もくじ
クラッシュ・バンディクーレーシング ブッとびニトロ!ってどんなゲーム?
クラッシュ・バンディクーレーシング ブッとびニトロ!とは、アクションゲーム「クラッシュバンディクー」を題材にしたレースゲーム「クラッシュ・バンディクーレーシング」のリメイク作品です。
原作発売当時の1999年頃、ソニック、チョコボ、ボンバーマンなど色んなパーティー系レースゲームがありました。
その中で唯一「マリカーを超えたかもしれない」と思ったのが原作です。
原作は最後のノーティドッグ製クラッシュバンディクーです。
「4」以降のクラッシュシリーズは開発元が変わり、発売元はソニーからコナミへ移行。
4、アドバンス1・2、ニトロカートをリリースするも売上は低迷。再び発売元を変えた「5」以降も売上は右下がり。
ノーティードッグの開発力が目立つ結果となりました。
ノーティドッグの開発タイトルは、
・クラッシュ・バンディクー1~3
・ジャック×ダクスター1、2
・アンチャーテッドシリーズ
・The Last of Us
ご覧の通り、超有能。
具体的には以下の要素により、原作はマリカー超えを感じさせてくれました。
・ターボコンボ(後述)の加速感
・「おはなしモード」(後述)の作り込み
箱庭マップのゴージャス感と多彩なやり込み要素により、1人プレイでも満足。
キャラがフルボイスでよく喋り、レース中まで騒がしい。
・コースデザイン
ターボコンボが求められる中、高低差が激しかったり特殊ギミックがあったりでテンポが良い。退屈するヒマが無い。
コースのバリエーションが豊富なのも楽しい。
・クラッシュシリーズのフィーリングがそのまま
跳ね回るような挙動や箱の壊れる感触は、クラッシュバンディクーのイメージそのままです。
ようするに、原作はゲーム史上屈指のパーティー系レースゲームです。
そのリメイクが本作「ブッとびニトロ!」。
グラフィックは2021年水準で見ても完璧な仕上がり。
さらに、
・「ニトロカート」のコース追加
・豊富なキャラ・カートのカスタム追加
でボリュームアップ。
期待を裏切らない良リメイクです。
システム
以下、特徴的なシステムを紹介します。
ターボ・ターバー・ターベスト!
最大の特徴は、3段ターボ「ターボ・ターバー・ターベスト!」。
ドリフト中に溜まるゲージ(画面右下)の良いタイミングで追加入力すると、ターボを3回連続で出せます。
ターボドリフト中もゲージが溜まり、3段ターボ→3段ターボとターボコンボがつながる。
また、コンボ数が増えるほどターボ持続時間が増えます。
ドリフト以外にもターボを使える機会が沢山あります。
・ジャンプターボ
細かい凹凸でも使えるため、ドリフトしにくい狭い道でも凹凸を利用してコンボをつなぐことが可能。
・加速床
・ターボアイテム使用
・スタート、復帰時のロケットスタート
コースに慣れるほど「ここで左にドリフトして、ターボ床を踏みつつ右に流して~」とターボコンボを狙える場所が見えてくる。周回するたびに上達を実感できます。
やり込めばスタートからゴールまでコンボがつながってしまう。
ターボを連続で決め、コンボをつなぐほど加速していく気持ちよさは他のゲームでは味わえません!
アイテム
パーティー系レースゲームでおなじみのアイテムもあります。
コース上のアイテム箱からミサイルやボムなどの攻撃アイテム、設置罠、バリアなどを入手して攻防します。
以下、各種アイテムを紹介します。
・爆弾箱
箱をコース上に設置。接触すると頭に被さり一定時間で爆発。
LR1連打で回避可能だけど、その間はドリフトできないから減速してしまう。
・ニトロ箱
ぶつかると即爆発。
・各種オイル
滑ったり、爆発したり。
・バリア
・ミサイル
前の車を追尾。
・ぶっとびブースター
ターボ。マリカーでいうキノコ。
・おっかけボール
前車に必ず命中。防御不可。
・びりびりウォッチ
自分以外全員のスピード低下。
・アクアク(ウカウカ)
一定時間無敵、速度上昇、悪路無効。マリカーでいうスター。
■リンゴ
集めるほど最高速アップ。最高10個。
さらに、以下のメリットがあります。
・入手アイテム変化
(爆弾箱→ニトロ箱、つるつるオイル→あめふりオイル)
・アイテム性能強化
(ミサイルは弾速・誘導性能アップ。追っかけボールは前全車攻撃に)
実際のところ、ターボコンボで大きな差がつくためアイテムの効果は薄め。
腕を上げて、さっさと前に出て独走するのが勝ち筋です。
「おはなしモード」
原作といえば、やり込み要素満載な1人用「おはなしモード」。
複数エリアに別れた箱庭マップを移動してコースに入ります。
これも忠実リメイク。
箱庭マップまで美しくリメイクされており感動しました。
■おはなしモードのあらすじ
地球ではカートレースが大流行していた。
そこにやってきた宇宙最速の称号を持つ宇宙人「エヌ・オキサイド」。
さまざまな星でレース勝負をして負けた星の文明を滅ぼしてきたオキサイドは、「自分が勝ったら地球の表面をすべて舗装して乗り物コレクションの駐車場にし、地球の人々を全員奴隷にして一生車磨きさせる」と宣言。
地球の命運をかけたレース対決が始まる!
エリア内の全コースをクリアすると1対1のボス戦へ。
ボスを倒すと次のエリアが解放されます。
クリア後も走りの追及は終わりません。
真エンディングを目指し、新たな趣向で走り込みます。
■真エンディングの条件
・タイムトロフィー18個 :通常コース16+特別コース2
・CBRメダル20個
・カラーダイヤ5個 :4つのコースを走って総合得点を競う
タイムトライアルはただ速く走れば良いわけではなく、コースのいたるところに設置されたタイム短縮箱を壊して時間を止めます。
壊した箱は再出現しないので、1周ごとにラインを変える必要あり。
一見ムチャな場所やショートカット上にもあるため、やり込むうち嫌でもコースの理解が深まります。
CBRメダルは、コース中の「C、B、R」3文字を全回収&1位ゴールで入手。
CBRどれも通常ラインから離れた場所にある上、取った上で1位が条件なので大変です。
CBRメダルを集めると、次はカラーダイヤコースに挑めます。
これら全てを達成し、真エンディングまでやり込むと大ボリューム。
本家クラッシュバンディクーシリーズと同じく、やり込み要素で長く楽しめる作りです。
難点
ここまで語ってきたように良リメイク。
リメイクの出来自体に不満はありません。
ただ、出来の良さすら吹っ飛ぶ難点があります。
ちょうど良い難易度が無い
原作から難易度バランスが悪化。
難易度「やさしい」追加の一方、「ふつう」が難しくなりました。
「ふつう」は難しすぎ、「やさしい」は簡単すぎ。
ちょうどいい中間が無い。
「ふつう」でゲーム開始すると、1コース目から1ミスも許されないシビアなレースを強いられます。
「ターボとコースギミックを活用しつつ良い感じに走れた!」と思ってゴールしたら3位。1位を見れば3秒差で独走しており愕然とします。
CPUは速い上にアイテムの使い方がいやらしい。
設置系の配置が絶妙だったり、すれ違いざまにボムやオイルを当ててきたり、避けようが無いミサイルを連発したり。
シビアなレースの中、一発食らうと致命傷な運ゲー感があります。
前車にアイテムを当てて脱落させても後の車が上がってくるだけでほぼ無意味な不公平感もあり。
まあ何度も走り込めばそのうち勝てます。
ただ、何回やっても勝てず悶絶するコースがいくつかありました。
ピンストライプはマジでふざけんな。(1回目)
難しいコースでスムーズに走るのが困難。
そんな中、相手は何で加速しているのか謎なスピードで突っ走る。
頑張って差を広げても1ミスであっさり追い抜かれ、一度後ろに下がってしまうと無限速射ボムにより自分だけ障害物競走と化します。
スターロードみたいな狭い道幅で、キャラ2体分の判定があるボムを速射されるのでどうしようもない。
攻撃しようにもミサイルは速射ボムでガード、設置系は完全回避。
ジャンプ台からの青ターボ維持で先行逃げ切り以外、勝ち目が無いです。
1周目で前に出られなければリトライ、の繰り返し。
難易度を変更できるのは「おはなしモード」開始時のみ。途中変更不可。
「ここキツいなぁ~」と思ってもやり続けるしかない。
リトライを1時間でも2時間でもやり続けるしかない。
嫌なら最初からやるしかない。
だからこそ、ピンストライプはマジでふざけんな。(2回目)
エヌ・オキサイドもこんなに猛攻撃だったか?
パーティー系レースゲームは気軽に手を出す人が多いと思うんです。
それなりに3段ターボを使った上で、2~3回リトライで勝てる。そんな感じで遊びたい。20~30回リトライは嫌です。
難易度「ふつう」は難しくて窮屈に感じてしまい、出来の良さを味わう余裕が無い。
「かんたん」は簡単すぎて出来の〃。
ちょうどいい難易度が無いのは難点です。
トップ独走
1位が独走しやすい傾向も難易度アップに拍車をかけています。
1周目で前に出れなければさっさとリトライした方が良い場合が多い。
先頭に届く攻撃アイテムが無い。加速系アイテムは効果が薄い。
CPUは箱やオイルなど設置系にやたらと強く、罠で潰すのもムリ。
潰すどころか、1周目に自分で置いた設置系がたいてい3周目まで残るので自分が不利になります。
1位は手を抜かずノーミスで突っ走り、後ろでもつれた集団はミサイルやボムで潰し合いになって差が開く一方。
頑張って2位に上がっても、もはや1位がアイテムで狙える距離にいなくて延々に差が縮まらない。
もちろん、大差を覆す腕があるなら追いつけます。
ただ、腕があるなら最初から前に出てるって話。
1位独走の傾向はオンラインも同様です。
フルコンボが当たり前なプレイヤーが集まれば、何やかんやで集団から抜けた人がフルコンボで走り切って終了。後ろはノーチャンス。
このように、一回前に出られると追いつけない。
パーティー系レースゲームでおなじみの、大逆転の醍醐味が薄いです。
まとめ:名作の良リメイクだが…
名作の良リメイク。
当然、傑作です。
原作と同じく、1人用モードの充実ぶりが素晴らしい。
やり込み要素により、バリエーション豊かなコースを様々な趣向で走り込めます。対戦相手がいなくても満足。
ただ、リメイクで悪化した難易度バランスに難あり。
「ふつう」が普通じゃない。原作より極端になった、1ミス=リトライのシビアさがプレイヤーの幅を狭めすぎです。
ピンストライプはマジでふざけんな。(3回目)
「俺こそ最速だぜ!」とやる気のあった10代の私は原作が楽しかったし、本作も楽しめたでしょう。
でも30半ばを過ぎ、テキトーにゲームを遊びたい今の私は疲れました。
せめて難易度を途中変更可能にしてほしかった…
出来の良さは間違いないので、腰を据えて走り込む気のある方にオススメ。
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