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ベヨネッタ【感想/評価】並を頼んだのに大盛り食わされた気分

投稿日:2019-12-05 更新日:









ベヨネッタってどんなゲーム?

大人のお姉さんが魅せるクライマックスアクション

「ベヨネッタ」は大人の魔女お姉さん、ベヨネッタが活躍する3Dアクション。

開発は「メタルギアライジング」 「ニーアオートマタ」のプラチナゲームズ。

プラチナゲームズは「バイオハザード2」 「デビルメイクライ」などを手掛けた神谷英樹氏が独立して作ったスタジオです。
そのスタジオ初リリースとなるのが本作。

 

DMCシリーズの「スタイリッシュ」に対して、本作は「クライマックス」がキーワード。
簡単にいうとデビルメイクライをバカゲーに振り切ったようなノリです。

最初から最後までクライマックスで、プレイヤーも半分ついていけないテンションでぶっ飛ばします。

DMCの神谷氏ということでクール&スタイリッシュを期待すると、バカゲー要素が強すぎて引くかも。

 

やはり画期的なのは主人公、ベヨネッタのキャラ。

作り手としては美少女キャラを出したくなるところを、あえて「萌え」とは無縁の30代(?)。
「Fly me to the moon」アレンジ曲がよく似合う大人の女性です。

現実離れしたプロポーション。肩幅が広いのか顔が小さいのか。
12等身ぐらいありそうです。

ポールダンスのようなセクシーな動きで敵を蹴散らします。
髪の毛が化物になるのが、なんとも女性らしくて良いデザインですね。

 

steam版でプレイ

実は数年前、PS3版をプレイしたけど途中で投げたんです。理由は後述。
でも心残りがあるのでsteam版で再び挑戦しました。

steam版は、

・日本語音声収録
・4k解像度対応
・処理落ちほぼ無し
・ロードが早い

よって劣化移植のPS3版※とは比較にならないほど快適です。

 

特にロード時間短縮が嬉しい。1秒で終わります。
後述する即死QTEのような初見殺しが多い本作でこれは重要。

ロード中にトレーニングモードがプレイできるけど、ロードが一瞬終わるため何も練習できないほど早いです。
SSDならもっと早いのかも。

 

※劣化移植のPS3版について

プラチナゲームズはPS3での開発ノウハウが不足していた。
そこで360版のみを開発しPS3版への移植は外注にしたが、外注先には360のノウハウがなかった。

このチグハグ移植の結果、PS3版は360版から劣化。

具体的には、
・グラフィック劣化
(FPS低下、処理落ち、テクスチャのボケ)
・ロード時間が長い(30秒)

そのためPS3版ベヨネッタのAmazonレビューは評価が低い。

PS3版は360版の2倍売れているので、本作を期にプラチナはPSベースで開発するようになったのだとか。

後のアップデートでインストール対応になったためロード時間は改善。

 

プレイ中の率直な感想

ハードと開発力の限界を超えたことをやろうとしている

良くも悪くも、ハードと開発力の限界を超えたことをやろうとしているのが伝わってきます。

最初からクライマックスな展開でプレイ開始するけど、自キャラが何やってるのか全然わかりません。

いくらSteam版で良くなったとはいえ、PS3水準のグラフィックに限界を感じます。

・プレイヤーに対する配慮が欠けたカメラワーク
・エフェクトをバリバリに効かせてるので光で常にまぶしい
・攻撃してくる敵も自キャラも隠れて見えない

こんな中で敵の攻撃モーションなんて見えません。

でも、対策はあります。

・敵の攻撃には効果音があるので音を頼りに反応
・死角を取られないように敵全員が視界に入るポジションへ移動

このように、見た目で判断できないことが前提のゲームデザイン。

画面を見やすくしてプレイヤーへ配慮するより、作り手が見せたいものを見せている感があります。

 

チャプター1から、ハチャメチャなボス戦が始まって早くも投げそう。
実はPS3でプレイしたときはここで投げました。

攻略法を知っていればただの作業だけど、プレイヤーを気づきを与える配慮が欠けてるから理不尽に感じます。

「この攻撃が避けられるか!」
「あの攻撃、ギリギリで避ければチャンスにつながるな」
みたいな、ゲームによくあるやり取りが無い。
いきなり巨大な敵からドーン!と攻撃が来て終了です。

 

ボスのデザインが奇抜すぎて、何がなんだかわかりません。

どこからどんなタイミングで攻撃が来るのか、どこが弱点でどうやったら勝てるのか。
やられながら覚えるしかない。

おそらく作り手はゲーマーの力、自力で攻略する気力を信じているのだと思います。
しかし僕のような粘り強くないし若くもないプレイヤーは「こんなもんやってられっか!」つってすぐ投げちゃう。

 

常にクライマックスな展開がクドい

雑魚ラッシュの後、デカいボスが出てきて、QTE・QTE!

常にクライマックスな展開がクドい。緩急がなくてダレます。

見せ場が細切れに詰め込んであるので、クリアまでの道のりがやたらと長く感じる。
「長くてボリューム満点」ってことではなく、1チャプターが8つほどに細切れになっているので長く感じて疲れてしまう。

一定区間進むと危機一髪な展開とラッシュが来て、クリアするとリザルト画面。
1チャプターでこれを8回ほど繰り返すので、だんだん「いつになったら終わるんだ?」という気分になってきます。

さらにチャプター終わりに毎回、特に面白くもないシューティングのミニゲームを強制。
スキップできるけど、こういうワンクッションが重なりクドく感じます。

 

最後の最後までクドい!

エピローグが真のラスボスで、そいつを倒してもまだ終わりません。
達成感は消し飛び、ただ疲れました。

1日1チャプター進めるペースでちょうどいいノリです。
僕は2日間でクリアしたのでもうヘトヘト。

 

ウィッチタイムを使わされている感

戦闘の爽快感が意外と薄い。

というのも、戦闘の要は目押しのギリ避けからの「ウィッチタイム」。
目押しで避けるのが重要なので、攻撃を振る気持ち良さに欠けます。

このゲーム、攻撃モーション中の敵はスーパーアーマー状態なので先制攻撃は通用しません。
また炎を纏っているような敵に攻撃しても弾かれてしまう。

なので「ウィッチタイム」を使うのが基本です。
ウィッチタイムは敵の攻撃をギリで避けると発動。敵がスローモーションになり、攻撃を無効化。やりたい放題です。

このウィッチタイム中だけが攻撃チャンスなので、まず敵の攻撃を目押しで避ける必要があります。

「はい次はこれ、次はこのモーション覚えてね」
新しい敵が出るたび、目押しの宿題を出されているかのようです。
目押しが全てなので、立ち回りの自由度はありません。

ウィッチタイム中に攻撃を叩き込むだけなので、山ほどあるコンボはあまり重要ではありません。
クリアするだけなら△連打とか△△◯◯◯だけ使えば十分。

 

ギリで避けないと話にならないので同じ初見殺しでもソウル系のように納得感は無く、いきなりドーン!とされて「はぁ?意味わかんない」となります。

あと、肝心の避けが微妙にレスポンスが悪いのもイラ立つところ。
体感ではギリで避けてるのに食らいます。

以上ように「クライマックスアクション」の実態は目押しアクション。
ウィッチタイムを使わされている感が強く、爽快感は薄いです。

 

爽快感は薄い要因はウィッチタイム以外にもあります。

1発3割減るほど被ダメージが大きいのに回復アイテムが出ません。
そのため、ラッシュの序盤でミスるとやる気なくなります。

ゲージを溜めると使える必殺技「トーチャーアタック」(拷問攻撃)。
ゲージは敵の攻撃をギリで避けたり攻撃すると溜まります。
しかし被弾するとゲージが減るので、ミスるとより不利になるのが厳しい。
ピンチ時の逆転要素としては機能していません。

ウィッチタイムを無効化する敵にはトーチャーアタックで有効打を与えるしかないので、やはり1発被弾するとやる気なくなります。

このように、ミスると粘りが効かず形勢逆転しにくいのも爽快感に欠ける要因。

 

QTE大盛り

戦闘はウィッチタイムの目押し。
そして戦闘中・戦闘後デモではQTEの目押しが待っています。

QTEの多さ、ダルさ、理不尽さはあのトラウマゲー「バイオハザード6」に匹敵するかも。

即死QTEが多いのが酷いけど、たいていQTE直前がチェックボイントになってるのが救い。
リトライするときロードが早くて良かったと心底思えます。PS3版の30秒だったら絶対ムリ。

 

ボス倒したぞ!と達成感にひたりながらコントローラーを手放してムービーをボーっと観てるとQTE始まって即死。
みたいなことが何度かありました。

特にラスボスのアレはいったい誰が楽しめるんだと疑問。

失敗したらラスボスの残り体力ゲージ1本からやり直し。
初見はわけがわからず失敗、その後3回やり直してようやく成功したけど達成感が台無しになりました。

 

あと、どいつもこいつもデモ終わりに即攻撃してくるのはダメでしょ。
いきなり猛攻食らって7割減ります。
知らなきゃ絶対食らう。ここぞとばかりに来るので知ってても避けられないレベル。

 

連打はまだいいけどスティック操作のQTEはしんどい。

デモだけでなく、敵の拘束攻撃を食らったときやトーチャーアタックでも毎回やらされます。
左スティックを左右にカチカチカチ…PS4コントローラー壊れるわ。

このようにQTEはストレスが溜まるだけで何も良いことが無いように感じます。

「メタルギアライジング」もやはり連打とスティック左右カチカチ大盛りで不評だし。

 

でも当時、妙にQTEが流行ってましたよね。
ゴッドオブウォー2、3の影響かな?

「アスラズラース」「バイオハザード6」が出た2012年をピークにQTEの流行が終わった印象です。
ベヨネッタから3年で、作り手もようやく「プレイヤーはQTEを望んでいない」ことに気づいてくれました。

 

本作はQTE以外でも「デモを見せたい」という作り手のエゴが目立ちます。

デモのスキップは可能です。
しかし、いちいちオプション画面を開く必要があり、「スキップしますか?」のカーソルがオフになっているという二段構え。
これなら「初見スキップ不可で2回目以降ワンボタン」にしてくれた方が良心的です。

 

ショップに入る・出るたびに毎回デモが挿入されるのには閉口しました。
ショップに入るのが嫌になるほどテンポを損ねています。

実際、入るのが億劫になりショップを無視して進めた結果、終盤まで消費アイテムの有効性に気づかず苦戦するハメになりました。

ちなみに、アイテムはデビルメイクライのように値上がりしないので回復アイテムとか買い込めば楽です。終盤はアイテムでゴリ押しました。

 

シューティング・バイク面が長すぎる!

全く面白くないシューティング・バイク面。
これもゴッドオブウォーの影響でしょうか。

展開に変化をつけるのは良いけど、シューティング・バイクのどちらも長いのなんのって。
プレイしながらあ然とする長さ。適当な長さの3倍はあります。

しかもずっと同じことの繰り返し。
もしかすると永久ループしていて、分岐を選ぶとか謎を解く必要があるのかと思ったほど。

ダルすぎて操作もテキトーになってきます。

この長さ、記事をご覧のあなたにもぜひプレイして確認して頂きたい。
想像以上に長くて驚くはず。

 

神谷英樹氏はスペースハリアーやアフターバナーが好きなんだろう、ってことは伝わってきます。
でも本作からスペースハリアーやアフターバナーの面白さは一切伝わりません。

とにかく、それっぽいのを入れたかったから入れた感。

 

並を頼んだのに大盛り食わされた気分

予想以上のバカゲーに予想をはるかに超える気合が乗っているため、並を頼んだのに大盛り食わされた気分になります。
新スタジオ1発目でこれは凄い。

常にクライマックスの濃さで1周10時間かかります。

考えられる限りあらゆるシチュエーションを盛り込んでもうお腹いっぱい。
街、溶岩、自然、飛行機、超高層ビル、はては宇宙まで。

キャラの掘り下げは浅いし、このストーリーをどうやって着地させるんだろうと思ってたら、とことんハチャメチャに振り切ることで説得力を出してきました。
もう何も言うことはありません。

 

前述の通り、ちょっと気合が空回りしてクドさが気になるけど「魔女お姉さんが活躍する、前代未聞のバカゲー」としてゲームの歴史にその名を刻んだのは間違いないかと。

本作をプレイすると、
「当時はPS2以後のゲームを模索して、色んな国産タイトルが世界にガチンコ勝負を挑んでたなー」
なんて懐かしい気分にひたれます。

QTEやミニゲームも「こういうのが多用されてる時代もあったなー」と思えば楽しめますね。

 

まとめ:気合が乗った豪華なバカゲー

なんだかんだ文句を言いながら、久しぶりに寝食を忘れてゲームを遊びました。

プレイしている最中は「このクソゲーがぁ」と思うこともあるけど、1周クリア後は「ふぅ、いい経験したなー」という気持ち良さが残る。そんな感じ。

ただ2周はやりたくない。

クドい演出、見づらいグラフィック、初見殺し、目押しメインの戦闘システム、QTEは1周で十分です。

 

プレイしてみると本作は予想以上に、傑作アクションというより豪華なバカゲーを目指しているように感じました。

ハードと開発力の限界を超えたことをやろうとする気合が乗っており、色々粗いけど当時のゲーム業界の勢いを知る上で遊ぶ価値のある作品です。

避けが気持ちいい戦闘システムは同じプラチナ開発の「ニーアオートマタ」に受け継がれています。ニーアの戦闘が好きな方は本作も楽しめるはず。

ぜひsteam版で遊んでください。
本作を楽しむにはロードの早さが重要です!







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