サターンには傑作「サターンボンバーマン」がある。
PSには何がある?
ボンバーマンワールドがある!
斜め視点の次世代型ボンバーマン
ボンバーマンワールドとは、プレイステーション(PS)初のボンバーマン。
1998/1/29発売。セガサターン(SS)初「サターンボンバーマン」(サタボン)が1996/7/19に対して1年半遅れの登場です。
サタボンはスーファミ(SFC)の流れを受け継ぐ、ドット絵ボンバーマンとして極限の完成度を追求した傑作。
一方、PSはサタボンとは違う次世代型ボンバーマンを持ってきました。
なんと斜め(風)視点。
視点を斜めにズラしたことで、真上視点より豪華なグラフィックを実現しました。
立体は2面より3面見せた方が立体感が出ます。
立体感が出るとモチーフの情報量が増えて表情豊か=豪華に見える。
キャラ・背景は全てプリレンダCG。
ここでも立体感を強調し、次世代をアピール。
実質2DなのでSSの得意分野という気もするけど、細かいことは気にしない。
PSは3Dに強い!だから斜めだ!プリレンダCGだ!
オープニングとエンディングではCGムービーが挿入されます。
ここもサタボンの手書きアニメと対照的。
斜めにズラしただけでこの遊びづらさ
結論を言います。
視点を斜めにズラしただけで劇的に遊びづらい。
位置関係を把握しにくい
位置関係を把握しにくいため、ブロックの合間に爆弾を置くなどの基本動作すらもたつきます。
斜めに伸びる炎や敵の攻撃判定もわかりずらく、隠れたつもりが体がはみ出てしまう。
プレイ中ずっと、脳内で真上視点に変換している状態です。
頭に余計な負荷がかかってストレスが溜まります。
慣れの問題かもしれません。
ただ、斜め視点ならではの面白さが何も無いので慣れる労力がムダ。
やっていることはいつものボンバーマンです。
ムリヤリ画面に押し込んだ感
ムリヤリ画面に押し込んだ感。
バトルステージが平行四辺形になったせいで左下・右上がカットされています。
さらに、一部のバトルステージに2層構造を導入。
斜め視点と相まって非常に見づらい。
そもそもプリレンダCGはドット絵に比べて背景に溶け込みやすいため、何が起こっているのかわかりずらいです。
1人用モードのボリューム・質が低い
斜め視点の難点を抜きにしても出来が悪いです。
1人用モードのボリュームが少ない。
全5ステージ。1ステージ全5面。
実態は「通常面3面+ボス戦2面」なので、通常面はたったの全15ステージです。
過去作と比べて単調なステージが多く、1ステージの遊びごたえも少ない。
斜め視点に合わせて地形は簡略化され、ギミックも少なめ。
最終ステージまでたいしたひねりもなく、淡々と進みます。
ステージ内のクリスタルを全部取って開く出口に入ればクリア。敵を全滅させる必要はありません。
クリスタルだけ速攻で回収すると数秒でクリアできることも。
元々ステージ数が少ないのに、1つ1つのステージが歯ごたえ無く終わります。
ボス戦にも難点があります。
ボスの行動パターンが卑怯。
長い無敵時間の逃げパターンを連発。特に中ボスの空中逃げは頭にきます。
着地したかと思ったらすぐ飛び上がり、やたらと間をとる攻撃で時間稼ぎ。
特に酷いのがラスボス。
こちらが爆弾を置くだけですぐ空中に飛んで時間稼ぎ。
火力を計算したムダのない動きにワープと空中逃げを併用し、全く隙が無いです。
爆風を当てるのはリモコン爆弾でも至難の業。
リスタートは長ーいボス登場デモから。
このデモが本当に長い。ロード中かと思うほど長い。
そしてボスはまた無敵時間で逃げ続ける。
あまりにもダルいのでプレイが雑になりミス連発→また長いデモからリスタート。
やってられません。
売りの一つに「乗り物」があるけど存在感が薄いです。
ボス戦専用。しかもボス再挑戦時は乗り物無し。
まとめ
斜め視点は新鮮です。
しかし視認性・操作性の犠牲が大きすぎる。
慣れた上で、慣れるまでの労力に見合う恩恵が無い。
グラフィックの雰囲気が変わっただけで、新しいゲーム性や魅力がありません。
1人用モードの、やりごたえがないステージ構成&卑怯なボス。
斜め視点を棚に上げても、ボンバーマンとして出来が悪いです。