Bulletstorm Full Clip Edition (輸入版:北米) – PS4
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「バレットストーム?なんか聞いたことあるな。てか昔やったことあるな」
と懐かしくなったのでPS4版をやってみました。
2018年11月にフリープレイになっていたので手元にある人は多そう。
でも、いかにもコテコテB級な雰囲気なので手が出しにくいですよね(笑
元は2011年のゲームで、続編が出ていません。
そのため昔プレイした方も「そういえばそんなタイトルあったなー」って感じでゲームの内容をすっかり忘れているのでは?
そこで、10時間かけてクリアした私ヤギが本作ならではの魅力をざっくり解説します!
本記事を読めば、本作が普通のFPSとどう違うのかわかって頂けるかと。
「Full Clip Edition」の新要素やマルチの話は省略。
とりあえずフルHDになって綺麗です。
バレットストームとは
オープニングからいきなりB級映画ノリのぶっとんだ展開!
全く感情移入できないチームの一員となり、地球と似ている異星で危機的状況からの脱出を目指します。
一本道のレールシューター。
ちょっと古臭くて懐かしい感じです。最近、こういった作品はめっきり減りましたね。
ミニマップはありませんが、一本道なので迷いません。サクサク進めます。
常に相方が同行して指示してくれるので、ついていくだけでOK。
相方は戦闘中も無敵なのでオトリになってくれるから頼もしいです。でも見た目が敵より敵っぽいので紛らわしい(笑
自然物から人工物まで、ありとあらゆるものが詰め込まれた広大な景色。
乗り物に乗って機銃で迎撃するとか、FPSでおなじみのシチュエーションが一通り揃っています。
爽快感全振りのバカFPS
ひたすら敵のラッシュ、ラッシュの繰り返し。
メリハリとかそんなもん投げ捨てた「爽快感全振りのバカFPS」といえる作りです。
基本アクションは、
・ムチ (エナジー・リーシュ)
・キック
・スライディング
この3種類が使えます。
何が凄いって、これらのアクションには消費エネルギーやクールタイムがありません。使い放題。
それにしては強力すぎます。
具体的には
・ムチ:射撃でも遠いような場所に隠れている敵を引き釣りだし自由を奪う
・キック:近接戦闘で一方的に敵を蹴飛ばす。リロードの隙をカバー
・スライディング:FPSの常識を覆すほどのスピードと持続時間。キックで怯まない敵の足元をすくう
これらを組み合わせると、
「敵をムチで引き寄せ、スライディングやキックでふっ飛ばし、それをまたムチで引き寄せる」
みたいなやりたい放題が可能。
テキトーにスライディング&蹴り飛ばすだけで無双状態です。
自分が「アクションゲーム上手い人」のような気になるので、僕のような温厚な人間でもオラオラ!と熱くなりますよ。
組み合わせるといってもトリッキーで難しい操作は必要ありません。
なんかしらのアクションでふっ飛ばすとスローになるので誰でもミラクルなプレイができます。
ゲームが進むと耐性を持つ敵が増えるので基本アクションは通用しにくくなりますが、それでもやはり強いものは強い。
武器の種類は様々。
基本のアサルトライフルからグレネードランチャー、スナイパーライフル、ドリルミサイルなど。
どこかバカっぽい武器が揃います。
本作においては、スナイパーライフルもただのスナイパーではありません。
発射後なぜかスローになり、この間に弾道を変えられます。
敵も近づいてくる弾に気づいて回避行動をとるので、謎の追いかけっこになるのが笑う。
さらに、各武器にはチャージショットという必殺技があります。
これが強力で、武器強化すれば10発以上撃つことが可能。
色々な武器があって目移りしますが、楽にクリアするなら
・スナイパー
・グレラン
の2つだけ強化すればOK。
特にグレランが強い!
チャージショットは、跳ねるたびに爆発する異様に持続が長いボム。
こちらに押し寄せるタイプのラッシュなら一発撃つだけでクリアできるぐらい強力。
スナイパーは一瞬で一方的に攻撃できるので難しいラッシュに対する切り札になります。
このように攻撃面が強力な一方、防御面は脆い。
ボーっとしてるとあっという間に死にます。
カバーアクションや回復アイテムがありません。
瀕死になると「身を隠せ」というメッセージが出るのですが、開所ばかりで隠れる場所なんて無いじゃないか(笑
本作は攻撃特化型FPS。
カバーで隠れたり逃げ回るゲームではありません。とにかくやられる前にやるべし!
もうこの恐竜さえいれば無敵じゃね!?
と思わせる、ラジコン巨大恐竜ロボを操作するシーンが爽快。敵を片っ端から蹂躙してくれます。
ただ、ここは隠れる場所が少なく、ドローンに攻撃を当てるのが難しいので何回も死にました。
恐竜の足元にいれば攻撃を食らわないことに気づいてようやくクリア。
ポイント稼ぎが楽しい「スキルショット」システム
本作の最も重要なシステムが「スキルショット」によるポイント稼ぎ。
トリックショットを決めるとポイントを獲得。
貯まったポイントは弾購入や武器の改造費に使います。
周囲の環境も利用して、いかに魅せる倒し方をするかが重要。
本作において、過酷な状況で生き残るなんて目的はもはや二の次。
マップには色んな仕掛けが用意されており、幅広いプレイの可能性を感じさせます。
こんな場所でヘッドショットなんてやってる場合ではありません!
せっかくなのでもっとバカなキルを目指しましょう。
例えば
・股間や尻を撃つ
・サボテンに蹴り飛ばす
・爆弾撃ち込んで複数を吹っ飛ばしトゲ壁に突き刺す
など、バカっぽいほど高評価になります。
普通に倒すと10ポイントですが、地形ギミックを使えば100。さらにレアな倒し方をすれば500以上ゲット。
魅せるプレイといっても、テキトーにやってるだけでも何かしらのトリックショットになるので上手くプレイしている気分になれます。
ただ、同じスキルショットを使い続けるワンパターンではもらえるポイントがだんだん減ります。
そのため、色んな武器・スキルショットにチャンレジしたくなるという上手い仕組み。
複数の敵を一気に倒すと画面が変なフレーズだらけになり大量のポイント獲得。
意味はわからないけど気持ちいい!
スキルショットの名称がいちいちバカっぽいのが良いですね。
難点
ここまで語ってきたように楽しい作品ですが、一般的には良作扱いされていません。それにはもちろん理由があります。
以下、気になった点を解説。
中盤から大失速
目まぐるしく変わる景色の中、ハイテンションで突っ切るのが楽しいノリも中盤から失速。
「進むたびに変化があって面白い」みたいなレビューをしている方は、たぶん前半しかプレイしていません。
景色が豪華なのは前半だけ。中盤からは同じエリアをグルグル周ってるような印象。
てか実際にグルグルしているのかもしれません。もはやよくわからない。
廃墟と化したビル内を進んだり戻ったり。
景色がずっと同じなので、ゲーム再開したとき「セーブ失敗してチャプター戻ったのか?」と不安になったほどです。
敵ラッシュも同じパターンの繰り返し。
敵のバリエーションが少なすぎます。ガリガリとデブしかいないじゃないか。
レベルデザインも雑で、前半から終盤まで難易度にほとんど変化なし。
なので前半で苦戦した方も安心してください、これ以上難しくならないので。むしろ装備が充実して簡単になりますよ。
延々と同じようなラッシュの繰り返しになるので、色んなキルが楽しめるといってもさすがに飽きます。
武器強化はチャージショット解放・強化だけ。改造する面白味が無い。
そのため、ポイント稼ぎは楽しいけど使い道が少ないのでポイントを稼ぐモチベーションが湧きません。
よほどムダ使いしない限りポイントが余るので、後半は「あとはグレランとスナイパーの弾だけ買ってさっさとクリアするか」みたいな感じになってしまうのが残念。
ポイント稼ぎプレイが楽しいだけに、スキルショットと武器強化システムが噛み合っていないのは非常にもったいないと感じました。
総じて、
前半の怒涛の展開とポイント稼ぎの面白さが中盤から大失速。
クリアに10時間ぐらいかかるボリュームですが、半分でちょうど良いと思いました。
CEROの手抜き規制が致命的
最後に、ゲームに罪はない難点について。
PSストアのDL版はCERO:D判定。
なので、PS3版と同じく敵の出血やゴア表現は全カット。
しかも「暗転ドーン」並の手抜き規制。
踏み潰された敵が消える(笑
この規制が致命的に爽快感を削いでいます。
というのも、敵をいかに派手に倒すかがこのゲームの肝。
血が吹き出る、手足が吹っ飛ぶといった描写が前提のゲームデザインなんです。
だから表現規制が厳しい国内版では魅力半減。
大人が買ってるんですよ、30歳過ぎた大人が。
なんで表現を規制されにゃならんのですか。
CEROが滅びるべきなのは当然として、
「規制で作品を貶めるローカライズなんてやめちまえ」
と言いたいです。
潔く国内版を諦めた「Dead Space」を見習え!
本作をちゃんと楽しみたい方は北米版を買いましょう。
ストーリーなんてあってないようなものなので英語で全然OKです。
まとめ
バカなポイント稼ぎが楽しい爽快感全振りのFPS。
中盤からの水増しと粗い作りが目立って失速しますが、一度体験してみて損はない作品。
ただ、規制された国内版なら500円以上は出したくないですね。
ちなみに、クリアするまでに4回フリーズしました。バグ多いです。
本作のようにシングルプレイがメインで爽快感があるFPSといえば「DOOM(2016)」が思い浮かびます。
DOOMは、
・広いエリアのラン&ガンで幅広い立ち回りができる
・地形・ギミックが活かされており最後までその変化が楽しめる
これに比べると本作は粗いです。
広くない一本道でメリハリなくやってくる敵を蹴散らすだけ。
良作を求めているならDOOMの方がおすすめです。