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侍道2【感想/評価】シリーズ最高傑作は鍛冶リセマラのほろ苦い思い出

投稿日:2018-10-11 更新日:

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侍道2ってどんなゲーム?

侍道2とは、侍道シリーズ2作目。

強烈な個性と自由度が魅力のシリーズです。

『天誅』のアクワイアと、男受けだけを狙ったセンスで我が道を行くスパイクの共同制作。

ふらりと現れた侍が、見知らぬ地で自由に行動して生き方を決める。
この大筋は前作からそのままに時代背景を一新しました。

舞台を前作の峠から町へ拡大し、登場キャラも増加。
全体的に前作よりボリュームアップで豪華になりました。

 

■あらすじ

ときは幕末。
舞台は異国との貿易で栄えた地、天原。

天原へふらりとやってきた侍は、長きにわたる旅と空腹で倒れてしまう。

侍におにぎりを差し出す一人の少女が現れるところから物語が始まる。

 

時代は江戸から明治への過渡期、幕末。

だだの幕末ではありません。
手頃なサイズ感のマップに幕末要素をギュッと凝縮した、本作ならではの幕末を味わえます。

システムも独特。
普通のRPGやアクションゲーム、オープンワールドとは違う唯一無二の魅力があります。

・美味しい部分をギュッと詰め込んだ手頃なサイズのマップ
・フラグ無視してやりたい放題
・マルチエンドと周回要素

これらにより自由かつ手軽なプレイが可能で、その自由をどこまでも受け入れてくれます。

私はオリジナル(無印)版発売当時にプレイして、面白すぎてマジか! と驚きました。

 

■バージョン違いについて

バージョン違いが3作あります。

・無印
・追加要素を足した『ベスト版(決闘版)』
・決闘版をさらに調整、追加要素を足したPSP版『侍道2ポータブル』

今から無印版を買うメリットは特に無い。
PS2・PSP版の違いについては後に解説します。

 

箱庭マップ

幕末を舞台にした「天草」。
この地で侍生活を満喫できます。

天原は全10エリア構成の箱庭マップ。
各エリアで青門組、奉行所、町人の3勢力がにらみ合い様々な思惑が動いています。

最大10日間、寝たり斬ったり陰謀に巻き込まれながらエンディングへ。

 

戦闘への移行はシームレス。

多数相手でも実質タイマン戦で、操作は一般的な3Dアクション風味で馴染みやすい。

刀を持つ相手を倒すと刀を落とします。
その刀を集めるのがメインのやり込み要素。

 

主人公に背景設定はありません。
ふらりと現れた新参者。だからこそ何をするのも自由です。

町人の味方をして弱き者を助ける。
アウトローな人達の仲間になる。
奉行所の手助けをして犯罪を取り締まる。

何をしても良い。何もしなくても良い。寝っぱなしでクリア可能です。

10日間でいろんな人に出会い、会話の選択肢でシナリオが分岐します。
選択の結果たどりつくマルチエンドは14種類。

 

時間帯は「未明・朝・昼・夕方・夜」の5段階。
時間帯によって町の見た目や人通りが大きく変化します。夜に登場する忍者など、時間帯限定の登場キャラやイベントもあり。

・エリアを出入りする
・イベントをこなす
・寝る

以上により時間が経過。
寝ると1日丸々時間を潰せます。寝っぱなしだと5分でエンディングへ。

 

とりあえず仕事をこなして金を稼ぎ、名声を高めるのが基本です。

仕事をこなすと該当勢力の信頼度が上がり仕事内容が変わります。

最初は忘れ物回収やスリみたいなお使いだったのが、信頼を得ると敵対勢力の大物を始末する重要な仕事を頼まれることに。
こうして、新参者の侍が天草の勢力争いに巻き込まれていきます。

 

作り込み

細部にわたる作り込みにより、世界が活き活きとしています。

自分の行動に対して、周りの人物がちゃんとリアクションしてくれるのが嬉しい。

例えば、

抜刀状態だと周りの人がビビる。
しつこくぶつかるとガラ悪い人は刀を抜く。
岡っ引きは笛を鳴らして応援を呼ぶ。
おばさんは耳が痛いことを言ってくれる。

このように活き活きとした世界だからこそ、活き活きとした自由が味わえます。

 

自由には責任が伴うもの。

刀を抜けばしょっぴかれるし、辻斬りすれば嫌われます。

町人と敵対するとアイテムが買えない、鍛冶もできない。
場合によっては進行フラグが消滅し、選べるエンディングが限られます。

全てはプレイヤーの自由&自己責任。

 

メイン級のフラグ持ちキャラも普通に辻斬りできます。ヤッてしまうと関連するイベントが消滅。自由すぎる。

 

周回プレイ

周回プレイ前提です。

シナリオの流れは大まかに「少女、奉行、青門、かすみ、幕府」編の5ルート。エンディングは14種類。

本筋の話は複数ルートに関連しており、1周=1ルートでは全体像を把握できません。

最初は色々やるうちになんだかよくわからないまま終わりがち。

周回を重ねることで全体像が見えてくる作りです。

 

分岐条件はノーヒントかつ細かい。
自力攻略はなかなか大変です。

発売当時、全ルート制覇を目指して攻略を見ずにプレイしたら何度やっても同じエンディングで「こんなに頑張ったのにまた同じかよ!」と投げそうになりました。

煮詰まったら攻略を見たほうが良いかも。

 

やりこみ要素も周回を重ねるモチベーションです。

クリアかゲームオーバー後にプレイ内容に応じた「侍度」と「称号」を入手し、累計で様々な特典がもらえます。

刀、道具、装飾品は次周に引き継ぎ可能。
後述するように刀の強さ=キャラの強さなので、刀を引き継げば“強くてニューゲーム“のようにサクサク遊べます。

 

刀収集

究極の目的は刀収集です。

イベント消化と刀入手はセット。よって刀制覇は全イベント制覇を意味します。

キャラの強さが刀に依存することもあり、70種類を超える刀の収集は熱い。初期性能が変化する刀もあり厳選も熱い。

そのうち「おっコイツ良さそうな刀持ってるな」と、キャラより刀に注目するようになります。

 

キャラの強さは刀次第。

刀には硬度・体力・攻撃力・防御力があり、それがそのままキャラのステータス扱い。

構え・技も武器依存。

強力な固有技はゲームバランスをぶっ壊すほど強いです。

例えば京次郎が持つ刀、美帝骨。
ガード崩しから連撃を繰り出す「紅大吟醸」は最強クラスの固有技。
これだけで全員倒せるぐらい強い。

 

基本操作の解説

基本操作は、

横斬り(□)、縦斬り(△)、防御(R1)。

・横斬りは出が早い。

・縦斬りはダウン状態にも入る。
上手くハマると起き攻めでループ。

・防御をレバー入れ+ジャストで入力すると、カウンター技の「捌き」が出る。

 

捌きは強力です。
相手がステータスで大きく勝る場合は必須テク。

防御時、レバー前or後で攻撃をカキン! と捌いて大ダメージの一閃。さらに追撃確定。
ザコは一撃です。

入力は「ガードしながらレバー入れっぱ」でOK。リスクは少ない。

とはいえ強敵相手だと、捌きを狙うだけでは「ガード弾き」からの強力な連携を食らってしまう。

また、ガードすると硬度ゲージを消費して最後は刀身が砕けます。
砕けると修復不可。せっかくの愛刀が鉄くずになってしまう。

攻撃、ガード、捌き、ガード弾きを使い分け、硬度ゲージを管理してこそ本物の侍です。

 

鍛冶リセマラ

個人的には、侍道2といえば鍛冶リセマラ。

お気に入りの刀を入手したら鍛冶屋で鍛えて自分だけの一本を作ります。

刀の限界(質の分母)を超えて鍛えると一定確率で失敗する上、上昇値はランダム。
こだわると延々とリセマラすることに。

発売当時、PS2を何度も再起動して何時間もリセマラしたのがほろ苦い思い出。

PSP版は仕様が変わり、リセマラが必要なくなりました。嬉しい反面さみしい気も。

 

■鍛冶の解説

・質の鍛え方

①攻撃力を上げる、防御力を上げる
上がる数値はランダム。片方の数値が下がることもある

②適当にやってくれ
攻撃力・防御力ともにランダム変化の運まかせ。
これもリセマラを増やす要因。

③アイテム使用
アイテムの「打ち粉、お守り」で鍛冶屋不要のセルフ鍛冶が可能。
上昇値が低い(+5固定)。使わない。

 

・冠名鑑定

ステータスや斬殺数などの条件を満たした冠名をつけることが可能。
冠名に応じて刀の能力が変わる。一度つけた冠名は変更不可。

おすすめは「鬼神」。
攻撃力100以上と条件が手軽、攻撃力+100が強力。

「神仏拵」も強い。
条件:質(分子)12以上で質(分母)+3

 

PS2とPSP版、どっちがおすすめ?

無印版に追加要素を足したのがベスト版(決闘版)。
それをさらに改良したのがPSP版です。

PSP版は、

・移動速度向上
・未明・夕方が夜・昼の使い回しから専用グラフィックに
・会話、イベント早送り可能
・メディアインストールでロードが早い。(インストールしないと遅い)
・鍛冶失敗で能力が下がらない
・「武士の挑戦状」追加※

以上の調整と追加要素によりPSP版の方が快適に遊べます。

ただ、グラフィックはPS2版と比べてペラい。
グラフィックの差はかなり大きいので、個人的には決闘版の方が良いかな。

 

※武士の挑戦状

本編とは別のステージクリア型ミニゲーム。

クリアすれば刀の質(分子)を下げることが可能。つまりどの刀も限界まで強化できます。
強さを極めるならPSP版で決まり。

 

まとめ

個人的に、侍道シリーズは1と2でお腹いっぱいです。
それほど本作は出来が良い。美味しい部分を全て出し切った感がある。

実際、侍道シリーズは本作が最高傑作という意見が多いです。

侍道シリーズは代替がありません。
中でも最高傑作の本作、機会があればぜひ。

 

ナンバリングは4まで発売されました。
3、4は評判が悪いです。

3発売の2008年といえば、『GTA4』など海外の高品質なオープンワールドゲームが浸透し始めた時期。国内では『龍が如く見参!』が出ている。

対して、侍道シリーズは一歩劣ってしまった感が否めない。
クオリティは追いつかず差は開き続け、4の評価はシリーズ中最低。
5発売の噂は聞きません。







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