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アクション PS4 RPG ニーア オートマタ

ニーア オートマタ【感想/評価】(10)ネタバレ無しレビュー 最高の作品になり得る、記憶に残る名作

投稿日:2018-03-01 更新日:






「ニーアオートマタって何でこんなに評価が高いの?」
と気になる未プレイの方へ向けて、全9回のプレイ記事を作り終えた僕がその感想を踏まえて本作の魅力を紹介します。ネタバレ無しなので安心してご覧ください。



ニーア オートマタってどんなゲーム?

「ニーア オートマタ」は、スクウェア・エニックスがプロデュース、プラチナゲームズ開発のアクションRPG。

「ニーア ゲシュタルト/レプリカント」(2010年発売)の後継作品。
前作に触れていなくても問題なく遊べる内容です。前作未プレイの僕も問題なく楽しめました。
その上で、前作を知っていると嬉しいネタがちらほらある感じです。

舞台は「ゲシュタルト/レプリカント」から数千年後。
異星人の侵略により人類が地球から月へと追われた未来。

地球奪還のために人類側が作ったアンドロイドと、異星人が作った兵器・機械生命体との戦いを描きます。

 

操作キャラはパッケージに描かれている2B、9S、A2の3名。

キャラクター後方からの三人称視点(TPS)アクションが基本です。
その中で、STGになったり真横視点の2Dアクションになったり、場面に合わせた様々な演出が楽しめます。

フィールドはいくつかの箱庭がシームレスにつながった形で、ロードなしで自由に移動可能。

広すぎず狭すぎない、ちょうど良いサイズ感が心地良いです。
このフィールドに沢山のサブクエが配置されており、メインシナリオ以外のボリュームも十分。

 

特徴的なのはマルチエンディング。

エンディングはAからZまでの全26種類。
F~Zはちょっとしたボタンのかけ違いでたどり着いてしまうバッドエンディング。

周回を前提にしたネタもあり、SF作品らしいメタフィクション※が楽しめます。

※メタフィクションとは

作品内の「虚構の世界」に、プレイヤーが存在する「現実の世界」を巻き込む。
=「第四の壁」(観客と舞台を仕切る壁)の打破。
例:デッドプール、古畑任三郎の一人語り、など

 

本作は初週国内売上20万本を記録して以降、「長い間、一定量が売れ続ける」という特異なジワ売れを続け、2019年5月には世界400万本を突破する大ヒットになりました。

プレイヤーから非常に高い評価を受け、何年経っても中古の値段が一向に下がらない名作です。

プレイするなら一切のネタバレ無しで遊ぶのがおすすめ。
といいながら完全ネタバレつきのプレイ日記を作りました。未プレイの方は観ないでください(汗

 

最高の作品になり得ることはわかる

10代の心にズキュンと刺さる

結論からいうと、自分にはあまりハマらない作品でした。

というのも、オタク臭が強い、10代が好きそう※1なノリに引いてしまう。
僕(30代男)には直視しづらい。

詳しく言及するとネタバレになるので控えますが、エヴァっぽい鬱展開※2がふんだんに盛り込まれています。

※1
「10代が好きそう」というのは正しくいうと「今30代の10代の感性」という意味。つまりエヴァを観て育った世代のことを指している。だから実際の10代には響かないかもしれない。

 

※2
エヴァっぽい鬱展開とは

眼の前の任務や感情が動く出来事なんて実はどうでも良くて、背景で鬱不可避な状況が動いている。
闇、不安、絶望が広大な海のように広がっているので、主人公達がどう頑張って泳いでもムダ。何をやっても鬱展開に引き戻されるので虚しい。
そうして必然的に積み重なった鬱を最後にひっくり返し、昇華したカタルシスでプレイヤーの心を刺す。

 

僕も10年以上前に本作と出会っていれば心にズキュンと突き刺さったような気はします。まして10代なら確実に刺さっていたと断言できる。

僕にとってのクロノトリガーやマザー2、AZELのように本作が「最高の作品になり得る」ってことはわかります。

 

メタフィクションネタ

シナリオに盛り込まれた「メタフィクション」ネタは、プレイヤーが操作する「ゲーム」であることを利用しているので小説や映画では味わえない体験ができます。

さらに、メタフィクションの1つである周回 (ループ)要素が本作のテーマ「これは呪いか。それとも罰か。」と見事に関連しているのが秀逸。

1周目は普通に遊ばせて、2周目で裏側を描いて物語に厚みをもたせ、3周目から怒涛の展開となり、最後は他人に語りたくなるような余韻を残してくれます。

緻密に作られたシナリオである一方、物語から逆算したような背景設定に多少の矛盾を感じることがあります。
僕は「ヨルハ計画なんて本当に必要か?」と引っかかりました。

真エンドまで観ても、結局よくわからない部分も多いです。
アダムとイブの存在意義とか、9Sの欲望とか。

 

秀逸なキャラデザ

2Bのキャラデザは本当に素晴らしいと思います。

正直、プレイ前は「眼帯美少女がワンピースで日本刀?これだから和ゲーは…」と思っていました。
でもプレイして印象が一変。なるほど、これは本作に必要なデザインだ。

 

顔の中でもとりわけ重要な眼を、しかも両目を隠していることで妙に想像が膨らむ。2Bのイメージが広がる。

眼を隠せば感情を読み取りづらくなり、キャラの魅力が半減するのが普通でしょう。

でも本作の場合、元々感情が読み取れないアンドロイドだからこそ目隠しの違和感がすっと魅力に変わる。「不気味の谷」が見えないことでその魅力がどこまでも増幅されます。

顔から感情が読み取れない分、台詞や仕草にかいまみえる人間くささが引き立つし、モーションの作り込みも効果的に見える。
だからこそ2Bのワンピース+レオタードや黒一色のシンプルな色味が活きます。

 

例えば、同じように目隠しをした人間の「心眼キャラ」を出してもこれほどの魅力は生まれないはず。

本作のキャラデザは、ただキャッチーなだけでなくアンドロイドをモチーフにした作品と一体となり、作品の魅力を引き上げるデザインとして機能しています。

 

まあこんな話は全て後付けの理屈といえます。
でも2Bから特筆すべき魅力が出ているのはたしか。

あと、2Bのことばかり言ってるけど9S、A2も好きです。

 

気になること

本作はゲーム全体を通した体験が売りなので、個々の要素を取り上げる意味は薄い。
とはいえ、部分部分で見ると気になることはあります。

大ざっぱなアクション

アクションは大ざっぱな感じ。
というのも、

・武器種の性能差を感じない

武器の種類は多いし、ダンスのようなモーションでザクザク斬って、どこでも連続回避でキャンセルできるのは楽しいです。

しかし、どの武器を使ってもザクザク斬るだけでやってることが同じな上、武器種の違いなんぞよりLV補正の影響が圧倒的に大きいことに気づいてアクションを頑張る気がなくなります。
やる気が無くなると、目が悪くなりそうなエフェクトと点滅で疲れます。

 

・敵の攻撃に納得感がない

敵の攻撃に予備動作はあるけど画面が見づらく判定もよくわからないので被弾したときの納得感がありません。よって大味。

 

・敵の種類が少ない

小型、飛行、中型、大型ぐらいの違い。ボスはだいたい玉。

 

大ざっぱな上で、視覚・操作の快適さを犠牲にした演出が入るためコントローラーを投げたくなることもあります。

例えば、真横カメラの横スクロールになる場面ではカメラが引きすぎ。何をやってるのか見えません。しかも敵は全てスルーすればOKというガバ仕様。

これらの難点が重なり、僕は肝心のアクション部分がオマケのように感じたので中盤から「アクション要素多めのRPG」だと思って遊んでいました。

アクション部分だけを期待して遊ぶと、大ざっぱな作りで肩透かしを食うでしょう。

 

わりと簡素なフィールド

フィールドは「リソースに限界がある和ゲーだなー」と感じました。

独特の絵作りは美しいです。
でもすぐオブジェクトが少なくムダにだだっ広いことに気づく。

広い割に特にやることがなく、アンドロイドの高速走りでズガガガガーと駆け抜けるだけ。

一方で、見た目はだだっ広いのに、イヤらしく配置された見えない&見える壁や絶妙に届かない段差により、まるで迷路のような地形になっている場所があります。
簡素なミニマップの情報も少なくてイライラ。

 

そんなフィールドを、お使いイベントで何度も往復したり、地形が途中で変わったりでとことん使い回します。
周回前提のシナリオは、限られた制作リソースを誤魔化す手法としても機能していることを痛感しました。

 

STG(シューティング)要素

STG (シューティング)になる場面が多いです。
オマケ、お楽しみ要素というにはあまりにも多い。

縦、横、奥スクロールと視点をグルグル変えながら頻繁にやらされます。

今の時代、STGは玄人好みのジャンルです。だから相当配慮されており、シンプル&低難度な作り。
しかしその割り切った作りのせいでSTGの面白い部分が何も出ておらず、全く面白くない。

敵のパターンは最初から最後まで変化なし。スコアやアイテムも無し。
凡作STGの1面をずっとやっているような感じです。

その上で、背景と同化して見づらい&謎の当たり判定。さらに斜めにパースがつく演出が入ったりして非常に視認&動かしづらい。

結果、演出の一部として仕方なくやってる感じになり、自分で状況を打破している実感がありません。

 

演出として重要かつ必須の「ハッキング」もSTG。

このハッキングも面白くない。
簡単すぎる消化試合が多く、パターンが限られているので飽きます。頻度も多すぎてテンポが悪い。
それでも敵が硬いから使わざるを得ないのがツラいところ。

作り込まれたシナリオ・演出に対して、STG・ハッキングはあまりにもガバガバな作りで粗く、面白くないです。

 

まとめ:好き嫌い関係なく、やる価値がある

気になる点についても言及しましたが、プレイ体験全体を大きく見れば短所より長所が際立ちます。

・突っ切ったシナリオと演出
・印象的な映像と音楽
・万人を楽しませるアクション、フィールド探索
・こんな攻め方もあったのかと驚くキャラデザ

これらが高いレベルでバランスし、作品に説得力が出ています。
よくある、安いアクションゲーに痛いシナリオを乗せただけの和ゲーとは違う。

 

本作は何かの要素1つがずば抜けているわけではありません。

グラフィックが特別凄いわけでもないし、アクションがめちゃ面白いわけでもない。

でも余計なものを削ぎ落とし、ときにはプレイヤーに不便も強いても一貫した表現を作り上げた。
徹底した作品世界の表現、いわばブランディングの勝利。

色んな大人が集まって作る大型タイトルで、10代みたいなトガッた世界観を徹底できたのが凄いことだと思います。

僕の好みにはいまいちハマらなかったけど、名作というにふさわしい。
記憶を消してもう一度プレイしたい作品のひとつです。

最後までプレイすれば時間を使ったことを後悔しない、記憶に残る作品になる。
演出やシナリオは話のネタにもなるし、やる価値はあります。

なので、まだ本作プレイしたことない方はプレイ動画とか僕のネタバレ記事は見ずに、さっそく買ってプレイしましょう。

色々なゲームをやってなんだかゲームに飽き飽きしている方にもおすすめ。新しい刺激を味わえるかも。

 

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