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サイバードール【感想/評価】ダーク&ハードボイルドなサイバーパンクRPG

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サイバードールとは

ダーク&ハードボイルドなサイバーパンク

サイバードールとは、サイバーパンクな世界観が特徴のRPG。

「サイバーパンク」を大まかに説明すると、

・肉体・意識を機械的に拡張する
・それにより個人や集団がより大きな構造に取り込まれていく

つまり、サイボーグやインターネットを題材にしたSF作品。
「ブレードランナー」「攻殻機動隊」が有名ですね。

スマホやネットが当たり前になった今では「これはサイバーパンクだ」と言及する必要が無いほど普遍化したジャンルです。

 

そんなサイバーパンクを、黎明期である80年代のダーク&ハードボイルドなテイストで描き切るのが本作。

RPGなのに操作するのはサイボーグの主人公1人のみ。
荒廃した世界で、ときには薬物に逃避しながら復讐を目指します。

その独特な空気を感じるために、まずはあらすじをご覧ください。

 

■あらすじ

A.D.1997、人類はAIDSを克服した。
しかしA.D.1999、ノストラダムスの予言が的中するかのように新種の病が蔓延する。

その病とは「筋弛緩症 (Musculer Loosening Disease:MLD) 」。
MLD感染者は筋肉が委縮し植物人間になるという。

 

A.D.2002、MLDに対抗するため感染者をサイボーグ化する
「人間機械化計画 (Human Mechanical Project:HMP)」
が提唱された。

ところが、HMPはMLD対策を超えて不老不死を実現できると考えた人々は、本来の目的から外れてサイボーグ化を進める。

計画責任者Dr.ライリウスの死後、後のHMPはDrの脳を移植したコンピュータ「MARIA」に委ねられた。

 

A.D.2034、HMPが40%台を越えるとMLDは突然消え始め3年間で消滅。
HMPは中止、人々は生身の肉体を取り戻そうとしていた。

しかしA.D.2039、突如現れた機械生命体「闇の来訪者 (Dark Visitor:DV)」が人類を襲う。

HMP中止の後、都市管理を担っていたMARIAは「対DV用特殊部隊:DEBUGGER」を結成。

そして今、DEBUGGERへの入隊を済ませた1人の男がいた。

ね、独特でしょ?(笑)

ローカライズに失敗した洋ゲーに見えますが日本製です。

 

スーファミ時代に逆戻りしたような古臭いドット絵ながら、これはこれで良い雰囲気が出ています。
ロックな戦闘BGMも秀逸。

サイバーパンクって「うわぁ」と引くようなグロさがあるイメージですが、本作は一周回ってグロくないです。
相手はサイボーグというよりただのモンスター。倒してもボコォと壊れるだけ。

全年齢向けの健全なRPGです!(?)

 

ゲームの流れ

16章の構成。
章ごとに舞台が変わります。

ストーリーにはあまり期待しない方がいいかと。

最初から最後まで起伏が無いおつかいミッションが続き、終盤に急展開。
苦労してたどり着いたラスボス戦は負けイベント、エンディングは投げっぱなしで消化不良。

ストーリーでやる気を引っ張るというより世界観にひたるゲームです。

 

各章のパターンは下記のどちらか。

・町エリアで情報収集
・いきなりダンジョンから始まる

最後に待ち構えるボスを倒すと次の章へ。

舞台が変わるといっても、実は2つの町と代わり映えしないダンジョンのみ。
ワールドマップも無いコンパクトな作り。

しかも決められたエリアから出れないし、最初から最後まで同じエリアの使い回し。
なので閉塞感が強いです。でもこの閉塞感は作品にマッチしています。

無理やり例えるなら、サガフロンティアのレッド編。

 

進行フラグはほぼノーヒントなので町を総当たりで調べ回ります。

この町エリアがやたら広くて迷いやすく移動距離が長い。
しかもランダムエンカウントでなかなか進めません。

プレイ時間の約半分は街で右往左往することになります。

 

建物の外見も紛らわしいため、何回も探索したのに全く全体像がつかめない。
僕も色々なゲームやってきましたが、こんな街マップは初めて。

どうせ何回も来るので、手書きでマップを作ると良いかもしれません。

 

戦闘システム

戦闘画面は横スクロールアクションっぽいですが、アクション要素はありません。

リアルタイム制でもなくコマンド式。
横画面は本作において重要な「距離」(画面下)を表現しています。

 

RPGといえばパーティーを組んで行動するのが普通ですが、本作は最後まで主人公1人。
仲間キャラのかわりに、自分の各パーツがそれぞれ独立したHPと機能を持っています。

敵と自分は5ヵ所の部位(頭・身体・右腕・左腕・脚)があり、頭か身体を破壊すれば撃破。
敵をボコォと破壊するのはなかなか爽快です。

 

各部位には機能があり、壊れると

左腕:武器が使えない
右腕:パンチ、サポートウェポンが使えない
脚:移動できない

とデメリットを負います。
そのせいでけっこう簡単に詰むのが恐いところ。例えば

・ボスの攻撃が頭に集中して開幕壊される→終了
・遠距離武器を持っていないときに遠距離で脚壊される→詰み
・左腕壊れて攻撃力激減→ほぼ詰み

しかも頭・脚の耐久値が低くてすぐ壊れます。強化不足だとザコの攻撃1発で終わることも。

理不尽に詰んでコントローラーぶん投げ、いったん頭を冷やしてから拾ってプレイ再開。
そんな、やみつきになるスリルが味わえます。

 

育成システムも普通のRPGとは一味違います。

レベルの概念はありません。
敵を倒すと、破壊してない部位のパーツをランダムで2つ入手。
そのパーツに換装して自キャラを強化します。

一見、特殊なシステムに見えますが、実際やってることはレベル上げと変わりません。

メンテ屋がワンボタンで最適状態に組み替えてくれます。簡単なのですんなり馴染めるはず。

パーツコンプとかは趣味の領域なのでテキトーでOK。
どうせ次の章に進めばもっと良いパーツが出ます。

敵を倒して得たパーツで強化を繰り返すのは単純に楽しいです。

 

武器は「距離3種類×特性3種類」の全9カテゴリー。

距離は「ロング・ミドル・ショート」の3つ。
武器によって攻撃できる距離が違います。
近距離1本あればだいたい事足りますが、たまに詰むことがあるのでやはり3種揃えたいところ。

特性は「ピンポイント/各部位ランダム/全体攻撃」
使いこむとそのタイプの熟練度アップ。

 

武器は色々な種類があります。
僕のお気に入りはショットガン (ショート・全体攻撃)。

ショート距離で戦うのが手っ取り早く、この距離は敵の攻撃もわりと弱い。
全体攻撃は合計ダメージがケタ違い。中でもショットガンは命中率が高いので重宝します。
ボスも全体的に削るのが有効。

全体攻撃のデメリットは、全体をぶっ壊すためパーツが入手しづらいこと。
しかし実際のところ、耐久値の低い頭が先に壊れやすいので問題なく入手できます。

一応、トドメ用の「ショート・ピンポイント」武器も持っておけば効率よくパーツを稼げます。

 

難点

ここまで語ってきたように魅力的な要素を持つ作品です。
しかし長所を打ち消し、足を引っ張る部分が多すぎます。

 

戦闘のテンポが悪すぎる!

戦闘のテンポが悪すぎる!
とにかく間延びして長引きます。

ロード待ちのような長い間と、もっさりしたアニメーションをじっくり堪能することに。

敵2体が2回行動で、1ターンに同じモーションを4回見せられることもあります。
5秒×4で20秒間、相手の攻撃をぼーっと眺めるだけ。

敵が硬いので1体倒すのに最低3ターンはかかります。
つまり全体の時間を合計すると…モーションカット機能がほしい!

例えるなら毎ターン、スパロボの戦闘シーンを見せられるようなもの(F以前の)。
このテンポに耐えられる人はそうはいないかと。

クモみたいな敵が垂れ下がる間抜けな動きを3回連続で見せられたときは心折れそうになりました。

 

しかも最初から最後まで敵・自キャラのパワーバランスが変わりません。
できることも増えないため、ゲーム開始から最後までずっと同じことの繰り返し。

自分が1回しか行動できない上に単体攻撃しか無いため、普通のRPGのように「面倒くさいから全体魔法で速攻」とかムリ。ザコと毎回じっくり付き合うハメになります。

 

ダンジョンはともかく、街中のランダムエンカウントはダルい。

少ないエリアを使い回し、プレイ時間を稼ぐようなエンカウント率の高さ。
道がやたら広いためになかなか先に進めません。
せめて安全・危険エリアを分けてほしかった。

「長引く戦闘&街中でも容赦ないランダムエンカウント」により、フラグ立てだけなら1章5分で終わるようなボリュームなのに1章90分ぐらいかかります。
そのプレイ時間のほとんどは「戦闘を眺める」時間。

ネットの攻略情報が無ければ、僕は間違いなく投げてました。

 

テキスト、UIが見づらい!

テキストの読みづらさが史上最強クラス。

専門用語、アルファベット、カタカナが入り混じってわけがわかりません。
独特のポエティックな雰囲気は出ていますが、視認性を犠牲にしすぎ。

繰り返しになりますが、このゲームは日本製です。
ローカライズの失敗ではありません。

 

UI(ユーザーインターフェース)デザインも見づらい。

ステータス表記が何から何まで見づらい。
武器屋のずらりと並んだラインナップを見てもどれが良いのかピンときません。

銃の種類毎に弾薬(マガジン)があるのも無駄にややこしい。
そんなに消耗しないし安いから、わざわざ買わせる意味がわかりません。

 

このゲーム、実は遊びやすいんです。

複数キャラを管理しなくて良いし、パーツ換装でシンプルにキャラを強化できる。

戦闘も、限られた行動の中で「移動、武器の使い分け、命中率、バフ・デバフ」によりリスクリターンを考えるのがシンプルで楽しい。

それだけに、見づらいデザインで無駄にハードルを上げているのが惜しい。
「もっとわかりやすくUIにしてくれたらなー」ともったいない気がします。

 

顔グラフィックが無い

顔グラフィックが無い!

そのせいで最後までキャラの顔がイメージできませんでした。
例えるなら「挿し絵が無いラノベ」。

会話シーンで拡大した全身ドット絵を見せられても困ります。
これでは感情移入できません。
このドット絵ではただのクラウドじゃないですか。

主要キャラの顔グラフィックぐらい作ってほしかったです。
世界観の広がりが全然違うものになるはず。

 

まとめ:長所を台無しにする仕様が惜しい

エンディングはどう解釈すればいいのでしょうか…
この余韻、みなさまにもぜひ味わっていただきたい。

 

80年代風のダークなサイバーパンクにこだわった作風は独特。

・リスク管理が重要なスリルあふれる戦闘
・武器・パーツ換装を繰り返して自キャラを強化する育成

も楽しいです。しかし、

・見づらいテキスト・UIデザイン
・テンポの悪い戦闘
・ランダムエンカウントの中、やたら広いマップをノーヒントで歩き回るダルさ

といった仕様により良い部分が台無しになっています。
そのため「惜しい」と感じてしまう。

 

まあなんだかんだで最後までやってしまったのも事実。
魅力はある作品なので、上記の難点を乗り越えて遊べる方は手を出してみると良いかもしれません。

もしゲーム屋で安い中古を見かけたらラッキーですよ。
中古1000円は下らない、場合によっては7000円超えるプレミアゲー。
復刻版と2種類あるようですが、見かけたら迷わず買いましょう。

 

これ系の雰囲気が好きならこちらがおすすめ↓








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