PS2 アドベンチャー

灼眼のシャナ(PS2)【感想/評価】無性にアニメが観たくなる

投稿日:2020-08-21 更新日:

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灼眼のシャナってどんなゲーム?

累計860万部※を突破した人気ライトノベル(ラノベ)「灼眼のシャナ」が待望のゲーム化。
(※2019年時点)

 

シナリオはゲームオリジナルの全8章。原作者の原案・監修とのこと。

季節は夏休み。海水浴が見どころです。

 

ゲームの流れは、

・たまに選択肢を選びながら会話を進める、ギャルゲーのようなアドベンチャーパート

・各章の終わりに戦闘パート

 

オープニングのオリジナル主題歌を歌うのは、シャナ役の声優・釘宮理恵さん。
爽やかで明るく、夏休みの開放感にピッタリな曲です。

ただ、本作にはアニメーションがありません。
オープニングすら止め絵。しかも全て本編の使いまわし。
早くも低予算臭が出ています。

 

見どころ

本作の魅力は、

・声が豪華
一通りのメインキャストが揃い、全員フルボイス。

・一枚絵が多い
立ち絵以外の、画面いっぱいに描かれた絵が頻繁に挿入されます。

・原作の世界観に忠実
大筋はアニメ1期~2期序盤の焼き直しなので原作のイメージを崩しません。原作既読ならある意味安心です。

時系列もアニメ2期序盤あたり。肝心な設定は軽い説明でささっと入るのみ。
原作を知らない方が本作から入ると絶対についていけません。

 

難点

絵が違う

立ち絵の質が低い。

原作イラスト(いとうのいぢ先生)の、繊細で可憐な絵と違います。

「模写した絵を模写」を10回繰り返したような感じ。似てるけど大事な何かが抜けちゃってる。

特に、目に違和感が。みんな目が死んでる。

原作絵の目はたしかにマットな質感です。
ただ、その上で目が生きているのが独特の魅力。マットなだけではダメなのです。

 

落胆すると同時に、原作の絵は良いなぁ~と再認識させられます。

立ち絵だけでものいぢ先生に描いてもらえなかったのか。
顔だけでいいから、ラフだけでいいから。
のいぢ先生がダメならアニメ版スタッフに…

とにかく、立ち絵の質が低いのはツラいです。主に立ち絵でゲームが進行するので。

 

音質が悪い

絵だけでなく音の質も低いです。

・ボイスの音質が悪い
肝心のシャナは、キンキンに声が高いため常に音割れします。
せっかく豪華フルボイスなのに台無し。

・効果音がモサい
好感度アップ・ダウンの効果音が変で、アップしてんのに「デデデ~」と変な音が鳴ります。

・BGMが印象に残らない

 

ボリューム不足

ボリュームは定価1000円相当です。

原作の流れを崩さない程度のオリジナルシナリオなので話は小ぶり。
簡単にいうと、水着を買って海沿いの別荘に遊びに行くだけの話です。

「ゲームオリジナルの全8章」の実態は1章の8分割

全ての台詞をフルボイスで聞いて、まったりプレイしても5時間でクリア可能。

 

やりがいが無い

ボリュームが無い上、やりがいもありません。

水着を買って海沿いの別荘に遊びに行くだけの小ぶりな話で、エンディング内容も軽い。

 

ADVパートの選択肢や、目押しミニゲームによって分岐するエンディングは5つ。

・シャナと露天風呂にはいる
・シャナと浜辺を歩く
・吉田と協会に行く
・吉田と浜辺を歩く
・男4人で勉強会

ご覧の通り、どーでもいい内容です。
しかも上記の場面はスタッフロール後のオマケに近い。

ちなみに、選択肢による戦闘パートへの影響はありません。

 

量だけ多く内容が薄いセリフをひたすら送り、選択肢を選び、目押しミニゲームをやる意味がだんだんわからなくなってきます。

 

戦闘パートがつまらない

作りやすいはずのADVパートが前述の通りなので、戦闘パートの出来が良いわけありません。

フリーゲームのようなグラフィック&工夫の余地がない運ゲー。

 

・□△Xの3ボタンから選択
・目押しを3回繰り返す
・1回でも防御側と被ったら攻撃失敗(防御成功)

CPUとのジャンケンゲーはツラい。
心理戦の面白味も無く、内部入力確認を疑うほど防御されます。

目押しがシビアすぎるので、慣れるまで入力すらさせてもらえません。
私は目押しが嫌いなので初戦で投げかけました。

一切のチュートリアル無しで、初戦でいきなり謎ゲームが始まるのもツラい。

 

原作の話をしよう

ゲームについてこれ以上話しても悪口ばかりになるので、ここからは原作の話をします。

 

私は所有欲が無い方です。マンガやラノベ、DVD、グッズを買わない人。
ゲームも、クリアして記事書いたらすぐ売っちゃう人。

買ったマンガは「るろ剣」と「最終兵器彼女」ぐらい。

そんな僕も、シャナは手元に置きたいと思ったので20巻まで買いました。
今までの人生で一番「所有」した作品です。

 

シャナに出会ったのはたしか高校卒業前。

深夜にだらだらテレビを観ていたら突如、「無限の刻が鼓動を止め…」と壮大な語りが始まりました。

渋い語りから一転、「緋色の空」の疾走感あふれるイントロが流れる。

最高にカッコ良くてもうシビれましたね。
オープニングで完全に心持っていかれました。

意味はわからないけど、なんか壮大な物語が始まったのがわかる。
凄い作品と出会ったことを一瞬で理解しました。

これが1期の第1話。
偶然、記念すべき第1話に出会えたのです。

 

アニメ2期からの展開はほとんど覚えていないけど、最後まで丁寧に描いて綺麗に終わった印象です。
全23巻におよぶ長編ラノベで、こんなに綺麗に終わる作品は珍しいでしょう。

 

■個人的名曲ベスト5

OP・ED曲は全て名曲!
シャナのOP・ED曲を集めれば、作業用BGMのプレイリストが充実します。

ストーリー展開やシャナの心情と完全にシンクロするのも素晴らしい。見事に作品を引き立てている。

中でもお気に入りの曲、ベスト5を紹介します。

 

・「緋色の空」(1期OP1)

作品の魅力をギュッと濃縮して音にしたような曲。
灼眼のシャナとはどういう作品なのかを一瞬で理解させます。

 

・「being」(1期OP2)

カッコよさ重視の他OP曲に比べて爽やか。
KOTOKOさんの突き抜けるような歌声が心地良い。
繰り返し聞いても不思議と飽きません。

 

・「夜明け生まれ来る少女」(1期ED1)

「緋色の空」と同じく、世界観をガツンと伝える曲。
1期前半におけるシャナの燃えるような使命感・覚悟、1人で戦う孤独を感じます。

 

・「triangle」(2期ED1)

とにかくリズムが心地良い。ヘビーローテ向き。

 

・「ONE」(3期ED2)

カッコよさに全振りした曲。いよいよクライマックスで激しさを増すバトル、結末に向かう切なさを圧倒的な疾走感で表現。

 

 

まとめ

典型的なキャラゲーです。
低予算、低クオリティ。

プレイすると無性に原作かアニメが観たくなる。
本物に触れたくなる。

そういう効果はあります。

 

シャナをまだ観ていない方はラノベを読んでアニメを観よう。
昔観た方もラノベを読んでアニメを観よう。

高橋 弥七郎(著), いとう のいぢ(イラスト)
釘宮理恵(出演), 日野聡(出演), 江原正士(出演), 川澄綾子(出演), 生天目仁美(出演), 大塚舞(デザイン), 渡部高志(監督), 高橋弥七郎(原著), 小林靖子(その他), J.C.STAFF(その他)







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