ヤギゲームブログ

30代自称在宅イラストレーター男がちょっと深掘りして紹介する最新ゲーム&思い出のレトロゲーム

映画

ドラえもん映画を全部観て感想を書く男

投稿日:2020-01-08 更新日:





私ヤギは30代独身男。
ドラえもんに関する知識は人並み。昔はテレビでそれなりに観てた程度です。

アマプラでドラえもん映画が全て観れるようになったのを期に、全作品を観て感想を残します。
全部作ってからアップする形だとモチベが続かないので少しずつ追加・更新する予定。




ドラえもん映画の感想:時系列順

ドラえもん のび太の恐竜:1980年

映画ドラえもん のび太の恐竜

■あらすじ
スネ夫に化石を触らせてもらえなかったのび太は悔しがり「恐竜の化石を一匹分丸ごと見つけてみせる」と宣言してしまう。
のび太は偶然、首長竜の卵の化石を発掘。タイムふろしきを使って卵を孵化させ、ピー助と名付けて育てる。しかし現代で生きるのは困難なので、ピー助の幸せを願いタイムマシンで白亜紀の世界へ帰してやることにした。

 

タイトルが直球だ。「のび太の恐竜」て。

王道のハートフルな話。
ドラえもん映画1作目なのに出会い、友情、冒険、戦い、別れと、ドラえもん映画の基本プロットが完成している。

 

僕はこの頃の作画が好き。しずかちゃんが可愛い。

「鼻でスパゲッティを食え」
という今ならたぶんアウトな表現が面白い。
まず食べ物を粗末にしてるし、子供がマネしたら危ないし。

 

タイムトラベル後にタイムマシンが壊れると言う、バックトゥザフューチャーばりの絶望的状況に陥るのび太達。
なんとか修理するが場所転送機能が使えず、時速80kmのタケコプターでアメリカから日本へ移動するハメになった。
小学生なのにめちゃくちゃハードな旅だ。

しかも傭兵部隊を相手に、ラジコンで引きつけて敵のタイムマシンを奪うという、とんでもない作戦を実行するが…

細かいことを言うと、ティラノはブロントサウルスのようなデカい相手を狙わない。そもそも死肉だけ食ってたという説が有力。

あとピーちゃんの声が可愛くないのが気になる。

 

ジャイアン達のむちゃぶり度:★★★★
旅のハードさ:★★★★
評価:81/100

 

ドラえもん のび太の宇宙開拓史:1981年

映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史

■あらすじ
コーヤコーヤ星の少年・ロップルのワープ事故により、のび太の部屋の畳とロップルの宇宙船が繋がった。のび太はドラえもんと一緒にコーヤコーヤに行き、住民と仲良くなる。しかし資源の独占を企むガルタイト鉱業が、コーヤコーヤ星から開拓住民を追い出そうとしていた。
ロップルたちの生活を守るため、のび太達はガルタイト鉱業に立ち向かう。

 

冒頭に登場するゲストキャラのロップルは、ずいぶんガンダムチックな宇宙船に乗っている。
それものはず、メカデザインはあの大河原邦男。

ロップルの故郷はコーヤコーヤ星。1回聞いたら絶対忘れない名前だ。
2回繰り返すのが面白い名前をつけるコツかも。ヤーギヤーギのブーログブーログ。

最初は「宇宙開拓」というタイトルから、
「冒頭の少年が地球文明の祖先で、のび太はその末裔だから記憶が宿っているのかな」
と思ったけど全然違った。

 

ガルタイト鉱業はコーヤコーヤの住民を立ち退かせるため嫌がらせをしている。
ロップルはそのせいで事故ってしまった。

ガルタイト鉱業のこんな横暴、許されていいのか?
やり方が戦後のヤクザじゃないか。

とはいえ、現実でも大企業の下請けが犯罪スレスレなことをやってるからリアルな気はする。
例えばNHKとか、NHKとか、NHKとか。

 

一方、地球側では中学生が空き地を占拠しており、ジャイアン&スネ夫はのび太に「お前が交渉してこい!」というかなり陰湿なイジメをおこなう。

さすがのジャイアンも中学生には頭が上がらないんだな。情けないぞジャイアン。
しかし中学生はパワーがありすぎて野球で周りの窓ガラスを全部割ってしまったので自然解決。

そりゃ空き地じゃ狭すぎるだろ。それ以前に騒音が迷惑だから河川敷でやってくれ。

 

そんなイジメにあいながらも、のび太はコーヤコーヤで用心棒として活躍する。
コーヤコーヤは地球より重力が弱い。そのため、のび太ですらスーパーマンのように強くなる。しかものび太は射撃の達人。
「身体能力+射撃の腕+ひみつ道具」なのでもう最強である。射撃威力なんて重力とは関係無いけど気にしない。

しかしこんな重力が弱い場所にいたら、のび太がより弱くなってしまうのではないかと心配だ。

 

しずかちゃんも活躍。のび太・ドラえもん、ジャイアン・スネ夫の2組を仲介する。
しずかちゃんも野球やるんだな。しかも一番運動量多そうな外野を守ってる。「いくわよっ!」

 

前後の作品と比べるとテンポが良い。
主な舞台は異星だけど、あくまでも主役はのび太側だったのも良い。

シリーズ全体で見ると、映画2作目でのび太の活躍回を持ってきたのも良かったなと。
「映画では格好いいのび太」を定着させた。
しかしこの先しばらく、のび太はサポート役に回るのだった。

 

のび太の活躍度:★★★★
中学生の強さ:★★★★
評価:83/100

 

ドラえもん のび太の大魔境:1982年

映画ドラえもん のび太の大魔境

■あらすじ
春休み、のび太は胸躍るような大冒険を求めて秘境探しをする。
膨大な航空写真からアフリカの秘境を探し出したのび太は、みんなと野良犬・ペコを引き連れて冒険に出かける。

 

自家用人工衛星で人類がまだ手を付けていない場所を探し、グーグルマップみたいな写真を取りまくってるのが笑う。

アフリカを「魔境」とかいってるのは今だとポリコレに引っかかりそうだ。

本作の主役はジャイアン。
強さの中に弱さを見せ、最後は勇気を振り絞って戦う、感情移入しやすいキャラになってる。
スネ夫に「やだねー男のヒステリーって」と、やはりポリコレに引っかかりそうな陰口を叩かれている。
ところで、この頃のスネ夫ってジャイアンに敬語なのね。明らかな上下関係がある。

出来杉君は本作から本格的に出来杉君になったらしい。
ドラえもんも知らないことを知っており、ヘビー・スモーカーズ・フォレストについてドラえもんとのび太に解説する。

とにかくお風呂に入りたいしずかちゃんも活躍。
やはり男だけの集団には出ない知恵がある。男3/女1/ロボ1/ゲスト(動物)1の構成はバランスが良い。

 

秘境の先で親切な原住民に会ってもてなしを受けるのび太たち。
話のわかる原住民でよかった。下手したら即殺されてる。この5人、普通の小学生なのに毎回死にかけてるな。

さらに奥地ではなんと犬が国を作り、謎科学力で空飛ぶ戦艦も作っていた。

この犬の王国に行ってからはドラえもん達がサポート役でしかない。
訳あって自慢の道具も使えず、「ドラえもん」色が薄くて物足りない。

 

死を覚悟して戦場へ向かう5人+1匹。
絶体絶命のそのとき、しずかちゃんの機転で状況を打破!
しかしこの方法はむちゃくちゃすぎる。

ネタバレすると、しずかちゃんは先取り約束機で「もし無事に帰れたらきっと過去にさかのぼって助けにくる」と保険をかけておく。
しかし無事に帰れたら助けは必要ないし、助からなければ無意味だ。しかもあの状況だと絶対助からない。
なので、この約束は意味わからん。

たぶんしずかちゃんが言いたかったのは「助かった後に未来から私達を助けに戻るから、私達を無事に未来へ帰して」だろう。それでも意味わからんけど。

それはともかく、巨神像がいい動きしてるわ。

 

命がけ度:★★★★
しずかちゃんの有能度:★★★★
評価:76/100

 

ドラえもん のび太の海底鬼岩城:1983年

映画ドラえもん のび太の海底鬼岩城

■あらすじ
のび太たちは太平洋の海底でキャンプをすることにした。海の中でも陸上と同じように過ごせるテキオー灯を使い、水中バギーに乗りこんで海底世界を楽しむのび太たち。
偶然、海底国家ムー連邦のエルに出会うが、地上世界に海底世界を知られたくないムー連邦の首相はのび太たちを拘束し監禁してしまう。

 

潜水艇が降下しながらタイトルが出る、怪獣映画のような入り方がカッコ良い。

おどろおどろしさは控えめで明るい作風。
ドラえもんが妙に親達からの信頼厚いのが笑う。

宿題が終わるまでキャンプに行けなくなったのび太。
机に向かうも秒で寝てしまい、バケツで水をぶっかけられるという仕打ちを受けてかわいそう。
宿題なんて徹夜で終わらせても学力的には意味ねーだろ、とのび母に言いたい。

タイムトラベルした後も、とにかく昼寝がしたいのび太。そりゃ徹夜してるから当然だ。
隙あらば昼寝しようと提案するが、仲間に無視される。かわいそう。

 

AI搭載水陸潜両用バギーが登場する。本作の主人公はこのバギー。

ドラえもんが運転してるし、何のためにお喋りなAIを積んでるのか謎。
ドラえもんと同時代のAIにしてはカタコトだし、しずかちゃんにデレるスケベAIだ。
乗り物なんだからまずは人命救助を最優先すべきだろうに、ジャイアンとスネ夫は見殺しかよ。

このレベルのAIなら記憶データを転送すれば生き残れるような気がするけど…

 

「ポセイドン」は核ミサイルによる自動報復システムだったという、冷戦時代の影響を感じる設定。
進化論に文明批判。大陸棚や深海魚など図鑑のように知識を詰め込んだ、親が子供に観せたい作品に仕上がっている。

ところで、なんで海で松茸食べてるんだろう。海で山の幸はおかしくね?

 

ドラえもんの信頼度:★★★★
バギーの主人公感:★★★★★
評価:78/100

 

ドラえもん のび太の魔界大冒険:1984年

映画ドラえもん のび太の魔界大冒険

■あらすじ
のび太達は空想の世界を実現させる「もしもボックス」で魔法の使える世界に来た。
魔法世界でも落ちこぼれてしまったのび太は落胆してしまう。
そんなとき、ドラえもんたちは魔学博士の満月とその娘美夜子に出会い、悪魔達が地球制服を企んでいることを知る。

 

ドラえもんの道具と、魔法の区別がつかないのが面白いところ。

おそらく、
「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」(クラークの法則)
から着想した話だと考えられる。

のび太が魔法世界でも落ちこぼれなのは笑う。チンカラホイ!

 

前半が時間ループの伏線になっていたり、途中にノーマルエンドがあったりする。SFっぽくて面白い。
後半は宇宙を旅して…と盛りだくさん。

この辺りのドラえもん映画から、いつもの「ドラえもん」の中にどこか怖さがあるシリアスな雰囲気が出始める。
本作の石像や魔王、でっかい心臓の描写がやたら怖い。

 

ドラえもんとのび太の喧嘩が可愛いすぎ。
「じゃあ一緒に来てくれよぉー」「行ってあげるぅ~」って、この2人もう付き合ってるだろ。

あとはしずかちゃんのパンチラが激しい。
出来杉君が本当に博識なのがわかる。

 

パラレル世界の解釈について考えると頭こんがらがってくるし、ドラミちゃんが急に出てくるし、中盤ちょっとグダって中だるみした感はある。あとメジューサが行方不明。

でもエンディングの「風のマジカル」(歌:小泉今日子)がいい曲だから終わりよければ全てよし。

 

2人の喧嘩にキュンとくる度:★★★★★
ドラミちゃんの有能度:★★★★★
評価:85/100

 

ドラえもん のび太の宇宙小戦争:1985年

映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争

■あらすじ
特撮映画を作っていたのび太たちは、ピリカ星から来たミニチュアサイズの小さな少年パピと出会う。
パピは、独裁者ギルモアの手に落ちたピリカ星から亡命してきたピリカ星大統領だった。
パピを守ることを誓うドラえもんたち。しかし、小さくなっている間にスモールライトを奪われ、しずかちゃんを人質に取らてしまう。

 

宇宙小戦争と書いて「リトルスターウォーズ」と読む。

「スター・ウォーズ/ジェダイの復讐」は1983年公開。
本作にはそのオマージュ要素の他、色んなSF映画の影響が見てとれる。

「宇宙大戦争」(1959年公開)にかけて小戦争という、ニクいタイトル。
ポスターは生頼範義氏が描いたスターウォーズのポスターみたいで格好いい。

 

内容はというと、前作のシリアス路線からお気楽ムードに戻している。

なんせ相手はミニチュアサイズで相応に武器も弱い。スモールライトで小さくなったドラえもん達はともかく、地球が侵略されることはない。よかったよかった。
とはいえ、小さくなったドラえもん達は銃殺刑の危機なのでやはり命がけだが。

 

ジャイアン・スネ夫組はスネ夫の財力を使ったミニチュアで自作映画を撮っている。
ラジコンはスネ夫が手作業で作ったもの。ジャイアンは何もしてない。
のび太も参加しているが、タイトル入り前にさっそくミスってクビになってしまう。

その後、のび太のかわりに出来杉君がスネ夫チームに参加。
圧倒的に出来る男なので完璧な映像が仕上がってしまう。

一方クビにされて悔しいのび太は独自に撮影を目論む。
出来杉君を取られてしまったので仕方なくしずかちゃんに相談し、しずかちゃんを仲間に引き入れることに成功する。

しかし、しずかちゃんは絵に描いたような生粋の女の子なので、自慢のぬいぐるみコレクションが活躍するメルヘンな映画を撮ろうとする。
このしずかちゃん映画がめちゃくちゃつまんなそうで笑う。
「なんか思ってたんとちゃう」状況になりのび太のテンションが下がっていくが…

ところで、しずかちゃんってなんでこんなムサい男友達とつるんでるんだろう。
女友達いないのかな?オタサーの姫みたいになってるじゃないか。

 

本作にはしずかちゃんのサービスシーンがある。
夢だった牛乳風呂に入っており、全裸の後ろ姿が拝める。
この年齢のキャラでこのシーンは今ならアウトだろう。

でも誘拐されるときにはしっかり服を着ている。
逃げる前に服、体を乾かす前に服、とにもかくにも服が最優先だ。

 

後半の、しずか・スネ夫の組み合わせは珍しい。
しずかちゃんが有能。それに比べてスネ夫ときたら…

スネ夫が作った宇宙最強の戦車(ラジコン)に恐れおののく敵。
敵はスネ夫戦車を鹵獲して分解するも装甲に一切の弱点が見つからず、アンテナを狙うことにした。恐るべし、スネ夫の製作技術。
本作からスネ夫のラジコン操縦テク、天才メカニックとしての地位が確立したらしい。

 

そんなスネ夫も活躍するけど、全体的にはしずかちゃん活躍回。
ちょっと気が抜けた作風で気軽に観れる。

たしかに単体だと物足りないが、シリアスな「魔界大冒険」の後なのでいったん休憩といったところか。

 

しずかちゃんのサービスシーン:★★★★★
スネ夫の製作技術:★★★★★
評価:77/100

 

ドラえもん のび太と鉄人兵団:1986年

映画ドラえもん のび太と鉄人兵団

■あらすじ
ドラえもんとのび太は、どこからか送られてくる巨大ロボットの部品を鏡面世界で組み立て、完成したロボットに「ザンダクロス」と名づけて遊んでいた。しかしロボットに兵器が組み込まれていることを知り、ロボットの存在を秘密にすることを誓う。
その後、のび太は謎の少女リルルにロボットのことを話してしまう。実は、リルルは地球征服を企む鉄人兵団のスパイだった。

 

「なんだいあんなちっちゃなロボット、ちっともうらやましくなんか…うらやましいぃ~!」(笑

そんなのび太に「頭でも冷やしてこい」といわれて、言われたとおり北極に行ってしまうドラえもんが気の毒だ。

 

百式みたいな巨大ラジコンをゲットして爽快に動かしまくる話かと思いきや、ポスターからは想像もできないハード路線だった。

ザンダクロス完成後、楽しいムードはすぐ一変。
偶然、しずかちゃんが内蔵武器を発射してしまい「そんなつもりじゃなかったのっ」と乗り込んだ3人はドン引き。
ザンダクロスは、ロボット惑星メカトピアが地球侵略のために送り込んだ尖兵だったのだ!

ちなみにザンダクロスのモチーフは本当に百式らしい。

 

鏡の世界がなければ人類はあっさり奴隷化されていただろう。

僕も鏡の世界に行きたい。あらゆる道具の中で「入りこみ鏡」が一番欲しいかも。

鏡の中のように左右反転した世界で、人間・動物がいない。
でも肉などの食品はあり、電気水道も機能しているという、僕のような引きこもりにとっての理想郷。

 

スパイロボとわかっていながらリルルを撃てないのび太は、リルルにも「意気地なし!」と言われてしまう。でもそれがのび太なんだよな~

原作では、のび太とリルルの恋愛感情を中心にしたボーイミーツガールな話らしい。
でも映画では親子向けにするためか、リルルとしずかちゃんの友情要素が強め。リルルとの別れに立ち会ったのもしずかちゃんだけ。
そのせいで、リルルが最後にのび太だけに姿を見せる意味がわからなくなってる。

とはいえラストーシーンの美しさはドラえもん映画の中でも随一じゃないだろうか。

 

敵として対峙するロボット惑星メカトピアは、ロボットを人間より高次の存在として人間を奴隷にしようとする。
メカトピアは人間とロボットが共存する地球(22世紀)の映し鏡のような存在といえる。
つまり、仕掛けとして使われている「鏡」がさり気なくメインテーマにもかかっている。

 

笑いどころあり、スリルあり、感動ありの凝ったシナリオ。
ドラえもん映画の質感が変わってきた。

 

しずかちゃんの有能度:★★★★★
リルルの萌え度:★★★★★
評価:87/100

 

ドラえもん のび太と竜の騎士:1987年

映画ドラえもん のび太と竜の騎士

■あらすじ
のび太は0点の答案を隠すためにひみつ道具の「どこでもホール」を使い、地底にある大空洞を発見する。
みんなを誘って秘密の遊び場にするが、スネ夫が行方不明になってしまう。
スネ夫を探すため、ドラえもんたちは地底探検に出発。地底の更に奥には恐竜が闊歩する白亜紀の森が広がっていた。

 

冒頭、のび太は「恐竜が今でも生き残っている」と言い張り、ジャイアンとスネ夫に笑い者にされてしまう。
ご丁寧に「ドラえもんの力で過去から連れてくるのは無しだぜ」まで言ってくるスネ夫。

でもしずかちゃんだけは「のび太さんってロマンチストね」と良いように言ってくれる。
ほんと、ドラえもん映画の癒やしはしずかちゃんだわ。作品を連続して観るとよくわかる。

その後、のび太は0点の答案をなんとか隠そうとする。
「捨てるとか焼くとかしちゃったら」「いっそ裏山に埋めちゃったら」
とロクでもない提案を連発するドラえもんがのび太の教育諦めムードで笑う。

 

そんなこんなで答案を隠すために「どこでもホール」を使い大空洞を発見。
ここなら隠し放題だと、全くテストの点を上げる気がないのび太。

それからいつもの3人を誘って大空洞にそれぞれの部屋を作ることに。
てか、みんなを誘ったら答案を発見されて本末転倒じゃないか?

ところで、しずかちゃんってピアノはちゃんと習ってるけどバイオリンは下手なのね。

スネ夫以外の4人は、大空洞がめちゃ広いのでバギーに乗ってレースまで始めてしまう。もう何がなんだかわからなくなってきたところで、スネ夫が行方不明に。

スネ夫を探して地底に潜り、竜の騎士に出会うのだが…

 

実はタイトルの「竜の騎士」はあまり重要ではない。
恐竜が生き残り、地底文明を築いていたって話。竜の騎士は特に物語に関わらない。

「マントルまで100kmあるからその間に別の世界があってもおかしくない」
らしい。たしかに飛行機の高度は10000m(10km)だからおかしくない。いや、明らかにおかしいのだが夢はある。

この地底文明、馬に乗って戦っているのでナポレオン時代程度の文明かと思いきや、リニアモーターカーが走っている。
地上より高度なのか?と思っていると、船形の巨大タイムマシンまで登場。
文明レベルがチグハグすぎる。

 

地底人は過去を変えるというより、なぜ自分たちは地上から追放されなけばならなかったのか原因を知りたいという欲求で動いている。

そのため、恐竜絶滅の原因がどうしようもないことだと知ってからはあっさり過去改変を諦める。
タイムマシンで地上人のいない時代に行き、子孫を繁栄させることもできたはずなのに。

このように、一貫して悪役がいない作品となっている。

でも地底人も今はそう言ってるけど、必ず野心を持った奴が現れて地上を攻めてくるんじゃないか?
タイムマシンまで実現させた超科学力だから「地上人より優れた自分たちがなぜ地底に押し込められなきゃならんのか」と不満が出て当然だ。

そんな一抹の不安を覚えてしまうが、答案のフラグを回収するオチは秀逸。

 

あと細かい見どころは、

・「プン!」とヤキモチを焼くしずかちゃん
・暑すぎてしずかちゃんの前で全裸になってしまう2人
・風雲ドラえもん城

 

タイトル関係ねー度:★★★★
しずかちゃんへのセクハラ度:★★★★★
評価:80/100

 

ドラえもん のび太のパラレル西遊記:1988年

映画ドラえもん のび太のパラレル西遊記

■あらすじ
小学校で「西遊記」の劇をやることになったが、孫悟空役をやりたいのび太は端役にされてしまう。悔しいのび太は「孫悟空は実在する。自分に似ているはず」と言い、タイムマシンで7世紀のシルクロードへ向かう。そこにはなんとのび太そっくりの孫悟空がいた。

 

「ドラえもーん!」がタイトル入りのお約束になってるのは笑う。

西遊記をなぞるだけかと思いきや、意外とひねりの効いた展開となっている。

 

冒頭、またしてもワケのわからないことを言い出すのび太。
「孫悟空は実際にいる!」しかも「自分と似ているはず」だという。
もはやただの願望じゃないか。

「のび太の恐竜」のように恐竜が生き残っていると言い張るのはまだわかる。恐竜がいた事実はあるから。
対して今回のは無茶苦茶だ。白を黒というようなもの。

でも7世紀の中国には孫悟空はいた!
しかものび太とそっくりではないか。

ネタバレすると、時間差で後の自分に出会うという「魔界大冒険」と同じ仕掛けが使われている。

やはり因果関係が謎だ。前作「竜の騎士」の聖域も同様。
もうタイムパラドックスや因果関係について突っ込むのはやめよう。この世界ではそうなっている、「郷に入れば郷に従え」ってことだ。

 

一方、ドラえもんはのび太と遊ぶために「ヒーローマシン」を用意し、あらかじめ一通り遊んでいる。2人の仲の良さがうかがえる。

しかしまたとんでもない道具を出してくれたな。ゲームフィールドをオープンにしっ放しはダメだろ。

このヒーローマシンが原因となり現代が改変されてしまう。
改変後の世界がめちゃ怖い。子供にとってはトラウマもの。
あまりの惨状にドラえもんの迷言「危険が危ない!」が飛び出す。

怖さが強烈な分、現状をなんとかしなければならないという動機づけ強力なので冒険に感情移入しやすい。

 

今回のドラえもんは頼もしい。「頭の勝負は任せてよ」(笑
ひょうたんに吸い込まれても「僕が溶けるわけないでしょ。22世紀の猫型ロボットですよ」と余裕。

魔物をヒーローマシンに戻せば勝ちなので倒す必要はなく、暴力的な描写がないのは秀逸。

 

で、途中色々あるけど最後はあっさり気味。

ドラミちゃんが菩薩として登場する。
唐突にドラミちゃんが登場して問題解決する展開はドラえもん映画で賛否分かれる点だけど、今回は気が利いてる。

ドラミちゃんはドラえもん映画の菩薩様みたいな存在だし、黄色いから菩薩のイメージと被るので必然性がある。

ドラミちゃんに対して、結局今回もどこか抜けてるドラえもんはちょっとポンコツだな。
のび太とポンコツコンビだから面白い冒険になるわけだ。

最後は珍しくのび太とのび母の絆が描かれており、ほっこりできる。

 

他見どころは、
・全編通してマザコンが目立つスネ夫
・中盤、無意味に挿入されるしずかちゃんのサービスシーン
ついに胸まで映ってしまった。

 

のび太の発想ぶっ飛び度:★★★★★
ドラえもんの頼もしさ:★★★★
評価:88/100

 

ドラえもん のび太の日本誕生:1989年

映画ドラえもん のび太の日本誕生

■あらすじ
学校でも家でも叱られてばかりでウンザリしたのび太は家出を決心する。
ひみつ道具で部屋は確保したものの、置く場所がない。
その後、ドラえもん達4人も現代に嫌気が差し、のび太を含めた5人はまだ土地が誰のものでもない「太古の日本」へ行くことにした。
自由な生活を満喫していったん現代へ戻る一同。しかし現代で、いるはずのない原始人の少年と遭遇する。その少年は現代へ飛ばされる前、謎の集団から襲撃を受けていたという。
太古の世界を守るため、ドラえもん達は太古の中国大陸へ出発する。

 

観客動員数は「のび太の宝島」(2018年)までずっとシリーズ史上最高だったという大ヒット作。
その記録を2018年に更新した、世代を超えたドラえもん人気にも驚く。

 

冒頭、のび太は家出を決心するが、土地は個人か国のものなので自由に使える場所がない。
観客の子供に土地の権利という大事なことを教えてくれる。

裏山に建てたキャンピングカプセルの建物を、通告なしでいきなりショベルカーでぶっ壊されそうになってるのは笑う。のび太がその後どうやって逃げたのかが気になる。

 

太古の日本に行ったドラえもんは「自由な生活といえばペットだろ」ってことで、のび太をペット大臣にしてクローニングエッグで3匹の動物を作らせる。

しかしのび太は「これであっといわせてやろう」と遺伝子アンプルを組み合わせて勝手にキメラみたいな動物を作ってしまう。
結果、ペガサスの「ペガ」、グリフィンの「グリ」、ドラゴンの「ドラコ」が誕生。

のび太は明らかに生命倫理の一線を超えてしまったが、そもそもこんなひみつ道具があるのが問題ともいえる。

ちなみに、3匹は最終的にタイムパトロールに没収される。
勝手にオリジナル動物を作ったことに関してはお咎めなし。
むしろ犯罪者を捕まえるのに協力してくれたということで感謝されている。

 

その後、中国大陸へ出発したドラゾンビ様(ドラえもん)達を待ち受ける謎のハニワ。
コイツが衝撃派で攻撃してきてめちゃ怖い。

ドラえもん達はハニワを分析し、ついに大ボス・ギガゾンビの存在に気づく。

そしてギガゾンビを追うが「リニアモーターカーごっこ」という、生身で時速380kmで走る上に曲がれないという危険すぎる道具のせいで体力が無いのび太は1人はぐれてしまう。
しずかちゃんより体力無いのはさすがに情けないぞのび太。

 

遭難したのび太が「こないだ残したラーメンのおつゆ飲めば良かったなぁ」と言って幻を観るシーンから、寒さや感覚が麻痺して本気で死にかけていることがわかる。

ジャイアン達も今までのように投げやりではなく、「探さなかったら死んじゃうだろぉ~」「のび太が死んじゃうなんてぇ~」と本気でのび太を心配。

このような真に迫る描写と強い大ボスの登場により、以前の作品以上の大作感がある。
ドラえもん映画が一段高いステージに昇った印象だ。

ところで、ギガゾンビの歴史改変は罪なのにドラえもん達の歴史改変は許されてるのは謎である。

 

リニアモーターカーごっこの危険度:★★★★★
タイムパトロールの無能さ:★★★★
評価:93/100

 

ドラえもん のび太とアニマル惑星:1990年

映画ドラえもん のび太とアニマル惑星

■あらすじ
ある夜、のび太はピンクのもやを抜けて見知らぬ森に迷い込む。
翌日、寝ぼけたのび太は部屋の前に現れたもやの中に再び入り、昨日の体験が夢ではなかったことを確信する。
後を追ってきたドラえもんともやの向こう側を探検するうち、2人はチッポという犬の少年に出会う。そしてこの世界が「アニマル星」であることを知る。
一方、ジャイアンとスネ夫はもやの中から荒廃した世界に辿り着いてしまう。

 

「アニマル惑星」と書いてアニマルプラネットと読む。

可愛いタイトル絵に反して、環境破壊という重いテーマを扱っている。

公開された1990年はバブル期でゴルフ場などを開発しまくっていた時期。そんな背景もあり、藤子先生は作品を通して人間社会を痛烈に批判している。

例えば、劇中でも裏山がゴルフ場にされかけており、のび母がそれを防ごうとしている。

また本作の敵である、自然を破壊し動物の生態を脅かす「ニムゲ」は宇宙人というテイだが、どう見てもただの人間。
「(ご先祖様は)科学技術が発達してたんでちょっと良い気になってやりすぎた上に世界がボロボロになったのはマズかったけどよぉ」といかにもな台詞がある。

タイトル絵の猫耳ドラえもんにつられて軽い気持ち観たのに、重いテーマと後述する「もやのトラウマ」と背負わされてしまう作品だ。

 

冒頭の「ドラえもーん!」からのび太がムチャをやらかして大事件になる、という今までのパターンとは違う。

いつの間にかピンクのもやに入り込んでしまうのび太。
これを観て「子供のとき観てトラウマになった作品はこれだ!」とようやく思い出を消化できた。
このピンクのもやだけはずっと覚えてる。

自宅に発生してるのが怖すぎ。しかも演出が異様なまでに不気味。
子供がこれ観たらトイレ行けなくなるわ。

さらに、もやを通ったジャイアンたちはのび太の行き先とは違う荒廃した場所に出るから不気味さがよりブーストされる。

このように、もやの不気味さが強烈で印象的すぎて、その後の展開は3割ぐらいしか覚えていない。

 

覚えている範囲で特筆すべきは、

・「動物ごっこぼうし」により猫耳が復活したドラえもん

この道具が各キャラに応じた動物の特徴を加えており、立ち回りの幅を広げている。そのため、みんながタケコプターや空気砲など同じ道具で戦うパターンのマンネリ打破に成功。

 

・のび太の活躍

敵陣に乗り込み人質を救出、時間ギリギリに脱出というハリウッドアクション映画ばりの救出劇を見せてくれる。
ここまでドラえもん映画を10作見続けてきたが、のび太が過去最高に格好いい。

のび太はいざというときにはやる男。危機に瀕したとき潜在能力を発揮する男。
そんな印象を与える。

ところで、「ツキの月」を使うと運がない人ほどツキまくるからのび太が救出役に選ばれるのだが、のび太は運ではなく努力が足りないと思う。

 

総じていうと名作。

しかし環境問題のテーマが鼻について、どうもスッキリ観れない。

「ゴジラvsモスラ」と同じで、1990年代前半特有の上から目線、説明的な台詞に押し付けがましさがある。

たしかに裏山をゴルフ場にするのはマズいと思うが、のび母がすっかり環境保護活動に染まっており「世界には恵まれない人達が~」まで言い出すから引く。

ただ、もやの印象が強すぎて環境問題のテーマすら全く印象残らないのが救い。

余談だが、2020年の現在では世界の貧困問題はほぼ解決※しており、逆に日本が恵まれない国になりつつある。
(※参考:「ホモ・デウス 上」)

 

あと、ラストが前作と同じタイムパトロール落ちで拍子抜け。
タイムパトロールって別の星系まで守備範囲なのかよ。未来の人間は宇宙を制覇してるのか?

 

テーマ押し付け度:★★★★
もやのトラウマ度:★★★★★
評価:90/100

 

ドラえもん のび太のドラビアンナイト:1991年

映画ドラえもん のび太のドラビアンナイト

■あらすじ
夏休み、のび太は「絵本入りこみぐつ」で絵本の中の世界を楽しんでいた。
しずかちゃんを誘って2人で絵本の世界に入るが、ジャイアンとスネ夫が絵本をごちゃまぜにしたのが原因でしずかちゃんが迷子になってしまう。
しずかちゃんを助けるため、ドラえもんたちはアラビアンナイトの世界とつながる794年のアラビア・バグダッドへ向かう。

 

今回の舞台は絵本の世界。

ドラえもん達は好きなように時空を移動できるとはいえ、冒険の舞台にも限りがある。

地底・海底・宇宙・過去と前11作で行くとこだいたい行っちゃったので、もう絵本に行くしかない感じだ。

毎作アイデアを詰め込んだ一話完結で、毎回ネタ被らないように作るのは大変。
映画を連続して観るとそれを痛感する。

 

まず冒頭、普通にしずかちゃんを絵本デートに誘うのび太。
のび太は小学5年生。もうこの年代になると恥ずかしくて女の子と一対一は気が引けるはずだが。のび太、こう見えて肉食系である。

遠足の日を1日間違えたポンコツしずかちゃんが可愛い。
時間が空いたからのび太の家に来てくれるのも可愛い。

こうして2人は絵本デートに行くが、ジャイアン組がのび太の絵本をバラバラにする。それをのび母が勝手に燃やす。
この世界でのび太には人権が無いようだ。そりゃ「日本誕生」みたいに家出したくなるわ。

 

結果、絵本の世界から出れなくなってしまったしずかちゃん。

本作はとにかくしずかちゃんが気の毒。

小学生の女の子が、ガチの奴隷にされてしまう。
買い手はガチの悪者で、逆らえば皮が弾け裂けるムチで叩かれる。もうマジやん。
変なことされて傷ものにされたらどうするつもりやねん。

しずかちゃんはのび太のせいでこうなったのに文句ひとつ言わず、のび太達が助けに来ることを信じている。なんて健気なんだ。

こんな状況でも大好きな風呂(オアシスの水浴び)を欠かさず、ムチの恐怖の前でも「嘘はつけない」と信念を貫くしずかちゃん。
助けようという真剣さがイマイチ伝わってこないのび太にはもったいない、本当にいい女だ。

ちなみに水浴びシーンではついに前面から全裸が映ってしまった。
しずかちゃんのヌードシーンは「宇宙小戦争」が背面、「パラレル西遊記」が側面、そして本作が前面。これは覚えておいて損はない。

 

一方、救出に向かうドラえもん組だが、
真剣さが伝わらないのび太の他、後半まで全く役に立たないクセに文句ばかり言ってるジャイアンにも腹が立ってくる。スネ夫に余計なことを言って足引っ張るし。

スネ夫「ポケットの無いドラえもんなんてただの中古ロボットじゃないか!」
ジャイアン「文句あっか!ドジえもん!」
と一番頑張ってるドラえもんへの当たりがキツいのも印象が悪い。

 

ドラえもん組はしずかちゃんを助けるまで良いところが無く散々グダっており、助けた後ムリヤリひと山作ったような終盤の展開もグダっている。
でもポケットを取り戻してからの無双感は爽快。
3作連続でタイムパトロール落ちかと思ったけど違って良かった。

謎のタイムトラベラーが登場するのはおそらくドラえもんによるマッチポンプ構成にしたかったけど、過去作でそのネタ使いすぎなので控えた結果だと思われる。

総じて夏休みのお気楽ムードとグダグダ感が漂っているが、しずかちゃんが傷ものにされるんじゃないかというスリルが半端ではないので個人的にハラハラ感は過去最高。

 

余談だが、僕の彼女が落ち込んだときの口癖は「しゅん…」。
本作の時間旅行ガイドであるミクジンが落ち込んだときの口癖が「しゅん…」。
よって彼女の口癖はドラえもんの影響であることがわかった。

ピンクのもやといい、昔のドラえもん映画を観るとたまに頭の片隅にあった謎が解ける。

 

ジャイアンにイラつく度:★★★
しずかちゃんがかわいそう度:★★★★★
評価:88/100

 

ドラえもん のび太と雲の王国:1992年

映画ドラえもん のび太と雲の王国

■あらすじ
「雲の上には天国がある」と言ってからかわれたのび太に、ドラえもんが天国を自分で作ろうと提案。ひみつ道具・雲固めガスで雲の王国を造り、スネ夫達を株主にして機材を集める。完成した王国で楽しく過ごすドラえもん達。しかしある日、雲の王国を見失い絶滅動物が暮らす謎の世界に迷いこんでしまう。そこは天上人の国だった。

 

「アニマル惑星」と同じく環境問題がテーマで、環境を破壊する人間が悪者扱いされている。
天上人は決して敵ではない。だが利害関係が対立し、衝突せざるを得ない。その結果、ドラえもんは…

1980年代の冒険路線とは真逆。今までで一番重く、暗い作品となっている。

 

冒頭、またのび太がムチャを言うパターンから話が進む。

のび太は図書館で資料を探すというのび太らしくない努力を見せる。
しかしドラえもんに「そんなのあるわけねーよ」と即ボロカスに否定されてしまう。

しばらく「天国は無いから自分で作る」という流れだが、実際に雲の王国はあったわけで、毎回のび太の予想は正しいんだよな。やっぱり夢を持つのは大事ってことだ。

真っ白で真っ平らな世界に、土木工事のように自分たちで王国を作るのはワクワクする。
ドラえもん映画が子供の夢をまた一つ叶えてくれた。

この楽しそうな前半に対して、絶望的な後半のコントラストが強烈。

ドラえもんが2回壊れる唯一の作品。
一回目では内部が、二回目は物理ダメージでもうボロボロ。

故障したドラえもんの描写が恐すぎ。
目をチカチカさせながら「ケロケロパ、ケロケロペ、パリパリプ、プリパリピ」と狂う様子は故障という言葉では生ぬるい。
バグったブラウザ画面を観たときの恐怖に似ている。見慣れたモノが狂う違和感。自分の力ではどうしようもない絶望感。

さらに最後はドラえもんがぁ~!
ガスタンクに突き刺さるシーンはショックを通りこしてシュールですらある。
しかしあの爆発を受けて原型と留めているドラえもんの耐久力は凄まじい。

地上の様子もトラウマもの。
大洪水で地上は壊滅、家族はどうなったかわからず、ドラえもんは故障。大災害の中、のび太独りぼっちの絶望感。

なぜか地上人代表として裁判にかけられ一方的に責められるジャイアン・スネ夫・しずかちゃんもツラい。
小学生にはあまりにも酷な立ち位置。どうせなら出来杉君を代表にしてほしい。

 

このようなショッキングな描写に加え、天上人と地上人が直接対立するため別惑星の寓話として環境問題を訴えた「アニマル惑星」と違い空気が重くて暗い。
後半「対等に話し合うには武力を使うしかない」と、らしくないことを言うドラえもんにも違和感がある。

よって観終わった後、心に何かずっしり重いものを残して後味が悪い。
これを「深い」と受け取るか、「暗くてドラえもんらしくない」ととるかで評価が別れる。

僕はあまり楽しめなかった。
ドラえもん達キャラの魅力よりメッセージ性が勝ちすぎて、もはや「ドラえもん」じゃなくて良い気がする。

あとタイムパラドックスに関しては今さら何言ってんだろう。
いままでも散々過去改変したけど自分達は変化しなかっただろ。

 

説教くささ:★★★★
ドラえもんのダメージ:★★★★★
評価:79/100

 

ドラえもん のび太とブリキの迷宮:1993年

映画ドラえもん のび太とブリキの迷宮

■あらすじ
のび家に届けられたトランクから不思議な門が飛び出した。門をくぐると、砂浜の先にブリキ人形が出迎えるブリキンホテルがあった。海水浴とスキーを満喫するのび太とドラえもん。しかし、のび太がスキーをしている間にドラえもんが謎の飛行船に砲撃されて捕らえられてしまう。ドラえもんを救うため、のび太たちはチャモチャ星に旅立つ。

 

環境問題を訴える重苦しい雰囲気の前作「雲の王国」とはうってかわり、ド直球の冒険活劇。

今回、異様に道具の出番が少ない。
またしてもドラえもんが故障してしまう。さらに復活しても道具が品切れで、移動手段はボトル便箋の中に入る「絶対安全救命イカダ」しかないという有様。
そろそろ道具に頼らず自分で頑張れってことだろうか。

開幕、放送が終わったテレビがつくホラー展開。
これでタイトルが「迷宮」(ラビリンス)だから、もう大変なことになる予感しかない。

シナリオは冒険活劇だが、全体的に不気味な雰囲気が漂っている。
人間がカプセルに乗せられた姿は、いびつに人体改造されたようなイメージでなんだか怖い。

「日本誕生」以降の、平成に入ってからのドラえもん映画はどこかトラウマ要素を含んでいる気がする。

 

「ああ、僕は日本一不幸な少年だ」と言ってのび太がまた家出。
「日本誕生」「雲の王国」に続き、平成に入ってもう3回目じゃないか。

「お願いだからぁあああぁん」と道具をおねだりするのび太にドラえもんはウンザリ気味。
そしてこれが重要なのだが、「ドラえもん」シリーズのキーになる「ドラえもんが22世紀に帰っちゃう」フラグが登場する。
このフラグと、のび太が夕日を観てたそがれるシーンが入るとこちらは感動せざるを得ない。

のび太とドラえもんの絆が今まで最も強く描かれている作品でもある。

いきなり大砲で攻撃を受けたドラえもんは敵に拉致され、前作以上にボコボコされてしまう。
繰り返し電撃で拷問を受けるドラえもんは観るのもツラい。
「のび太くん、もうひと目会ってから僕壊れたかったよ」って台詞が泣ける。
のび太も「ドラえもんのためなら僕は…」とドラえもんを大事に思っていることがわかる。

 

一方、ジャイアン組はのび太を信じる健気なしずかちゃんを逆立ちで町内一周させようとする。

お前ら正気かよ。俺、もうジャイアンにはついていけないよ。
しずかちゃんも、もうのび太なんてほっとけよな。のび太に関わるとロクなことにならんて。奴隷にされた「ドラビアンナイト」で見に染みただろうに。

でもジャイアンはロケット発射時にのび太をかばったり、「ドラえもんを見捨てられない」と言うから憎めないんだよな~。ほんと映画のジャイアンは卑怯だわ。

そのジャイアン組、中盤からはかつて無いほどの活躍を見せる。
スネ夫なんて敵のトレーラーを奪い、複葉機まで操縦しちゃう。「ここまで来ただけでも上出来だと思ってよ!」

 

このようにレギュラーキャラの魅力が存分に出ているのが秀逸。
しかし話自体は支離滅裂、意味不明である。

ゲストキャラは一緒に戦う仲間を探すためだけにわざわざ島ごと地球にワープしたのだが、それで得たのがたった4人の小学生。費用対効果が悪すぎる。

なぜこの4人が選ばれて、戦う必要があるのかもさっぱりわからない。道具がなければただの小学生やで。
体力が必要そうな迷宮探索のメンバーに、体力が無いのび太・しずかコンビを選んだのも謎だ。

タイトルの「迷宮」要素が薄いのが拍子抜け。本筋とほぼ関係ない。

もう少しブラックな落ちがあるかと思ってたけど最後もあっさり気味。
「いとーまきまき、いとーまきまき」

 

まとめると、
話は薄味だがキャラの魅力が出ており、メッセージ性の強い前作と違い素直に観れるので楽しめた。

のび太とドラえもんの絆がしっかり描かれた初の映画作品という意義も大きい。
「ドラえもんが22世紀に帰っちゃう」フラグは今後も出てくることがありそうだ。

最後に流れる島崎和歌子の歌も明るくていい。
前作のシャキっとしない武田鉄矢テイストが苦手だったので。

 

その他、見どころ
・のび父に敬語を使うのび母。昭和の夫婦っぽい
・タヌキと言われて「僕は怒ったぞー」と怒るドラえもんの仕草が完全にタヌキ
・ロボットの部品で変装してるけど誰が見てもジャイアン・スネ夫。ジャイアンのデベソを再現すな(笑

 

スネ夫の潜在能力:★★★★
ドラえもんのダメージ:★★★★★
評価:91/100

 

ドラえもん のび太と夢幻三剣士:1994年

映画ドラえもん のび太と夢幻三剣士

■あらすじ
のび太は、現実では活躍できないので夢の中に行きたいとドラえもんに懇願。ひみつ道具「気ままに夢見る機」を出してもらう。「夢幻三剣士」の世界に入ったのび太はユミルメ国を救う伝説の剣士ノビタニヤンとして冒険する。

 

今回は夢の世界が舞台。
魔界っぽい舞台は「魔界大冒険(1984年)」以来で久しぶり。

自分の好きな世界を作って活躍する大筋は「パラレル西遊記(1988年)」に近いが、本作は現実に干渉することなく夢世界で完結する。

 

冒険の山場からスタートする今までにないパターンの冒頭、かと思いきや夢オチだった。

「気ままに夢見る機」で、好き勝手な世界で色んなしずかちゃんと良い仲になるのび太。
これ最高の道具じゃね?好きなアイドルだろうが何だろうが思い通りってことだろ。

夢の中でも昼寝をしようとするのび太には笑うが、「夢の中の夢」はエンディングにつながる伏線となっている。

 

「のび太君怒ってる~?」
とのび太の機嫌を1日中気にして、ポケットを手放し本気でのび太の茶番に付き合うことにしたドラえもん。

のび太に対するドラえもんのデレデレがだんだん酷くなってる。のび太に理不尽に怒られても困ってるだけだし。
こんな一人っ子教育ではいつまでたってものび太がダメ男のままだ。

 

夢の中では現実世界ではダメな人ほど立派になるらしい。
僕はどこかで、夢の内容は本心の逆が現れるという話を聞いたことがあるので、この設定はリアルに感じた。

とはいえ夢世界のノビタニアンも精神面はのび太。やる気にならないと普通に弱い。クマに負ける。

 

こうしてファンタジーRPGのような冒険を繰り広げるのだが、どうも謎が残る。スッキリ観れない。

最初はドラえもんに「興ざめするから道具を出すな」と言うのび太は、この世界が夢であることを認識している。
しかしいつの間にか現実の記憶を失い、夢こそ現実だと思いこんでいる。だからドラえもんが道具を出しても魔法だと思っており、道具出し放題。

しっかり観ていたつもりだけど、この夢世界の認識がどこで切り替わったのかを覚えていない。

調べたところ、夢カセット「夢幻三剣士」は他の夢カセットとは違い、単なる夢ではなくいわばパラレル世界に行けるカセットなんだとか。
そんな危険すぎるカセット、未来デパートで普通に売るなよ…。

 

特殊なカセットのせいだと納得した上でも謎は残る。

夢世界の斥候・トリホーは「気ままに夢見る機」起動前に現実世界に現れている。そして現実世界を「始まりの世界」といっている。
つまり夢世界は道具を使う前に存在しており、なんらかの相互関係があるってことだ。

この複雑な話を畳もうした結果が、あの奇妙で後味の悪いエンディング。
山の上に建つ学校は、夢世界の城と重なるイメージ。もう何がなんだかわからない。

「夢から覚めても夢だった」
本作は最初から最後まで、そんな誰もが経験したことがある悪夢だったのだろうか。

F先生は本作を、話を上手く畳めなかった「一種の失敗作」言っているらしいのでこれ以上考えるのはやめておく。

 

上記の謎を含め、総じてよくわからない作品だった。

のび太が理不尽に強くて感情移入しにくい。
最初から剣の凄腕で白銀の剣というレア武器まで持っている。
そこには努力も根性もない。優しいだけ。

現実に干渉しない点は徹底しているから切迫感はなく、夢オチ確定の冒険を延々見せられてもワクワクできない。
その上で夢世界がただの夢なのか、独立した世界なのかが曖昧でどう捉えたらいいのか困る。

夢の世界を救う必要性もわからない。
しずかちゃんが2人いる意味もわからない。(シズカール、シルク)

ノビタニヤンとシズカールが妖霊大帝オドロームにドロドロにされる描写は「ドラえもん」とは思えないグロ。

 

ファンタジーRPGのような冒険は、ドラクエなどTVゲームの影響がありそう。
(ドラクエ5は1992/9/27発売)

夢の中とはいえしずかちゃんと結婚するシーンと、現実(?)でのしずかちゃんのまんざらでもないリアクションがある。
2人の関係が一歩進んだっぽいのは良かった。

 

オドロームの強さ:★★★★
謎が残る度:★★★★★
評価:75/100

 

まとめ

全部観たら全体を通した感想を書きます。







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