「ラスアズ」のようにガチガチに作り込まれたゲームをやると、反動で「無双」「ガンブレ」のように粗いというかカジュアルなゲームやりたくなる。
カジュアル系で未プレイの作品を求めて出会ったのが本作。ドラゴンボールゲーは「スパキンメテオ」以来。
ドラゴンボール ゼノバース2とは
3D空間で複数のキャラが入り乱れて戦う対戦アクション。
戦闘中に使える必殺技・超必・カプセルがそれぞれ4種。できることが多くて複雑そうだが、操作自体は非常に簡単。□連打で勝手に追撃してくれるので片手(指一本)で戦える。
主人公はオリジナルキャラ。
人間、サイヤ人、フリーザ族、魔人、ナメック星人から選択。
サブクエスト扱いの「パラレルクエスト」では主人公以外の原作キャラも使える。やり込めば原作キャラもカスタマイズ可能。
ドラゴンボール世界のあらゆる要素を詰め込み凝縮した「コントン都」が舞台。
広大な箱庭マップに盛り沢山のキャラや店を配置。ここを自由に移動できる。
キャラはただのオブジェクトではなく、弟子にしてもらうとかアイテムが貰えるなどイベントつき。技やコスチュームも豊富。物量は間違いなく歴代ドラゴンボールゲーNO.1。
ちなみに、ゲーム開始からしばらく舞空術が使えない。□でフロートに乗れるがどっちにしろめちゃ遅いので移動に苦労する。
謎の敵が時空を超えてドラゴンボール世界の歴史に介入する。それに対抗して主人公達もタイムパトロールとして時空を超えて戦いを繰り広げる、的なストーリー。
スパキンメテオの方が良くね?
グレーで白ボケたグラフィック
なんだかグレーで白ボケた画面。
最初、画面調整を間違えたか、モニタの故障かと思ったほど。
エフェクトはせっかく綺麗なのに、鮮やかさが無い。コントラストが低くてキャラも見づらいし、複数キャラが入り乱れるとなおさら誰が何をやってるのかさっぱりわからない。
なにより、色味がドラゴンボールらしくない。
白ボケた画作りは次世代機感を演出するためだけの無理矢理なアレンジだと思う。トゥーンレンダリングをつけたり取ったり、といったアレンジは「ガンダム無双3→真」など他のキャラゲーでもよく見る「新作でグラフィックが進化した感」を出す手法。
結局、ドラゴンボールらしさは「スパキンメテオ」が一番だったと思う。
グレー調のフィルタやテカテカな陰影処理でモデルの造形を誤魔化しているようにも見える。服のシワがマシュマロマンみたい。
布のしなやかな感じでもなければ、「スパキンメテオ」のように原作の画風を再現した感じでもない。
それにしてもグレーだ……
質感がメタリック。みんなゴールデンフリーザよりテカテカしてる。
スーパーサイヤ人の金髪って、こんなリアル金だったか?これは金の延棒の金。金属の金。
原作は、特にスーパーサイヤ人初登場時の金髪なんてフワフワだったし、その後どんどん造形はとんがっていくけどこんなメタリックな質感ではなかった。
全体的に画作りが変な方向に向かってる。
単調な戦闘
どうカスタマイズしても結局やることが変わらないのがツラい。
カスタムは大きく分けて近接特化か気弾特化の2種類のみ。どっちにしろ□連打から必殺技で締めるだけ。
例えるなら、□~△でお手玉する「無双ゲー」の武将戦だけやってるような感じ。
本当は「最強キャラ育成 最強技はコレ!」みたいな攻略記事を作ろうと思って買ったけど、プレイしてすぐ諦めた。
だってこのゲーム、攻略すること無いやん。
敵の攻撃は気力があれば何でも防げるし、無いと防げない。大味。
強敵は気力ゲージが長いからカウンター連発でイライラ。ステータスとカプセルの体力回復ゴリ押し。大味。
複数戦が前提なので100%楽しむにはオンライン必須。だが現在は過疎っている。
共闘できないから代わりにCPUを出すけど、まるで活躍しない。仲間の復活などオフラインでは機能しにくいシステムも多数。
特にエキスパートミッションの「洗脳攻撃」「超特大気弾「離散攻撃」「邪悪な結晶」はオフでは面倒なだけの仕掛けなのでやってられない。
せっかくだから効率を求めず色々な技を使って楽しめば良いのかもしれない。しかしアクション自体に飽きたら効率を求めたくなる。飽きる時間は人それぞれだろうけど、自分は開始30分ぐらいで飽きた。
カジュアルな複数戦は「ゼノバース」、
テクいガチ対戦は2D格闘ゲームの「ファイターズ」、という棲み分けなんだろう。
たしかに、変に小難しい操作だった「スパキンメテオ」に比べるとすっきりしたシステムなので遊びやすい。しかし、少なくともオフラインではやりがいが無いし大味。
デスビームがおすすめ。3連射で高火力。
……これぐらいしか言うことがない。
凄まじい水増し
安定のバンナム製キャラゲー。
もうプレイ開始30分で「ああ、やっぱりこの感じね」と気づく水増しっぷり。
メインクエストの他に、「先生クエスト」とか「パラレルクエスト」があり、メインだけ進めるとレベルが足りないから合間に他をこなしていく感じ。
メインクエストの原作再現については、今まで散々焼き直されてるのでダイジェストで駆け抜けるテキトーな感じになるのは仕方ないところ。
しかし、原作そっちのけで大胆な歴史改変が入るのでもうなにがなんだかわからない。原作の展開と並行してプレイヤーキャラはメタルクウラ20体と戦ったり、脈絡なくターレスが出てきたり、めちゃくちゃな構成。
ゲームバランスも粗い。
ザコは防御もしないからボタン連打の作業。一方、ボスクラスは硬いし、何をやっても気力ゲージ使用で返されるし、超必1撃でこちらの体力は半分減る。ザコはサクサク倒させて、ボスを倒すためのレベル上げ作業でプレイ時間稼ぎ。製作者の意図が見えて萎える。
パラレルクエストは倒しても倒しても敵の乱入が続く、終わりが見えない戦い。「いつまで続くんだ……」とウンザリしてくる。
とにかく硬い敵、終わらない乱入……ん?
これ、「ガンブレ3」と同じじゃね?
あのプレイ時間水増し仕様がドラゴンボールゲーでも炸裂。
これからバンナム製キャラゲーを買うときは「敵が硬い&乱入の繰り返し」になっていることを前提にする必要がある。
一方、「スパキンメテオ」のストーリーモードは2時間で終わる。ステージ中の縛りもキツい。それでも個人的には「単調な戦闘×水増し」よりマシだと思う。
パラレルクエストはフィールド移動が面倒くさい。移動するたびロードが入る。移動してもやることは同じ。一体なんのためのシステムなのかわからない。
乱入やイベント演出はスキップ不可。コンボ中でも戦闘を中断するのでテンポが悪い。
萎えながらも頑張ってクリア。寄り道少なめで10時間。
長―いスタッフロールはスキップ不可。
まったく人をイライラさせるのがうまい奴らだ…
まとめ
ドラゴンボールの要素をいったんバラして、強引に組み上げたような感じ。
要素は散りばめられているものの、全体としてドラゴンボールらしさを感じない。なんだか普通の3Dアクションゲーム。
その点、「スパキンメテオ」はドラゴンボールゲーとして仕上がってたなーと、つい思い出してしまう。
とはいえ、ハクスラ的なやり込み要素で長く遊べる作り。「めちゃめちゃ面白い!」ってものではないけど、それなりに面白いのでヒマな時間は潰せる。やることないときに遊ぶには良いんじゃないだろうか。
ただ、30歳過ぎたら「それなり」の面白さに時間を費やすのがツラくなる。時間を費やす可能性が低い分、「それなり」よりは全然面白くないゲームの方がマシというか。
だから自分は主人公LV70あたりでプレイ終了。
(けっこうやってる)
ドラゴンボールゲーの1つの到達点
「ドラゴンボールZ スパーキングメテオ」