーアップ」

このシリーズおなじみ要素を引き継ぎながら、新システム「オプションコントロール」を全面に押し出しています。

 

■オプションコントロール

オプション操作ボタン(R1)を押している間、オプションの挙動が変わります。

グラV最大の特徴であり醍醐味。
コントロールを使い分け、上手く活用するのが前提のステージ構成です。

挙動の特性は4タイプ。それぞれのタイプで別の攻略が楽しめます。
以下、タイプ別の解説。

 

タイプ1:フリーズ

オプションの隊形を固定。

状況に応じて隊形を組めば万能な反面、固定前に隊形を整える必要があるのでアドリブで使いにくい。

 

タイプ2:ディレクション

自機移動を止めて、移動操作でオプションの攻撃方向を変えます。
多方向からの攻撃に強い反面、自機が動けず壁越し攻撃が苦手なので扱いが難しい。

 

タイプ3:スペーシング

自機の上下にオプションを配置。間隔を変更可能。

操作に不慣れな初心者向け。対応力に欠けます。

 

タイプ4:ローテート

オプションが自機周囲を旋回。

自機を囲む隊形を簡単に作れます。

 

STGの中でもシステムが複雑なので、意識する場所が多め。

・パワーアップゲージを見てアイテムを取り、状況に応じて使う
・オプションコントロール
・判定のわかりづらい壁を避けながら、背景と同化した敵弾をかわす
・当然のような初見殺しに対応
・ボスの弱点(コア)に撃ち込む

など色々と意識してプレイする必要があります。

特にパワーアップ操作が忙しいのでシリーズ初プレイだと慣れるまで操作が大変。

 

デフォルト設定は「その場復活」。

復活後はミス前に持っていたオプションがステージ中に浮いており簡単に再入手可能。

シリーズ過去作は特定ポイント再開の「戻り復活」で、ミス後に丸裸から復活するのが見どころなので大胆な変更です。

逆にいうと、この親切仕様でもクリアできない難しさ。
オプションで戻り復活に変更できるけど、メリットがないのでより難しくなります。

 

独特の難しさ

STGとしては例外的に強いバリア、何回か攻撃に耐える「フォースフィールド」が頻繁に補給できるのに全く生き延びられないこの難しさ。

シリーズ特有の難しさなので、STG経験者があってもシリーズ初心者には鬼に感じます。

 

全方向から押し寄せる敵をオプションフル装備でしのぐことを前提にしているステージ構成なのでオプション操作が重要。
壁越し攻撃や隊列を駆使する必要があります。

「隊列の配置を間違えるとどう頑張っても詰み」「オプションが無いと当然詰み」みたいな状況が多く、ミス後にオプション回収失敗するとどうしようもない状態になります。

ボス戦も同様で、自機だけでは守りも弱点のコアに撃ち込むのも至難の業。
1面ボスが既に手強く、発狂後はオプション無だと手がつけられません。

 

横スクロールだから基本横に撃つのに、普通に上・下方向スクロールがあって戸惑います。
ステージ3ボス「グランドスパイダー」戦はずっと下スクロール。

地形を崩したり大型レーザーを撃たれたりで激しい攻撃にさらされる中、オプションを上に固定して撃ち込むか真横に潜って攻撃する必要があります。

まず登場が初見殺し。
ボスが下から上に登ってくるため、判定が厳しい足の隙間を潜って下に降ります。
初見では何が起こったのかすら把握できません。

 

後半ステージはさらに鬼。
5面ボスはもう笑うしかない。

自機を囲むジャガイモ隕石をかき分けながらコショウ機雷をバラまいてボス登場。
もはやSTGとは思えない有様です。例えるなら「カサ数本さして豪雨の中全く濡れずに進め」と言われているようなもの。

ちなみにバリアをつけると食らい判定が大きくなります。
囲まれるような攻撃をバリア維持して避けるのはほぼムリ。すぐバリアが剥げて丸裸になります。
また、ボスやオブジェクトの体当たりはバリアがあっても即死。

ボスに攻撃が通るようになるまで耐えたと思ったら、さらに強烈な攻撃にさらされます。
前からバラまき弾、後ろから絶え間なく押し寄せる隕石。もうどこを見ればいいのかわかりません。

 

5面ボスを必死で倒した後の6面。
毒ガスギミックが難しすぎてしばらく攻略放棄しました。

地形に合わせて押し寄せる緑のモヤモヤに触れるとアウト。
何かの間違いかと思うほど問答無用でモヤモヤが押し寄せます。

こういう狭くて入り組んだ地形は、ミス後にオプションが地形に埋まったりして回収が困難。一度ミスると立て直せません。

 

7面高速スクロールは高速エレベーターとシャッターを抜けるタイミングがシビアすぎます。
オプション回収どころではなく、その場復活→地形に挟まれてミスのループ。

 

最初こそ自機の判定が小さく、4オプション装備の火力が爽快なので気持ち良く遊べます。
しかし先に進むほどグラⅤが本性を現す。

後半は撃ち込んで敵を倒すというより、ひたすらパズルと電撃イライラ棒をやらされている感じ。合わない人には本当に合わないと思います。

一面をプレイした感じで「オプションの大火力とバリアでゴリ押せる爽快STG」だと思って先に進むと「こんなはずではなかった」とショックを受けること間違いなし。
覚悟を持って挑みましょう。

 

1周クリア後は難易度アップの2周目が始まります。
なんと255周目まで続行できます。

255周目ともなると画面が敵弾と障害物で埋まっており、自機がどこにいるかもわかりません。
攻略不可能に見えるけど、255周目をクリアしたプレイ動画がありました。
本作をプレイした上で動画を観れば「人間に不可能は無い」ことを実感できます。

 

まとめ

・美しいグラフィックと新システム
・凝ったギミックと作り込まれたゲームバランス
はプレイヤーを惹きつける上質な魅力があります。

一方、オプション装備前提で初見殺しが延々と続くステージ構成はプレイヤーを突き放す難しさ。
大ボリュームともったりしたテンポも、気軽にサクサク遊びたい方には不向きです。

美しいグラフィックで歯ごたえのある上質なSTGを、じっくり時間をかけて攻略したい方にオススメ。






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