スクウェア+鳥山明、といえば名作「クロノトリガー」を連想しますからそりゃ期待値は上がるわけです。
でも当時はPSを持っていなかったので、遊べないのが悔しかった作品。
大人になりレトロゲームを思う存分遊べる財力を得たので、中古300円で買ってきて遊んでみました。
このゲームは今でも遊べるクオリティなのか?
疑問点を3つに分けてチェックしていきたいと思います。
前作と何が違う?どっちがおすすめ?
トバル2は前作「NO.1」の完全上位互換なのであらゆる面で進化しています。
中古が並んでいたらよほど思い入れが無い限りは「2」を買いましょう。
グローシューティングを取り入れたグラフィックは、前作のカクカク感が無くなって滑らか。
ぎこちなかったモーションも進化し、滑らかで常時60fps。操作感が格段に良くなっています。
システムを新たに追加。
浮かせ技と空中コンボ、奥義で爽快感アップ。
ジャストフレームなどテクい要素も増えています。
前作と同じくクエストモードで条件を満たすと、使用可能キャラが増えます。
総キャラ数はなんと前作の2倍、約200体!
このように内容は前作から大きくパワーアップしています。
しかし売上は前作92万本の半数以下、40万本。知名度も前作の方が高い。
これには理由があります。
前作「トバルNo.1」は初回購入特典としてFF7体験版が入っていました。
この体験版が豪華で、オープニングムービーから最初のダンジョン・壱番魔晄炉をクリアするところまで遊べます。
幸か不幸か、トバルNo.1は体験版のおかげで売上が伸びて売上92万本と大ヒット。
結果、多くの人に「トバルNo.1はFF7体験版のオマケ」と逆の捉え方をされてしまいました。
近年でも「FF7リメイクってことはトバルNo.1リメイクか?」と、FF7リメイク発表の2015/6月にトバルがトレンドに上がったほど。
どんだけFF7のオマケ扱いなんだと、笑うしかないですね。
FF7体験版の無いトバルは魅力半減ということで、進化したのに「2」は売上が半減しました。
前作の方が有名なのはそういう事情があるので、FF7体験版が必要ない方は進化した「2」を遊んだ方が良いでしょう。
クエストモードは遊び込める?
前作にもあったクエストモードは健在。
格ゲーと「不思議のダンジョン」のようなローグライクを融合した画期的なモード。
敵と戦いながらダンジョンを潜っていきます。世界設定の核心に迫るストーリーつき。
足場を飛び移ったり、トラップを避けるなど前作の面倒なアクションは無くなってるのが嬉しいところ。
ダンジョン構造はランダム。火の玉シンボルに触れると、モンスターとタイマン戦闘になります。
重要なのは体力と満腹度のバランス。
寝ると体力回復できますが、満腹度が減少。
満腹度は肉を食べると増えますが、肉が腐っていると毒になります。
育成要素も特徴。
頭、手、足など部位ごとのレベルが存在し、その部位の攻撃を使うと経験値が入ります。
本格的なローグライク仕様。
一度入るとクリアするまで脱出できないのに途中セーブ不可。
クリアしたダンジョンは二度と入れないので「簡単な相手でキャラ強化してからセーブ」とかも無理。
どのダンジョンも1発勝負で攻略することになります。
最終ダンジョンは、入ると初期レベルに戻されてアイテムも初期化。せっかく育てたのに…
このようにシビアな仕様。
スムーズに進めば2時間ぐらいでクリアできる道のりですが、慣れないうちは何度もゲームオーバーになるので数十時間遊べます。というか遊ぶハメになります。
また、クエストモードはクリアするだけは終わりません。
モンスターは弱らせて「捕獲の石」を投げると捕獲できます。捕獲したモンスターは他のモードで使用可能。
モンスターは180体もいるので、コンプリートするには相当なやり込みが必要です。
話だけ聞くと、
「格ゲーとローグライクの融合なんて面白そう!」
な気がしますが、実際やってみると難点が目立ちます。
格ゲーの動きとフリー移動の相性が悪く、動きが硬いので移動がストレス。
アイテムは敵を倒して入手するのみで、ダンジョン内にアイテムが落ちていません。そのため探索する楽しみが薄いです。
しかも大半は死にアイテムなのでアイテムをやりくりする楽しみも無い。
やることといえば、火の玉とエンカウントして1体1体倒していくだけなので単調。
180種類の敵は個性豊かですが、格ゲーのキャラとしての作り込みは甘いし行動パターンが単調。下段蹴りを延々とこすられたりしてストレスが溜まります。
対戦しても格闘ゲームしてる感はなく、ワンパターンで作業的。
また、レベルが部位ごとに設定されているため好きな戦い方をすると育成が偏ります。
レベル上げのために使いたくもない技を使い、ガードを固めたりする必要があり、やはり作業的なプレイを強いられます。
実は店で薬を買いまくるのが最も効率良い育成方法なので、育成の面白みがありません。
クエストモードでボスキャラや各種モンスターが使えないのも残念。
使えてもクリア不可能なキャラが多そうですが。
総じて、作りの甘さを感じます。
とはいえ、ローグライクが好きな方なら「なんか単調だなー」と思いながらもつい時間を潰してしまうはず。
クエストだけなら格ゲースキルは必要ありませんし、根気さえあれば誰でも遊べます。
格ゲーとしてがっつり遊べる?
格闘ゲーとしての出来についてはうーん、対戦相手がいないのでわかりません。
操作方法が鉄拳、バーチャとかなり違うので比較もできない。
ブシドーブレード並にとっつきにくいのは間違いないです。
R1でガード・技を使い分ける独特の操作体系。
上・下段とレバー操作がシンクロしていないのがなんともしっくりきません。
1作目は90万本売れたにも関わらず、同じような操作方法のゲームは登場してないです(自分の知る限り)。やはり受けがイマイチだったのでは。
技コマンドがどこにも書いていないので、自力で発見するしかないのも問題。手探り状態です。
フェイントの操作など細かいテクも説明書、ゲーム中で説明なし。
たぶん当時のVジャンプとかに載ってたんでしょうねー
個性的な外見・性能のキャラクターが揃っています。
格闘家にプロレスラー、異星人からロボットまで。戦い方も様々。
基本メンバーに加えて180体以上の捕獲モンスターが使用可能。
こちらのキャラパワー差は当然大きいです。CPU操作で戦わせる方が自分で操作するより楽しいかも。
トレーニングモードが当時珍しいほどの充実ぶりなので、システムと技コマンドがわかれば存分に練習できます。
まとめ:まだドリームファクトリー
バウンサーあたりでドリームファクトリーが「ナイトメアファクトリー」に変貌する前の作品なので、ちゃんと遊べる仕上がり。
対戦相手がいなくてもクエストモードで一日中だらだら遊べます。
根気さえあれば格ゲーが下手でも大丈夫。
しかし正直な話、ローグライクが遊びたいなら「不思議の」シリーズのような本格的なローグライクを、格ゲーが遊びたいなら鉄拳3とかを遊んだ方が満足度が高い。
どちらかのジャンルをがっつり遊びたい方に本作は不向きです。
「本格的な格ゲーもローグライクも堅苦しいから、どちらでもないあえて中途半端なゲームがやりたい」
そんな方にオススメします。
以上です。
トバル2のような一風変わった格ゲーが遊びたい方にオススメするのがこちら↓