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ガンダム トゥルーオデッセイ【感想/評価】制作リソース不足な普通のRPG

投稿日:2020-03-22 更新日:

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「ガンダムのRPG!? 面白そう!」
と15年間気になっていた作品です。
先日、ようやくプレイしました。

モビルスーツ(MS)をカスタムしてパーティ編成なんて面白いに違いない。
あきまん氏によるパッケージイラストの時点で面白そう。

なのになぜ知名度がイマイチで良い評判も聞かないのか。プレイして確かめます。



ガンダム トゥルーオデッセイってどんなゲーム?

ガンダム トゥルーオデッセイは、SDガンダムで戦うRPG。

SDガンダムをカスタムしてパーティーを組み、敵SDガンダムと戦います。

 

世界設定は完全オリジナルで原作とは無関係。
初代~平成ガンダムシリーズの機体が登場します。

以下、詳しく紹介します。

 

機体カスタム

機体のパーツを交換し、武器を組み合わせてカスタムします。

頭・腕・胴などのパーツ構成が見た目に反映されるのが嬉しいところ。
主人公機はフィールド画面の見た目も変わります。

 

戦闘システム

普通のターン制です。

最も特徴的なシステムは“交代”。

ターン消費無しで控えメンバーと交代できます。

控えはEN(必殺技ゲージ)が溜まり続けるため交代を活用すれば有利!
(というか、敵の先制攻撃で壊滅確定なので交代必須)

 

普通のターン制だけど専門用語のせいで馴染みにくいです。

・必殺技→ブースト技
・魔法→テクニック

この時点でしっくりこない。
さらに、専門用語が「BST」「TEC」と略されて混乱します。

 

世界観

■あらすじ

はるか未来。
エネルギーと設計図からあらゆるものを創造できる「Gシステム」によって人類は繁栄の頂点に達した。

しかしGシステムは暴走し、世界に「大破壊」をもたらす。

大破壊から60年後。
少年トラッシュは生まれ育った孤児院を人型兵器・モビルスーツ(MS)の攻撃で破壊され、恩師と仲間を失う。

トラッシュはMSに乗り復讐の旅に出る。
旅はやがて世界の存亡をかけた戦いにつながっていく。

 

舞台は地球型惑星。
惑星規模の事故「大破壊」により一度崩壊した後。

破壊後の世界は、

・文明レベルが現代より低い
・旧世紀のロストテクノロジーが残る

ほぼ∀ガンダムです。
(でも本作に∀ガンダムは出ません)

キャラクターデザインは元カプコンアートディレクター、『∀ガンダム』『オーバーマンキングゲイナー』キャラデザでおなじみの安田朗(あきまん)氏。

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プレイした感想

いざプレイしてみると、期待値ほどは楽しめませんでした。

・ストーリー
・ダンジョン
・戦闘
・育成

各要素について詳しく説明します。

 

ストーリー

ストーリーがいまいちです。

どこかで見たようなエピソードの連続。
敵が仲間になったり、仲間に裏切られたり、黒幕が登場したり。ホビー売りたい系低年齢向けアニメでよくあるやつ。

マンネリ感に襲われる中、山なし谷なしの展開が続きます。

伝説のZガンダムをやっとの思いで作った後すぐ、「これ良かったら使ってね」と軽いノリでZより強力なZZを渡されるのが謎すぎます。

 

敵を追う
→違う敵が現れる。そいつを追う
→違う敵が~

この繰り返し。単調です。

中盤はなぜか「砦に行け」と言われ、世界の4大砦(ほぼ使い回し)を探し回る謎の砦ツアーが始まります。
毎回、砦で敵に包囲されて連戦。何がしたいのかわからない。

 

話がイマイチでもキャラが魅力的ならまだイケます。しかしキャラにも魅力がない。

敵・味方ともに主張がコロコロ変わります。熱弁したら心変わり、倒したら心変わり。

肝心なときは「あきらめなければ~」「僕達がやるしか~」な精神論でゴリ押し。

主人公の動機は「敵への恨み」「悲劇を繰り返したくない」でゴリ押したあげく、肝心な部分を場面転換時の独白テキストで処理されます。

 

このように、ご都合主義とゴリ押しで心情描写が薄っぺらい。
動機や行動に説得力がありません。

必要性が謎なお遣いを繰り返し、仮面イケメンや謎ヒロインに出会ううちに旅の目的を見失います。

 

とりあえず、主人公の性別をはっきりしてほしい。

エンディングまで見ても「体型的におそらく女であろう」ぐらいにしかわからない。

男性に好意を持つ一方で女性に好意を持たれ、リアクションは曖昧。意味深なオッドアイ。

(時代を先取りすぎだけど)主人公がLGBTなのは別に良いんです。はっきりしてほしい。
主人公の属性がモヤモヤしっぱなしでは話に入り込めません。

 

コロコロ変わるのは目的だけではなく、パーティーメンバーも頻繁に変わります。

仲間キャラの強制加入・離脱が多すぎ。

思い入れが湧くヒマなく入れ替わるため、誰が抜けて誰が入るとかどうでもよくなってきます。

 

ボイス無しも地味に痛い。
ボイスつきで喋りそうな雰囲気があるだけに、開幕デモからボイス無しで肩透かしを食らいました。

 

総じてストーリーとキャラの魅力が薄い。
エピソードを重ねて感情移入が進むどころか気持ちが離れます。

 

トラッシュは見た目もしっくりきません。

目をつぶって選んだ服を重ね着したような仕上がり。

3Dモデルは細部デザインが溶けており、パッケージ絵やデザイン画と印象が違います。あきまん氏の凝ったデザインが裏目に出ている気が。

例えば主人公がジャケットの下に着た服。
設定画では格子状だけどゲーム画面では牛柄のようでモサい。

根本的にはやはり、性別がわからないのがしっくりこない原因です。

 

ダンジョン

予算・人員など制作リソース不足を感じます。簡単にいうと手抜き。

景色がどこも同じ。BGMも同じ。
廃墟や工場みたいな場所ばかりでウンザリです。

代わり映えしない場所で、ひたすら長い一本道が続きます。
あまりの長さにカメラが追えず、自キャラが遠くにいって見えなくなるほど。

 

プレイヤーの気持ちを考慮しない乱暴なカメラワークにも苛立ちます。

ダンジョン、街、ワールドマップのいずれも固定カメラ。カメラ操作不可。

カメラが切り替わると進行方向が反転する場所が多々あります。
進行方向を見失って往復を繰り返し、何度もマップ切り替えロードを挟んでもう嫌。

建物内はカメラが180°グルン! で酔いそうです。

 

一本道が長い上に移動速度がやたらと遅い。
自キャラが遠くに行くと進んでいるのか止まっているのかもわからない。

終盤ダンジョンは長い1本道とややこしい分岐の合わせ技。
代わり映えのしない場所を延々とグルグルさせて、結局は全エリアを踏破する構造で心折れそうになりました。

 

・見栄えが悪い
・異様に長い一本道
・遅い移動速度

これに加え、高頻度のランダムエンカウントで足止めされます。
一歩進むとエンカウントです。しかも戦闘は長く(後述)。

移動&戦闘時間でプレイ時間が(ムダに)伸び、クリアに30時間以上要します。

 

ワールドマップも手抜き臭が。
何も無いだだっ広い大陸を、MSによる遅い徒歩移動でひたすら横断させます。エンカウント率が高いのもツラい。

 

戦闘

戦闘も期待値を下回ります。

まず気になるのは演出の手抜き。

例えばエフェクトは、

・全体攻撃のなぎ払いビーム
・単体攻撃の太ビーム
・格闘

この汎用3種類のみ。
ボス機に乗るボス敵も同様です。

拡散ビームが拡散してない!

 

戦闘モーションはカット不可。

敵・味方ともに異様にもっさりでたっぷり間をとります。
汎用モーションと汎用エフェクトを気が遠くなるほど何度も見るハメに。

前述の一本道&高エンカウント率と相まってザコ戦がしんどい。

 

敵のバリエーションが少ないのもツラい。

SDのザクやグフ、マラサイ、アッシマーなんて遠目でみたら全部同じです。
それらを雑なカスタム機で水増しており、見た目が代わり映えしません。

「MSは見た目的にRPGの敵には向かない」
と痛感しました。

敵の連邦タイプMSに違和感があります。敵に見えない。
それもジムやガンキャノン、ガンタンクなどでやはり代わり映えしない。

 

やたらと手間がかかるのもしんどい。

敵はEN無視で開幕必殺技ぶっぱのチート仕様かつ行動パターン固定。
こちらは「けが」を筆頭に面倒な状態異常になる確率が高い。
中盤以降はザコまで硬い・強いのでEN足りない。

よって交代のやりくりをやらされてる感が強いです。

戦闘は歯ごたえのある“ガチ”ではなく、決められた対応をこなすだけの“ガチガチ”。

 

ランダムエンカウントの他、強制戦闘の固定敵がいます。
その見た目が、謎の光るひし形アイコン。

光るひし形が隙間なく並ぶ光景はいかにも雑です。

固定敵は機体モデルにした方が雰囲気が出たはず。
謎アイコンにした理由はおそらく、機体を複数表示できない技術的都合かリソース節約でしょう。

固定敵はたいてい全部倒す必要があるため、そもそもアイコンを置く意味が無いです。

 

育成

機体カスタムも面白味が薄い。

カスタムの醍醐味である自由度が薄いです。

・入手順に基本性能が上がる
・イベント入手機体の性能が自作機体を上回る
・原作シリーズの放映順に強い

よって進行に応じて入手する機体に乗り換えるのみ。

せっかくお気に入りのMSを入手してもすぐ乗り換え。
結局はゴッドやウイングなどのガンダムだらけになります。

約30種類とそもそも少ない機体がほとんど死に機体です。

 

武器やパーツの組み換えも自由度が薄い。

・実用性が無いものが多い
・武器の改造不可

よってカスタム要素はあって無いようなもの。
進行に応じて店売り装備を買い替えていく普通のRPGと同じです。

「いつになったらカスタムが楽しめるのかな…… 」と思っているうちに30時間経過しました。

 

まとめ

制作リソース不足な普通のRPGでした。

ストーリー、ダンジョン、戦闘、育成、いずれも厳しい出来。

 

なにより引っかかるのはガンダム要素が邪魔。

普通のターン制RPGなのに、原作の名称や独特の専門用語を乱発されてムダにややこしい。

キャラは、ライバルが仮面の男だったりビグザムに乗るキャラがドズル風だったり。
オリジナルなのかパロディなのか中途半端でキャラが立っていません。

カスタム要素の薄さと相まって「ガンダム要素いらなくね?」とモヤモヤします。

 

以上によりオススメはしません。

とはいえアニメ『ガンダムビルドファイターズ』のような、ガンダム要素をパロディとして昇華させる下地になったと思えば価値がある作品かも。

期待値を下げて遊びましょう。

 

カスタムならこちらがオススメ↓








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