アクション PS2

バウンサー【感想/評価】親に頼み込んで買ってもらったら2時間で終わって唖然とした!

投稿日:2017-08-02 更新日:

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バウンサーってどんなゲーム?

バウンサーとは、スクウェアがPS2初期に放った大作映画のようなアクションRPGです。

・初見2時間でクリアできるボリューム
・8割はムービー

プレイ時間1に対してムービー3の割合で進行するムービーゲーです。

 

自慢のムービーは流石の美しさだけど鬼長ロード。さらに、動かせる時間が細切れすぎて「なぜここだけ操作させた?」と疑問な場面が多々ありでテンポ最悪です。

長いロード中、画面にキャラの会話が表示されます。

内容はストーリーの重要な伏線だけどロード後に問答無用で消えます。ロード中も集中力を保つ必要あり。

ムービーの合間にサウンドノベルも楽しめるお得なゲームです。

 

ストーリーはFF7の焼き直し。

(ミッドガルを彷彿とさせる外観の)
超巨大国際企業「ミカド」(神羅カンパニー)は、
中心に「ミカドビル」(神羅ビル)があり、
繁華街のBar「FATE」には「バウンサー(用心棒)」(アバランチ)がいて、
看板娘ドミニク(エアリス)がミカドに拉致されたので救出へ行きます。

 

キャラデザインもFF7の焼き直し。

その上で新規IPだからこそのやりたい放題。デザイナーの趣味が丸出しです。

 

「シオン・バルザード」
シルバーアクセ、首輪、半袖にグローブ、短パンにブーツ。これぞノムテツデザイン。
服のタトゥー文字みたいな模様がイキり中学生っぽくてたまりません。

「ヴォルト・クルーガー」
胸はだけた男2人目。「顔のピアスのせいで必要以上に怖がられてしまう」らしい。ピアスというか角です。

「コウ・レイフォー」
胸はだけた男3人目。なんで眉毛に被る位置にタトゥー入れちゃったの。

「ドミニク・クロス」
上半身だけ宇宙服みたい。また腕にタトゥー文字が。

「ドゥラガン・C・ミカド」
第二形態は衝撃の裸オーバーオール。

 

プレイ可能な限られた時間に作りの粗さを凝縮しています。

まず、進行方向を完全に無視するカメラワーク。
迷路構造と相まってストレスが凄い。

 

モーションは『トバルNo.1』から進歩無しでPS1レベル。
走りモーションは不自然。ダウンモーションは人形のようで不気味です。

 

敵に近づくと、異様に足が遅くなる「接敵移動」に切り替わります。
強制的に足を止められてストレス。

NPCには接敵移動がありません。
ロケット塔脱出シーンでは、接敵移動で足止めされる自キャラの横をNPCドミニクが華麗にすり抜けます。この納得感の無さ。

 

戦闘も雑。

接敵移動が遅すぎて「いったん逃げる」「スカして背後を取る」など足を使った動きができません。

崩し手段は投げのみ。
上下段の区別が無く、ガードクラッシュは使い勝手が悪いです。

連続技はボタンを押す強弱で使い分けます。
DUALSHOCK 2の256段階感圧判定を活かす狙い。でもストロークで強弱を調節するのはムリがあります。

必殺技は使い勝手が悪い。
全体攻撃「トリニティラッシュ」はダメージが微妙。

 

ようするに、動けない&動かしても楽しくない。

立ち回りを工夫する意味が薄いので、仲間を囮にして背後から殴るのが基本です。
これぞ仲間を重んじるFATEバウンサーの戦い。

 

上記の難点に、以下の粗いシステムが乗っかります。

粗い上、わけわからん造語をさらに略して暗号化されており意味わからない二重苦。

 

・ACS(アクティブ・キャラクター・セレクトシステム)

いわゆるマルチシナリオ。
といってもシナリオの大筋は全く変化なし。ストーリー中で見られるムービーが多少変化するだけです。
説明書いわく「クリア後も何度もプレイすることをオススメします」

 

・PEC(ポイント・エクスチェンジ・システム)

ポイントでキャラクターを強化します。

経験値が入るのは操作キャラのみ。トドメを仲間に横取りされないようにする必要があります。共闘が売りなのに本末転倒。

経験値は配分できません。
また、敵の強さは3人の累計消費BPに比例します。
よって強化が偏ると弱いキャラを使ったときツラい。

弱いキャラは強化キャラにトドメを横取りされて経験値を稼げない悪循環です。

私はエアキャリアの「無月」戦で無強化の2人を投入して詰みました。

多大なBPを支払って覚える必殺技は使い勝手が悪く、BP消費で敵が強くなるため覚えるだけ損です。

 

対戦モードはボスを含む敵キャラや、育てたキャラを使用可能。
キャラによってはガードクラッシュやガード不能技の読み合いもできます。

けっこう遊べそうだけど、どうしてもバウンサーで対戦しなければならない状況以外で遊ぶ気にはなれません。

 

ドリフの話

本作開発の「ドリームファクトリー」、通称ドリフの話を。

ドリフは『バーチャファイター』『鉄拳』を開発したチームがスクウェア傘下として独立した会社です。

格ゲー開発ノウハウを活かし『TOBAL1&2』開発で高評価を得ました。

しかし『エアガイツ』でさっそく雲行きが怪しくなり、本作で評価が失墜。
ドリフの開発ノウハウが時代遅れになった他、時田貴司、野村哲也氏が開発指揮したのが原因といわれています。

映画ファイナルファンタジーの失敗で資金難になったスクウェアはドリフを切り離し、ドリフはスタッフが大量に離れました。

これを機にドリフはナイトメアファクトリーに変化。

その後、ドリフは『格闘超人』『クリムゾンティアーズ』とクソゲーと名高い作品を連発。
BLEACH、武龍などの雑なキャラゲーも連発。
さらに、クリムゾンティアーズの焼き直しキャラゲー『APPLE SEED EX』、武龍の焼き直し『一騎当千 Shining Dragon』と、泥を泥で塗り直す作品を連発。

SIMPLE DSでも『THE さがそう 不思議なこんちゅうの森』『THE ゾンビクライシス』とクソゲーを連発。

そして2008年、ついにあの『MAJOR Wii パーフェクトクローザー』を世に送り出しました。

以降、ゲーム制作の動きはありません。

つまり、本作はやがて訪れるナイトメアの始まりになる記念すべき作品です。

 

まとめ

私の知り合い(女)は「中学生のとき親に頼み込んで買ってもらったら2時間で終わって唖然とした!」と熱く語っていました。
悲しみや怒りではなく、ただただ驚いたとのこと。
発売当時に定価で買った人の記憶に深く刻まれる作品です。

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