もくじ
バーニングレンジャーってどんなゲーム?
科学の進歩で危険度を増した災害に対処するための消防エキスパートチーム、それが特殊消防レスキュー隊「バーニングレンジャー」なのだ!
バーニングレンジャーとは、近未来の消防士を操る3Dアクション。
救助者を助け出すため、行く手を遮る炎を消しながらステージを探索します。
開発は「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」「NiGHTS into Dreams…」でおなじみのソニックチーム。
立体的なステージを高速で駆け回るフィーリングは、NiGHTSで培った3D表現ノウハウが存分に活かされています。
作風は、自らの危険を顧みず救助にあたる熱血ノリです。
エキスパートなのでジェットパック背負って飛び回りながら消化弾を撃ちまくり。僕の知ってる消防隊と違う。
炎が相手かと思いきや、暴走ロボとか普通に敵みたいな奴もいます。
ステージ最後にはなぜかボスがいるので倒すとステージクリア。
クリア後、なんとリプレイが観れます。
システム紹介
まず新人隊員「ショウ」「ティリス」の2人からプレイヤーキャラを選びます。
僕は男性隊員のショウを選びました。
ゲーム開始すぐ丁寧なチュートリアルがあります。
僕はチュートリアルの内容を即忘れたけど、プレイしているうちにすぐ操作に慣れました。
以下、本作ならではのシステムを紹介します。
危険度
画面右上の「危険度 (Limit○%)」が重要です。
・時間経過や爆発で増加
・消火・救出・ギミック操作で減少
危険度は「20・40・60・80%」で区切られており、画面上のゲージが目安になります。
100%になってゲージが一杯になると、プレイヤーの周りでドカンドカンと爆発が一定時間連鎖。
危険度は区切りを超えるとその数値以下に下がらないため、爆発が収まらずほぼ詰み。
無駄にウロウロしすぎると詰むので素早い救助活動が求められます。
順路から外れた救助者を無視すればまず100%にならないので、クリアするだけならけっこう余裕です。
クリスタル
体力はソニックと同じシステム。
クリスタルがソニックでいうリングに相当します。
・消火した炎はクリスタルに変化。それを集める
・クリスタルを所持した状態で炎や敵に当たるとクリスタルをバラ撒く
・散らばったクリスタルは回収可能
クリスタル0個で被弾するとゲームオーバー。
ゲームオーバー後はコンティニューを消費してチェックポイントから再開。
救助にもクリスタルを使います。
1人救助するのに5~10個のクリスタル消費。
10個で救助すればコンティニュー回数+1のボーナスが得られるので、なるべく被弾せずクリスタルを集めたいです。
武器
武器は弾数無限の消火弾のみ。弾で消火します。
連射可能で空中でも発射できる高性能っぷり。
ある程度自動エイム、ホーミングしてくれるのでテキトーに撃ちまくれば当たります。
弾はチャージ可能。
チャージ弾は着弾で爆発して、しつこい青・緑炎も一撃で消化できます。暴走メカ、ボスへの攻撃にも有効。
ただチャージ弾で炎を消すとクリスタルも消えるので状況に応じた使い分けが必要です。
音
音声通信で現場の状況が逐一報告されるので臨場感があります。
盛り上がるだけでなく、探索する上でも音声ナビが重要です。
ナビボタンを押すたびに、
「そこを左に曲がって!」「まっすぐ進みなさい!」
「戻ってるわよ!」「そっちは行き止まりよ!」
とナビゲーターのクレアさんが順路を指示してくれます。
・ステージの構造・見た目が似通っている
・カメラ操作に難がある
・ミニマップがない
そのため探索は音声ナビを頼りにするところが大きいです。
自キャラと視点の向きが一致しないときに「右下に行け」とか言われるとややこしいのが難点。
地雷のように炎が吹き出す場所では、音に反応して緊急回避(方向キー下)を入力します。
この音が音声や色んな効果音に紛れて聞き取りにくい。音に音を被せるのはどうかと思います。
とはいえ、災害救助のゴタゴタ感の演出として良い味つけとなっています。
空中機動
空中機動を活用する地形が多いです。
2段ジャンプ、前後左右への宙返り、空中ブースト。
これらの空中機動を使いこなせば高速で立体的に動けます。
難点は、自由な動きにカメラがついてこないところ。
豊富な空中機動と段差を自動でジャンプする「オートジャンプ」が仇になり、高所に飛び移るときに操作ミスでモタモタして危険度上昇。後半はケアレスミスの落下死連発でツラい。
慣れるまでけっこう大変で、終盤でも空中機動はあまり使いこなせませんでした。
やはりカメラ操作に難があると思います。
視点変更 (L・R)は90°カクカクと動くタイプ。
臨機応変に使う感じではありません。
自由な視点移動もできるけど、同時操作は難しいのでいったん止まって軽く周囲を確認するときに使う程度です。
「右スティックが使えたらなー」ともどかしい。
ゲームが悪いというより、サターンパッドの限界を感じる。
格ゲーには最適なんですけどね、サターンパッド。
やり込んで、カメラに頼らずとも動けるぐらい地形を把握すれば空中機動で気持ちよく動けるかもしれません。
サターンの限界に迫る3D表現
サターンの限界に迫る、攻めた3D表現です。
あの「NiGHTS」で培ったソニックチームの技術力を結集。リッチなグラフィックを実現しました。
ステージ1:エネルギープラント
ステージ2:海洋研究施設
ステージ3:宇宙ステーション
それぞれ特徴を出しながら細かく描き込まれています。
結果、見づらい。
描き込まれている分、サターンならではの粗さが目立ちます。
画はガビガビで動きは常に処理落ちしている感じ。滑らかさと無縁です。
とはいえこの粗さが災害救助らしい視界の悪さにつながっているので、下手にグラフィックを綺麗にすると味気ないかもしれません。
難点
1998/2/26当時は既にサターンが終わりかけなので、本作は話題にもならずに忘れ去られました。
不遇の隠れた名作といわれています。
ただ、プレイしてみると発売時期以外の難点を感じました。
意外と普通の3Dアクション
災害救助というコンセプトは新鮮です。
でも、やってみると意外と普通の3Dアクション。
水で消化とかじゃなく普通に弾撃つだけ。
「消火・救助・戦闘」がごっちゃになっており、本作ならではの「消化」要素が薄く感じます。
プレイしているとなんか他の3Dアクションを遊べば良いような気がしてくる。
アニメ映画1本分のボリューム
全4ステージ。(+シューティング面1つ)
ボリュームは薄く、2時間で終わります。アニメ映画1本分のボリューム。
しかも最終ステージのメインはストレスフルな高所渡り。
救助活動とか関係なくなり、炎はただの障害物。
本作の売りである音声ナビも無くなります。
ラスボスはいかにもラスボスって感じで萎えます。
もう消化活動と関係ないじゃないか。
つまり、消化活動を楽しめるのは実質3ステージだけ。
続編が出ないのは、たった3ステージでネタ切れしたせいでしょう。
救助者コンプのやり込み要素もあるので、気に入れば長く楽しめるかも。
まとめ
・サターンの限界に迫る3D表現
・キャッチーなデザイン
・軽快な操作感
はさすがのソニックチームといえる出来です。
後半はSFアニメ映画っぽいドラマチックな展開が待っています。
2時間で終わることもあり、クリア後はアニメ映画を1本観たような気分になりました。
救助活動を楽しめるのがたったの3ステージなのは少々物足りません。
ただ、手ごろなボリュームはちょっと気が向いたときにサクっっと遊びたいレトロゲーとしては利点でもあります。
短時間で濃い体験がしたい方にオススメ。