もくじ
ジャストコーズ4の特徴・魅力
ジャストコーズ4は、広大なオープンワールドを装備や乗り物で飛び回り敵拠点で破壊の限りを尽くすヒャッハーなアクションゲームです。
主人公はCIAエージェント、リコ・ロドリゲス。
亡き父の謎を解明するため南米にある架空の大国・ソリスに潜入し、発電機や石油タンク、戦車や戦闘機まで全てを破壊し尽くします。
オープンワールドの移動手段といえば徒歩や車ですよね。
本作は歩きません。多種多様な車に乗れるけど乗る必要もありません。
なぜなら3種の装備で高速移動できるから。
装備は、
・グラップリングフック
・パラシュート
・ウィングスーツ
の3点セット。
3つを自由に切り替えて縦横無尽に飛び回れます。
マップは3種の装備を駆使しても気が遠くなるほど広大。
3種の装備に加え、色々な機能(ガジェット)を追加可能。
物同士に接続して引き寄せたりバルーンをくっつけたりブースターで強制加速!
このガジェットが本作の目玉です。
乗る必要はなくても乗り物は沢山あります。
特に活躍するのが自力移動より速いヘリや戦闘機。
仲間に要請していつでも補給可能です。いちいち調達する必要はありません。
補給した乗り物が撃墜されても、敵拠点にあるヘリを奪ったり応援で飛んできた敵ヘリにグラップリングフックで飛び乗り強奪したりで現地調達。
なんでもアリな立ち回りができます。
拠点には発電機や石油タンクなど危険な物が沢山。
攻撃すればドカドカ~と連鎖爆発して火の海になります。
戦闘ヘリや戦車に搭載された大型武器も使えます。
圧倒的火力で敵拠点を片っ端から薙ぎ払う!
破壊は気持ちいいだけでなくゲーム進行においても重要です。
具体的な流れは、
色々壊すと「カオスポイント」が貯まる
→仲間「カオスアーミー」が増える
→仲間に指示してエリアを制圧する
→一定エリアを制圧すれば重要ミッションをプレイ可能
つまり本作において破壊は正義。
普通に遊べば十分なポイントが貯まるので「全部破壊しなきゃ…」という作業感はありません。
ようするに本作は縦横無尽に飛び回りながら破壊を楽しむヒャッハーなゲームなのです。
マップは大きく分けると次の4エリア。
・リゾート地
・ジャングル
・雪山
・砂漠
全体的に南国らしく晴天で気持ち良い景色が続くけど一部で4エリアに応じた自然災害が発生します。
その自然災害をゲームエンジン「Apex Engine」で描写。
大雨の中で雷に撃たれ竜巻に巻き込まれもうめちゃくちゃ。
荒れ狂う自然の中で、どさくさ紛れのように破壊の限りを尽くせます。
ジャストコーズ4の感想:粗い
率直な感想をいうとあらゆる面で粗い。粗い故に、大味。
「粗削り」的な意味ではなく単純に出来が悪い。
グラフィック、システム、挙動、UI…
全てが粗いためストレスが溜まります。
例えるなら10年前のゲームをやっている感じ。
僕は「GTAサンアンドレアス」(2004年発売)を思い出しました。
一応、ドンパチ系オープンワールドとして普通に楽しめます。
しかし2018年水準としては粗すぎて、粗い印象だけが残ってしまう。
一部やたらと難しい場面がありストレスが溜まります。
難易度選択は不可。粗さ故の理不尽な難しさなので仮に難易度設定があってもストレス回避不可。
以下、本作がどう粗いのかを解説します。
グラフィックに見どころが無い
汚い画質と平凡なマップ。
グラフィックに見どころがありません。
僕は画質にはあまりこだわらない方です。
どんなゲームも数年後にはどーせ型落ちなので、なんとなくPS4水準なら良いと思う方。
そんな僕でも気になる画質の悪さ。
CGに詳しくないので専門的なことはわからないけど、なんだかライティングにキレが無くテクスチャがペラペラです。
そのボケた画面にモーションブラーをかけるからもうボケボケ。
(これでもアプデで改善されたらしい)
そんなボケた光景がどこまでも続く広大なマップ。
無駄に広い。プレイ時間稼ぎのように広い。
4エリアの特色は少なく、コピペ生成したようなジャングルの中に拠点が点在するだけです。
拠点へ行く道中に何も見どころがありません。これならマップの大きさを半分にしてギュッとまとめてくれた方が良い。
苦労して到着した各拠点も汎用モデルの組み合わせでコピペっぽい。
売りである異常気象が発生するミッションはごく一部。
しかも視界と操作性が悪くなるだけで面白味が無いです。
結局、ゲーム開始からクリアするまでグラフィックに感心することは一度もありませんでした。
戦力を強化する楽しみが無い
育成・強化要素が無いため、戦力を強化する楽しみが無い。
敵を倒しても得るものが無い。経験値もお金も無い。
武器は現地調達で使い捨て。レア物や、こだわりのカスタムがない。
エリア制圧により補給物資をアンロックするのが唯一の楽しみです。
でもアンロックが楽しいだけで必要性は薄い。
戦闘が大味すぎるため、武器なんて「普通の銃、グレラン、ロケラン」の3種みたいなものです。
現地に落ちている武器を使えば十分で、わざわざアンロックした武器を取り寄せる意味がありません。
武器と同じく、乗り物も補給物資の使い捨て&現地調達です。
移動用なら序盤に入手するヘリがあれば十分。
エリア制圧が進むともっと速いヘリ・飛行機が使えます。でも速度の違いは300km/h~350km/hと誤差レベル。
しかも飛行機は異様に扱いづらいのでヘリ一択です。
拠点制圧用なら敵拠点のを奪えば良いのでわざわざ取り寄せる意味が無い。
エリア制圧でパイロットや補給力が増えると補給の回転率が上がります。
でも前述の通り武器・乗り物ともに取り寄せる意味が薄いので序盤入手する2人で十分です。
つまり、ゲーム序盤にヘリを入手した段階で戦力強化は終了。
その後は最後までずっと同じことの繰り返し。
自キャラを強くするRPG的な楽しみは皆無です。
キャラ育成や装備・乗り物カスタムを切り捨てて本作が目玉にしたのは、バルーンなどのガジェットを組み合わせるグラップルカスタマイズ。
いやいや、こんなオモチャを組み合わせるのが目玉かよ。
面倒くさいし興味も出ないからミッションで必須なとき以外は一切触りませんでした。
一切触らずクリアし、クリアする頃にはガジェットの存在自体を忘れました。
ミッションが粗い、単調
ミッションの内容が粗くて単調です。
ミッションは30個ぐらいあるけど、やることは3種類ほど。
拠点に行き、
・全ポイントを破壊
・制限時間以内に全ポイントをチェック
・ハッキング中、ひたすら耐える
これだけ。
他はオープンワールドにありがちな「~についていけ」「~を目的地まで運転しろ」とか。
お決まりのパターンを2~3個を組み合わせてミッションを水増ししています。
つまり、コピペな拠点でコピペなミッションをこなす単調な繰り返し。
拠点では敵が四方八方から無限湧き。スナイパー、ロケランなどあらゆる武器で撃たれ続けます。
どこから撃たれているのかもわからない猛攻にさらされ、立ち止まることも許されません。
ハッキング中に耐える場面ではさらに攻撃が激化。
ときには敵に囲まれたお立ち台みたいな場所で「エリアから離れるな」と言われます。
敵陣のど真ん中でハッキングし、スナイパーや戦闘ヘリに集中砲火されながらエリア内をグラップリングフックで必死に飛び回る画は滑稽です。
難しいというより理不尽。
自分の時間回復が早いので案外耐えられるけど理不尽にボコられるのは腹が立ちます。
護衛対象があるとさらに厄介。
アンテナなどのオブジェクトはときに目標時間の3分の1も耐えられず破壊されます。
一方、NPCはやたらと硬いため全く護衛する必要がない両極端。
硬さは安心のNPCには別の不安要素があります。それが進行バグ。
NPCが絡むとロクなことになりません。
・地形にハマって動かない
・乗り物から降りない
・危険な場所から離れない
・理由はわからないけど動かない
僕はクリアまでに1回あるか無いかぐらいのバグは気にしない方なので、レビュー記事ではバグについてあまり触れない方針です。
ただ本作は頻度が高すぎてNPCが登場するたびにヒヤヒヤします。
先回りしたり変な乗り物に乗せたり、攻めたプレイをすれば簡単にバグる。普通にやってもバグる。
フレームレートが落ちすぎてコマ送りになることも多々あります。
これ本当に2018年のゲーム?
制限時間内に全ポイントをチェックする場面は「やらされてる感」が半端ではない。
しかも制限時間が短すぎ。
嘘かと思うほど短い。配置を把握し、よどみなくテキパキこなしてギリの設定です。
特に頭に来るのが制限時間内に車10台を海に落とすミッション。
落としては陸に上がり、落としては陸に上がり、一体俺は何をさせられているんだ。
本作の売り文句「破壊衝動」の欠片もありません。
総じて、シリーズの売り「破壊」ではなく「時間に追われる、守る、耐える」系ばかり。
やっていることは派手なドンパチでも、やらされてる感と耐えるプレイに破壊の爽快感はありません。
地味に致命的なのが、目標物を示すマーカーの見ずらさ。
時間制限系で苦戦する要因です。
ミニマップが無いので目標の位置はマーカーだけが頼り。
しかし距離に応じて薄くなるとかサイズが変わる配慮がないので位置が全くわかりません。
近くにあるかと思ったら5km先だったとかありがち。ミニマップが無いのだからL3押さずとも距離ぐらい表示してほしい。
高度表示も無いためマーカーがどこを指しているのかわからず、近づいても目立たないのですぐ見失います。
そのためマーカー探しで同じ場所をグルグルして酔いまくる。
操作性が悪すぎて酔う
操作性が悪い。何をやっても気持ち良くない。
まず全体的に挙動やカメラの反応が悪く、グニャっと慣性がついて気持ち悪い。
2018年、見習うべき沢山の作品があるのになぜこんな時代遅れのフィーリングなのかとイラつきます。
本作は大まかにいうと、
・銃撃戦
・グラップリングフック
・乗り物
で立ち回ります。
その全てが気持ち良くない。
まず銃撃戦。
キャラの挙動が硬い。
触ってすぐ伝わる違和感、気持ち悪さ。
エイムまで慣性がついてもっさり。ADSも遅すぎてやってられません。常にラグい感じ。
他はハチャメチャやってるくせにエイムをリアル風もっさり仕様にする意味がわからない。
しかも単調です。
グラップリングフックを使ったギミックが多い反面、アクションが少ない。
走れない、しゃがめない、カバー無し。手榴弾や設置系武器も無い。
無限湧きの敵をテキトーに撃ちまくるだけで大味。
グラップリングフックもイラつきます。
ビューンと引っ張られる高速移動は楽しいけどフックをかけるのはチマチマした操作です。
忙しい状況の中、フックの射程が長いため手前・奥にロックできる場所が散って操作が大変。しかもロックマーカーが見ずらい。
そのため意図と全然違う場所にロックしがちでタイムロスとストレスが大きい。
グラップリングフックといえば名作・バットマンアーカムシリーズです。
バットマンは端から端まで3分で移動できるサイズのマップだから快適でした。
本作のような広大なマップで延々とフックのロック作業を強いられるのは苦痛です。
拠点に、ねずみ返しみたいに縁が出っ張った場所が多いのもイライラ度高い。
下から縁にフックをかけると上に行きたいのに下に張りついてしまう。この状態からは上に行けないのでいったん落ちてまたフックかけ直し。操作がダルいし見た目が滑稽です。
「フックがL1、ガジェットがL1長押し」のボタン被りもストレス要因。
タイミングで使い分ける必要があり混乱します。
そんなキャラ以上に乗り物の操作性がひどい。
カメラが正面を向かないので運転とカメラを同時操作するハメになり、カメラグルグルが止まらない。真っ直ぐ走ることすら困難です。
乗り物・カメラの動きが両方グニャグニャ、さらに動かすたびにモーションブラーなので酔いまくる。
グラップリングと乗り物で酔いまくるのは個人的に本作最大の難点。
僕はプレイ中吐き気と頭痛に襲われて、その後の日常生活に支障が出ました。
僕は本作をプレイして、
「ゲームで1日潰して残ったのはストレスと1日潰した罪悪感、吐き気と頭痛。俺にとってもうゲームは潮時なのではないか」
と考えました。
ゴチャゴチャなUIでうんざり
ゲーム開始から次々とゴチャゴチャUIに襲われてウンザリ。
・バルーンなど装備セット編集画面がゴチャゴチャでもう嫌。
操作も、編集が□長押しとか勘弁してくれ。
・チュートリアルの説明が例外なくわかりづらくて余計に難しく感じる
テキトーなローカライズで頭に入らない日本語。改行もいいかげんで読みづらい。
・ゴチャゴチャした全体マップを見せられて目的地マーカーを置く気すら失せる
・「X決定、○戻る」の海外仕様のせいで余計に混乱
リトライしようと○連打したら最初からになってキレそう。
チュートリアルを読めば読むほど、UIを真剣に見れば見るほど混乱します。
使って慣れるしかない。
武器ケースに入った武器3種もいちいち取りにくい。
つくづく、かゆいところに手が届かない残念なゲームです。
まとめ:新鮮味が無い。オススメする理由が無い。
普通のドンパチ系オープンワールドです。
普通に遊べるけど新鮮味が無い。オススメする理由が無い。
今の時代、オープンワールドというジャンル自体が飽和し、どのメーカーも次世代型のゲームを模索しています。
そんな中で登場した何のひねりも無い大味なオープンワールド。
10年前ならこれで良かったかもしれません。
しかし2020年にプレイすると不満とストレスが吹き出します。
一応、普通に遊べるので、
「大味でも良い。むしろ大味を求めている」
「昔ながらの大味なオープンワールドがやりたい」
そんな方は楽しめるかも。