ヤギ雑記ブログ

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RPG PS2

ロックマンX コマンドミッション【感想/評価】いい仕事してますねぇ

投稿日:2020-02-26 更新日:






どうも、ロックマンXシリーズを全作遊んだつもりが1作忘れていたヤギです。

その忘れていた1作がこの「ロックマンX コマンドミッション」、通称「コマミ」。

本作はシリーズおなじみのアクションではなく、なんとコマンド式RPG。
しかも良作RPGなのです。

「いやいや、いくら良作つっても知名度のわりにって程度でしょ」
なんて思っていませんか?

たしかにその気持ちはわかります。
僕も「隠れた良作」といわれるゲームを遊んで何度かガッカリしたことがある。

でも本作はマジで良作なのです。

というのも、本作は秀逸な戦闘システムの一点豪華主義。
よって地味で売上につながりにくい反面、コマンドRPGの戦闘が好きな方を絶対楽しませる作品に仕上がっています。

本記事では、そんなコマミの魅力と、売上が伸びないのもうなずける問題点について迫っていきます。

本記事を読めば、あなたは今すぐゲーム屋の中古PS2ソフト棚に行きコマミを探すことになるでしょう。

エックスシリーズまとめ記事はこちら↓




ロックマンX コマンドミッションってどんなゲーム?

シリーズ初のRPG

ロックマンXシリーズ初のRPG。

しかも「RPG要素のあるアクション」などではない、ド直球のコマンド式RPGです。

ハイスピードアクションの代名詞、ロックマンXシリーズがなぜRPGになったのか。

それは本作が、X7でぶっ壊れたシリーズを別チームに預けるためいったん間を置く意味で作られた作品だからだと僕は推測します。
実際、本作に関わったスタッフの多くは「X8」に続投し、良作アクションといえる作品に仕上げました。

 

本作の時系列はX7の約100年後。X8より未来。
コピー能力の扱いがX8と矛盾しているため、ナンバリングの時系列から外れたパラレルワールド。

X7の100年後ということで、年代が近い「ロックマンゼロ」に絵柄を寄せています。

その影響で味方・敵キャラのデザインがカッコいい。
エックス達はどう見てもX8のマヌケ面よりカッコいい。

モーションもカッコいい。
エックスがバスターを構える動きがめちゃ大げさでハッタリが効いています。

 


(X8)

後発のX8はムービーがなんだかマヌケ面。

システム

フィールド画面では常にエックスを操作。

ステージは迷路のようなややこしい作りになっているので、画面右下のミニマップと全体マップを見ながら探索を進めます。

移動中は、レーダーを無効化するステルス・ビームマフラーを展開。

このマフラー、「こんなに目立ったらアカンやろ」と思うほど派手です。
あまりにも派手なので僕は最初、エフェクトがバグってると思ったほど。

でも派手すぎるマフラーにも意味があります。
この輝きにより、自キャラの位置がわかりやすい。
フィールドが全体的に暗いため、仮にマフラーが無いと自キャラを見失い、非常に見づらい画面になるでしょう。

こういう気の利いた工夫が随所にあるため、プレイ開始してすぐフィールド画面やUI(メニュー画面)などで既に「かゆいところに手が届く」作り込みを感じることができます。

他にも、
・ロード時間が短い(GC版はさらに短い)
・ムービースキップ可能
・アイテムの並べ替えが親切
・全体マップにはロック扉など欲しい情報が表示されている

などなど、ストレスなく遊べるように配慮されているのが嬉しい。

こういう地味で細かい部分こそ重要なのです。

ダメゲーは地味な作り込みを必ず疎かにする。
だから細部を見れば作りの甘さが一発でわかるもの。

つまり「神は細部に宿る」。
本作にはちゃんと神が宿っています。

 

戦闘システム

特徴的な戦闘システムを以下に列挙しました。

■Xオーダー(クロスオーダー)

画面右下のチャートに敵味方8ターン先までの行動順とLE残量を表示。
チャートを見れば一目で状況がわかります。

 

■交代

ターン消費なしで控えメンバーと交代可能。

仲間はそれぞれ特性があるので、状況に合わせて交代すると有利になります。

 

■WE (ウェポンエネルギー)

攻撃アクションで消費。

普通のRPGでいうMPに相当する一方で、

・戦闘のたびにリセット
・キャラに順番が回ってくるたびに回復 (WEゲイン値による)

という独自の特性があるのでMPのように温存する必要はありません。
「限られたWEをいかに上手く活用するか」が考えどころ。

WEが0になると行動順が遅くなります。
強力な行動はWE0になるデメリットがあるので使い所が肝心です。

 

■サブウェポン

メインウェポンとは別に毎ターン使える武器。

追加攻撃やバフ効果などの種類があり、メイン+サブを上手く組み合わせると強力なコンボ攻撃が作れます。

 

■ハイパーモード

キャラごとの強化形態に変身して大幅パワーアップ!

ボス戦の切り札。キャラによっては特性も大きく変わります。

一定ターン経過で終了。
使用回数に制限があり、一度の戦闘で乱発はできません。

エックスとゼロだけ隠しハイパーモードがあり、これがめちゃ強い。

 

■アクショントリガー

キャラ固有の必殺技。WE50%以上で使用可能。

・WE消費が多いほど効果アップ
・キャラごとのQTEが入り、結果によって効果が変わる
・使用後、WEが0になる

という仕様があります。

他システムと組み合わせ、
「WEを溜める→ハイパー発動→必殺技で大ダメージ」
が有効な行動。

 

■サブタンク

回復手段は全キャラ共有のサブタンクのみ。

本作をプレイし始めるとまず回復アイテム・回復技が無いことに面食らいます。「回復手段が無いじゃねーか」と。

でもご安心あれ。サブタンクによりお手軽に回復できます。
回復手段をキャラごとに用意する手間が省けるので、僕のような面倒くさがりには嬉しいシステム。

 

■ゲーム中で説明が無いけど重要なこと

・地上敵には射撃ダメージ半減
・空中敵は格闘攻撃75%回避

この仕様に気づかないとめちゃ苦戦します。
とはいえ、何度も全滅するうち嫌でも自力で気づくはず。

 

各ボタンに武器を割り当て、ワンボタンでメインウェポン+サブウェポンを次々と発動。
攻撃がテンポが良く重なって連携のようになるのが楽しいです。

ゲームって基本的にボタンを押すときが楽しいでしょ?
「ボタンを押す→反応がある」。このインタラクティブティビティが3倍楽しめるってわけ。

とはいえ、RPGはただ凝った戦闘システムにすれば良いわけではないのです。
なぜならRPGは凝った戦闘システムにするほどザコ戦が面倒くさくなるから。

本作の開発チームはその辺をよく理解しています。

方向キーによるコマンド選択不要で、□△◯ボタンを順番に押すだけで良いからダルくない。
ややこしさや面倒くささは省いて、操作する楽しさだけを倍増させているのが秀逸。
だからザコ戦でもテンポ良く遊べます。

それでいてサブウェポン・WE・ハイパー・アクショントリガーなど、各要素が重なることで奥深い駆け引きもある。

他にも、
・行動順を確認できる
・ターン消費なしでメンバー交代
・アクショントリガーがQTE

これらのFF10っぽいシステムが上手く噛み合っています。

 

レベルデザインも丁寧。
難易度は低くないし、高すぎるわけでもない。調度いい塩梅です。

ボス戦は「真・女神転生III」のように、事前の準備と戦略がモノを言います。

フォースメタルと武器を組み合わせるキャラカスタムは、敵との行動・属性との相性が重要です。

サブタンク容量に限りがあるので回復のゴリ押しでは乗り切れません。なので、カスタムの相性が外れていたらボスにはまず勝ない。

キャラの攻撃・防御がそれぞれ何属性なのかを全キャラ分把握してボス戦に合わせる必要があります。

この把握がテキトーだと、攻撃しても回復され、攻撃されたら大ダメージを受けてしまう。
武器にも3属性あるため、ただ攻撃力が高いのを装備すりゃいいってもんじゃない。

戦闘中に属性を変えたり、耐性が射撃・格闘と交互に変わる敵もいます。
なので、やはりテキトーにやっていると状況を見失ってピンチ。

このようにボス戦は戦略がモノを言うため、初見でボコられ、何度か挑んで攻略法を練りようやく倒せる感じ。
でも理不尽には感じない良バランスで、戦闘システムの美味しい部分が存分に生かされています。

 

最初はザコ・ボス共に堅く感じるけど、システムに慣れてカスタムが上手くハマるようになれば爽快なダメージを叩き出して瞬殺可能。
ただ強い武器を買って攻撃力を上げるだけではないパワーアップシステムにも、他のRPGにはない面白さがあります。

 

調べたところ、開発はあの「ブレスオブファイア」シリーズを手掛けたチーム。
ディレクター・竹中善則氏は「X4」以前の作品や「ブレスIII」のプロデューサー。

この布陣なら出来が良いのもうなずけますね。

 

気になること

ここまで述べてきたように、間違いなく出来が良い作品です。
しかし売上が伸びないのもうなずける、気になる点もあります。

エンカウント率が高い

一歩進むごとに戦闘になるほどエンカウント率が高め。

ダンジョンの見た目・構造がどこも似通っており迷いやすく、迷っている最中に小刻みにエンカウントするのでかなりイラつきます。

僕は最初、
・アクション性のある移動
・わりと殺風景なステージ
により、シンボルエンカウントだと思ったので期待を裏切られた感もありました。

さらに「ダッシュ中はエンカウント率が上がる」という説明なしの隠れ仕様があるため、せっかく軽快なダッシュがなるべく使いたくないアクションになっています。

 

・ステージが狭い、短い
・イベントが少ない
・ワールドマップがない

この3点と合わせて、エンカウント率を上げてボリュームを水増しすることでプレイ時間を伸ばす狙いが透けて見えてしまう。

 

ボリュームが薄い

上記のエンカウント率と関連するのが、ボリュームの薄さ。

たしかにクリアまで20時間はかかります。
しかしその内容は、「拠点→ステージ→ボス→拠点」を繰り返すだけでRPGとしては単調。
その上で、ひたすら戦闘が続く水増し。

先ほど言った「短いシナリオと狭いフィールドを高いエンカウント率で引き延ばしている」のに加え、1回の戦闘時間が長め。

サブウェポンで1ターン複数行動できるのが戦闘時間が延びる要因。

前述の通り、サブウェポンを絡めてテンポ良く攻撃を繰り出すのは楽しいです。
その反面、モーションが複数回重なるため演出時間が長くなり、全体の戦闘時間が延びます。

仮にスーファミのドラクエみたいにザク・ザク・ザクと斬るだけの簡易演出なら、8時間以下でクリアできるでしょう。

 

ボリュームが薄いのは別に良いんです。

プレイ時間短めでクリアできるのはレトロゲームにおいては短所ではない。むしろ、時間がない大人が遊ぶ場合は長所になります。

しかし本作の場合、時間のかかる戦闘の連続によりクリアまでがっつり20時間かかる。

よって、
「RPGは好きだけど戦闘はイベントの合間に適度にやりたい。ただ戦闘だけ繰り返して時間を使うのは嫌」
そんな方が遊ぶとツラいはず。

 

プレイを引っ張るようなストーリーが無いのも、RPGとしては「薄い」と感じる要因です。

シナリオがなんだか雑。
敵の言うことに全く聞く耳を持たないエックス達に違和感があります。

もちろん警察が犯人に感化されてしまっては話になりませんが、エックス達は敵に何を言われても「お前はイレギュラーだ!」と返すばかりで会話にならず、思考停止しているエックス達が無能に見えます。

葛藤を乗り越え「それでも俺たちはこっち側だ!」と決心するようなシナリオの起伏がほしい。

 

後半イベントで目立つのがシリーズおなじみのメインキャラ3人(エックス・ゼロ・アクセル)だけなのも気になるところ。
せっかく登場した本作オリジナルキャラが空気

今回、ゼロ・アクセルの2人は削り、仲間を本作オリキャラだけにした方が良かったはず。

というのも2人を無理やり入れ込んだせいで、ゼロは変にねじ曲がった性格になっているし、アクセルの性能はスパイダーと丸かぶりになっています。

特にゼロの頑固ジジイみたいな言動は気になります。
過去作の、先輩目線でエックスを助けるベテランハンターの面影がありません。協調性に欠け、事あるごとに文句ばかり言っています。

そんなゼロや、コピー能力設定が曖昧になっているアクセルを見ると「エックス以外は全員オリキャラにした方がより魅力的なシナリオが作れたのでは?」と思ってしまう。

もちろん、それでは売れないからゼロ・アクセルを出さざるを得ないという事情はわかるけど…

 

RPGお約束の隠しアイテムやダンジョン、裏ボスが用意されています。

しかし、この隠し要素においても水増し感が凄い。

・各ダンジョンにはちょっとした隠しエリアが1つあるのみ
・隠しダンジョンは一本道の階段を降りていくだけ
・隠しボスは9体いるけど、1体のコンパチ

隠しボス「~テール」シリーズ9体は全員ほぼコンパチな上に、そこら辺にいそうなレプリロイドに見えます。

ここはプロトタイプゼロやVAVAのコピーとか、過去作のオマージュ的なキャラが出てきてほしかった。
隠しボスぐらい過去作と絡めてくれてもいいじゃないかと。

いい仕事してますねぇ

ここまで語ってきたように出来は良い。戦闘が楽しい。
しかしボリュームの薄さは隠せない。

総じて「地味」な印象です。

 

本作をプレイして、RPGにおける「地味」とは作品世界のスケールが小さいことを指すのだと気づきました。

RPGはストーリーの起伏や見える世界の広さで作品世界のスケールを表現する。
そのスケールが大きいほど「派手」だと感じるわけです。

本作は見た目が地味なわけではない。派手な技もあるしキャラデザインにも華がある。でも作品世界が狭い。

・ストーリーが薄い
・拠点から各ダンジョンに転送される単調な進行
・暗く狭い閉所でひたすら戦闘するだけ

よって、広がりがない極小の世界になり、その狭さにより「地味」な印象になります。

売上が低い、知名度が低い、カプコンからも存在を忘れられているのは、この地味さが原因だと感じました。

 

とはいえ、作品世界のスケール感を出すには、相応の開発リソース(予算)が必要。
こればかりは開発チームの力量を超えた問題です。

本作をプレイすると開発リソースの少なさを痛感します。
しかし同時に、限られたリソースを上手くやりくりして面白いゲームを作ろうという意気込みも伝わってくる。

「大作ゲームは作れないけど、買ったユーザーは絶対楽しめる作品にしよう」
そんな気持ちが、秀逸な戦闘システムの一点豪華主義に現れています。

ユーザーのニーズを無視して出来の悪い要素を盛り込み、全て中途半端になった「X7」と比べれば違いは明らか。

本作の開発チームはいい仕事をしています。

 

まとめ:戦闘が楽しい良作RPG

「ただ戦闘だけ繰り返すのは好みじゃない方がプレイするとツラい」と言いましたが、逆に「ストーリーとかどうでもいいから戦闘やらせろ!」な方はハマるはず。

僕は、PS2屈指の名作RPG「真・女神転生III」(真3)と本作の面白さがダブりました。
ストーリーそっちのけでひたすら戦闘、味方のカスタム、相性重視の戦闘。
トゥーン処理したグラフィックも真3ぽい気がしてくる。

エックスシリーズが好きな方だけでなく、「戦闘が楽しい、PS2の良作RPG」を探している方にもおすすめです。







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