「とにかく神ゲーだからやるべし!」
とよく言われる作品です。
でも、
「他のゲームとどう違うの?」
「グラフィックが良いのは見ればわかるけど、何が面白いの?」
と疑問ですよね。
実際、僕は本作の魅力がよくわからず発売当時は「仁王」をやっていました。
本記事ではその辺の疑問に答えます。
・本作の概要
・本作ならではの見どころ
・プレイして一番感じたこと。結論
の順に紹介していきます。
購入を迷っている方の参考になるかと思いますので、ぜひご一読を。
DL版のセールを期に、DLC「凍てついた大地」つきの完全版 「Complete Edition」を購入しました。
セールで1911円!
こんなハイクオリティなゲームが2000円以下で買える時代になったんですね。驚きです。
もくじ
ホライゾンゼロドーンってどんなゲーム?
「ホライゾンゼロドーン」とは、
世界中で大ヒットし、数々の賞を獲得したPS4独占のオープンワールドRPG。
完成に6年を要した超大作です。
舞台は、かつての先進文明が失われた世界。
美しい自然が広がる大地は、動物のような姿をした機械獣に支配されています。
プレイヤーは主人公の女性・アーロイとなり世界を探索。
サイズとパワーでブンブン暴れまわる機械獣に、様々な武器を駆使して立ち向かいます。
生命の謎を解き明かし、地球の運命を左右する冒険が今始まる!
この景色はまさにホライゾン。
地平線まで見渡せそうです。
森や山々と、時間帯や気候の移り変わりが相まって生まれる美しい景色。
PS4性能を限界まで引き出したグラフィックにより、ハリボテ感のない生き生きしたオープンワールドを堪能できます。
美しい景色に加え、移動中はフィールドに配置された様々な資源を回収しまくるため退屈しません。
正直、「スパイダーマン」や「ゴットオブウォー」など後発のゲームを経験した2019年の自分にとって、グラフィックにそこまでのインパクトはありませんでした。
とはいえ発売当時(2017年2月28日)に史上最高だったのは間違いないです。PS4ゲームの水準を一段引き上げた作品といえます。
マルチを削ったのが良かったと思います。完全オフラインだから実現できたクオリティ。
どうです?このルックス。
主人公、アーロイの顔は賛否両論です。(上画像は幼年期)
これでも最高に映りの良い画像を選びました。
僕みたいな、和ゲー美少女に眼が慣れた人は魅力を感じづらいかも。
ハリウッド映画に出てくれば美人と思えるラインではあります。
本作は2019年3月に売上1000万本を超えました。
でも日本では21万本 (~2019/2/3ファミ通調べ)。世界の盛り上がりとギャップがあります。
顔をFF13のライトニングにして、タイトルを「ファイナルファンタジーなんとか」にすれば日本で5倍以上売れたような気がします。
ここまで、概要を紹介してきました。
ここからは本作の見どころを紹介します。
見どころ
見どころは大きく分けると次の3つです
・大自然と機械が織りなすコントラスト
・本格SFなストーリー
・戦闘が難しい!けど楽しい!
以下、詳しく紹介します。
大自然と機械が織りなすコントラスト
大自然の広大な景色と、ゴテゴテした機械のコントラスト。
自然と機械が融合した独特の世界観は、他のゲームにはない魅力があります。
世界観を強引に例えると、
ナウシカ+もののけ姫+ゾイド
「禍ツ機」のモチーフは祟り神っぽい。
色んなSF要素を集めた、おいしいとこ取り。
「ズルい」と思っちゃうぐらい、美味しい要素が上手くミックスされています。
王道で本格派なSFストーリー
SF好きがうなる、王道のSF設定です。
「星を継ぐもの」のような、古典的なSF小説の味わい。
王道で重厚なSF設定が、
「地球が丸いことも知らない未開人がハイテク機械と戦う」
という、一見ムリがある状況に説得力を持たせています。
アーロイが自分の出生について調べていくうちに、世界の秘密に迫っていくのがストーリーの大まかな流れ。
1000年後のアメリカでなぜ、高度な文明が崩壊して人間は原始的な生活に戻り、機械獣が生態系を作っているのか?
そういった謎が次第に明かされます。
「空中戦艦、エイリアン、神様が出てきてドーン!」とかではなく、落ちているテキスト・ボイスデータを読んだり聞いたりして小説のように自分で想像力を膨らませる作りです。
反面、「世界支配をたくらむ悪党を倒す」「親の仇を討つ」的なわかりやすい目的が無いため、ストーリーが淡々と進行します。
楽しむには、こちらから積極的に情報を読み取ってのめり込んでいく必要があります。
受け身だと、何も感じないまま終わってしまうかも。
じっくり腰をすえて楽しみたい作品です。
ちなみに、メインだけ追えば15時間ぐらいでクリアできます。
サブクエは足跡追跡、お使い、討伐の繰り返しであまり面白くないので、スルーしても全然問題ない。
未回収の伏線も多いし、本編・DLCのラストを見る限り続編が出る可能性は高そうです。
(2020年6月12日、PS5「ホライゾン 禁じられた西部」が発表されました。)
戦闘が難しい!けど楽しい!
洋ゲーって、グラフィックや作り込みは凄いけど戦闘がなんだか地味で味気ないですよね。スカイリムとか、他にはスカイリムとか。
でも本作は、モンハンのような狩りゲーとして楽しめるほど戦闘が楽しい!
正直、本作のフィールド探索はあまり面白味が無いです。
景色はたしかに綺麗だけど、どこに行っても同じような敵だし、サブクエも変わり映えしません。
そのため、フィールド探索より戦闘の面白さが印象に残りました。
オープンワールドの探索ゲーというより「オフラインで遊ぶモンハンのような狩りゲー」と捉えた方がしっくりきます。
機械獣の硬質な見た目とハッタリが効いた動きは、生物とは違う独特の迫力があります。
敵の種類が少ない分、一体一体の凝りようが凄まじい。
例えば最強の敵「サンダージョー」は、
・271種類のアニメーション
・67種類のビジュアルエフェクト
・60種類+のヒットリアクション
・12種の武器を搭載
この圧倒的な作り込み。
1体作るのに1年半かかったそうです。そりゃ種類少なくなるわ。
作り込まれた機械獣をボコボコ破壊してパーツを剥がすのが爽快!
敵の凝ったリアクションと派手なエフェクトで、攻撃にしっかり手応えがあります。
アーロイのアクションはもっさり気味。でもローリングやジャンプの硬直は少ないし、スタミナの概念が無いので動きは軽快です。
色んなトラップを張りまくったり、機械獣をオーバーライド (ハッキング)して騎乗、味方にして戦わせたりできるので、軽快で自由度の高い戦闘が楽しめます。
本作の戦闘、ガチで歯ごたえがあるんです!
カジュアルなゲームかと思ったら、意外なほどガチ。
一撃食らうと体力半分減る上、敵の攻撃が強力なホーミング力&謎判定なので逃げ回ってもボコボコにされます。回復連打しても全然耐えられない。
たまに「1周目で一度も死なずにクリアできた」なんつってる人を見かけますが、いやいやどんだけゲーム上手いんだと。
安心してください、数えきれないぐらい死にますよ!
難しい上に、色んな種類の矢とかトラップ設置などできることが多くて最初は戸惑います。
半信半疑で色々やってみて、ボコボコにされながら「なんか火矢を使えば簡単に倒せるぞ」「この辺にトラップ張ってみるか」ぐらいの感じで進めていく。
そんな手探りで進めていく楽しさを味わえました。
難しいとはいえちゃんと攻略すればクリアできると思えるので、ダクソとかやったことある方なら問題ないはず。
「ダクソなんてやったことないし、アクションゲームは苦手」
そんな方も大丈夫。
育成し、装備を整えれば戦闘が有利になります。
それでもダメなら難易度を下げましょう。ゲーム中いつでも変更可能です。
難易度を最低にすると、自分は硬い&敵は柔らかくなりもはや無双ゲー。
アクションゲームが苦手でもクリアできることを保証します。
ザコも強敵なので、目的地までの道中でテキトーに絡むと想定外の激戦になります。
ザコまで一体一体の作り込みが凄いのでムダな戦いも楽しい。
僕は野生のザコ相手に延々と死にゲーしました。
倒しても特に意味はないけど、倒すまでやってしまう。もうメインクエストなんて後回し。
ザコ戦すらそれほどの熱中度があります。
起伏に富んだ地形が、戦闘でいい感じにランダム要素になっているのが良いですね。
勝てると思ったら地形に引っかかってボコボコにされたり、逆にもうダメかと思ったら敵が地形にハマってラッキーで勝てたり。
「今回は上手くいかなかったけど、次こそ!」って感じで面白いです。
気になる点
全体的に出来が良い作品で、致命的な欠点はありません。
でも細かい不満点はあります。
・資源回収が面倒
「移動中はフィールドに配置された様々な資源を回収しまくるため退屈しません。」
と言いました。しかし、拾いまくると移動のテンポが悪いので面倒になってきます。
自動回収できるようににするとか、もっとサクサク回収できれば良かったかなと。
・パルクールがストレス
たまに「トゥームレイダー」「アンチャーテッド」のような、地形を飛び移るパルクールがあります。
このとき掴める場所がわかりにくい。
メインクエスト「創造主の落日」の遺跡では、壁をつかめることに気づかず1時間さまよって疲れ果てました。
カメラをグルグル動かしているうちに3D酔いでゲームをいったん中断。この暗い中、あんな突起に気づかないでしょ。
僕は地形や謎解きで詰まるのが嫌なので、わかりやすいガイドや目印がほしい。
・会話が二度手間
会話の選択肢が多いです。
しかし、
・選択肢と会話内容がズレてる
・どれを選んでも展開が変わらない
この二重苦。
選択肢はテンポを損ねているだけに感じました。
・ロードが少しもたつく
ゲームの進行は完全シームレスだけど、ファストトラベルのロードは長いです。場合によっては1分以上。
リトライは15秒ぐらい。死にゲーとしてはちょっともたつきます。
・酔う!
頑張ってカメラを動かして周囲の状況を把握し、的確なエイムで弱点を射抜く必要があるのでTPSに不慣れだと苦労します。
カメラを激しくグルグルするので3D酔いがキツい。
下手なうちはカメラばかり動かすので酔いも倍増。
「フォーカス」を使うと操作と視点がズレるような感じなのでさらに酔います。
自分の場合、最初の頃は2時間のプレイが限界でした。
3D酔いに弱い方は覚悟してください。
・スナイパーがウザい
クエスト山場の戦闘では、必ず遠距離にスナイパー敵がいます。
スナイパーを残すと死角から攻撃されて厄介なので、まずはスナイパーから精密射撃で倒す必要があります。
しかし遠い。エイム中にアップ&スロースキルを使っても外れるぐらい遠い。
ザコ敵はリトライで復活します。
苦労してスナイパーを倒した後、ボスに負けるとまたスナイパー処理から始めることになってウンザリ。
・実は有効な攻略法が少ない
最初こそ色々な戦い方ができそうでワクワクします。
しかし慣れるほど武器のバリエーションが少なく、有効な攻略法が限られることに気づきます。
強敵にはトラップ張りまくるしかない。
近接武器は弱い上に1種類のみ。
たしかに巨大な機械獣を殴って倒したら変だけど、そこはゲームなので上手く嘘をついてほしいところ。
・育成要素が少ない
育成要素が薄いです。
モンハンのような狩りは楽しめるけど、モンハンのようなトレハンゲーではない。
レア武器も無ければ、レアな強敵もいません。
・ステルスに納得感が無い
ステルスの仕様が謎です。
敵の判断基準が目視なのレーダーなのか、全員で意思疎通しているのかそうでもないのか曖昧。
バレたら視界を切っても振り切れないし。
いったん振り切ると草むらに入れば全然バレない。
草むらに隠れてもプレイヤーからは丸見えなので不自然です。全然隠れてないじゃないかアーロイ。
隠れてもバレても納得感がありません。
結論:全てが揃った優等生。そこが物足りない
ここまで語ってきたように、
最先端のグラフィック、SF、アクション、RPG、オープンワールド。
全てをハイレベルに融合させた、総合的には間違いなくPS4でトップクラスの作品です。
全てハイレベルな一方で、絶対的な売りがないように感じました。
例えるなら全教科が得意な優等生。
あらゆる要素を詰め込んで破綻なくまとめ、万人を楽しませるゲームです。
でも「このゲームじゃないとダメ!」という、絶対的な何かが無い。
例えば、「ダークソウル」や「スカイリム」にはその絶対的な何かがあります。
「何かを得るには何かを捨てる」を体現した割り切り。
決して全教科高得点ではないけどある教科では絶対負けない、みたいな。
結果、好きな人にとってはたまらない作品になるわけです。
上手く説明できないのがもどかしいけど…
「このゲームじゃないとダメ!」と思うゲームは「何かを捨てたことで得た何か」がたしかにあります。
本作は総じて全体的にハイクオリティでスキが無い。足し算すれば120点の作品です。
でも僕は優等生に感じてしまい、全体として85点ぐらいの印象になりました。
まとめ:PS4ユーザーがドヤ顔で遊べる作品
豪華な作り込みで表現されたSF世界で、存分に大迫力の機械獣狩りを楽しめる。
PS4ユーザーがドヤ顔で遊べる作品です。
「最先端・出来が良い」ゲームが欲しい方におすすめ。
「和ゲーがふがいないから、洋ゲーでFFみたいなSFファンタジーRPGを探している」方にも合います。
「Switch持ってないけどゼルダブレスオブワイルドみたいなゲームがやりたい」方も楽しめるでしょう。
一方、まんべんなく高得点を取り何も捨てない優等生な作品なので「一生語り続けたいゲーム」を求める方には不満が残るかと。
続編が出る可能性が高いので今後の展開に期待。
最後にもう一度言います。
こんなハイクオリティなゲームが2000円以下で買える時代になったんですね。驚きです。