雑記

最近観たアニメ「ひぐらしのなく頃に」が面白かった

投稿日:2020-08-15 更新日:









最近観たアニメ「ひぐらしのなく頃に」が面白かった。(2006年の方。業ではない)
久しぶりに面白い物を観た気がするので、ネタバレほぼ無しで感想を書く。

久しぶりな気がするのは、最近話題のアニメを色々観たけど全然ピンと来なかったから。

「もうアニメはいいかな…」と思った頃、何気なく目に触れて観たのが本作。

予備知識はゼロ。名前だけは知っているけど、内容は知らない。なんとなくグロいことが起こりそう、って程度。

なんか気になるから、試しに観てみるかと。
これもつまんなかったら、また政治系の動画やゲーム実況を観よう。あるいは一日中無音ですごそう。

 

観ると、第1話でハマった。

まず絵が絶妙。絶妙に下手うま。
このデッサン崩れが現実感を失うというか、頭がクラクラしてくる絶妙な空気を生む。(その点、「解」が普通に上手い絵になったのはちょっとさみしい。)

実は「解」まで50話見て、一番面白かったのは最初の1~4話「鬼隠し編」。
つまり一番美味しいところを、最初に不意打ちで食らったのでガツンと頭に響いた。

日常と非日常の間、サスペンスな緊張感が最も際立っており一瞬たりとも目が離せない。

鬼隠し編のラストで作業服集団のリーダーが「カントク」と呼ばれているのが個人的に謎。
正体があの人なら、仲間内でカントクと呼ばれるわけない。

 

鬼隠し編以降も、観客の注意を引くためにあらゆる手段を使ってくる。

キャラデザはいかにもギャルゲーの美少女っぽい。
人口2000人の田舎で、竜宮レナの私服は攻めすぎだ。
おそらく正面からパンツ丸見えなので、前面を描くときは隠すのに苦労するはず。

 

その、いかにもな美少女の顔を原型が無いほど崩すからショックを受ける。

さっきまで美少女だったのに、一瞬で豹変して凄まじい顔になる。
可愛くふざけた口調も一瞬で「嘘だ!」と恫喝に変わる。

美少女が爪3枚剥がれるわ、内蔵引きずり出されるわ。
めった刺しにしされた死に顔は、分別がつかない児童の落書きのようで恐すぎる。

絵柄とやっていることのギャップが激しすぎて頭がついていけない。

画面の中で一体何が起こっているのか、何が伏線になっているのか。
なんとかついていこうと必死で目が離せない。
頻繁に豹変するキャラのイメージを統一させるため、脳内補完も忙しい。

「何が起こっているのかよくわからないけど、なんだか目が離せない」
そんな中毒性がある。

キツい展開が続く「目明かし編」は、頭がボーッとしておかしくなってきた。それでも目が離せない。

例えば、作風が似ている「シュタインズゲート」(シュタゲ)なら、キャラの掘り下げや複雑な設定で興味を引きつける。
対して本作は、ひねり無しの直球勝負という感じ。ガツンガツンと直球、いや危険球を放り込んでくる。

次回予告の入り方が好き。

エンディング曲に被せて絶妙なタイミングでナレーションが入り、心地よい余韻を残してくれる。散々酷いことがあったけど、「ああ、僕は美しい作品を観たんだな」とカタルシスを味わえる。

「解」最終話、エンディング曲と踊りの効果音「シャン!」がシンクロする演出も鳥肌が立つ。

 

無印の26話に加え、続編「ひぐらしのなく頃に 解」24話も観た。

「解」は無印の解答編にあたり、散らばった伏線を回収していく。
よってセットで観るのが前提だ。

「解」まで観ると、シュタゲがひぐらしフォロワーってことに気づく。
やはり何にでも元ネタがあるもんだ。ひぐらしの元ネタもまたあり、その元ネタもあるのだろう。
歴史・文脈を知り、ネタを自分なりに組み合わせる。それが創作なんだな。

 

ただ、「解」はダレた。
中盤~終盤まで間延びして冗長。

保健所のくだりが長すぎる。

黒幕の過去編も長いのなんのって。散々酷いことをした言い訳のように長い。
経緯をいくら丁寧に描写されても許せるわけがないので興味が出ない。

間延びを我慢して最後まで観ると、「解」第1話の期待感を忘れる平凡な着地でガッカリ。

前作は、普通の日常とオカルトチックな狂気のギャップが魅力だった。
普通だからこそ感情移入できて、それが崩れる面白味があった。

対して「解」は、普通の子供が国家的権力に立ち向かう非日常。
「仲間、仲間」とワンピース、サマーウォーズみたいな、僕が嫌いなタイプのノリになってしまった。

極めつけは小此木の台詞、「sasでもデルタフォースでも、どこでも最高の人材になれるだろう」
いやいや、そんなわけねーだろと。
普通の少年少女だと思っていた登場人物たちが、特殊部隊に入れる特別な人間にされてしまった。
「解」だけでなく前作の面白味すら消し去るほど、残念な着地の仕方だ。

本作に限らず、サスペンス系の作品は着地が難しい。
たいてい、最初の事件発生直前ぐらいが一番面白い。
サスペンス系つっても、「かまいたちの夜」「シュタインズゲート」「ダブルキャスト」ぐらいしか知らないけど。

中でも本作は、着地の残念さで頭一つ抜ける。
最高速でスタートしただけに失速感が強い。

例の病について「精神状態が安定し、十分な睡眠を取れば大丈夫」というが、それができたら誰も苦労しないわけで。やはりこの村はダム湖の底に沈んだ方が良い気がする。

強引にハッピーエンドへ導く一方、タイムリープ的な超常現象に一切の説明が無い。
前作で興味を引いた謎を平凡に片付けて、興味が出ない謎を新たに作っている。
つまり作品自体が下り坂。続編があるようだが観る気がしない。

散々引っ張った、悟史の落とし所も面白味に欠ける。
祟殺し編で圭一がバットを持ったときに感じた悟史は何だったの?

祟殺し編が「想像にお任せします」状態なのも引っかかる。

 

「解」について文句を言ったが、50話観たことは後悔しない。

1期(無印)の衝撃、面白さは久しぶり。たぶん7年前にゲームで体験したシュタゲ以来。

名前だけは知っているけど内容は知らない、という僕と同じような人にオススメしたい。
2006年にこれほどの作品があったことを知っておいて損はない。
時間が無いなら1~4話「鬼隠し編」とエンディングだけ観てくれ。

てか僕がサスペンス物好きなだけかもしれない。
サウンドノベルゲームがやりたくなってきた。

 

■追記

記事作成から一ヶ月後、「礼」「煌」も観た。
祭りが終わった後の余韻にひたれる良い作品だった。
同時に、また無印第一話から観たくなる。シリアスな世界に戻りたくなる。
雛見沢村の夏は終わらない。

 

保志総一朗(出演), 中原麻衣(出演), 雪野五月(出演), かないみか(出演), 田村ゆかり(出演), 堀江由衣(出演), 今千秋(監督), 川瀬敏文(監督), 橘秀樹(監督)







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