どうも!寺田克也ファンのヤギです。
突然ですが
「寺克デザインの美麗グラフィックでRPG要素のある横スクロールSTG」
という夢のようなゲームが存在するのをご存知でしょうか。
それがソルディバイド。
その魅力を紹介しながら「なぜ良作扱いされておらず有名でもないのか」という疑問にも迫っていきます。
ソルディバイドとは
ソルディバイドとは彩京の横スクロールアクションSTG。
STGとしては珍しい「剣と魔法の王道ファンタジー」な世界観が特徴。
近接攻撃がメインなのでアクション要素が強く、ジャンルは「アクションSTG」となっています。
家庭用ではローグライクRPGのような「クエストモード」追加。
その仕様については後で詳しく解説します。
絵の美しさが圧倒的!
プリレンダCGモデルをベースに緻密に描き込まれた2Dグラフィック。
街並み、石造りの城など背景を見ているだけでも楽しい。
敵のアニメーションも凝っており、ドラゴンや巨大蛇のうねうねガシガシと滑らかに動きます。
美しい反面、自分キャラの食らい判定がわかりにくいですが、後述するように「避ける」ゲームではないので問題なし。
このグラフィックを味わうだけでも一度はプレイする価値あり。
キャラデザインはあの寺田克也氏。
寺活ファンとしては外せない作品です。
エンディングでも寺克の絵が見れます。これは嬉しい。
ここまでの頑張りが報われた気がします。
システムは
・ライフ制
・「斬り」と魔法
・アイテム
の3つが大きな特徴。
以下、詳しく解説します。
残機制ではなく体力ゲージのライフ制。
ライフが0になるとゲームオーバーです。
操作は
・ショット連射
・斬る
・魔法発動
・魔法選択
の4ボタン。
初期設定では操作しずらいので、キーコンフィグで変えた方がいいかも。
敵を倒すと以下のようなアイテムが出ます。
・Pカード:ショットレベル上昇
・回復薬(小・大):HP回復
・薬草:最大HPアップ
・魔法薬:MP回復
・魔法書:魔法を習得
3人のキャラから選択します。
・暗黒騎士 ヴォーグ
斬り攻撃が強く、ショットが弱い。
・有翼戦士 カシュオン
リーチの長い斬り、けっこう強いショット、早い移動で扱いやすい。
魔法が弱く、食らい判定が大きいので防御面に不安あり。
・大魔導師 ティオラ
強力なショットと魔法を持ち、当たり判定が小さい。
移動が遅く、斬り攻撃が弱いので寄られない立ち回りが重要。
普通のSTGと違い、ショットより斬り攻撃・魔法に重点が置かれています。
これが「アクション要素が強い」といわれる要因。
ショット威力は全キャラ低めなので、ショット最強のティオラでもショットだけで攻略するのは難しいです。
「斬り攻撃」
隙が大きい分、高威力。
ライフ制なので多少の被弾は致命傷になりません。途中で回復アイテムが出るので多少のミスは挽回可能。
また、敵に接触しても押し戻されるだけでダメージはないので接近戦の機会は多いです。
敵は弾を撃つ前に呪文詠唱のモーションを取ります。
これを斬りでキャンセルできるので思い切って接近した方が安全。
複数の敵に弾撃たれたら回避困難、ボス戦もショット撃ってる場合じゃない。離れたら回避困難な攻撃が飛んでくるだけです。
やられる前に斬るべし!
「魔法」
無敵・敵弾消し効果があるので「ボム」のように使います。
MPゲージ消費。MPゲージは敵を攻撃、魔法薬アイテムを取ると増加。
ボスには弱点魔法があるので、合わせて魔法を使うとボス戦が楽になります。
この接近戦・魔法を使いこなすのが攻略のポイントなのでアクション要素が強いです。
弾避けを楽しむ普通のシューティングとは一味違うプレイが楽しめます。
反面、彩京STGを期待したプレイヤーには受けが悪かったのだとか。
8ステージ×2周。
2周目は各種デモがカットされたエクストラステージ扱い。
7、8面はさすがに難しいです。
厳しい連戦なのにコンティニューは最初から。
7面ボスの弾幕がキツい!
攻撃を食らうと怯む上、無敵時間が短いため連続攻撃を食らうとハマって大惨事になります。
ここまで必死で保ってきた体力が溶ける溶ける。
8面は3段変身ボスの後にラスボス戦。
もちろんコンティニューは最初から。
必死に斬りキャンセルで攻撃を止めながら削り続ける感じなので、クリアしても達成感より疲れが残りました。
惜しい作品
こんなに綺麗なグラフィックで良作っぽいのに、なぜ良作扱いされていないのか気になりますよね。
遊んでみるとわかりますがグラフィック以外は粗い。
遊べる要素が無いので物足りなく感じます。一言でいえば「惜しい」作品。
ボスまでの道中が短い。
ラッシュが数回来るだけであっという間に終わります。
「シューティングとアクション要素、どちらの味付けが強いのか」なんて考えるヒマも無いほど。
せっかく魅力的な世界観を楽しむにもボリュームが足りません。
斬りと魔法を活用するゲーム性は大味。
4段斬りでスコアが倍増するシステムがありますが、スコアアタックするほど遊びがいがないのでガチでやるなら他の作品の方が良いように感じます。
・シューティング、アクション、RPG
・本格ファンタジーな世界観、描き込まれた緻密なグラフィック
これだけの要素を盛り込んだ意欲作ですが、他のSTGに比べて地味でボリューム不足。
カジュアルに遊べば大味に感じてしまう。
結果、「惜しい作品」止まりという感じです。
「クエストモード」も惜しい
家庭用のローグライク風モード。
キャラを強化しながら全17階面に挑みます。
アイテムや敵ラッシュはランダム。死ぬと最初に戻されます。
魔法は本編のゲージ制と違い、アイテムによるストック型。
帰還呪文を使うとステータス・アイテムを引き継いで最初から再挑戦できるし、真でもレベルはそのままなので周回すれば強くなる仕組みです。
これだけ見ると
「クエストモードがボリューム不足だった本編を補い、本格ファンタジーな世界観を存分に楽しめる」
ように思うじゃないですか。
しかし、やはり粗く「惜しい」仕上がり。
突貫工事、付け焼き刃な感が否めません。
まだアーケードモードの方が楽しいです。
というのも、
ステージはひたすら使い回された全17面。
同じような背景に同じようなラッシュの繰り返しと本編で見た数種類のボス。これではさすがに飽きます。
レアアイテムとかがあるわけでもないので収集要素も薄い。
後半は敵の攻撃力・防御力ゴリ押しでしんどい。
近接1発食らうだけで3割ぐらい減ります。これは回復小アイテム1個分。自キャラを強化しないと攻略はまあムリです。
また出現アイテムのバランスが悪く、なぜか後半ほどロクなアイテムが出ません。
金鍵が5個たまったり、スロウ魔法ばかり出たり。こんなのどこで使うねん!と言いたくなります。
たぶん何度も帰還させるためにレートを操作していますね。
ローグライクとかトレハンゲーってサクサクと自分のペースで進めるから楽しいんです。
対して本作は遅いスクロールの中、敵が単調に出てくるだけ。そりゃダルい。
強制スクロールと相性悪い気がします。
いっそマリオみたいな横スクロールアクションにした方が良かったのでは。
やはり「悪魔城ドラキュラ」がこれ系の完成形だと感じます。
10階から帰還し、周回したキャラで挑みましたが11階で力尽きました。
どの辺までレベル上げたらクリアできるのかわかりません。
たぶん育成したティオラでショットだけ撃っておくのが一番楽。
敵の攻撃力高すぎて近寄るのが危ないし、近接に強い相手もいるので。
最初から家庭用として作っていればもっと作り込めたのでは…と考えるとやはり惜しい出来です。
とはいえトレハンゲーのようなシステムなので中毒性は高い。
ゲームには飽きているので死んだ魚の眼になりつつ、2時間ぐらい遊んじゃいます。
まとめ
「シューティングゲームにRPG要素を組み合わせる」
そんな、ゲーマーが一度は考えた仕様を実現。
その方向性と美しいグラフィックは唯一無二でキラリと光りますが、大味に感じるゲーム性とボリューム不足が物足りないです。
家庭用移植版で追加されたクエストモードには可能性を感じます。
しかし使い回しと単調なラッシュで飽きる。
最初から家庭用として作り込んでいれば…とやはり「惜しい」印象です。
とはいえ、
・ストイックな寺克ワールド
・「斬り」による新しい接近戦メインのゲーム性
・STGとしては易しめの難易度
・中毒性のあるクエストモード
以上によりレトロゲーで休日を潰したい方には最適な作品。
安い中古を見つけたらぜひ遊んでみてください!