PS4のトゥームレイダーは3作あります。
「どれからプレイしたらいいのかわからない」
「ストーリーはつながってる?シリーズ未経験でも遊べる?」
といった疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
3作全てプレイし、レビュー記事を作った経験をふまえて疑問に答えます!
まず
・3作をプレイする順番のおすすめ
・おすすめする理由
・トゥームレイダーシリーズの特徴。アンチャーテッドとの違い
について説明した後、各作品を詳しく紹介します。
もくじ
トゥームレイダーはこの順番で遊ぶのがおすすめ!
発売順にプレイするのがおすすめ
発売順にプレイするのがおすすめです。
具体的には、
①トゥームレイダー(2013)
②ライズオブザトゥームレイダー
③シャドウオブザトゥームレイダー
の順。
おすすめする2つの理由
発売順をおすすめ理由は2つあります。
それは、
・発売順の時系列で話がつながっている
・後作ほどシステムが複雑化する
です。
それぞれ簡単に解説します。
■発売順の時系列で話がつながっている
まず、3作は3部作として作られており話がつながっています。
・2013:冒険の始まり
・ライズ:冒険者としての成長
・シャドウ:冒険の終わり
このように、発売順で主人公・ララの変化を描きます。
なので発売順にプレイすると話がわかりやすい。
とはいえ、3作のつながりが弱いので順番は必須ではありません。
ララは作品を経て成長するというより、作品ごとに別人な印象です。同一人物に見えないほど顔も違う。
また、前作の話がほぼ出ません。
そのため、3作目「シャドウ」から遊んでも前作ありきの唐突な展開は無いです。
ララの顔や相方のジョナがまるで別キャラになるため、発売順にプレイすると逆に混乱する面もあります。
ようするに、ストーリー的には発売順を重視しなくても良い。
発売順をおすすめするのは、次の理由が大きいです。
■後作ほどシステムが複雑化
難易度は3作全て同じ程度。後の作品ほど上級者向けということはありません。
ですが、作品を経るごとに新アクション・システムが追加されるので発売順にプレイした方がスムーズに遊べます。
2作目「ライズ」は狩りと特殊アイテムのクラフトができます。加えて、PS4版はDLC全部入りで遊びごたえ抜群。
その分、後で初作「2013」をプレイすると少々物足りなさを感じるかもしれません。
3作目「シャドウ」は水中に潜ったり泥塗ったり、導線のわかりづらい謎解きがあったりで面倒です。
よって、アクションやシステムに慣れるなら初作「2013」から遊ぶのが良いと思います。
次は、トゥームレイダーシリーズの特徴について簡単に触れておきます。
トゥームレイダーシリーズの特徴。アンチャーテッドとの違い
同じ遺跡探索ゲームでは「アンチャーテッド」(アンチャ)シリーズが有名ですよね。
パルクール&クライミング、テロリストとの銃撃戦など、かなり似ています。
一方、トゥームレイダーでしか味わえない面白さもあります。
アンチャとの違いは大まかに分けると次の2点。
・箱庭型のフィールド
・ララ1人が大活躍
それぞれ説明します。
■箱庭型のフィールド
アンチャのゲームデザインは「リニア型」。
チャプターごとに行ける場所が制限された一本道です。
一方、トゥームレイダーは「箱庭型」。
マップがつながっており、到達した場所はファストトラベルで移動可能。
マップの各所にはメインミッションと関係ない遺跡や収集要素があります。
いわゆるオープンワールドに比べると縛りはあるけど、メインミッションそっちのけで広いフィールドを探索できます。
あてもなくウロウロするうち、隠された遺跡を発見したときの喜びはシリーズならでは。探検家っぽい気分が味わえます。
■ララ1人が大活躍
アンチャは敵・味方側ともに登場人物が多い。次々と特徴的なキャラが登場する、娯楽映画なノリです。
一方、トゥームレイダーの登場人物は少なめ。ララが孤独に大活躍する話です。
アンチャと比べるとあっさりした物語と演出で、テンポ良く遊べます。
ララのアクションはアンチャの主人公・ネイト以上のハチャメチャ。
誇張抜きで、命がいくあっても足りないアクションの連続です。
キャラと一心同体になってテンションが上がるというより、無謀すぎて引きます。
「主人公に引く」のはララとクレイトスさんぐらいでしょう。
今でこそ女性主人公のゲームは増えつつありますが、ララ・クロフトはやはり格が違います。
「美しい女性が血みどろ地獄で心身ともに傷だらけになりながら困難を突破していく」
このハラハラ・ドキドキ感はトゥームレイダーでしか味わえません!
ここまで、3作をプレイするおすすめの順番と、シリーズの特徴について説明してきました。
ここからは、各作品について発売順に詳しく紹介します。
個別レビューのリンクも貼りました。より詳しく知りたい場合はそちらをご覧ください。
トゥームレイダー(2013)
リブートした新生トゥームレイダーの初作。
売上世界1,100万本以上、シリーズ最大のヒット作です。
私は発売当時に本作をプレイして、あまりの出来の良さに驚きました。大ヒットしたのもうなずけます。
シリーズを重ねるほど共感しにくいスーパーヒーローになったララの設定をリセット。今回のララは大学を卒業したばかりの21歳です。
旧作に忠実なキツめの顔立ちだけど、タフな面影はありません。
初めての冒険で初めての人殺し、知人の死など過酷な出来事を経験し、冒険者として成長していく様子を描きます。
冒険の舞台はなんと架空の日本。かつて邪馬台国があった島です。
いかにも洋ゲー風にアレンジされた日本は目を疑うような光景の連続!
日本人だからこそ「外国人が描く変な日本」が存分に堪能できます。
平安時代の木造建築、大東亜戦争の鉄サビ臭そうな戦争遺物といった別時代の遺物がごちゃ混ぜで盛り沢山。
そんな中、孤島に立派な城が建っていたり卑弥呼の像が仏像だったりとファンタジーすぎます。
血とサビの臭いがするようなおどろおどろしい雰囲気は、他2作には無い本作ならではの魅力です。
そんな血みどろ世界で、怒涛の展開が続くのでやめ時が見つからない!
「女主人公だから酷いことにはならない」なんて常識は通用しません。
顔をそむけたくなるようなシーンの連続。ララはエンディングまでひたすらボロボロになっていきます。
ゲーム開始5分で泥まみれ。いきなり謎の組織に拘束されて絶体絶命。
その後、トラバサミに足を挟まれたり顔面をボコボコに殴られたり、肉をえぐるほど深い傷と致命的なケガを何度も負います。
ララはタンクトップ一丁なのでゲームを進めるほど肌と服がズタボロ。痛々しくてもう見てらんない。
このように冒険のハードさは3作でトップ!
ララの肌をこんなにズタボロにする作品は今後出ないでしょう。
システムを一新したリブート作品ということでレベルデザインは丁寧。少しずつアクションに慣れていけます。
総じて、
・シリーズ最強のハードな冒険
・シリーズ未経験でもスムーズに楽しめるアクション
が楽しめる傑作です。
ライズオブザトゥームレイダー
「ライズオブザトゥームレイダー」はリブート2作目。
前作「トゥームレイダー (2013)」の後日を描く続編です。
2016年発売のPS4版はシリーズ20周年記念盤「20 Year Celebration」。
DLC・追加コンテンツ全部入りの完全版です。
まず、ララの顔が別物になりました (笑)。表情は前作より豊か。
ララをサポートする心やさしいオッサンの相棒「ジョナ」が初登場。
ヘリで誘拐されたり、生死の境をさまよったり、ヒロイン的な役回りです。うーん誰得。
ゲーム内容は、近年の大作ゲームのトレンドを押さえた安定の仕上がり。
ララが血みどろ地獄でズタボロになる前作ほどのインパクトはないけど、アクションゲームとして着実に進化しています。
パルクールに謎解き、銃撃戦にステルス、色んな要素がバランスよく融合。
シビアなアクションや小難しい謎解きが無いので遊びやすく、その上でしっかり歯ごたえを感じます。
オブジェクトを投げておびき寄せたり、その場で作成した火炎瓶、缶詰で爆弾を投げつけたりと、前作より幅広い方法で攻略できます。
前作の不満点、QTEがほぼ無くなったのも嬉しいところ。
冒険の舞台は広大な雪山。
前作のおどろおどろしい日本と違い、開放感があります。
とにかく雪景色を堪能できるので、冬のレジャーが好きな方はたまらんでしょう。
そんな舞台でシリーズおなじみの地形を活かした、大掛かりでバリエーション豊かなパルクール&クライミングが楽しめます。
ときには怪しい草の煙を吸って幻覚に迷い込んだり、謎の不死軍団と戦ったり。シチュエーションの変化があるので飽きません。
「狩り」による素材集めと装備のカスタム要素が登場しました。
野生動物を倒して得られる素材でクラフトし、武器をアップグレード。RPGのように装備強化を楽しめます。
フィールドに点在する羽根、鉱石、キノコもクラフト素材として収集します。
見渡せば必ず何かが見つかるぐらい沢山仕込んであるので移動中も退屈しません。
本編は10時間弱でクリアできます。
中だるみが無く、本編外の探索要素も多いのでボリュームは十分。
クリア後もDLC3本で長く遊べます。
3作中、最も安心して楽しめる作品といえます。
「休日にガッツリやってクリア。その後も空いた時間にチビチビ遊べる」
そんなゲームが欲しい方にオススメ。
シャドウオブザトゥームレイダー
「シャドウオブザトゥームレイダー」は、「2013」「ライズ」に続くリブート3部作の完結編。
父の命を奪ったララの宿敵、秘密結社・トリニティとの決着を描きます。
テーマは古代マヤ遺跡。でもわけあって舞台はペルーです。
マヤ暦に記された「終末」から世界を救うためにジャングルを跳び回ります。
今回、ララのイメージはジャガー。
姿を見せずしなやかな動きで獲物を捉えるジャングルのアサシンです。
身体に泥を塗りたくり体温を消して、茂みや壁のシダに張りついてステルスキル!
敵対組織の他、ジャガー、ピラニア、ウツボ、寄生虫といった大自然とも戦います。
謎の化物も登場し、気分は映画「プレデター」のシュワちゃん。
一見、面白そうな作風です。
しかし中盤あたりで「なんか物足りない」って感じ。
・血みどろな迫力でリブートに成功した「2013」
・遊びの幅が広がった「ライズ」
それを受けた本作の進化点を問われたら…水中の演出、町の広がりと会話ぐらい。
水中を見せようとやたらと水に飛び込むけど、水中は全然楽しくないです。「ピラニアに捕まったら即死」のストレスがあるだけ。
パルクール(地形を飛び移るやつ)アクションがマンネリ。
新アクションはあるものの、ひたすら「走り回って跳んで掴んでピッケル刺してまた跳んで~」の繰り返し。
ロケーション、構成、ギミックにメリハリが無いので、最初から最後までずっと同じことをやっている印象です。
ロケーションの変化も乏しく、ほぼジャングルだけで完結します。
うっそうと茂るジャングルは見応えがあるけど、ずっとジャングルだとさすがに飽きる。
このようにマンネリな上、シリーズの持ち味が薄い。
探索、謎解き、ステルス、銃撃戦。これらが絶妙なバランスで噛み合い、テンポよく展開するのが前2作の楽しさにつながっていました。
本作はこのバランスが崩壊。
・間延びした探索
・戦闘回数が少ない
トゥームというよりアンチャに近いバランスです。
フィールドはリニア型に近い1本道+α。ジャングルや段差、壁に囲まれて開放感がありません。探索が物足りないです。
戦闘も物足りない。
前半は化物とドンパチし、中盤は敵組織が申し訳程度に出てくるだけ。
配置や動きにも全くやる気が無いので、必然的に雑な戦いになります。よって、前作以上の多種多様なスキル・武器・アップグレードが無意味。
過去の回想が入る演出もアンチャにそっくり。
つまり、トゥームというよりアンチャの二番煎じと化しています。
シナリオもいまいち。
起承転結が曖昧で、緩急・メリハリが無いため進行がダルい。
クリアまでの時間は10時間と前作と大差ないけど、前作より中身が薄く感じます。
リブート初作「2013」は自分で道を開いていく楽しさがありました。
対して本作は「あっち行け」「あれを取り戻せ」とお使いの連続でやらされてる感が強い。
誰が何のために何をやってるのか、途中でどーでもよくなります。
ようやく終盤に盛り上がってきたと思ったら、後戻り不可のラストステージ突入でアッサリ終了。
「悪い人は誰もいない」的なオチで消化不良です。
トリニティとの決着がこれでは前2作も報われません。
ララが全く感情移入できない超人になったのも、物語に入り込めない要因です。
本作のララは共感性に欠ける電波。
自分の行動のせいで洪水になり、無関係な人を巻き込む大惨事になっても「誰でもこうしたはず!」の一言で割り切りるララには引きます。
ララを駆り立ててるものは父親のトラウマ。
そんな冒険に巻き込まれた犠牲者はたまったもんじゃないです。
結局、クリアしても何が「シャドウ」なのか謎。
暗い画面、日食…ララの心の闇(シャドウ)が一番しっくりきます。
総じて、ガッカリ感が残ります。前2作プレイ済なら落胆は大きいかと。
パッケージの、アマゾンに浮かぶ日食&マヤ遺跡のイメージは魅力的なだけに残念です。
前2作に比べると落ちるだけで、普通に遊べるゲームではあります。
「プレデター」みたいな密林プレイが好きなら楽しめるかも。
まとめ
発売順にプレイするのがおすすめです。
とはいえストーリーのつながりは薄く、難易度は大差ないので順番はあまり気にしなくても大丈夫。
リブート初作の「2013」は唯一無二のおどろおどろしい冒険が楽しめます。
洋ゲーならではの「変な日本」は必見。卑弥呼が浮世絵や仏像になっていたり、日本軍が空中で戦艦を作っていたり。ありえない光景が面白いです。
2作目「ライズ」は狩りなどの要素が加わり、正当進化を遂げました。
広大な雪山で、開放感のある冒険を楽しめます。
PS4版はDLC全部入りで大ボリューム。やりこみがいがあります。
3作目「シャドウ」は…2作プレイしてまだやり足りない場合に。
個人的には、「ライズ」「シャドウ」ともに初作「2013」のインパクトを超えられなかった感があります。
初作が偉大だと後が大変ですね。