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ボーダーランズ2【評価/レビュー】FPS+ハクスラ→時間が溶ける悪魔的面白さ

投稿日:2019-06-30 更新日:






「FPSとハクスラを組み合わせたゲーム」
といわれてイメージできるでしょうか?

実はこの組み合わせ、悪魔的に面白いんです!

といっても、
「FPSってなんか難しいし、3D酔いするから嫌い」
というイメージをぬぐい切れない方も多いのでは。

そこで、下手ながらも色々なFPSをプレイしてきた私が、あなたのFPSイメージを覆すかもしれないボーダーランズ2の魅力を紹介します。

その魅力は大まかにいうと
・FPS+ハクスラが実現した悪魔的面白さ
・火力ゴリ押しでヒャッハーできる
です。

この2点について説明した後、中盤からのレベル上げがダルくて萎えた話をします。

つまり本作は、時間に余裕があってコツコツとレベル上げを楽しめる方向け。

PS4の「ボーダーランズ ダブルデラックス コレクション」でプレイしました。




FPS+ハクスラ→悪魔的面白さ

終わりなきやり込み

ボーダーランズはFPSにハクスラ※要素を取り入れたゲームです。

「FPS+ハクスラ」の組み合わせにより、終わりなきやり込みが続く悪魔的面白さが味わえます。

 

※ハクスラとは

語源は「hack(切り刻む)&slash(叩き斬る)」

・モンスターを倒して経験値やアイテムを入手
・キャラを強化して、より強力なモンスターを倒す

この繰り返しを楽しむゲームの総称。
育成要素があればなんでもハクスラと呼ばれるので定義は曖昧です。

ハクスラといえば「Diablo(ディアブロ)」が有名なので、Diabloライクと呼ばれたりします。

 

自キャラ・武器・敵にはレベルがあり、敵を倒すと敵レベル相応の武器を落とします。
武器にはレアリティが設定されており、ランダムでレア武器を入手可能。

RPGで敵や宝箱からレア武器をゲットしたら嬉しいですよね。あの喜びがFPSで延々と味わえるわけです。

 

武器の種類・見た目・性能は様々。
どれもカラフルでSFチックで格好いい、収集欲をそそるデザインなのが嬉しいです。

性能はランダム付与なので組み合わせは膨大。
爆発、炎、電撃、毒などの属性があり、敵の弱点に合わせて使うと効果大です。

4種類を同時に装備可能で、持ち物や金庫に複数所持できます。
好みの武器を追求すると終わりがありません。

 

最強ビルドを目指し、敵を倒しては武器を拾い、レベルアップしてはまた次の武器を探し求める。
この繰り返しが延々と続き、際限なく自キャラ(武器)の強化が進みます。

FPSとしては珍しく、攻撃のダメージ値表示つき。
最初は2ケタぐらいだったのが、強くなると6ケタぐらい平気で叩き出すので自分が強くなってるのを実感できます。

メインミッションは20時間でクリア可能。
クリアしたセーブデータのレベルや装備を引き継いで、さらに難度と報酬が上がった2周目、3周目に挑めます。
メイン以外にもサブミッションやDLCが山ほどあり、ボリュームは十分。

 

4人までCOOP(協力プレイ)可能。画面分割プレイも可能。
当然、気の合う仲間がいればソロよりマルチの方が楽しいです。

 

総じて、本作の面白さは悪魔的。

理想のビルドを目指してやり込めば100時間以上は余裕で遊べます。プレイヤーの中には1000時間以上遊んでいる猛者も沢山。

いったんハマると、終わりなきやり込みで時間が溶けて危険。
時間を溶かす覚悟を持ってプレイ開始することをオススメします

 

世界観は一言でいうと「ヒャッハー!」

モヒカン頭やスキンヘッドのアウトローな奴らが、暴行・略奪と好き勝手やってる世紀末な世界。
味方側キャラまで例外なくヒャッハーです。

カートゥーン調のあっさりしたグラフィックのおかげで、洋ゲーっぽいクドさはありません。

 

メリハリあるフィールド

やってることは敵を撃ちまくるだけです。
でもフィールドにメリハリがあるので不思議と飽きません。

だだっ広いオープンワールドではなく、適度にエリアが区切られたメリハリの効いた作りです。

氷河や砂漠、火山に空中都市などロケーションの幅が広く、エリアが変わるたび景色や地形がガラリと変化します。

そのため、サクサクとテンポ良く先に進んでる気分。
「もう少し先へ」「あと5分、あと5分」と探索するうちやめどきを見失う。

休憩のつもりでプレイし始めたのに気がついたら朝チュンで「仕事の作業が全然進まねー」って事態になりました。このゲーム、危険です。

 

特に前半のサクサク感が良いですね。

ゲームの前半は大事です。ゲームは中盤まで遊ばせたら勝ちみたいなもんですから。

前半で投げることはあっても、中盤まで遊んだらそれまでの時間をムダにしたくないから嫌々でも最後までやります(笑

だだっ広いオープンワールドにしなかったのは正解といえます。

 

火力ゴリ押しでヒャッハーできる

FPSが下手でも大丈夫

このゲーム、FPSが下手でも大丈夫です。

というのも、レベル差でダメージ補正がかかるため操作テクよりキャラ育成の方が重要

「火力ゴリ押しでヒャッハー」できる、というよりそうするしかないゲームデザイン。
なので、FPSの上手さが問われることは少ないです。

 

FPSの上手さといえば、

・エイム操作
・立ち回り

大ざっぱにいうとこの2点。

まず、エイム(照準)操作。
オートエイムが強力なので心配無用です。
テキトーにADS(R2)すれば、吸い付くようにエイムが合います。

 

次に、立ち回り。
動き方が下手でも大丈夫。
というのも、立ち回りでどうにかなる場面は少ないから。

敵はどこからともなく湧く。ときには背後からも湧きます。
敵の動きは素早く、やたら射撃精度が高い。ときには浮遊ロボに上から狙い撃たれたり、垂直ミサイルの雨に襲われたり。

いくら走り回っても回避できません。オブジェクトを利用してカバーしても、四方八方を囲まれるわ爆風食らうわでボコボコにされます。

自分は紙防御力なので、なにが起きたのかわからないうちにやられることも多いです。

こんな具合なので、どんなに頑張ってもダメなときはダメ。
立ち回りとかあまり関係ありません。

 

以上のように、重要なのはやはりレベルと火力。
なので私のように「FPSはいつもキルレ0.5なんだよな…」って方も大丈夫。
FPSが苦手な人のために作られたFPSだと思いました。

 

セカンドウィンドで何回でも復帰

やられても諦めるのはまだ早い!
むしろ倒れてからが本番。

体力ゼロで倒れた後、ダウン状態で戦えます。
この間に敵を倒すと「セカンドウィンド」なるシステムで復帰!

消費アイテム無し、回数は無制限、デメリットなし。

ダウン中の体力ゲージは特別で、通常時より耐久力が高い。
粘りが効くため、近くにザコがいれば高確率で復帰できます。

下手に頑張って逃げ回るより、さっさとダウンした方が効率良い場面も多いです。
それほどセカンドウィンドは強力。

 

さらに、復帰失敗してもすぐ近くのリスタートポイントから再開できます。

特筆すべきは「リスタート後、倒した敵&落としたアイテムがそのまま」な点。
どんな厳しいラッシュでも、何度もトライして少しずつ敵を削ればそのうちクリアできます。

リスタートのデメリットはお金を支払うこと。
とはいえ値段は安い。弾薬も補給されるし、リスタートのデメリットはほぼ無い。

ただし、倒してない敵の体力は全回復するのでボスはガチで倒す必要があります。

 

ようするに、ダウン→セカンドウィンドでゾンビのように復帰し、死んでも敵数を削った状態でリスタートできる。

これにより、シビアで繊細な立ち回りを要求するFPSのイメージを覆す、ゴリ押し上等な戦い方ができます。

 

3D酔いに弱くても遊べる

カートゥーン風のフラットなグラフィックのせいか、不思議と3D酔いしません。

私は3D酔いに弱いです。「ホライゾンゼロドーン」は2時間プレイして悶絶。
そんな私も本作は酔いを気にせずプレイできました。

3D酔いに弱い方にもオススメです。

 

ここまでボーダーランズ2の魅力を紹介しました。
ここからは、魅力と表裏一体といえる難点について話します。

 

難点:ソロでは中盤からのレベル上げがダルい

「ボダラン2が面白すぎて仕事が進まない。
道中が作業になりがちなハクスラとFPSの組み合わせがここまで悪魔的面白さだったとは。
同じようなゲームが出ていないのは、ボダランの完成度が高すぎるから?」

などと、中盤までは本作の面白さをアピールするツイートを連日投下しました。

ところがプレイを進めて10時間、中盤を過ぎたあたりでだんだんとテンションが下がってきたのです。

 

ゲームが進むほどレベル上げの手間が増え、サクサク進行感が無くなる。

中盤以降、ストーリーミッションの推奨レベルが段違いに上がっていきます。スムーズに攻略するとレベルが推奨レベルに追いつきません。

そのため、レベル差補正で敵がどんどん硬く、超火力になります。
レベル差が2、3あると敵が硬くて硬くて。爽快感なんて無い。

ハンドガンを1マガジン撃ちつくしてようやくザコ1体倒せるような感じ。

ボス「BUNK-3R」には安全地帯からハンドガン2000発ぐらい撃ち込みました。

空中を飛び回る小型戦闘機「Buzzard」もツラかった。
こちらは限られたチャンスに何十発と撃ち込んでようやく1機倒せるのに、5機が即死級の攻撃を連発。
天井がある場所はわりと安全なので、そこからチマチマと削る作業。ダルいです。

 

さらに、敵の動きもだんだんとウザくなります。

・ローリングしながら引き撃ちする人
・手をクルクル回して足元以外の銃撃を弾くマシン
・どんな攻撃も防ぐバリアを張るマシン。そこに入って攻撃するマシン

などなど。これが実に腹が立つ動き。
しかもレベル差で硬いから、やってられません。

 

攻撃面だけでなく、防御面も厳しいです。

レベル上げ・復帰システム・マルチ前提のバランスなので、敵の攻撃が理不尽
前述した「火力ゴリ押しでヒャッハーできる」「FPSが下手でも大丈夫」の裏返しといえます。

セカンドウィンドで繰り返し復帰が前提なので、回避困難な攻撃の嵐。
前述の通り、立ち回りではどうにもなりません。

ボスの攻撃も回避困難。どう逃げても食らいます。

ボス戦ではザコが無限湧きすることが多い。
コイツらはむしろプレイヤーの味方。セカンドウィンドで復帰するためのエサです。
それぐらい、ボスの攻撃は食らうのが前提。

シールド・体力は全く機能しません。どんなにレベルを上げても紙です。
「初弾で即ダウン→何が起きたかわからないままリスタート」なんてこともしばしば。

何度も倒れながらセカンドウィンドとリスタートでソンビのようにゴリ押すしかない。

 

本作はマルチ(4人協力プレイ)で100%楽しめるゲーム。
マルチ向きのリスタートシステムが、ソロだとダルいです。

誰か1人が生き残っていれば戦闘続行できるマルチと違い、ソロだと復帰失敗で即リスタート。

・リスタート後、戦場まで自力で移動
・到着すると即猛攻を受けてあっという間にやられる
・敵が近くにいない→復帰できない
・リスタート

この繰り返しになり非常にダルい。

特にボス戦ではリスタートがシビアに働きます。

復帰失敗してリスタート後、ボスは全回復。
必死で10分粘って削ったのに、理不尽な攻撃で瞬殺されたり、穴に落ちて即死したりでリスタートになるとそれまでの苦労が水の泡です。

これは精神的ダメージがデカいです。半日は立ち直れません。

 

「そうはいっても、立ち回り次第で戦えるんじゃないの?」
と思われるかもしれません。

確かに頑張ればなんとかなることもあります。
しかし、次ミッションはさらに推奨レベル上がります。そのため、いくら上手くクリアしてもレベル差が広がってジリ貧。
素直にレベル上げをこなして火力でゴリ押す方が、全体通すと効率良い。

 

「じゃあレベル上げすれば良いじゃないか」
って話ですが、これがなかなか上がらないんです。

ザコ狩りやサブミッションを頑張っても全然稼げません。
何時間も単調な稼ぎプレイを強いられます。

このレベル上げ作業はまさにハクスラという感じですが、前半のサクサク感と比べてダルい。
開発側の露骨なバランス調整により、攻略が止まってプレイ時間が伸びます。

サクサク進めたい、時間に余裕が無い方はストレスが溜まるでしょう。

 

あと、敵を倒すと落とす武器。必須レベルが足りないと使えません。
レベル24の時点で必須レベル27の武器を落とされても困ります。レベル3上げるのがどんだけ大変かって話。
せっかく強敵を倒して武器をゲットしても使えないのが悲しいです。

 

総じて、中盤以降はレベル上げ、戦闘の作業感が強くなります。
レベル上げの手間が面倒で萎えました。

戦闘以外の細かいところでは、セリフのカット不可がダルい。しかもセリフが長い。
せっかくサクサク遊べる作りなのに、キャラが喋るたびに待ち時間。
周回前提の作りなのに、周回が嫌になる仕様は不満です。

 

まとめ:

FPSとハクスラ要素は意外なほど相性が良く、時間が溶けていく悪魔的面白さ。

でも中盤以降は作業感が強くなります。

延々と湧き続ける硬い敵と、四方八方から飛んでくる即死級の理不尽攻撃。
これを突破するには、FPSの腕ではなく相応のレベルと武器が必要です。

特にソロプレイだとレベル補正の理不尽さとレベル上げの作業感にウンザリし、1周目ラスト手前で萎えました。

とはいえ、「ハクスラだから作業はつきもの。このレベル上げ作業こそ醍醐味」と割り切ってコツコツ遊べる方はハマるはず。
しばらく他のゲームが遊べなくなる可能性が高いので、中途半端な気持ちで手を出さない方が良いかも。

 

レベル上げ不要で爽快なソロFPSが遊びたい方には「Doom」がオススメ。
趣向を凝らした地形とラッシュで最後までテンポ良く楽しめました。↓


 

テイクツー・インタラクティブ・ジャパン

 






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